第23期クロスメディアエキスパート認証試験に向けた埼玉県印刷工業組合の取り組みをレポートする。 続きを読む
投稿者「丹羽朋子」のアーカイブ
【有資格者寄稿】多角的視点で動向を捉える人材がビジネスチャンスをつかむ
エキスパート資格制度活用は人材育成の「はじめの一歩」。有資格者の声をお届けします。 続きを読む
映像とクロスメディアビジネスには 必須の内容が盛り込まれている
クロスメディアエキスパート認証試験合格者に聞く
株式会社パレイド真辺 庄帝氏 代表取締役
株式会社パレイドは映像を中心に、グラフィック・ウェブ・アプリ開発などクロスメディアビジネスに取り組むクリエイティブエージェンシーである。以前、印刷会社にてクロスメディア事業を率いていた真辺庄帝氏が独立し、2015年2月に設立された。クロスメディアエキスパート(以下、CME)資格を取得したことで現在のビジネスにどのように役立っているのかを真辺氏に聞いた。
CME試験を受験したきっかけをお聞かせください。
真辺 以前、印刷会社にアートディレクターとして在籍していましたが、独立してデジタルコンテンツを軸としたクロスメディア事業を立ち上げたい、と当時の社長に相談しました。「それなら、社内ベンチャーのような形ではどうか」ということになりました。そこで、クロスメディア事業部という名前で組織を立ち上げることになりました。
5 月頃から構想を開始し、10 月から事業部をスタートするとなった時、社長から「クロスメディア事業を立ち上げるのだから、CME の資格を持っていると格好が付くだろう」と言われました。
既に試験日が間近になっていましたので、まず、JAGAT のテキストの過去問題を確認しました。学科問題については弱点を把握することができましたので、そこを集中的に勉強することができました。分らなかったところは、改めて言葉の意味から調べ、関連用語も含めてエクセルの表に書き込むという方法で勉強しました。当時は、ネットワーク系やマーケティング理論が苦手でしたので、この分野について深く勉強するきっかけになりました。
企画書の書き方は、正直、傾向と対策が分からなかったので、取りあえず与えられた案件に対して自分なりに企画書を作っていくという、今までどおりの仕事のやり方で、何とか合格することができました。
CME 資格取得によって得られたことは何でしょうか?
真辺 SWOT 分析などの基礎的な知識や論理的思考をしっかり勉強する良いきっかけになりました。その結果、お客様に「デザインはこうした方が良いです」とか、「メディアプランニングについてはこうした方が良いです」などと説明する際に、ロジカルに説明する癖がつきました。当時在籍していた印刷会社では、「提案できる会社になろう」という目標を持っており、暇さえあれば企業を研究し、自主提案するということはやっていました。
現在の会社の社員に対しては、どんな教育を考えているのでしょうか?
真辺 「この業界で食べていくのなら、CME の知識は基本になる」と社員にはいつも言っています。資格を取得することでたくさん仕事を受注できるということではなく、持ってないレベルであれば仕事は取れないということです。今の会社には10 人のメンバーがいて、全員がクリエイターです。代表の私ともう一人のデザイナーが、営業を兼任しています。会社としては、CME、またはプロモーショナルマーケターの取得者には、毎月4000 円の資格手当を出して取得を奨励しています。受験費用も支給しています。
クライアントの目的は、イベントやキャンペーンによってセールスの実績を上げたいということに尽きます。どの場所・どの分野のセールスを強化するか、どんな手法でどんな材料を用意するのか。その費用がいくらでどのくらいの効果が見込めるかということを伝えるのが企画書・提案書になります。イベントがあれば、ブースのアイキャッチ用の映像を作りましょう。その映像にナレーションを入れると商談用の映像に使えます。さらには、映像の素材を使ってカタログを作りませんかという、3 つの流れで提案することもできます。イベントが終わった後でも、「その映像は営業用やウェブサイトに流すこともできます」と言えば、コンテンツのマルチユース提案になります。少ない投資でより多くの効果を上げる、つまりROI を上げることができます。そういう考え方ができるのが、CME であり、ビジネスに生きてくるのです。
セールスプロモーションのビジネスをするのであれば、ウェブや印刷、イベントなどあらゆるメディアや手段を活用しなければなりません。営業マンなら特にこういう分野をしっかり勉強すべきです。業界用語や専門用語を知らないのは、受注する以前の問題です。
また、デザイナーにはデザインの意図をきちんと説明すべきだとよく言っています。クライアントに説明するときには、フィーリングではなく、理論武装しなければなりません。例えば「ターゲットが40 代50 代だから、漢字を使ったグラフィックの方が響きます」という言い方が必要です。ターゲットがどこの誰で、5W1H とか、何がゴールなのかを意識することで、デザインも変わってくるのです。そういう考え方が身に着くので、CME はデザイナーにもメリットがあるものなのです。
真辺さんから見たCMEの意義は?
