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『印刷白書2026』発刊のご挨拶

2026年11月1日発刊の『印刷白書2026』について、会長網野勝彦よりご挨拶させていただきます。

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2026年も終盤を迎えようとしています。この1年を振り返ると、私たちを取り巻く社会や経済の環境は、これまで以上に大きな変化の中にあったことを実感します。

世界各地で異常気象による災害が相次ぎ、日本においても猛暑や豪雨など、気候変動の影響を身近な問題として感じる機会が増えました。また、エネルギー価格や原材料価格の高止まり、人手不足の深刻化など、企業経営における課題は一段と複雑になっています。先行きが見通しにくい時代だからこそ、自社の役割と存在価値をあらためて問い直すことが求められています。

その一方で、AIをはじめとするデジタル技術の進化は私たちの想像を超えるスピードで進んでいます。昨年はAIの活用可能性を模索する段階であったのが、今では業務の現場に浸透し、企画、制作、営業、製造、管理などあらゆる分野で活用されるようになりました。人手不足が避けられない社会において、生産性向上や新たな価値創造を支える重要な経営資源として、その存在感はますます拡大しています。

私たち印刷産業においても大きな変化が続いています。従来の印刷需要が大きく増加することは期待しにくい状況にありますが、情報発信の重要性は決して低下していません。デジタルメディアを通じて膨大な情報が流通する現在だからこそ、正確な情報を整理し、わかりやすく伝えることの価値は高まっているのではないでしょうか。

印刷産業の本質は、単に紙にインキをのせることではなく、「信頼できる情報を価値ある形にして届けること」にあります。印刷物がもつ一覧性や保存性、そして手に取ることで得られる安心感や納得感は、デジタル社会が進展するほどに、その意義が再認識されるものと思います。紙だけでなく多様な媒体や技術を活用しながら、人と情報、人と社会をつなぐ役割は今後ますます重要になるでしょう。

また、持続可能な社会への対応も欠かせません。環境負荷の低減、省エネルギー化、資源循環への取り組みなど、GXは企業活動そのものとなりつつあります。私たち印刷産業も、環境配慮型資材の活用や生産工程の改善を通じて、社会課題の解決に貢献していかなければなりません。

変化の時代には不安もあります。しかし同時に、新しい可能性も生まれます。振り返れば、印刷産業はこれまでも技術革新や社会構造の変化に向き合い、そのたびに新たな価値を創り出してきました。いま求められているのは、従来の枠組みにとらわれることなく、変化を前向きに受け止め、挑戦を続けていく姿勢ではないでしょうか。

『印刷白書2026』が、業界を取り巻く現状と将来を考察し、皆様が次の一歩を踏み出すための一助となることを願っております。本書が印刷産業の持続的な発展と新たな価値創造につながることを祈念し、発刊のご挨拶とさせていただきます。

2026年11月
公益社団法人日本印刷技術協会
会長 網野勝彦

書籍発刊のお知らせ

『印刷白書2026』2026年11月1日発刊

印刷白書2026

印刷白書2026
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印刷産業の現在とこれからを知るために必携の白書『印刷白書2026』

第1章 Introduction
第2章 印刷産業の動向
第3章 印刷トレンド
第4章 関連産業の動向
第5章 印刷産業の経営課題


発行日:2026年11月1日
ページ数:120ページ
判型:A4判オールカラー
発行:公益社団法人日本印刷技術協会
定価:15,400円(14,000円+税)
JAGAT会員特別定価:9,900円(9,000円+税)

解説

印刷産業の現在とこれからを知るために必携の白書『印刷白書2026』

あらゆる産業を顧客とする印刷産業は、さまざまな産業と密接に関わりを持っています。だからこそ印刷産業を捉えるには、産業全体を俯瞰する視点が必要になってきます。

『印刷白書2026』では、印刷産業そのものの現状を数字で捉えるだけでなく、印刷会社が何を生み出し、社会の変化に伴ってそれがどのように変化しているかをデータと事例で分析しています。

印刷・同関連業界だけでなく広く産業界全体に役立つ年鑑とするために、社会、技術、産業全体、周辺産業というさまざまな観点から、ビジョンを描き込み、今後の印刷メディア産業の方向性を探りました。

印刷業界で唯一の白書として1994年以来毎年発行しており、2026年版では新項目として紙メディア、技術トレンド、パッケージ、情報危機管理を追加しています。

印刷関連ならびに情報・メディア産業の経営者、経営企画・戦略、新規事業、営業・マーケティング、調査・研究に携わる方、産業・企業支援に携わる方、大学図書館・研究室・公共図書館などの蔵書として、幅広い用途にご利用いただけます。

