第35期 印刷後継者・経営幹部ゼミナール カリキュラム

掲載日:2018年5月18日
  カリキュラム
人材活性化

経営者のためのリーダーシップ術

株式会社story I 代表 猪俣恭子
リーダーのあり方が大きく変わってきている。「リーダーとしてのコミュニケーション」のいかんによって、会社の業績や生産性にも大きく影響を与える。
本講座では、これまでのリーダーシップにありがちだった「管理して、支持するマネージメント」ではなく、「部下が自ら考え、意欲と行動を引きだす」、コーチングを基礎としたリーダーシップ術を、ワークショップ形式で学ぶ。
1. 「指示命令」ではなく、「やる気」を引き出すマネジメント術
2. 「弱みの克服」ではなく「強み」を活かす考え方
3. 「すること」ではなく「ビジョン」を語る

経営理念

経営理念を軸とした経営実践

株式会社アサプリホールディングス 代表取締役社長 松岡祐司
会社経営で最も重要なものは経営理念である。
「何のために働くのか?」常に「働く目的と経営理念」を全社員で共有することで、各社・各部門・各自までが一丸となって、経営方針のもと目標を達成することができる。印刷需要の減少が続く中、他社との差別化を行い利益を出せなければ、会社は存続できず、全社員の幸せを守れない。「見える化による経営管理」「経営理念の共有」「M&A戦略やIT活用戦略の差別化によるマーケットの拡大」を行うなかで得た実践事例をお話しする。

動向分析

社会変革と印刷業の問題・課題

(公社)日本印刷技術協会 研究調査部部長 シニア・リサーチャー 藤井建人
成熟化、高度情報化、老齢化する日本社会における印刷業の現状を分析する。
①印刷産業、②印刷市場、③印刷メディア、④印刷経営の4つの視点から振り返り、印刷ビジネスの最新トレンドを把握する。後半は、2017年の印刷ビジネスを考える。経済予測・印刷関連トピック・印刷経営者予想・生活者のライフスタイル変化など、印刷ビジネスを取り巻く各種与件を整理し、市場規模予想を提示する。

経営戦略

経営方針・ビジョン、自社ブランド策定演習について

株式会社イズアソシエイツ 代表取締役 岩本俊幸
ブランディング、およびマーケティング・営業・販売促進の意味と関連性を理解し、実務で活用するためのブランディングのベースを構築(ブランド・ステートメントの作成)。各社の企業理念、ビジョンの実現を目指しながら、自社の強み、競合優位性、顧客のニーズなどを顕在化する。途中、進捗確認と内容のフィードバックの場を設け、最終日にはブラッシュアップしたブランド・ステートメントを各社より発表していただく。

工場管理

4S活動と改善事例の紹介、工場見学

水上印刷株式会社 取締役生産本部長 松崎良樹
『きれいな工場でしか良い印刷物は作れない』をモットーに4S活動に取り組んでいる。QCDに加えてF(柔軟性)が必要であり、QCDに対しても、それ以上に対しても柔軟性を持って取り組んでいる。
不良撲滅のステップは①不良を流さない②不良を作らない③不良を作れない3つのステップである。
多能工化を生かすためジョブローテーションを組み、社内独自の機長認定制度を設けているなどの活動内容も紹介する。
1. 4S活動  2. 機械設備の保全  3.品質管理、不良削減の取組み  4.多能工化の推進

経営法務

経営法務とコンプライアンス

凸版印刷株式会社 法務本部 知的財産部 部長 澤竹正光
印刷業が情報産業として成長するために欠かせない、コンプライアンスの確立、営業活動における著作権問題、契約等の戦術的展開について学ぶ。
1. コンプライアンス経営の重要性
2. 情報管理の重要性(個人情報の管理 インサイダー取引違反の防止)
3. 独占禁止法、印刷と知的財産権
4. 印刷取引と契約(契約書の重要性、印刷データは誰のものか)
5. 印刷経営とかバナンス

