水幅が狭い金インキ印刷時の注意点(316)

掲載日:2014年9月14日

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報:パイリング・紙むけ・ヒッキー

 

水幅が狭い金インキ印刷時の注意点(316)

【概要】
 金や蛍光などを印刷すると濃度が出ないため、インキを盛るとインキが余り、汚れます。そこで、水を上げるのですが、今度は水上りをしてしまうので困っています。金・銀・蛍光を印刷する時の注意点を教えて下さい。また、なぜそのようなことが起こるのですか。

 【解決方法】
 金インキは顔料に真鍮の粉末を用いています。インキの比重は銀インキ(アルミ粉末)よりも重くなりますので、インキローラー上のインキの流れ(フロー)が悪くなります。そのため、ツボより多くの金インキを出しても絵柄は濃くなりません。レジューサーを5%程度入れてインキの流れを良くすることと、水巾を増やすことが大切です。
ただし、腰切りコンパウンドは絶対に入れないでください。蛍光インキは顔料に尿素やメラミンなどの樹脂に蛍光性の染料を溶かし込んだ染料のため、溶剤や湿し水に耐性が低い難点があります。耐光性も弱いです。
 注意点として、一般インキと混ぜると効果が下がります。ドライヤーを入れると変色し易いので注意してください。下刷りに同色の色を印刷すると濃度感が得られ耐光性も増します。金インキ・蛍光インキ共に刷りずらいインキです。水上がり量は少なめにすることが大切です。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)