「第1章 Introduction」では「印刷白書の現在地」をテーマに、印刷白書とJAGAT事業の全体像を概説し、わかりやすいインフォグラフィックで描いています。「第2章 印刷産業の動向」では印刷産業の現状と課題を俯瞰的に捉え、「第3章 印刷トレンド」では技術課題を整理しました。「第4章 関連産業の動向」ではクライアント産業の動向を探りました。「第5章 印刷産業の経営課題」ではサステナビリティから人材まで印刷産業が取り組むべき課題を整理しました。

印刷メディア産業に関連するデータを網羅し、UD書体を使った見やすくわかりやすい図版を多数掲載して、他誌には見られないオリジナルの図版も充実しています。

 

CONTENTS

第1章 Introduction
[印刷白書の現在地]「何を印刷するか」から「どのような価値を提供するか」へ

第2章 印刷産業の動向
[産業構造]印刷産業を再定義する 広がる印刷技術の役割
[産業連関表]産業をつなぐ印刷 取引構造と経済波及効果から見る
[市場動向]労働供給制約社会の印刷会社経営 課題解決型への発展と生成AI対応を軸に
[上場企業]印刷技術を核に事業領域を広げる上場印刷企業
*関連資料 産業構造/産業分類・商品分類/規模/産出事業所数(上位品目)/産出事業所数・出荷額/調達先と販売先/産業全体への影響力と感応度/最終需要と生産誘発/印刷物の輸出入額と差引額/印刷製品別輸出入額/印刷物の地域別輸出入額/印刷物の輸出入相手国/経営動向/上場企業/生産金額(製品別)/生産金額(印刷方式別)/売上高前期比・景況DI/設備投資・研究開発/生産能力/紙・プラスチック/印刷インキ
*コラム 仕事の楽しみ方

第3章 印刷トレンド
[紙メディア]紙は「操作メディア」としての価値をもつ
[デザイン]現場のリアルと変化の芽 編集現場から見る、紙と印刷の現在地
[ワークフロー]AIエージェント時代の印刷ワークフロー 
        人が操作するワークフローから、自律的に動くワークフローへ
[技術トレンド]価値創造へ進化する印刷技術 page2026を起点に読み解く技術トレンド
[デジタル印刷]生成AIが可能にする真の「パーソナライゼーション印刷」
[後加工]受託加工から価値創造へ 第3の市場開拓を本格化
*関連資料 設備投資の動向/フォーム印刷業界

第4章 関連産業の動向
[出版業界]出版流通を変えるデジタルショートラン
[新聞業界]AI時代に進化する新聞 「信頼」を強みにデジタル収益化へ
[広告業界]インターネット広告が市場の過半数へ
      広告市場の構造転換と印刷メディアの役割
[パッケージ]包み、伝える印刷メディア 
       「現代日本のパッケージ2025」展から読み解く
[地域メディア]高いマーケティング力が再評価されるローカルメディア
[通信販売業界]通販・EC市場は初の15兆円超え
        円安などが影響し伸び率低下も成長を維持
*関連資料 出版市場/新聞市場/広告市場/通販市場

第5章 印刷産業の経営課題
[サステナビリティ]環境対応と健康経営を軸としたサステナビリティ経営
[地域活性化]高まる地場産業活性化への参画期待 
       共助の課題解決をローカル・ゼブラとして
[情報危機管理]「ITスキルに頼らない」中小印刷業のサイバーレジリエンス
[デジタルマーケティング]AI時代、広告主のマーケティング現場で何が起きているのか?
[AI活用]制作の入口が変わる 生成AIから始まる新しい制作環境
[労務管理]モチベーションを生み出す人材戦略
      相互の信頼関係が人を動かす
[人材]印刷需要の変動に呼応する緩和策と適応策を人材面から考える
*関連資料 AI活用/人材

●巻末資料
DTP・デジタル年表/年表

 

印刷白書2026

印刷産業の現在とこれからを知るために必携の白書『印刷白書2026』
第1章 Introduction 印刷白書の現在地
第2章 印刷産業の動向
第3章 印刷トレンド
第4章 関連産業の動向
第5章 印刷産業の経営課題

 

発行日:2026年11月1日
ページ数:120ページ
判型:A4判オールカラー
発行:公益社団法人日本印刷技術協会
定価:15,400円(14,000円+税)
JAGAT会員特別定価:9,900円(9,000円+税)

