予備紙の準備(071)

掲載日:2014年9月14日

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報:パイリング・紙むけ・ヒッキー

 

予備紙の準備(071)

【概要】
 限られた予備紙の中で,色出しは可能ですか?

 【解決方法】
 総印刷枚数が何枚の時の予備数が不明ですが,10,000~20,000枚に対し,予備数は500枚が妥当です。
 基本的には,ヤレ紙よりも予備紙を使って色合せをした方が,単時間で完了します。
それは,次の理由によります。
 (1)ヤレ紙を通しても,ローラ上のインキの流れがそう変化ない。
これは,インキ転移が悪いからです。白紙ならば転移量が多く短時間で,原稿の色調に近づきます。
 (2)水の調整が決らない。
インキの量に対し,水の量を決定していくので,ヤレ紙を通している間(1)の理由により,本紙になってからも調整を要すのでなかなか水が安定しなません。
 (3)ブランケットにヤレ紙のパウダー等が付着し,色決定までにいろいろな要素がそれを疎外してしまう。
その他,同時に見当合せも行っていくので,刷版,製版での正確な版へのイメージ焼付けも必要となってきます。
このように,印刷のセクションだけで簡単には解決出来ない要素も含まれているので,全社的取り組みをお勧めします。これにより生産性品質が一段とアップするでしょう。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)