経営戦略

経営革新のための戦略立案と実践

株式会社シー・レップ 代表取締役 北田浩之
成熟した産業において、その商品力が衰えているなと感じた時、何を価値として提供できればお客様が発注したくなる要因となるか。経営者が真剣に考えなければならない。
既存のビジネスがうまくいかない。新しい何かを始めたい思いはある。しかし、何かを始めたからうまくいくわけではないし、うまくいく何かがあるわけでもない。だから何もしないではなく何かを始めよう。そして、始めた何かがうまくいくように試行錯誤を繰り返すことが次の何かにつながる。1990年の企業から今に至るまで、変化する外部環境にいかに対応してきたのか?また独自の社内制度や組織づくりなどのマネジメントの実践例を紹介する。

工場管理

工場管理のポイント

株式会社サンエー印刷 常務執行役員 研究開発部 吉川昭二
印刷会社は「製造業」であるということが近年希薄になってきている。利益がたくさん出た昔は「工場は別に遊んでもいてもいい」というような風潮があり、また自社ですべての受注品目が生産できるわけでもないからというDNAがあること。そして印刷機器が成熟化しどこの現場も同じような設備となり、技術や経験での差が出にくいと思い込んでいるからだろう。しかし受注品で利益が出ない現在、現場での利益総出こそ残された源泉であるとともに、工場でのミス・ロスは大きな利益損出に直結している。改善活動を根付かせ、技術や生産性を上げる現場力向上のために何をすべきか、また現在の向上を取巻く環境にどう対応するかが経営の大きな問題である。幅広い課題をまとめ、平易にポイントを解説していきたい。

経営管理

見える化による原価管理の運用ポイント、自社原価産出演習

JAGAT 研究調査部 花房賢
激しい価格戦争が続くなか、利益を確保するためには、自社の原価および生産性をより正確に把握するとともに、より精度の高い管理を実施することが求められている。
本講座では、社内製造原価の算出方法とそれを用いた原価管理の手法、そして問題点の発見、解決をするための運用ポイントを理解していただく。
「印刷会社の収益構造と見える化」「部門別、設備別時間当たりコストの算出方法」「原価管理の仕組み」「受注一品別収支把握に向けて」など先行企業の事例を紹介しながら解説する。

経営管理

徹底した見える化(数値化)による経営管理

大東印刷工業株式会社 代表取締役社長 佐竹一郎
厳しい受注環境がつづくなか収益性重視の経営を志向する企業が増えている。
印刷業に限らず緻密なコスト管理の手法として注目されているのが「見える化」である。受注一品単位、あるいは部門単位での収支をつまびらかにし、そこを出発点にしてPDCAの改善サイクルをまわしていくことが重要だ。
実際原価を用いたコスト管理でリアルタイムに製造原価が計算され、受注一品単位のその時点の収支情報が全社で共有する「経営情報の見える化」と「利益重視に転換した背景」への取り組みを豊富な実践例を交えながら学ぶ。

営業戦略

営業戦略の策定

株式会社ビジネスコミュニケーション研究所 代表取締役 田中信一
印刷業における現状と課題を把握し、営業戦略策定に向けセオリーと戦略分析手法を理解する。「印刷業営業戦略の現状と課題」「経営計画における営業戦略の必然性」「営業戦略の定石(セオリー)を理解」を講義したうえで、自社の戦略を分析できる視点をもっていただく。

営業戦略 

顧客戦略の進め方

株式会社ビジネスコミュニケーション研究所 代表取締役 田中信一
顧客獲得、維持拡大のためにどのような営業をすべきか?
本講座では既存顧客の深耕営業における重点ポイント、重要顧客別の年間行動計画づくりとフォロー、新規市場・新規顧客開拓営業の進め方を確認し、営業力強化の仕組みづくりを理解する。

営業戦略 

競争優位の創り方

株式会社ビジネスコミュニケーション研究所 代表取締役 田中信一
ソリューション営業展開の仕組みづくりとして、①自社の売り物(ソリューション商品)の発見と整備、②設計と営業手順を講義。得意先ABC分析として、①顧客タイプに合わせた組織営業基本モデル、②組織営業展開の営業資源(担当役割)配分と個人営業力の強化計画を話す。