解説

印刷産業の現在とこれからを知るために必携の白書『印刷白書2026』
あらゆる産業を顧客とする印刷産業は、さまざまな産業と密接に関わりを持っています。だからこそ印刷産業を捉えるには、産業全体を俯瞰する視点が必要になってきます。『印刷白書2026』では、印刷産業そのものの現状を数字で捉えるだけでなく、印刷会社が何を生み出し、社会の変化に伴ってそれがどのように変化しているかをデータと事例で分析しています。
印刷・同関連業界だけでなく広く産業界全体に役立つ年鑑とするために、社会、技術、産業全体、周辺産業というさまざまな観点から、ビジョンを描き込み、今後の印刷メディア産業の方向性を探りました。
印刷業界で唯一の白書として1994年以来毎年発行しており、2026年版では新項目として紙メディア、技術トレンド、パッケージ、情報危機管理を追加しています。
印刷関連ならびに情報・メディア産業の経営者、経営企画・戦略、新規事業、営業・マーケティング、調査・研究に携わる方、産業・企業支援に携わる方、大学図書館・研究室・公共図書館などの蔵書として、幅広い用途にご利用いただけます。
「第1章 Introduction」では「印刷白書の現在地」をテーマに、印刷白書とJAGAT事業の全体像を概説し、わかりやすいインフォグラフィックで描いています。「第2章 印刷産業の動向」では印刷産業の現状と課題を俯瞰的に捉え、「第3章 印刷トレンド」では技術課題を整理しました。「第4章 関連産業の動向」ではクライアント産業の動向を探りました。「第5章 印刷産業の経営課題」ではサステナビリティから人材まで印刷産業が取り組むべき課題を整理しました。
印刷メディア産業に関連するデータを網羅し、UD書体を使った見やすくわかりやすい図版を多数掲載して、他誌には見られないオリジナルの図版も充実しています。

CONTENTS

第1章 Introduction
[印刷白書の現在地]「何を印刷するか」から「どのような価値を提供するか」へ

第2章 印刷産業の動向
[産業構造]印刷産業を再定義する 広がる印刷技術の役割
[産業連関表]産業をつなぐ印刷 取引構造と経済波及効果から見る
[市場動向]労働供給制約社会の印刷会社経営 課題解決型への発展と生成AI対応を軸に
[上場企業]印刷技術を核に事業領域を広げる上場印刷企業
*関連資料 産業構造/産業分類・商品分類/規模/産出事業所数(上位品目)/産出事業所数・出荷額/調達先と販売先/産業全体への影響力と感応度/最終需要と生産誘発/印刷物の輸出入額と差引額/印刷製品別輸出入額/印刷物の地域別輸出入額/印刷物の輸出入相手国/経営動向/上場企業/生産金額(製品別)/生産金額(印刷方式別)/売上高前期比・景況DI/設備投資・研究開発/生産能力/紙・プラスチック/印刷インキ
*コラム 仕事の楽しみ方

第3章 印刷トレンド
[紙メディア]紙は「操作メディア」としての価値をもつ
[デザイン]現場のリアルと変化の芽 編集現場から見る、紙と印刷の現在地
[ワークフロー]AIエージェント時代の印刷ワークフロー 人が操作するワークフローから、自律的に動くワークフローへ
[技術トレンド]価値創造へ進化する印刷技術 page2026を起点に読み解く技術トレンド
[デジタル印刷]生成AIが可能にする真の「パーソナライゼーション印刷」
[後加工]受託加工から価値創造へ 第3の市場開拓を本格化
*関連資料 設備投資の動向/フォーム印刷業界

第4章 関連産業の動向
[出版業界]出版流通を変えるデジタルショートラン
[新聞業界]AI時代に進化する新聞 「信頼」を強みにデジタル収益化へ
[広告業界]インターネット広告が市場の過半数へ 広告市場の構造転換と印刷メディアの役割
[パッケージ]包み、伝える印刷メディア 「現代日本のパッケージ2025」展から読み解く
[地域メディア]高いマーケティング力が再評価されるローカルメディア
[通信販売業界]通販・EC市場は初の15兆円超え 円安などが影響し伸び率低下も成長を維持
*関連資料 出版市場/新聞市場/広告市場/通販市場

第5章 印刷産業の経営課題
[サステナビリティ]環境対応と健康経営を軸としたサステナビリティ経営
[地域活性化]高まる地場産業活性化への参画期待 共助の課題解決をローカル・ゼブラとして
[情報危機管理]「ITスキルに頼らない」中小印刷業のサイバーレジリエンス
[デジタルマーケティング]AI時代、広告主のマーケティング現場で何が起きているのか?
[AI活用]制作の入口が変わる 生成AIから始まる新しい制作環境
[労務管理]モチベーションを生み出す人材戦略 相互の信頼関係が人を動かす
[人材]印刷需要の変動に呼応する緩和策と適応策を人材面から考える
*関連資料 AI活用/人材

