知識×実践で営業プロセスを体験する

掲載日:2019年6月18日

これからの印刷会社の新人営業の育成に求められているのは、印刷物の製作知識に加えて、顧客の販促支援や課題解決に向けた商品やサービスを自ら考えていくことである。

印刷営業未経験者の早期育成を目指す短期集中講座「印刷営業20日間ゼミ」が、5月13日~6月7日の期間で開催した。

営業として、顧客の多様なニーズに応えられるようになるためには、印刷物の提供だけでなく、印刷+αの視点から、新しいビジネスの可能性を掘り起こしていくことが求められる。基礎的な印刷関連知識を学んだ上で、それらを実際の営業プロセスに落とし込みながら、企画力や提案力を養っていくことが必要だ。早期戦力化には、複雑な印刷物製作工程や営業スキルを、一方向からの座学だけでなく、学んだ内容をすぐに形にしてアウトプットすることが理解の促進に役立つ。

■実践を通して営業プロセスを学ぶ
20日間ゼミでは、今年度から新たに、知識習得と並行して具体的な課題案件に取り組むワークが加わった。地元の店舗を顧客として、実際に「ヒアリング」「プランニング」「提案書の作成」「販促ツールの作成」「プレゼンテーション」の各営業プロセスを、段階別に体験する。学習した知識を実践に活かすことで、応用力を高め、自ら考え、解決する力を育む。

 

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参加者6名は2グループに分れ、ヒアリングの内容をもとに課題の洗い出しとプロモーションの方向性を話し合い、「お客様の要望に応えるために、何が出来るのか」を考えながら、企画の骨組みを作り上げてゆく。コンセプトが固まるまでには、何度もディスカッションが重ねられ、自分たちで制作した販促用チラシを印刷実習の現場で自ら印刷し、仕上がりを確認する。最後はクライアント同席でプレゼンを実施した。

終了後に、参加者の方からさまざまな感想をいただいた。
「これからの印刷業界では、マーケティングの知識が必要だと分かっていたが、理解するには難しさを感じていた。この講座では実店舗を使い、順序立てて学習できたので、とても分かりやすかった。」
「企画から提案、販促ツールの作り方まで、体系的に習得できたのが良かった。ひと通り学んだことは、実践ですぐに役立つ内容だった。」
「約1ケ月という時間をかけて取り組んだので、最終日のプレゼンの達成感はひとしおだった。」
「進行の過程で、形になるまでは大変だったが、グループで他人と意見交換を通して、協力しながら進められたのが良かった。」

今回の実践ワークでは、途中で企画の目的や方向性を見直すなど、形にするまでには試行錯誤が繰り返されたが、20日間という一定のタームで、段階的に取り組んだからこそ、可能だった面がある。また、短期間ではなかなか身につかない営業プロセスを実際に体験しながら学んだことは、業務への理解を深めることにつながったのではないだろうか。

20日間ゼミは、印刷営業未経験者対象ということもあり、以前は新卒の営業職が多かったが、最近は中途入社の方や、営業以外の職種で総合的に知識の習得を目指す方など、年齢やキャリアも幅広い層に変化しつつある。20日間ゼミのカリキュラムは新人営業職だけでなく、中途入社や後継者の方など、様々なバックグラウンドを持ちながら、印刷関連の基礎を強化したいと望むすべての人々に開かれている。

この一ヶ月を完走したひとりひとりが、今後現場での実践を通し、学んだ知識や経験への理解を深め、仕事において活かしていっていただきたい。