真辺 今、印刷だけで終わるビジネスはほとんどありません。印刷物を作るなら、同時にウェブに展開されることがほとんどです。つまり、印刷の仕事を受ける時、誰かがそれ以外のビジネスを受けているのです。それを受注できるようにするには、何を勉強すべきか。その内容がこの資格にはあると思います。私の会社でも、展示会に出展することがあります。そこで名刺交換して、これといった方々にはDM として紙の資料を送ります。展示会を見に来る人には、他の企業からもたくさんメールや電話が来ているはずです。だから、コストや手間をかけてもDM を送る意味があるのです。DM を送って届いたタイミングを見計らって電話をするわけです。そういうことが人間の心理を考えたセールスプロモーション、メディア戦略なのです。CME で5W1H に相応しいメディアを選択するということを学んでいるので、なぜ紙が大事なのかを理論的に説明できるようになります。
CME の勉強をすると、今まで見えていなかった景色が見えてきます。紙媒体でもウェブや映像ビジネスでも、その周辺にいろいろなビジネスチャンスが秘められていることが見えてきます。だから、ウェブを作っているお客様に対して「こういう紙媒体があると効果が高まります」と提案することができるのです。
JAGATinfo 2016年7月号より転載
【企業インタビュー:あかつき印刷株式会社】組織で取り組む 提案力向上
クロスメディアエキスパート認証試験合格者に聞く
豊留 拓史氏 第一営業部1 課 係長
あかつき印刷株式会社は東京都の千駄ヶ谷に拠点を置く、新聞印刷を中心とした企業である。その他、冊子、グッズ、ポスター、チラシなどの商業印刷、電子文書やホームページ
の作成のような幅広い分野までカバーしている。営業部門の社員教育の一環として、以前から積極的にDTPエキスパート、クロスメディアエキスパート(以下、CME)試験に取り
組んでいる。同社第一営業部部長の村田麻里氏と同一課係長の豊留拓史氏に話を聞いた。
現在、どのような業務を担当していますか。
豊留 入社して以来営業を担当しており、今年で7 年目です。お客様は建設関係の労働組合のお客様がメインで、組合員向けの月刊の機関紙(新聞)や組合員拡大のための広告チラシなどを受注しています。
DTP エキスパート資格を取得していますが、どのような経緯で受験したのですか。
豊留 配属されると、営業部内では1 年目からDTP エキスパート資格を取得することが目標の一つにありました。入社1 年目の3 月には試験を受けることになっていたので、配属されてからは個人でも勉強は続けていました。
村田 社内でDTP エキスパート受験者向けの講習会を開催しています。すでに資格を取得し、更新を続けている社員が講師になって、次回の受験予定者に講義をしています。土曜日1 日を使って、試験までに10〜12回ほど開催しています。そのほか、テキストを用意し、各自で勉強しています。
具体的にはどのように勉強しましたか。
豊留 講義は事例やサンプルを使うなど工夫されており、分かりやすいものでした。さらに、前回のおさらいとして毎回小テストがあるので、各自勉強しないといけないような仕組みになっていました。点数が悪いと周囲の目も気になりますから、これでモチベーションを保つことができました。結果的にDTP エキスパートは1 回の受験で合格できました。営業として日常的に制作現場とのやり取りを行うので、専門的な用語も使うし、知識がなければ対応できません。DTP エキスパートの勉強を通じて、実務的な知識の幅も、深さも格段に進歩しました。
村田 営業部門では、新入社員にDTP エキスパートの教育を行い、2 年目に受験します。名刺にDTP エキスパートという文字があることで、確実に得意先の信頼感はプラスになります。
クロスメディアエキスパート(以下、CME)にも取り組むのはどのような必要性からですか。
村田 経営層の危機感が反映されています。クロスメディア関連の引き合いがあっても、提案力が弱いので受注できないということがありました。他社は資格受験を通じて理論武装し、いろいろな提案を仕掛けてくる。何もしなければ、どんどん遅れてしまうだけです。
CME に挑戦することで、勉強し、知識を得て自信が持てるようにしたかったのです。社内ではCME の講師役がいないため、JAGAT の講師の影山史枝先生に依頼しました。印刷業界の最新情報や関連知識、論述試験対策である提案について徹底的に指導を受けました。講習会を通じて、レベルアップすることができ、合格者を増やすことができました。