●巻末資料
DTP・デジタル年表/年表

 

「何を印刷するか」から「どのような価値を提供するか」へ

『印刷白書2026』では、印刷産業そのものの現状を数字で捉えるだけでなく、印刷会社が生み出すものがどのように変化しているかをデータと事例で分析している。

Introduction[印刷白書の現在地]

JAGAT刊『印刷白書2026』では、第1章 Introduction[印刷白書の現在地]を新設し、JAGAT事業と本書の全体像を文章とインフォグラフィックで解説している。

印刷産業の役割が「情報の伝達とものづくり」から「顧客ビジネスの支援」へと広がった背景には、社会や産業の変化がある。デジタル化によって情報の伝達手段は大きく変わり、生成AIの普及によって情報やコンテンツを生み出す環境も変わりつつある。一方で、情報が大量に生み出され、瞬時に拡散される環境では、本当に伝えたい相手に情報を届け、理解してもらい、記憶や行動につなげることが以前より難しくなっている。環境対応や人手不足、コスト上昇といった課題も、印刷産業の事業のあり方に変化を求めている。

こうした中で、重要なのは、印刷という技術を使って、顧客や社会のどのような課題を解決し、どのような価値を提供するのかという視点である。印刷会社には、従来の印刷物を受託して生産するだけでなく、顧客の目的を理解し、企画、制作、デジタル、加工、物流、マーケティングなどを組み合わせながら、新たな価値を生み出すことが求められている。

『印刷白書2026』は、このような印刷産業の変化を、データと事例の両面から捉えることを目指している。あらゆる産業を顧客とする印刷産業は、多様な産業との取引を通じて社会と密接に関わっている。そのため印刷産業だけを見るのではなく、印刷製品がどのような産業で使われ、顧客側は何を求めているのか、また印刷会社がどのような技術や事業領域へ展開しているのかを併せて見る必要がある。

『印刷白書2026』は、印刷産業の規模や市場動向を示すだけの資料ではない。産業、市場、技術、顧客産業、経営という異なる角度から印刷を捉え直し、それぞれの変化がどのようにつながっているのかを読み解くことを意図している。

白書である以上、客観的なデータに基づいて産業の現状を示すことは重要である。一方で、印刷白書は一般的な統計資料や報告書とは異なり、印刷産業で何が起きているのかを読み物として理解できることも重視してきた。データを並べるだけでは見えにくい変化を、専門家による考察や具体的な事例と組み合わせることで、印刷産業の現在とこれからを立体的に捉えるために、UD書体による見やすい図版や、独自に作成した図表も数多く掲載している。

(JAGAT 研究・教育部 吉村マチ子)

■関連情報
『印刷白書2026』を手がかりに印刷産業の「いま」を捉え、これからの印刷ビジネスを考える機会として、ぜひ発刊記念セミナーにご参加ください。

『印刷白書2026』発刊記念セミナー
2026年11月10日(水)13時30分-17時。

上場印刷企業の女性管理職比率は平均11.4%

2025年度の上場印刷企業35社のうち、女性管理職比率を開示している28社の平均は11.4%。厚生労働省「雇用均等基本調査」によれば、女性管理職比率は13.8%、製造業は9.7%にとどまっている。(数字で読み解く印刷産業2026その8)

上場印刷企業36社のうち、2026年には4社が上場廃止

JAGAT『印刷白書』では、社名もしくは特色などに「印刷」とある企業を、上場印刷企業としています。各社の業績は決算短信と有価証券報告書で見ていますが、提出時期の関係で2025年6月期決算から2026年5月期決算までを2025年度としています。

上場印刷企業の社数は、親会社による完全子会社化による上場廃止がある一方、新規上場もあって33~36社で推移してきました。2026年には4社が上場廃止となり、3月27日にトーイン(他社による買収)、5月29日にラクスル(MBO)と続き、10月1日には上場維持基準への不適合で、光陽社とカワセコンピュータサプライが上場廃止となります。

『印刷白書2026』では、2025年版の36社からトーインを除いた35社の企業力などを見ています。2025年度業績を見ると、35社の売上高合計は4.3兆円(前期比4.1%増)で、増収19社、増益18社と堅調です。

