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【オンライン】印刷機の予防保全と印刷品質

印刷機械の予防保全と品質管理を学ぶ!

印刷工場の生産性向上や働き方改革が課題とされる中、印刷機長の役割は益々重要です。印刷の現場では、機械の予防保全が生産効率や品質の安定化の肝となります。印刷現場における行動や判断を、現場・現物・現実・原理・原則という5つの視点で考え、印刷品質と機械の保全についてのスタンダードを学びます。

 

開催日時

 2023年2月15日(水)13:00~17:00

 

プログラム

 〇印刷現場の職務と役割
 〇機械の予防保全の基本的な考え方
 〇オフセット印刷機、基本構造の再確認
 〇よくある印刷品質トラブルと要因

 

【事例解説】印刷品質トラブルと要因について
<印刷トラブルに対する対策>
・ブロッキング 
・ゴースト 
・見当不良 
・ダブリ   

<印刷機の変動要素とメンテナンスの現状>
・印刷機の変動要因とは 
・フィーダー部のポイント 
・見当部と爪のポイント 
・インキ、給水ローラーのポイント
・版胴、ブラン胴、圧胴と胴仕立てのポイント
・デリバリと排紙のポイント  他

 

 ※講師やプログラムはやむを得ず一部変更する場合があります。

 

対象

 オフセット印刷機の管理者及び管理者候補、印刷機械の管理、作業標準を整えたい方

講師

 タケミ株式会社 

 柴崎 武士(しばさき たけし)
 稲葉 徹
(いなば とおる) 
 片岡 健一(かたおか けんいち)

 

最少催行人数

 5名 

参加費(税込)/1名

 JAGAT会員 16,500円 / 一般 22,000円

※上記価格は1名様の価格です。複数名でご視聴の際は人数×受講料をお支払い下さい。

 


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お申込み

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お申込書に必要事項をご記入のうえ、
03-3384-3216
までFAXにてお送りください。

 

参加費振込先
参加費は、下記口座に開催日の2日前までに振り込み願います。
なお、お申し込み後の取り消しはお受けできません。代理の方のご出席をお願いします。

口座名:シャ)ニホンインサツギジュツキョウカイ
口座番号:みずほ銀行中野支店(普)202430

内容に関して問い合わせ先
内容に関するお問い合わせはお気軽に下記までお寄せください。
CS部 セミナー担当 電話:03-3384-3411

お申し込み及びお支払に関して
管理部(販売管理担当)   電話:03-5385-7185(直通)

 

公益社団法人 日本印刷技術協会

ヒューマンエラー対策、ASV(先進安全自動車)にみるAI活用

ASV推進計画にみるヒューマンエラー対策

社会的な課題とされるヒューマンエラー対策は、印刷工場に限ったことではない。大きな社会問題の交通事故。国土交通省自動車局が2018年9月に公表した「自動車の安全確保に係る制度及び自動運転技術等の動向について」という資料によれば、2016年のヒューマンエラー(法令違反)に起因する交通死亡事故は全死亡事故の97%にも上るという。

国土交通省では、ASV推進計画を進めている。ASVに関する技術の開発・実用化・普及を促進するプロジェクトであり、平成3年度から約30年にわたっての取り組みだ。先進安全自動車(ASV:Advanced Safety Vehicle)」は、先進技術を利用してドライバーの安全運転を支援するシステムを搭載した自動車である。AIが活用されている。

プロジェクトは、学識経験者、自動車・二輪車メーカー(14社)、関係団体、関係省庁を委員とする「先進安全自動車(ASV)推進検討会(座長:須田義大 東京大学生産技術研究所教授)」(事務局:国土交通省)において、検討が進められている。

主な技術は、ヒューマンエラー対策に関わるものだ。

  • 前方障害物衝突被害軽減ブレーキ
  • ペダル踏み間違い時加速抑制装置
  • レーンキープアシスト
  • 車線逸脱警報装置(LDW)
  • 後退時後方視界情報提供装置(バックカメラ)
  • 後側方接近車両注意喚起装置

