欧州の印刷通販事情

掲載日:2016年11月30日

欧州で生まれたフライヤーアラーム等の印刷通販は、大成功を収め、欧州印刷ビジネスの一翼を担うまでに成長している。

印刷で長い歴史のある欧州、それも最も古いドイツで生まれた印刷通販ビジネスは、印刷業の原点に戻り、無駄を徹底的に排除して、ギャンギング等の技術を最大限活用し印刷コストを極限まで落とすことで実現したビジネスと言える。

無駄を切り詰めることの第一は営業コストであり、Web to Printで営業マンによる御用聞き体制を脱却し、多国語対応により欧州全体から広く仕事を集め、MISや自動ギャンギング等の自動化と併せて省力化を徹底的に図っていると言える。

その他、JDFをフル活用してプライベートタグ等を自社開発することで、トンボ(断ちトンボ)まで排除して、印刷有効スペースを広げようとまでしていたりと、今までの既存概念では全く考えられなかったアイディアで勝負している。また、印刷通販躍進の背景にはFOGRA等の標準印刷規格があるのはいうまでもないことだ。

そんな風に印刷通販事情について、私をはじめとしたJAGATスタッフは説明するのだが、最近はついに印刷業界の重鎮の方々まで印刷通販ビジネスに触れるようになってきた。その中でも個性派の五百旗頭忠男氏は、最近ドイツに行かれ、印刷通販の雄であるユナイテッドプリントを視察された。

個人的に氏の発言には、昔から注目していたのだが、印刷通販に対する見方は、いつにも増して独特な見地から評価していると思う。私のような若造が、「ギャンギングの自動化」「MISとのリンク」「IT技術の活用」を語るのではなく、「重鎮が印刷通販をどう評価するのか?」「どのようなポイントを真似すべきなのか?」と言っているのか?等、非常に興味深いところだ。

そのようなことを背景にして、年末恒例の印刷機材の有馬記念ともいうべき「トピック技術セミナー」の基調講演に五百旗頭氏を招いて、欧州の印刷通販事情について五百旗頭節をたっぷり語っていただくことにした。

有馬記念で今年一年の印刷を振り返り、未来の印刷ビジネスを考えるには、格好の機会だと思う。是非ご参加いただきたい。

(JAGAT専務理事 郡司秀明)

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