上場印刷企業28社の管理職に占める女性の割合は11.4%

2023年3月期決算以降の有価証券報告書から、人的資本の情報開示が義務化され、管理職に占める女性労働者の割合(女性管理職比率)が開示項目の選択肢の一つとなりました。上場印刷企業35社のうち、女性管理職比率を開示している28社の平均は11.4%(前期は26社10.4%)です。

女性管理職比率34.0%のMICは、人的資本に関する目標として、女性正社員比率50%(2025年度実績43%)、産休育休復帰率100%(同100%)、男性正社員の育児休業取得率50%(同100%)を掲げています。

次いで26.0%のクレステックは、中途採用者や女性が活躍できる社内環境の整備に取り組んでいます。

日本の女性管理職比率は13.8%、諸外国は30%以上

厚生労働省「令和7年度雇用均等基本調査」によれば、女性管理職比率は13.8%で、前年(13.1%)より0.7ポイント上昇しました。産業別にみると、「医療、福祉」53.6%が突出して高く、次いで「教育、学習支援業」21.3%、「生活関連サービス業、娯楽業」20.1%となっています。「製造業」は9.7%で、前年(7.6%)より2.1ポイント上昇しました。

また、労働政策研究・研修機構「データブック国際労働比較2026」によると、女性管理職比率はアメリカ42.9%、シンガポール40.1%、フランス39.5%、ドイツ29.1%など、諸外国がおおむね30%以上となっているのに対して、日本は大幅に低くなっています。

『印刷白書2026』(2026年10月末発刊予定)の上場印刷企業35社の分析では、事業展開の特色と売上高構成比、個別業績による規模・収益性・生産性・安全性・成長性、連結業績による設備投資総額・研究開発費、キャッシュフローバランスなどを比較しています。

限られた誌面で伝え切れないことや、今後の大きな変更点は「数字で読み解く印刷産業」で順次発信していきます。ご意見、ご要望などもぜひお寄せください。

(JAGAT 研究・教育部 吉村マチ子)

2024年の印刷産業出荷額(全事業所)は4兆9780億円(「2025年製造業事業所調査」)

「2025年経済構造実態調査 製造業事業所調査」によると、印刷産業出荷額は4兆9780億円、事業所数は1万2766、従業者数は23万5064人。(数字で読み解く印刷産業2026その7)

印刷産業出荷額は約5兆円

総務省・経済産業省は、「2025年経済構造実態調査 製造業事業所調査」を7月29日に公表しました。

印刷産業出荷額はコロナ禍を脱して2022年に5兆円台を回復しましたが、2024年は4兆9780億円(前年比2.3%減)で、3年ぶりに5兆円を割り込みましたが、コロナ前の水準(約5兆円)を維持しています。

ただし、出荷額が約5兆円を維持していることは、印刷物の需要が堅調であることを必ずしも意味しない。出版・商業印刷など従来型の需要が縮小する一方、パッケージ印刷などの需要が拡大していることや、原材料費やエネルギー価格の上昇を背景とした価格転嫁・価格修正も出荷額を押し上げる要因となっています。従って、近年の出荷額の推移を見る際には、需要構造の変化や価格水準の上昇を含めて捉える必要があります。

2025年6月1日現在の印刷産業の事業所数は1万2766(前年比4.5%減)、従業者数は23万5064人(同3.9%減)となりました。

印刷産業は、全製造業の中でも事業所数が多く、全製造業24業種の中で5番目の規模となっています。一方、従業者数は10番目前後、出荷額では18番目前後に位置します。

「出荷額」と「売上高」はなぜ違うのか

印刷産業をめぐる統計では、「製造品出荷額等」と「売上高」の数字が大きく異なる点にも注意が必要です。

製造業事業所調査は事業所単位で集計され、主要な製造品が「印刷・同関連製品」に該当する事業所が印刷・同関連業に分類されます。一方、「経済構造実態調査」の産業横断調査では企業単位で集計され、企業の主たる事業によって産業が分類されます。

そのため、印刷会社が印刷を核としてWeb、動画、BPO、マーケティング、デジタルソリューション、産業資材などに事業を広げている場合、それらの売り上げは製造品出荷額にはそのまま反映されません。

「2025年経済構造実態調査(産業横断調査)」では、2024年の印刷・同関連業の売上高は7兆6213億円となっています。製造品出荷額等と売上高の差は、印刷産業が従来の「印刷物を製造する産業」から、印刷テクノロジーを基盤に多様なサービスを提供する産業へと事業領域を広げていることの一面を示しています。

現在『印刷白書2026』(10月発刊予定)の編集作業が進んでいますが、限られた誌面で伝え切れないことや、今後の大きな変更点は「数字で読み解く印刷産業」で順次発信していきます。ご意見、ご要望などもぜひお寄せください。