CME 試験に挑戦し、取得したことはどのように役立っていますか。
豊留 CME の論述試験、提案書の勉強は非常に役に立ちました。実務では提案書を書いたことがなかったため、初めて教わるようなことばかりでした。学科(選択式)試験は、試験分野の幅も広く最新知識が求められますが、身近なメディアに関することを改めて勉強する機会となりました。講習会を通じて、プレゼンテーションの方法も一から勉強できました。それまでは自己流で対応していましたが、クロスメディアの提案内容を考える際には論理の一貫性や裏付けを明確にすることが重要なのだと学びました。また現状分析やそれを受けて課題を設定するような手法を学ぶことができました。例えば「こういう問題があってこれを解決してほしい」と言われたときに、単にそれを解決するだけではなく、「問題の本質はこういうことではありませんか?」「もっとこうした方が良いのではありませんか?」のような話や提案ができるようになったことが成果です。
村田 ウェブやスマホなどのデジタルメディアの仕事は情報システム部門が中心で、今は規模も小さく、相談を受けてそれに応えるような形でしか機能していません。ただし、ウェブサイトのスマホ対応やレスポンシブ対応を実現するなど、やはり仕事は広がっています。お客様もいろいろと情報を仕入れて「こういうこともできるはず」とお話をいただきます。つまり、現状は、お客様からの要望があって初めて対応はします。そうではなく、こちらから紙媒体とデジタルメディアを連動するとこんな効果が見込めますなどの提案でビジネスに結び付けることが、今後の課題です。CME の試験は、まさにそのための勉強であり、役に立つと思っています。
CME 資格を取得して、何か変わったと感じることはありますか。
豊留 以前であれば、何か相談されても「ちょっと調べておきますね」という具合だったのが、その場で「それは私も注目しており、今勉強しています」のように答えられると、それだけでも「何かあったら、あかつきさんに相談すれば何とかなる」と思ってもらえるようになりました。そのため、最新の動きについては、もっと勉強しようと思っています。他社も、紙媒体と電子メディアの連動を提案し始めていますから、遅れを取るわけにはいきません。
会社全体のCME 取得状況や方針をお聞かせください。
村田 外勤の営業は約30 名で、約7 割がDTP エキスパートを取得していますが、新入社員を含め全員取得を目指しています。CME については45%が取得済みで、最終的には7 割程度を目指しています。価格ではなく、デジタルメディアや印刷を活用した、より魅力的な提案で競争を勝ち抜いていきたいと考えています。そのための最低限の知恵や知識を持つのがCME だと思っています。
豊留 すべてのお客様がデジタルメディアと印刷の連動を意識しているわけではありません。とはいえ、営業なら「もしかしたらお客様が気付いてないだけで、実はクロスメディア的なアプローチによって解決できるかもしれない」という視点を持っていなければいけないと考えています。依頼されたことだけを行うのではなく、こちらがお客様の問題点に気付いて提案することが重要だと思います。
村田 例えばお客様の担当者の年齢が高いと、どうしても従来どおりの紙での情報発信を中心に考えてしまいがちです。しかし、若い人にアピールするにはデジタルメディアは欠かせません。ウェブサイトやSNS の活用は進んでいないので、そのようところに当社がサポートできるようにしていく必要があると考えています。
そういう意味で、印刷物製造業としての設備投資も重要ですが、これからは人材教育に力を入れないとお客様のニーズには応えられないし、それは会社の業績に直結するという危機感を、経営側が持っています。CME 取得をはじめ将来の人材育成のために、人材ならびに人材教育に対しても投資していくという方針です。
JAGAT info 2016年7月号より転載
DTPエキスパートカリキュラム改訂第12版公開
DTPエキスパートカリキュラム最新版(改訂第12版)を公開しました。
下記よりご覧いただけます。
次期第47期試験は、第12版を基に実施します。
第47期DTPエキスパート認証試験 受験案内