現時点で自動運転レベル3を実現している本田技研工業株式会社。2022年12月1日付けのニュースリリースでは、全方位安全運転支援システム「ホンダ センシング 360」と安全運転支援システムのフラッグシップである「ホンダ センシング エリート」の次世代技術が公開された。2022年12月の中国市場向け新型CR-Vへの採用を皮切りに、新しい「Honda SENSING360(ホンダセンシングサンロクマル)」(以下360)をグローバルに展開すると発表した。360は、交差点での車両や歩行者、二輪の検知、カーブ減速支援などが追加された、全方位安全支援技術だ。ドライバー異常や周辺環境を検知し、事故を未然に防ぎドライバー運転負荷を更に軽減する機能だという。これにより、健康に起因するものやヒューマンエラーで発生する事故を削減するとも期待されている。

ヒューマンエラー対策とAIへの期待

事故を未然に防ぐにはヒヤリハットの段階で対処することが有効される。「ハインリッヒの法則」がヒントになる。1件の重大事故の背景には、軽微な事故が29件、さらにその背後には300件のヒヤリハットが潜んでいるという法則だ。「1:29:300の法則」とも呼ばれる。「当社の事故はゼロ!」などと事故の件数に一喜一憂するのではなく、1件の事故に対する300のヒヤリハットの数に目を向けることが肝心である。例えば、事故がゼロでもヒヤリハット数が100件あれば、ヒューマンエラーに繋がる100の課題が存在することになる。より多くのヒヤリハットの数を入れ込むことで可能性が広がる。

日刊工業新聞2022年10月12日の記事によれば、筑波大学の斉藤裕一助教らは、タクシードライバーのヒヤリハットシーンを学んだ人工知能(AI)を開発した。急ブレーキを踏んだ前後のドライブレコーダーの映像と車速などを学習させた。危ない運転をしている際の状況判断のようなものをAIとして抽象化できた。運転時の思考を解釈したり、そこから安全マージンを導くなどの研究につなげる。タクシードライバーは運転のプロとして、隠れたハザード(危険)を勘案しながら走行する。ドラレコのヒヤリハットデータ20万超の中から、制限速度30キロメートル以下で物陰の多い交差点での自転車の飛び出しシーンを抽出する。自転車に接触しかけた際の時間的な猶予を計算し、安全マージンの大きな運転と小さな運転を学習させたとある。AIで事故を回避することは難しいが、事故の重大さを下げるような運転を知らせることはできる。

ヒューマンエラーは、無くすことはできない。如何に最小限に止めるか、未然に防止できるかが問題だ。人の意識や判断が鍵を握ることは変わらない。ヒューマンエラー対策は、ルールを作りルールの守るだけの対策では効果が期待できない。AIを活用することで、人の判断や意識における納得感をサポートすることで可能性が広がるのではないだろうか。

(CS部 古谷芸文)

page2023開催案内

JAGATセミナー

ヒューマンエラー対応、ヒヤリハットに目を向ける

〝0〟にできないヒューマンエラーと事故回避

人的要因、ヒューマンエラーによるトラブルは、印刷会社においても関心度の高い課題だ。今年の重大事故の中で、静岡県で起きた幼稚園での送迎バスの中に置き去りにされた3歳の子どもが死亡した事件は、うっかりミスでは済まされない事案だ。厚生労働省の「2020年教育・保育施設等における事故報告集計の公表」の資料では、認定こども園・幼稚園・保育所等における事故報告数を1586件と発表している。前年の報告数と比べ287件増加しており、そのうちの1281件が骨折の事故であることも明らになっている。原因と大半がヒューマンエラーとして捉えられ、そのための防止策が重要視されている。

ただし、ヒューマンエラーはゼロにはできないことが前提だ。できるだけミスを起こさない対策を講じることを考えることだ。ミスに繋がる要因をできる限り潰していくことだとされている。要因となる「ヒヤリハット」の事案を記録して対応していくことが効果的とされている。ヒヤリハットとは、一歩間違えれば重大な事故に繋がるかもしれない「ヒヤリ」としたり、ハッとする事柄である。ヒューマンエラーを防ぐには、事故に注目するのではなく、事故になりそうなことに目を向けることが肝心だ。