(JAGAT 研究・教育部 吉村マチ子)

デジタル化で変化するニュースの読まれ方~2026年

ソーシャルメディア・動画ネットワークが、世界で初めてテレビやニュースサイトを上回るニュース源となった。AIチャットボットも新たなニュースの入口として利用が広がる一方、ニュースへの信頼は調査開始以来最低となっている。(数字で読み解く印刷産業2026 その6)

ソーシャルメディアがニュースの主役へ

ロイタージャーナリズム研究所が6月16日に世界同時に公表した「ロイター・デジタルニュースリポート2026」によれば、世界レベル(48の国と地域)でニュース利用の「プラットフォーム化」がさらに進展しています。ソーシャルメディア・動画ネットワークが世界で最も利用される(全利用者の54%)ニュース源となりました。背景には、テレビ(52%)やニュースサイト・アプリ(51%)の利用が減少し続けていることがあります。AIチャットボットを含めると、第三者プラットフォーム経由でニュースに接する人は56%となります。

ニュースサイト・アプリがソーシャルメディア・動画ネットワークを上回っている国と地域は18で、そのうち4つがアジア(シンガポール、台湾、韓国、日本)で、それ以外はヨーロッパです。特にアグリゲーター(複数の情報源のニュースを集めて提供するサイト)が人気の日本と韓国では、ニュースサイト・アプリの利用が多くなっています。

オンライン動画は引き続き成長し、全世界では77%が毎週視聴すると回答し、45の国と地域でテレビを上回りました。ただし、ニュース動画の利用は、YouTube、Instagram、TikTokなど外部プラットフォームで伸びる一方、報道機関の自社サイト・アプリでの動画利用は減少しています。

ニュースへの関心は低下、信頼は過去最低レベル

2021年以降、ニュースへの関心は46の国と地域において平均で13ポイント減少しています。ニュースを週に1回程度しか利用せずニュースへの関心が低い、あるいは全くないユーザーは回答者の25%を占め、この割合は2021年の16%から増加しています。

「ニュースをほとんどの場合に信頼する」人の割合は37%と、2015年の調査開始以来最も低くなりました。ニュースへの信頼は29の国と地域で低下し、アメリカでは5ポイント低下して25%まで減っています。

ソーシャルメディア上のニュースに対する信頼は世界平均で22%、AIチャットボットでは20%と低く、レポートでは「既存のニュース源の代わりにソーシャルメディアと動画ネットワーク(それにAIチャットボット)を利用する人が増えれば、全体的な信頼は下がることになる」と分析しています。

日本でも変化は着実に進む

日本では依然としてテレビやニュースサイトの利用割合は比較的高く、世界ほど急激な変化は見られない。ただし、44歳以下の層では世界の潮流と同じくニュースサイトよりソーシャルメディアを利用する人が多くなっています。さらに、AIチャットボットのニュース利用も全世界では2025年の7%から10%に増加していますが、日本は5%から9%に増加し、55歳未満の層では世界平均を上回っています。

また、日本は世界の中でニュース源としてソーシャルメディアを利用する人の割合が最も低いにもかかわらず、フェイクニュースへの不安は前年より6ポイント増え61%で、世界平均(62%)と同水準になっています。

ニュースがプラットフォーム経由で消費される時代だからこそ、報道機関には速報性だけでなく、信頼性や背景説明、ファクトチェックなど独自の価値がこれまで以上に求められています。

『印刷白書2026』(10月下旬発行予定)では、メディア環境の変化の中で新聞業界が果たす役割と課題について詳しく取り上げる予定です。

限られた誌面で伝え切れないことや、今後の大きな変更点は「数字で読み解く印刷産業」で順次発信していきます。ご意見、ご要望などもぜひお寄せください。

(JAGAT 研究・教育部 吉村マチ子)

上場印刷企業18社の2026年3月期は9社が増益を達成

2026年3月期決算では、上場印刷企業18社のうち11社が増収、9社が増益を達成した。紙メディアで伝えるべき価値の再認識も進む中で、印刷テクノロジーをベースに新たな価値創出に取り組んでいる。(数字で読み解く印刷産業2026その5)

上場企業2026年3月期は5期連続最高益、印刷企業は18社中9社が増益達成

上場企業の2026年3月期決算は、5期連続で最高益を更新しました。
日本経済新聞が東証プライム市場に上場する1037社を集計したもので、純利益は前期比12.5%増の57兆7945億円となり、製造業は微減の一方、非製造業は22.5%増と好調でした。2027年3月期通期予想(957社)では、純利益は前期比5.2%増で6年連続で最高益を更新し、製造業は28.1%増になる一方、非製造業は10.4%減の見通しです。