カリキュラム第12版改訂ポイント解説を含めた試験対策セミナー
【2017/1/18東京開催】「DTPエキスパートのポイント解説」認証試験・学科/課題制作対策講座
【2017/1/19大阪開催】「DTPエキスパート学科・課題制作対策講座」
コミュニケーションをデザインするエキスパート像
DTPエキスパートカリキュラム改訂12版公開に先立ち、改訂の主旨とポイントを公開します。 続きを読む
2016年8月実施本試験および9月実施更新試験結果通知発送
2016年8月21日実施
第46期DTPエキスパート認証試験
第22瑋クロスメディアエキスパート認証試験
および
2016年9月実施
第46期DTPエキスパート更新試験試験
第22期クロスメディアエキスパート更新試験試験
の結果通知を発送しました。
合格者の方は、必要に応じて同封の登録書類等のご確認とお手続きをお願いいたします。
【有資格者寄稿】DTPエキスパートへの挑戦
広告・プロモーション関連会社勤務 佐々木 秀昭(第43期試験合格者)
現場への想いと資格取得の決意
私がDTPエキスパート認証試験を受験しようと思い立ったのは、昨年の1月半ばの事である。受験申請は既に始まっていたが、転職直後であり準備の時間もあと僅か。正直、迷いも不安も多かった。私は直前の12月に転職を果たしていた。どうしてもやりたいと思った事があった。それは『もう一度現場で技術を学びながら伝えたい』という想いだ。現場に戻り物作りに携わろうと思ったのだ。私の経歴は、商業印刷の製版に20年程携わっており自負出来るものだが、それを資格として裏付けるものとして業界でも名高い「DTPエキスパート認証試験(第43期)」を選んだ。そうして、会社からの有資格者歓迎という熱い要求も後押しとなり受験を決意したのである。
試験対策の模索と試験当日までの道のり
受験を決意したものの、どんな勉強をすれば良いのか?どんな対策を講じればよいのか?迷いに迷った。そこで、まずは直近に行われるこの業界のイベント「page2015 DTPエキスパート最新情報ガイダンス(無料)」に参加し話を聴いた。今回から軌道を修正して元の合格基準にするとのアナウンスと試験についてのポイントを知る事が出来た。ガイダンスの終了後に、講師の方にどんな対策があるかを尋ねると「有資格者とコミュニケーションをとるのが一番良い。受験する側と受験させる側では捉え方が異なる。」という大きなヒントを得られた。ガイダンスの中でもコミュニケーションの重要性は何度も取り上げられていた。幸いにも私の周囲には、DTPエキスパート有資格者が多く比較的相談し易い環境があった。だが、試験までの時間はあまり残されていない。内心で焦りながら、私は有資格者の先輩達に試験勉強対策を教えて欲しいとアドバイスをお願いした。すると、一番多く返って来た返答は「とにかく過去問題をやりぬく事」であった。
本を読んだりするよりも圧倒的に効果的だと私も思う。当時、ベテランの有資格者に拝借した「DTPエキスパート認証試験スーパーカリキュラム 第10版準拠」の巻末の模擬問題に挑戦した所、惨憺たる結果となり絶望の淵に追いやられたのである。一番の要因は問題数が多く、解答し切れないという事実がそこに大きく立ちはだかった。
前半200問、後半200問。各2時間で解かなければならない――。ベテランの彼らの代では前後半共に各350問だったと聞き、少しだけ安堵したのを覚えている。残り一カ月でこの問題数をこなすスピード感が重要だという事を思い知ったのである。幸いにも私は有資格者の先輩方から、過去問題集を拝借する事が叶い数回分の模試が可能となった。あとは受験日までの勝負である。時間を計り問題数をこなす。マーカー式なので、なるべく早く塗りつぶせるように濃いめで芯のやわらかい鉛筆を使用するという事も対策の一つとなった。塗っている間のストレスが軽減されること請け合いである。
ある程度のスピード感が備わり試験まであと数日と差し迫った頃、有資格者の先輩から解答率のバランスチェックについて指摘があったのを覚えている。苦手分野のチェックである。確かに毎回似たような問題を間違えたり勘違いしていたりで苦手な項目を見直す事となった。折角の答え合わせをしていながらグラフを作っていなかった事で、曖昧にしか見えていなかった事が響いた。本番では過去問題以外の問題も新設されるのだ。試験直前の数日間は間違えやすい問題を入念にチェックした。出来ればもっと早く対策したかったものである。