ハインリッヒの法則にみる対応策

事故を未然に防ぐにはヒヤリハットの段階で対処することが有効される。「ハインリッヒの法則」がヒントになる。1件の重大事故の背景には、軽微な事故が29件、さらにその背後には300件のヒヤリハットが潜んでいるという法則だ。「1:29:300の法則」とも呼ばれる。「当社の事故はゼロ!」などと事故の件数に一喜一憂するのではなく、1件の事故に対する300のヒヤリハットの数に目を向けることが肝心である。例えば、事故がゼロでもヒヤリハット数が100件あれば、ヒューマンエラーに繋がる100の課題が存在することになる。印刷製作工程での文字の誤植や訂正ミスでは、DTPから次工程や印刷前に見つかったとしても些細なことでも記録して対応することになる。

ヒューマンエラーへの対応は、事故に繋がりそうなヒヤリハットを如何に現場から吸い上げ、記録し対応できるかが鍵を握っている。それには、職場の雰囲気としくみづくりが必要だ。例えば、事故に対しては犯人を捜し、責任を追及するだけの対応では根本的な解決に繋がらない。組織を上げて、原因を把握し、解決策を講じることが求められる。ヒューマンエラーが起きやすい職場の雰囲気には、共通点があるともいわれる。ひとつには、管理者のヒューマンエラーへの認識が低いこともあるが、他にも、マニュアルが整備されていないことや業務上のルールが決められていないような場合もある。一方、日常の業務に追われ余裕がないよう職場では、ダブルチェックする余裕もなく、疲労で判断力が鈍り、トラブルに繋がることもあれば、部門内や部門間のコミュニケーションが不足し、伝達ミスなどによることも見受けられる。これらの要因は、会社や工場の改善活動とも直結した課題でもある。仕事の中に潜むミスを気づかせる見える化改善に繋げることにもなってくる。ヒューマンエラーは改善活動とセットで考えることで相乗効果も期待できる。

CS部 古谷芸文

JAGATオンラインセミナー

現場改善の基本と実務

プリプレス・印刷業務の再点検

印刷、後加工の仕事に役立つ 製本加工の基礎知識

人材育成に対する企業のスタンスは? ~2022年上半期開催のJAGATセミナーから~

JAGATセミナーは人材育成の観点で印刷業界を支援し、人材のボトムアップから業界活性化を図ることが目的である。基本方針は、「印刷会社の“今”の課題を解決」「明日から仕事で使える」とし、印刷現場、営業、マーケティング、デザイン制作、法務、会計と多岐に渡るテーマを取り扱っている。今回は、2022年上期に開催したセミナーについて報告する。
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新卒採用活動の次はフォローアップが重要!

会社の痛手となる新入社員の離職

人事採用と入社後人材育成は、印刷会社の成長においても重要な取り組みだ。中小企業の新卒採用担当者の中には、「会社を知名度で決める」「採用競争力」など大企業に比較しての悩みを抱えてことを聞くことがある。リクルートワークス研究所によれば、過去10年5,000人以上の大手企業の求人倍率は1倍以下と採用がしやすい状況があるが、一方、300人未満の有効求人倍率は、常に3倍以上を推移している。コロナ禍により超売り手市場であった2021年卒の3.40倍よりも上がり、22年卒採用においても「5.28倍」と依然として採用難であることが分かる。

一方、苦労して採用に結びつけても、昨年令和3年10月の厚生労働省のプレスリリースによれば、就職後3年以内の離職率は新規高卒就職者36.9%、新規大卒就職者31.2%ということである。新卒者本人だけでなく企業側にとっても大きな痛手だ。更に、毎年1割近くが1年以内で離職している。新卒者が1年以内に離職することは珍しくない状況だ。

理想と現実とのギャップを埋めるフォローアップ

離職の理由のひとつに「理想と現実とのギャップ」が挙げられるがことが多い。入社3カ月~半年が過ぎたあたりから、現実との壁が生じる。そのギャップを埋めることが重要だ。現実的な仕事に対するやりがいや働き方に起因する事柄を共に解決していくことが必要になる。採用活動の次の課題はフォローアップである。教育をはじめとする社員が成長するための計画的な施策と環境は不可欠だ。フォローアップは、新入社員研修からある程度時間が経ってから繰り返し行うことを意味する。「会社での帰属意識を高め、生産性を向上させる」「研修効果の定着や離職率を低下させる」などの狙いがある。手段としては、フォローアップ教育研修などもあるが目的が重要だ。仕事に直面した新入社員の不安や疑問を解決することが目的だ。単に専門知識を詰め込むことでないことを認識し、寄り添うことが肝心なところだ。一般的に用いられる方法では、「人事面談で意見を聴く」「上司によるフォローアップ」、年齢や社歴の近い先輩社員が助言する制度「メンターをつける」「フォローアップ研修」などがあるが、会社全体として取り組むことが必要になる。