上場印刷企業18社(東証プライム市場上場は5社)の2026年3月期決算では、11社が増収、9社が増益を達成しています。2027年3月期に関しては、「中東情勢による影響を現時点で合理的に算定することが困難であることから未定」としている1社を除く17社の予想が出ていて、14社が増収、7社が増益を予想しています。

上場印刷企業35社の2025年度業績も堅調か

JAGAT『印刷白書』では、社名もしくは特色に「印刷」などとある企業を、上場印刷企業としています。上場印刷企業の社数は、親会社による完全子会社化による上場廃止がある一方、新規上場もあって、33~35社で推移してきました。

『印刷白書2025』では2024年12月25日上場のMIC(ミック)が加わり36社になりました。現在準備を進めている『印刷白書2026』では、トーインが他社による買収(公開買付け、株式等売渡請求による取得)により2026年3月27日付けで上場廃止となったことから、35社で分析する予定です。

各社の業績は決算短信と有価証券報告書で見ていますが、提出時期の関係で2025年6月期から2026年5月期決算までを2025年度としています。

決算短信が公表済みの33社で上場印刷企業の2025年度業績を見ると、売上高合計は4兆3102億円、ビーアンドピー(2025年10月期より連結財務諸表を作成しているため、前期数値の記載なし)を除く32社で前期比を見ると3.9%増で、増収18社、増益17社、黒字転換1社と堅調です。

社名に「印刷」とあるのは35社中7社              

上場印刷企業35社のうち、社名に「印刷」とあるのは7社だけです。事業領域の拡大や持株会社体制への移行によって、社名から「印刷」が外されてきました。

35社のうち連結決算は27社ですが、そのグループ企業には印刷産業とは全く関連のない事業もあって、連結業績から印刷事業の実態を見ることは難しい。そこで、『印刷白書』では、個別業績に印刷事業が含まれない持株会社7社とアサガミを除外し、単独決算の8社を含む27社の個別業績の企業力比較なども行います。

『印刷白書2026』は10月下旬発行を予定しています。上場印刷企業35社の分析では、事業展開の特色と売上高構成比、個別業績による規模・収益性・生産性・安全性・成長性、連結業績による設備投資総額・研究開発費、キャッシュフローバランスなどを比較します。

限られた誌面で伝え切れないことや、今後の大きな変更点は「数字で読み解く印刷産業」で順次発信していきます。ご意見、ご要望などもぜひお寄せください。

(JAGAT 研究・教育部 吉村マチ子)

印刷物は15年連続の輸入超過、アジアがシェア7割

貿易統計で印刷物を見ると、2025年は輸出増・輸入減で差引額は縮小したものの、15年連続の輸入超過となった。輸出入ともに中国が1位で、輸出は約3割、輸入は約4割を占めている。(数字で読み解く印刷産業2026その4)

輸出入総額の約7割がアジア、1位は中国、2位はアメリカ

財務省「貿易統計」によれば、2025年の印刷物の輸出額は431億円(前年比4.2%増)、輸入額は513億円(同1.0%減)となりました。輸出量は9.0%減、輸入量は2.6%増と、数量の変動が逆方向なのは、円安が輸出額を押し上げ、価格低下が輸入額を押し下げたものと考えられます。

アジアが最大の取引先で、2025年の輸出額は282億87百万円(同1.2%減)、輸入額は352億89百万円(同4.1%増)で、輸出入ともに総額の約7割を占めています。西欧は輸出42億23百万円(同4.1%増)、輸入78億82百万円(同18.0%減)、北米は輸出79億85百万円(同34.9%増)、輸入75億37百万円(同0.7%減)となりました。

輸出先のトップ10は、中国、アメリカ、ベトナム、台湾、韓国、香港、ドイツ、タイ、メキシコ、オランダです。中国は不動の1位でシェアは31.8%を占め、前年14位のオランダが10位に入りました。

輸入先のトップ10は、中国、アメリカ、シンガポール、韓国、フランス、ドイツ、マレーシア、台湾、ベトナム、イタリアです。10年(2013~2022年)連続1位のシンガポールが3位に後退し、中国が3年連続の1位となり、輸入総額の39.1%を占めています。 下図は2005~2025年の印刷物の輸出入額とその差引額の推移です。2010年以前の6年間は輸出超過で、2011年以降の15年間は逆に輸入超過となっています。輸出額から輸入額を差し引いた差引額は2024年に大幅に減少し、2025年は82億円となり、14年ぶりに100億円を下回りました。