こうして、短期間の中でも有資格者の先輩方の協力のもと、反省しきりではあるが筆記試験は対策を講じる事がかろうじて可能になり、試験当日は全てのマークを埋める事が出来たのである。
現場でのフットワークを活かして実技試験に臨む
筆記試験直後は、頭に残る結果での自己採点ではあまり良く無く、実技試験へのやる気が起きなかった。だが、有資格者の先輩方から「課題を提出しない限り合格は無い。」と幾度となく叱咤激励を頂いた。協力してくれる先輩方に朗報を届けたいと奮起し直し、課題に取り組んだ。制作系は比較的得意ではあったが、その仕様や指示書は作った経験が殆どなかった。そこで、考えられる現場を想定して必要なものを用意する事にした。現場には現場である。各工程に携わる方々がどのようにスケジュールを組み、手配し、制作しているのか?有資格者の先輩方以外の声も指示書に落とし込んでいった。まとめ方は「課題制作の手引き」に従い、自己流ながらまとめていった。制作物も指示書も自分なりに納得できるものとなったのは、提出期限の前日であった――。
エキスパート認証者として決意を新たに
合格発表までは非常にもやもやした日が続き居心地がよく無かった。速報での確認は昼休みとなった。受験番号を確認しホッとしたのと同時に、今後の責任を感じ現在に至っている。その責任とは、社内は勿論だが社外においてもである。
良い印刷物を作り、その技術を共に学び伝え、もっと良くなる方法を現場全体で考えるチーム作りの一員としてのDTPエキスパートでありたいと私は願ってやまない。
【DTPエキスパートカリキュラムver.12】[情報システム]4-11 デジタルメディア環境とビジネスモデル
デジタル技術とネットワークを組み合わせて、顧客に新たな利便性を提供する動きが活発化している。小ロット多品種化が急速に進む中、営業効率を上げるための手法としても有効である。例えば、Webを活用した入稿、プリフライト、画面校正、修正前後のデータ比較、などの機能を備えたWeb校正システムが普及しつつある。こうしたツールを利用しつつ、独自のサービスやビジネスモデルが生まれてきている。
4-11-1 Web to Print
- Web to Printとは、Webブラウザーからデータエントリーや印刷指示を行い、印刷物を制作・納入するシステムや仕組み、およびビジネスの総称である。Web to Print を活用したさまざまなビジネスは世界各国で成長しているほか、国内でも急増している。
- 代表的なモデルとして次のようなものがある。
1) 印刷発注者がWebブラウザーからデータ入稿と印刷発注を行い、印刷物を制作するという形式のもの。
印刷通販やデジタル印刷ビジネスの基盤として普及している。
名刺や製造マニュアルなどのリピート発注において、発注側、受注側双方で大きな効率化が実現できる。
2) 印刷発注者が、あらかじめ用意されたデザインテンプレートの中から気に入ったものを選択し、テキストや画像など自分の情報をオンラインで編集し、オーダーするというもの。はがき・年賀状、フォトアルバム、ブログ出版など対象はさまざまである。自動組版の機能を提供するサービスもある。
【DTPエキスパートカリキュラムver.12】[情報システム]4-10 デジタルサイネージ
- デジタルサイネージとは、ディスプレイやプロジェクターなどの装置を使用して表示や通信を行う電子看板システムの総称である。用途によって電子ポスターや電子POP、デジタル掲示板と呼ばれることもある。
- 従来の看板やポスターとの最大の違いは、文字や静止画像だけでなく音声や動画を使用できること、また秒単位で表示内容を切り替えられることである。そのため、場所や時間に応じて、対象を絞った広告や告知、またリアルタイムの情報発信も可能であり、高い広告効果が期待できる。紙などの広告物やポスターと違い、貼り替えなどのコストや手間も発生しないというメリットもある。
- ビルの壁面やショッピングセンター、駅、空港など、さまざまな場所に設置され活用されている。また、JR東日本のトレインチャンネルのような電車内広告ディスプレイとしての使用例もある。列車の運行情報を表示する画面と広告画面を並べ、認知度を高めている。時間帯に応じて広告内容を変更することや特定の駅に関する情報を発信することが可能であり、電車内広告はデジタルサイネージの適性が高いと言える。