(CS部 古谷芸文)

2022年度秋期
【オンライン】フォローアップ総合研修

「まるまる学ぶサービス」

【オンライン】印刷技術の基礎知識

【オンライン】印刷営業の基本

事故にみる工場のヒューマンエラー対策

交通事故にみるヒューマンエラー

工場管理でやっかいな課題に人為的過誤やミスであるヒューマンエラーがある。ヒューマンエラーに起因するトラブルや事故は、工場に限ったことではない。警察庁によれば、交通事故におけるアクセルとブレーキの踏み間違いによる人身事故は過去5年(2016~20年)で2万1103件発生し、248件が死亡事故につながっているという。よく高齢者による事案が話題になるが年齢に限らずヒューマンエラーの視点で捉えることも重要だ。国土交通省自動車局が2018年9月に公表した「自動車の安全確保に係る制度及び自動運転技術等の動向について」では、2016年のヒューマンエラーによる法令違反に起因する交通死亡事故は全死亡事故の97%に上るという。また、内閣府が同年発表した「平成28年中の道路交通事故の状況」での死亡事故原因は「わき見」や「漫然運転」「安全不確認」といった安全運転義務違反が55%を占めている。「一時停止違反」や「速度違反」なども多いようだ。こうしたヒューマンエラーへの対応策は、自動運転システムの普及と人間の心理的、生理的特徴への対応だともいわれている。

犯人捜しでは解決できないヒューマンエラー対策

人が活動する限りヒューマンエラーは無くすことはできない。なくならいことを前提に考える必要がある。トラブル対応では、事故を起こした当人を探し責める場面があるが、犯人捜だけでは解決できない。孔子の教えに「罪を憎んで人を憎まず」とあるが、同様にトラブル自体に目を向けなければならい。原因を把握したうえで適切な対策を講じて発生しにくい環境を整えることが大切だ。コンサルソーシング株式会社のサイト記事(2018年7月28日)では、事務ミス・作業ミスの多い人の傾向的特徴と対策の方法・事例について解説してある。人それぞれに傾向と特徴があり、それに合わせた対策を行うことで効果的にヒューマンエラーやミスを軽減することができるというものだ。例えば、人の行動特性を7つタイプに分ければ下記のようになる。

  • 細部が気になる人
  • 場当たり的に仕事をする人
  • 言われたことしかしない人
  • 認識が他の人とずれる人
  • 何でも抱え込んでしまう人
  • 仕事が中途半端な人
  • すぐ忘れる人

タイプ別に対応は異なる。ヒューマンエラーは、人の特性を理解し、それぞれに応じた対策が求められる。対応策としては、人に仕事の中に潜むミスを気づかせる見える化改善に繋げることが必要になるという。ミスの検出力を高めるミーティングや見える化の改善策が有効になるとうことだ。工場管理においては、改善活動とヒューマンエラー対策はセットで考える必要があるのだ。

CS部 古谷芸文

印刷工場の競争力を高めるための「工場改善活動の進め方」

工場のトラブル対応!「ヒューマンエラー対策

工場の日常管理、維持管理、叱ると怒るの境界線

パワハラが社会問題とされる中、悩む管理者

工場をマネジメントする管理者は、人を育てる意識が重要だ。2021年6月に大手運送会社では、上司2人からの度重なる叱責(しっせき)によるパワーハラスメント(パワハラ)などを理由に、営業所で自殺していたことが明らかになった。同社では内部通報があったが生かせなかったという(東京新聞2021年11月5日)。2020年4月にパワハラ対策を大企業に義務付けた法律施行後も、働く人の自殺は後を絶たない。2022年4月より中小企業にも義務付けられた。一方、昨今の工場の管理者は、生産性の向上や部下への指導と関わり方で「厳しく接すること」がうまく実践できずに悩んでいることを耳にする。パワハラが社会問題とされる中、過剰に気を遣うことは容易に理解できる。

