このたび、「JAGAT Summer Fes 2017」の開催レポートを刊行いたしましたので、ここにご報告いたします。 続きを読む
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新しい形のミドルマンとプリンティングコーディネータ
10月4日(水)から第20期プリンティングコーディネータ養成講座が開講した。今回の重点テーマは、「顧客の伝えたい価値を幅広い印刷表現技術で形にする」である。
この講座は、コーディネータという確立された概念や人物を想定したものはない。資格取得するものでもない。印刷ビジネスでは、コーディネートする事柄が、限りなく広く、時代と共に、刻一刻と変化するからだ。コーディネータという言葉の意味は、いろいろな要素を統合したり調整したりして、一つにまとめ上げる人のことである。多様化する顧客の要望に応えるためには、多様な技術とクリエイティブをまとめ上げるコーディネータが不可欠だ。
■商業印刷にみるスクリーン印刷
スクリーン印刷は、オフセット印刷に比べ市場規模は小さいが、様々な分野で利用されている。
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★その理由としては、★
印刷できる材料の種類が豊富で、紙・ガラス・プラスチック・合成樹脂・金属・布など、多くの材料に印刷ができる。版に柔軟性があり、印刷圧が低いので多種な材質(柔らかい/硬い素材、厚い/薄い素材、曲面/凸面/凹面)にも印刷ができる。
インキの種類が豊富で水性・油性・UV硬化型・粉体(金粉、銀粉、パール粉)・機能性インキ(香料、蓄光、ミラー、変色など)などが印刷できる
インキを厚膜に印刷できるので、発色・隠蔽力・耐候性に優れている。
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スクリーン印刷の用途 は、
工業製品(計器類、CD・DVD、電機部品、液晶ディスプレイ、成型物、プリント回路など)、生活用品(玩具、文房具、Tシャツ、各種パッケージ、容器、木工品、ガラス、陶磁器など)、商業関係(ポスター、看板、POP、ディスプレイ、ステッカー、標識など)がある。
規模の大きいものは工業製品で、商業印刷においては、小規模な事業形態がほとんどだ。魅力ある技術力はあっても販売力やマーケティングにおいてビジネスパートナーを欲している。繋げることでビジネスへの可能性を秘めている。
■現代のミドルマンとコーディネータ
ミドルマンとは、ポール・ラザースフェルト(1901~1976)という社会学者が提唱した概念だ。「専門家の難しい考えをわかりやすく説明したりイメージ化したりできる人。無数のメディア情報を受け取ってそれを要約し、自分の属する小集団に伝える存在(オピニオンリーダー)もミドルマンと言える。」とある。 スクリーン印刷業を含めた幅広い技術は、クリエイティブと結び付け多種多様な人との関わりによって形となり価値を発揮する。間に立って繋ぐ役目のコミュニケーターが必要だ。現代におけるミドルマンだといえる。従来のミドルマンに加え顧客志向、マーケティング感覚が必要だ。現代のミドルマンは、印刷ビジネスにおけるコーディネータの存在のようだ。
「プリンティングコーディネータ養成講座第20期(JAGAT主催)」は様々な印刷技法、素材、作品、人との出会いの場として10月4日から開講した。
第20期プリンティングコーディネータ養成講座
顧客の伝えたい価値を幅広い印刷表現技術で形にする
詳細はhttps://www.jagat.or.jp/archives/37462をご覧ください。
(CS部古谷)
新事業開発に必要な人材をどう育てるか
印刷ビジネスの新規開を成功させるカギは、専門知識とノウハウを備えた人材の育成にある。 続きを読む
「うんこ漢字ドリル」も「イワタUDフォント」も。多彩なグッドデザイン賞
「これがデザイン!?」ジャンルを問わずにデザインを評価するグッドデザイン賞は、毎年驚きと発見をもたらしてくれる。 続きを読む
印刷会社の働き方改革
大手広告代理の女性社員が過労自死して違法な長時間労働が問題視されて以降、長時間労働の是正を中心に「働き方改革」が注目集める。政府も一億総活躍社会を目指す中で、「働き方改革」を推進している。 続きを読む
JAGATが経済産業省より業界初の「事業分野別経営力向上推進機関」として認定
人の共感と感動を生み出す印刷メディアのコーディネート
従来のオフセット印刷を中心とした製造現場では、5S活動や改善活動の話題が多い。目的はムリ、ムラ、ムダの削減であり、ムダを“無くす”ことで価値が生まれる。一方で、マーケティングの視点では、手間を “無くさない”ことで生まれる付加価値もある。
■食べられるインクから生まれる情緒的な価値
食べられるインクが様々な商品となって話題となっている。食べられるインクは可食性食用インクという。食品衛生法で許可されている食品添加物のみを原料として、認可を受けた工場にて製造される。 食べ物の種類や商品により、天然可食性インクと食用可食性インクに分けられる。 印刷方法は下記のようなものがある。
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★食用インクの印刷方法★
[焼き印(焼き鏝)による刻印]
お饅頭やドラ焼き、卵焼きなどに焼付けなど
[パッド印刷]
えび煎餅やクッキーなどへの印刷
[静電スクリーン印刷]
えび煎餅やクッキーなどへの印刷
[可食シート及び可食フィルムへの印刷]
ホットケーキやクッキー、キャンディなど素材
[可食プリンターによる印刷]
和菓子、洋菓子、お餅、ケーキのほか可食シートなど
