「印刷ビジネス開発実践講座2020」オンライン開催報告

掲載日:2020年12月11日

昨今、新商品の開発や既存サービスの見直しを行い、売上げを確保しようとする企業が増えている。しかし、通常業務に加え、新商品・サービス開発を進めていくことは容易ではない。JAGATではそのサポートのために、実際の案件に基づきビジネス開発を構築する「印刷ビジネス開発実践講座」を実施している。 

 

今回の「印刷ビジネス開発実践講座」は、2020年、10~12月にかけてオンラインで開催した。この講座は、全6回を通じて印刷ビジネスの開発手法のノウハウを学び、受講者同士で意見を交わしながら、講師からのアドバイスを受けて実際のビジネス案件を構築していく講座だ。
参加した7社14名は、講座の中で自社のビジネスの強みや弱みなどを洗い出し、今後を見据え、既存サービスの見直しや新商品・サービスの開発のコンセプト案まで作成した。

 

■ 新商品・サービスの開発の必要性

中小企業基盤整備機構が行った「新型コロナウイルス感染症の中小・小規模企業影響調査」によると、現在の事業活動の対策状況として4月から7月の3か月で「既存商品・サービスの提供方法見直し」が4.1ポイント、「新たな商品・サービスの開発」が4.0ポイント増えている。今後の対策としては、「既存商品・サービスの提供方法見直し」では6.6ポイント、「新たな商品・サービスの開発」では5.6ポイント増えている。


コロナ禍による景気の低迷や、顧客の生活パターンやニーズの変化に伴い、収益確保のために新商品・サービスの立ち上げを重要視し、他会社との差別化や新しいビジネスモデルの構築を図っている状況が伺える。

 

■オンライン印刷ビジネス開発実践講座を終えて

今回は、例年とは異なりオンラインでの開催となったため、活発な意見のぶつけ合いや講座の進捗などさまざまな懸念はあったが、ペアやグループでの意見交換もスムーズに行うことができ、受講者からも質問やフィードバックなど率先して発言があり、毎回内容の詰まった講座となった。そして、講座を通し、自社に正面から向き合うことで、新たな発見と気づきを得て、新商品・サービスの開発の取り組むノウハウを学んだ。

受講修了後のアンケートによると、半数以上がオンラインのメリットである「移動時間がないので、受講時間の間際まで通常に仕事ができ良かった」と答えている。
また、ほぼ全員が「グループワークなどで他受講者との交流もでき、他社の取り組みを知ることができた」と回答していることから、双方向のコミュニケーションも問題なく、受講者同士の距離が縮まったといえる。しかし、「もう少し受講者同士の交流が欲しかった」という意見もあり、会場での受講前後の時間や休憩時間といった束の間の会話の大切さを感じた。今後の課題とし、オンラインセミナーを開催するにあたり、講義以外でのコミュニケーションの取り方を考慮していく必要がある。

講座を終え、他社の取り組みや悩みを知ることで、視野を広げることができ、自社のみで進めていると気づかないことを知り、新商品・サービスの開発のヒントを得るきっかけとなったのではないだろうか。今回の講座で学んだことを社内で共有し、引き続き、新商品・サービスの開発をすすめていただきたい。

JAGAT CS部 加治 寛子

 

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