「叱る」と「怒る」の違いを学ぶ

5S活動をベースに工場改善に取り組む上では、日常管理、維持管理が第一歩となる。維持管理は至ってシンプルで部下に決まったことやルールを守らせることである。維持管理ができなければ、工場づくりは進まない。時には守らない部下を厳しく躾ける必要が出てくる。指導するコツのひとつが「叱る」と「怒る」の境界線を知ることだ。「叱る」は、人を育てるための教育であり理性である。一方、「怒る」は、個人的でコントロールができない感情であり暴力にあたる。叱ることを学ぶ必要がある。

ルールを守れない場合は、原因を探求することが肝心

2022年6月9日(木)に開講した「第2期印刷工場養成講座」(JAGAT主催、全6回)での初回「経営と印刷工場のマネジメント」では、石川秀人氏(コンサルソーシング株式会社、コンサルタント)を招き、部下の指導についても触れられた。叱るときのポイントは、熱くなりすぎず要点を絞り込んで指摘することだという。部下に問題の重大性を認識させ、同じ失敗を繰り返さないように考えさせることだ。根本的には、部下に反省や気付きを促すという目的を意識して指導できるかどうかである。ルールを守れない場合は、原因を探求することが肝心だ。原因は、いくつかのパターンに整理できる。

①決まったことを知らない、忘れてしまった。

②内容を理解していない

③管理者が根気強く教えていない

④守れない者に叱り方が分からない

⑤守っていないことに当事者が気づかない

⑥守っていない犯人捜しで終わっている

⑦作業の指示が曖昧で、報連相が無い

⑧維持管理のサイクル(PDCA)が回っていない

守れない原因は何故かということを繰り返し考えることが重要だ。そして、原因に合わせて対処するのだ。考えることによって理性的に対応することへも繋がる。考えさせることを学ぶのだ。指導の仕方を身に着けることで人材が育ち工場の競争力に繋がる。

(CS部 古谷芸文)

先行予約案受付中!第3期【オンライン】印刷工場長養成講座

最新版!DTPアプリケーションの徹底活用 
PDF入稿の運用方法とトラブル対策 

情報の活かし方とアイデア発想法
DTP制作のための組版の基礎知識

人が主体の標準化改善とマニュアル化

働き方の転換のために取り組むべき2つ のこと

サステナブルな社会やそれを具体化するSDGsへの企業の取り組みを良く見聞きするようになった。多くの印刷会社でも意識にはあるはずだ。SDGsを構成する17の目標は印刷工場にも関係する。人材確保の難しさもあり、中でも関係する持続的に社員を大切にする環境整備や働き方の質の向上への対応は急務である。

働き方の転換のために取り組むべきことは2つあるという。株式会社コンサルソーシング(2018年7月16日blog)によれば、1つは、長時間労働・残業などを助長する「仕事のブラックボックス化=属人化」を無くし、一人ひとりの仕事を適切に管理し、協業力を高めることと言われている。もう1つは、「価値で仕事を選り好みするスタイル」へ転換し、価値のない仕事をやめて生産性を高めることという。改善活動から多能化へ繋げ、標準化改善を行うことにより社員の仕事量と質をマネジメントすることが可能になる。

人が主体のマニュアル化

標準化と言えば、マニュアルが思いつく。かつてマニュアルは、“マニュアル通りの対応”というような負のイメージがあった。今は違うようだ。作業服の株式会社ワークマンのマニュアル書の捉え方が面白い。頑張らなくていいマニュアル書らしい。ダイヤモンドオンライン記事、GW限定講義(2022年5月8日)では、急成長を遂げるワークマンの仕掛け人、同社専務取締役の土屋哲雄氏の「『社員は頑張ってはいけない』と言い切っている、たった1つの理由」で、マネジメントについて語ってある。同社は、能力の高さではなく 「親切心」と「人柄」で広がる善意の連鎖を重要視しているとある。採用でも能力より人柄重視だという。行動規範では、自発性だ。フランチャイズの運営では、社員の自発性を重視する一方、小売業で最も標準化とマニュアル化が進んでいる企業でもある。加盟店の募集においても人柄重視である。店舗は100坪の標準店舗のみ、品揃えは全国で97%が共通、販売価格は変えない。小売未経験の加盟店がマニュアルどおりに運営すると、誰でも高収入が得られる仕組みができているという。ビジネスの仕組みと手順が決まっていれば安心感と気持ちに余裕ができる。頑張っている雰囲気ではなく、顧客に良い人柄を伝えることもできるというのだ。