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個人的に気になった商品では、食べられるインクのペン「フードペン」がある。食用の着色料、揮発性のアルコール成分でできたインクを使っている。果物やパン、菓子など様々な食べ物にメッセージを手軽に書き込むことができる。例えば、ある運動会の朝、朝食の場面で母親が子供にパンの表面に応援メッセージ「がんばれ!」などと書かれていたらどうであろうか。微笑ましい光景だ。ひと手間暇かけることで五感+メッセージによりエモーショナルな(感情、情緒的な)価値が生まれた場面だ。
■エモーショナルマーケティングと幅広い印刷技術表現のコーディネートのツボ
エモーショナルマーケティングは、商品・サービスの機能の優位性を伝えるだけではなく、人の感情や共感に訴えて独自性を訴求する考え方だ。コミュニケーションにおいては、合理的な伝達ではなく、手間をかけたコンテンツの提供が人の感情や共感に訴える効果を高める。例えば、2011年3月11日の東日本大震災では、インターネットでのSNSが活躍した。SNSに求めたものは、合理的な情報の共有もあったが、様々なコミュニティー形成による絆があったようだ。一方、大きな話題となった紙メディアがあった。それは、宮城県石巻市の地域紙である石巻日日新聞の壁新聞だ。電気も機材も無い中、手書きの新聞が手間をかけながら発行され続けた。感動を与えたのは、記者や編集者の情熱や思いであったように思える。肝心なことは、何に感動し、心を揺さぶられるかである。現在の印刷加工技術は幅広い。五感に訴える技術は、デジタルもアナログでも進んでいる。技術に溺れることなく使いこなすことが肝心だ。印刷ビジネスおいては、顧客とその顧客、個人とコミュニティーなどの間に立ってコーディネートすることがビジネスチャンスに繋がる。エモーショナルな価値をテーマに幅広い印刷加工技術をコーディネートすることは益々求められそうだ。
プリンティングコーディネータ養成講座第20期(JAGAT主催)は、様々な印刷技法、素材、作品、人との出会いの場。今年もブラシュアップして10月4日から開催する。
第20期プリンティングコーディネータ養成講座
顧客の伝えたい価値を幅広い印刷表現技術で形にする
詳細はhttps://www.jagat.or.jp/archives/37462をご覧ください。
(CS部古谷)
ブランディングと情報デザインの関係―50周年記念誌の編集制作から
情報デザインとは、必要な情報を受けとる人が効果的に受信できるように、情報の発信者が準備する手段や手法のことをいいます。JAGAT創立50周年の『記念誌』制作のために過去の資料を調べていると、この発想が必要であることがわかってきました。【50周年記念】
新事業開発を担う人材育成の仕組みづくり
新商品や新サービスの開発には、知識やノウハウを備えた人材育成の仕組みをどう整えるかが課題になっている。 続きを読む
山陽印刷 会社まるごとギャラリー2017「バードオブパラダイス」展 開催
このたび、アーティストネットワーク+コンパス主催『会社まるごとギャラリー2017「バードオブパラダイス」』展を開催します。
会社まるごとギャラリー2017は、今年で5回目。作家さんたちの力を借りて、今年も新しい視点を「とり」入れて、そして「とり」こんでいきたいと思っています。
タイトルは「バードオブパラダイス」としました。
6人の作家(やまゆりの、山田裕介、ena田中絵奈、小川敦子、阿部美帆(kaikas’)、田中清隆)がそれぞれ過去に制作した作品に加えて、この展覧会のためのオリジナル作品を協力企業の社屋内外に展示します。昨年好評でした川名マッキーもワークショップで参加します。
会社まるごとギャラリーの展示会場は、山陽印刷・山装・坪倉興業・鶴見金網の4社となりました。また、ワークショップでは、金沢区の工場を回遊するものや、各企業からの廃棄物にアーティストが手を加えることで、新しい魅力を付け足したアップサイクルの発想を取り入れたもの等、今まで気が付かなかった工業団地ならではの魅力も引き出されているのではないかと思います。この機会にみなさまにはぜひ目撃者となっていただきたく、ご案内させていただきます。
『会社まるごとギャラリー2017「バードオブパラダイス」』展
会期 : 2017年9月30日(土)~10月28日(土)
一般公開(予約なしでご覧いただけます)
山陽印刷株式会社 営業日の午前中 2階ギャラリーのみ
株式会社山装 会期中の営業日の午前中
株式会社坪倉興業 会期中の営業日エントランスのみ(2015年制作 松尾玲央奈 常設展示)
鶴見金網株式会社 会期中の営業日エントランスのみ
★要予約:山陽印刷株式会社 10/4(水)・14(土)*・10/18(水)・28(土)*
★アポイント制で午前10時、午後2時よりギャラリーツアーを実施します。
*午前ギャラリーツアー、午後ワークショップ。タイムスケジュール・会場HPにてご確認ください。
会場 : 山陽印刷株式会社・株式会社山装・株式会社坪倉興業・鶴見金網株式会社
主催 : アーティストネットワーク+コンパス
後援 : 横浜市金沢市役所
助成 : 横浜市地域文化サポート事業・ヨコハマアートサイト2017
協力 : 山陽印刷株式会社、株式会社坪倉興業、株式会社山装、鶴見金網株式会社、株式会社南部フーズ、株式会社ニットー、株式会社横浜シーサイドライン、株式会社横浜八景島、玉家運輸倉庫株式会社、有限会社協和タイヤ商会、並木コミュニティハウス、(一社)横浜金沢産業連絡協議会、横浜シーサイドフォーラム、女子美術大学デザイン・工芸学科 プロダクトデザイン専攻エコデザイングループ、関東学院大学 人間共生学部 共生デザイン学科、株式会社セキド、株式会社中込製作所(敬称略)
お申し込み・お問い合せ/山陽印刷株式会社 内
アーティストネットワーク+コンパス
〒236-0004 神奈川県横浜市金沢区福浦2-1-13
TEL.045-785-3434 www.anc3434.com