『印刷白書』では、印刷物の輸出入相手国上位10カ国の推移表や、アジア・西欧・北米などの地域別の構成比の推移なども、わかりやすいグラフで紹介しています。
限られた誌面で伝え切れないことや、今後の大きな変更点は「数字で読み解く印刷産業」で順次発信していきます。ご意見、ご要望などもぜひお寄せください。

(JAGAT 研究・教育部 吉村マチ子)

出版・広告・小売業界と印刷産業~2025年

紙の出版物と印刷メディア広告はマイナスが続くが、通販市場は26年連続増で、コンビニは過去最高を更新、スーパー・百貨店は横ばいとなった。(数字で読み解く印刷産業2026その3)

紙の出版市場は1兆円割れ、印刷メディア広告費は4年連続マイナス

印刷産業の得意先産業の市場動向を見てみると、2025年の紙の出版物(書籍・雑誌)は9647億円(前年比4.1%減)となり、1975年以来50年ぶりに1兆円を割り込みました。電子出版は伸び率は鈍化したものの5815億円(同2.7%増)で、紙と電子を合わせた出版市場規模は1兆5462億円(同1.6%減)となりました(全国出版協会・出版科学研究所推定)。

2025年の印刷メディア広告費は1兆1929億円(前年比6.0%減)で4年連続のマイナスとなりました(電通「2025年日本の広告費」)。内訳は、フリーペーパー1056億円(同19.1%減)が6年連続のマイナス、新聞3136億円(同8.2%減)とDM(ダイレクト・メール)2708億円(同5.4%減)が4年連続のマイナス、折込2354億円(同3.6%減)が3年連続のマイナスとなり、雑誌1135億円(同3.7%減)は2年連続の増加からマイナスに転じ、POPだけが1540億円(同3.8%増)で2年連続の増加となりました。

26年連続増の通販、横ばいのスーパー、コンビニは過去最高を更新

印刷産業全体の市場規模を見るには、「経済構造実態調査 製造業事業所調査」が利用されていて、2024年調査(2023年実績)が最新データです。2024年実績は2026年7月29日に公表予定です。

2023年の印刷産業出荷額は5兆934億円、コロナ禍を脱して3年連続の増加で、2年連続の5兆円台となりました。

2025年の小売業界については、大手小売業の販売概況を見てみましょう。

最も売上規模の大きいスーパーの全店売上高は12兆8675億円(前年比1.3%減)、2年連続で前年を下回りました(日本チェーンストア協会)。全体の7割を占める食料品は、節約志向による購買点数の減少を店頭価格の上昇が補いました。

コンビニの全店売上高は12兆583億円(前年比2.2%増)で、5年連続で前年を上回り、過去最高を更新しました(日本フランチャイズチェーン協会)。高付加価値商品や販促施策により平均客単価が伸び、過去最多の訪日外国人や大阪・関西万博の開催も寄与したと考えられます。

全国百貨店売上高は5兆6755億円(前年比1.7%減)で5年ぶりに減少しました(日本百貨店協会)。免税売上高が12.7%減の5667億円と大きく落ち込んだことによるものです。インバウンド(訪日購買客数)は621万人超で過去最高を更新したものの、高額消費の一巡で客単価が伸び悩んだからです。

印刷産業出荷額と百貨店売上高は規模が近く、印刷産業が2011年に6兆円を割り込んだのに対して、百貨店はインバウンド需要の拡大もあって2019年まで堅調でした。しかし、百貨店業界はコロナ禍の影響を強く受けた業界の一つで、2020年には前年比26.7%の大幅減で5兆円割れとなり、印刷産業出荷額を初めて下回りました。

また、2024年度(2024年4月~2025年3月)の通信販売(EC含む)市場の売上高は、前年度比7.3%増の14兆5500億円となり、金額ベースでは9900億円の増加となりました(日本通信販売協会)。伸び率は前年度を0.6ポイント上回り、直近10年の平均成長率は9.1%で、26年連続のプラスを達成しています。業界全体の動向としては、AI活用による業務効率化や、M&Aを通じた事業多角化の動きが目立っています。

JAGAT刊『印刷白書』では、印刷メディア産業に関連するデータを網羅し、わかりやすい図表にして分析しています。また、限られた誌面で伝え切れないことや、今後の大きな変更点は「数字で読み解く印刷産業」で順次発信しています。

(JAGAT研究・教育部 吉村マチ子)

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