マニュアル化は、捉え方で価値や運用が変わる。トヨタ生産方式の自働化にも人偏がついているように、上位にくるのは人間である。機械やシステムが作業をしても操るのは人間だ。標準化改善の本質も仕事をこなすことだけが目的ではなく、社員の能力を引き出し、働きがいを大切にするための活動だということを忘れてはいけない。

(CS部 古谷芸文)

【オンライン】印刷工場長養成講座

【オンライン】部下とチームを成長させるリーダーシップ研修

印刷工場における属人化対策と標準化改善

ニューノーマル時代に課題となる属人化

働き方改革をはじめとするニューノーマル時代への対応に向けて短時間労働や在宅勤務などの多様な就業形態・勤務形態を採用する企業の動きが加速する中、企業の働き方改革に関する実態調査2021年版(株式会社ワーク・ライフバランス2022年2月17日)より男性社員の育児休業取得に賛成する人の割合が71%に上るということが報じられた。2022年度4月から改正育児・介護休業法が段階的に施行される中、男性の育児休業者がいない職場からは「仕事を任せられる仕組みがない」、「仕事の属人化」の解消が課題の要因とみているようだ。page2022では、印刷工場の改善活動と多能工化をテーマしたセミナーが注目された。工程や個人のスキルによるムリ、ムダ、ムラによる生産性の低下を課題に改善活動とその延長線にある多能工化への取り組みを学ぶ講座だ。印刷会社における人員確保と属人化は大きな課題として取り上げられ開催された。

属人化に対応する標準化改善とSDCAサイクル

働き方の転換のために取り組むべきことは2つあるという。1つは、長時間労働・残業などを助長する「仕事のブラックボックス化=属人化」を無くし、一人ひとりの仕事を適切に管理し、協業力を高めることと言われている。もう1つは、「価値で仕事を選り好みするスタイル」へ転換し、価値のない仕事をやめて生産性を高めることという。(株式会社コンサルソーシング2018年7月16日blogより)

改善活動から多能化へ繋げるためには、標準化改善が必須の活動となる。標準化改善に効果的な手法ではSDCAサイクルが上げられる。

SDCAサイクルとは、Standerdize(標準化)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)→S…のサイクルを回すことで、品質の向上などを目的とした生産現場における改善手法の一つだ。それぞれの頭文字をとってSDCAサイクルという。

<Standerdize>

まずは標準化。

属人化を無くすための表標準(おもてひょうじゅん)への取り組みが重要になる。ここが、大きなポイントだ。

例えば、生産性の高いオペレーター作業手順を表に出し、見える化し、手順を標準としてきめる。場合によっては、抵抗感を持つ社員もいるかもしれない。

<Do>

次に実行。

標準が決まれば、他のオペレーターにも同じ手順で実行させる。

<Check>

標準化したことをチェックシートなどを用いて管理する。

標準を作っても守られていなければ意味がない。Actionのステップで改善する。

<Action>

標準を守って行くためにより良くするための方策などを考える。

このように標準をつくり、それを維持管理していくサイクルを回すことがSDCAサイクルだ。改善活動を推進するリーダーは、守らせることが肝心だ。時には叱ることも必要になる。最近では、部下を叱れない管理者が増えていることも耳にする。パワハラ等への心配もあるかもしれないが、時には叱ることも必要だ。ただし、「叱る」と「怒る」は違う。「叱る」では、熱くなりすぎずポイントを絞り込んで指摘することで、部下に問題の重大性を認識させ、同じ失敗を繰り返さないように考えさせることだ。根本的な違いは、部下に反省や気付きを促すという目的を意識して指導できるかどうかである。慣れていなければ訓練も必要であろう。SDCAサイクルの推進にもリーダシップ持った人材(リーダー)が鍵を握ることは間違いない。

(CS部 古谷芸文)

第2期 オンライン 印刷工場長養成講座