マーケティングと経営戦略

ダイレクトマーケティングと印刷業の経営戦略

知識融合化法認定法人 フュージョン株式会社 代表取締役会長 花井秀勝
インターネットの進展と規制緩和・法改正によって、印刷ビジネスは新たな局面を迎えている。
ビッグデータ・クライアントデータの分析・解析・コンサルティング・運用、Web・ソーシャルメディアのクリエイティブ・製作、DMなどの印刷・封入封緘・保管発送など、取り組むべきビジネス範囲が格段に拡がっている。これらのビジネスで競争に勝ち残るには経営基盤の確立と社員教育の充実が不可欠である。
1. マーケティング視点で思考する戦略
2. 規制緩和・法改正による新たなる市場創出と対策
3. 人財の採用と育成と研修-社内組織と協業体制

事業開発

印刷会社の“新ビジネス”開発

株式会社バリューマシーンインターナショナル 代表取締役社長 河島弘司
「新たな顧客を創造する」。次世代リーダーに求められる最重要課題と言っていいだろう。
「印刷」という“手段のみ”を売っていれば、顧客の比較判断基準は“価格のみ”となる。
自社の技術を安売りすることなく“新たな価値”を伝えるためにの「独自メッセージ」の設計から、選ばれ続けるための「ファンづくり」の実践手順を事例をヒントに学んでいただく。
経営幹部、営業、製造現場、各部門が保有する「隠れた強み」を引き出し、「新ビジネス」を開発していく醍醐味をお伝えしたい。

経営戦略

製本・後加工、未来への視点

加藤製本株式会社 代表取締役 加藤隆之
会社の売上は何もしないと15~20%減少し、優良企業が3年後も安泰とはいえない現代、経営者は企業家ではなく起業家として経営革新を続けていかなければならない。本講座はジャーナリストとしても活動している講師がこれまで出会った国内外の200人以上に及ぶ一流の、起業家、経営者、コンサルタント、経営学者などから得た知見の中から、本当の経営に役立つ手法を厳選し、自ら事業を承継した製本・後加工の話も交えてお伝えする。

財務分析

財務諸表の見方と管理会計を理解する

株式会社GIMS シニアコンサルタント 寶積昌彦
会計に関する基本的な考え方を、印刷業に特有な勘定科目を中心に解説。原価慶安は、損益分岐点分析を中心に、総合原価計算、個別原価計算の考え方と概要について講義していく。
企業の財務諸表の見方、ツボを押さえた上で、管理会計の必要性を解説。

人材活性化

社員が輝く人材育成

株式会社マルワ 代表取締役社長 鳥原久資
「安く効率よりたくさん作る」今まで価値あるものとされた経済活動が、人口減少によって通用しなくなり、これからは「わけあり消費」 つまり「あなたから買いたい」が消費のキーワードとなる。それを作り出すのは”人”、企業でいえば社員である。
企業がいかに「やりがい」を社員に提供できるか、また社員がいかに「主体的」に行動できるかが大切な要素となる。キーワードは「絆」。社員が主体的に動く仕組み作りについて、自らの教育現場の経験を活かした実践事例を紹介する。
経営者に必要なコミュニケーションの極意もお話するので、ぜひ実践いただきたい。

技術動向

最新技術動向から見たこれからの印刷経営

(公社)日本印刷技術協会 専務理事 郡司秀明
経営者にとって細かい技術ノウハウは必要ないが、最新のITや動画、SNS、HDR、デジタル印刷の技術について「なぜ必要なのか?」「どういうビジネスに発展する可能性があるのか?」「印刷業の未来を踏まえて」などの見地から解説する。
IT時代に成功した経営者の共通点として、技術を社員に任せきりにせず、自分から理解して変革しようという姿勢が挙げられる。その一助になることを目的とした講座である。