組織が変わる!職場の好循環に欠かせないこと

掲載日:2016年4月22日

人が育ち、自発的な行動を促し、企業にとって良い成果を上げるには、組織の好循環が欠かせない。印刷後継者・経営幹部ゼミナールの講演を紹介する。

2016年5月13日(金)から「印刷後継者・経営幹部ゼミナール」を開講する。
2015年度の本講座より「経営者のためのリーダーシップ術」(story I代表 猪俣恭子講師)を紹介する。

まずは「関係の質」に手をつける

リーダーになった時に最初に手をつけるべきは、お互いの「関係の質」を高めることだという。
その答えはMITのダニエル・キム教授「組織の循環モデル」に見ることができる。

結果の質をまず求めると

1 関係の質が悪化(命令された。面白くないと感じる)
2 思考の質が悪化(受け身。自分で考えなくなる)
3 行動の質が悪化(自発的に行動しなくなる)
4 結果の質が悪化(成果が上がらない)
という悪循環をたどる。

その一方で

関係の質を上げると

1 関係の質が上がる(お互いに尊重し一緒に考える)
2 思考の質が上がる(気づきがあるから面白い)
3 行動の質が上がる(自分で考え、自発的に行動する)
4 結果の質が上がる(成果が得られる)

「関係の質」を良くするために効果的なこと

リーダーは「関係の質」を上げるために何をすればいいのか?

(1)「安心感」をつくる

一緒にいることで「安心感」を感じてもらうこと。そうすることで、部下からの「報連相」が増える。
「安心感」につながる行動としては、「部下のありのままを受け入れ、共感する」「部下の話をさえぎらず、最後まで聞くこと」「自分にとって耳の痛い話でも感情的にならずに聞く」「口がかたい」などだ。

(2)「自信」を育む

部下に関心を持ち、理解することだ。人は誰でも、「自分はチームの中で役に立つ存在だ」「一員として認めてほしい」という願望を持っている。その願望に気づき、受け入れ、気づいていることを言葉に出して、部下に伝えることが重要だ。

「ありがとうって思ってるけど、口に出さなくても分かるだろう」ではダメなのだ。

「自信」を育むにつながる行動としては、「取り組みをねぎらい、成果を認める」「約束を守る」「相手のために時間をつくる」「相手なりの考え方や仕事に仕方を理解し、決して否定しない」などだ。

ただし、第一段階の「安心感」をもてない相手から、関心を持たれると、かえって不安や不信を感じるので注意したい。

(3)「行動」を促す

これは難しい。まず前提条件として、第一段階「安心感」と第二段階「自信」がクリアできているリーダーこそチャレンジできる。

「(部下に)期待をしているよ」と伝え、「あなただからこそ、この仕事を任せたい」とリクエストすることだ。自分を理解し、信じてくれるリーダーがいるから、部下は行動することができる。

「安心感」を持てない人から「期待」されてもプレッシャーに感じるだけだ。

第一段階はクリアしているが第二段階を築けていない人、言いかえると、「部下から話しかければ相談ごとを聞くけど、ホントのところ、部下に関心がない」人が「行動」を促そうとすると逆効果だ。
「現場のことを分かっていなくて、自分に都合のいいことを話す人」と部下は受け取るだろう。

人が育ち、自発的な行動を促し、企業にとって良い成果を上げるには、組織の好循環が欠かせない。だからこそ、「関係の質」を上げることが大事なのだ。
とココまで「リーダー」に必要なことを書いてきたが、「関係の質」をよくする努力は部下にとっても必要だ。経営者と社員のベクトルが同じ方向を向き、お互いに「関係の質」を高める意識を持ち続けたい。

CS部 小須田 紀子

関連情報

2016年5月13日(金)開講
印刷後継者・経営幹部ゼミナール
http://www.jagat.or.jp/archives/19231