印刷・製本関連」カテゴリーアーカイブ

印刷工場のムダな在庫とお金の目

自動車メーカーの変化と在庫のムダ

印刷工場の改善活動では、ムリ・ムダ・ムラの3Mを無くすことは課題である。中でも過剰な在庫を減らすことは重要だ。最近の在庫管理では、少し違う見方もある。日本経済新聞オンライン(2021年9月15日 18:00)の記事によれば自動車メーカーの在庫管理に対する変化を伝えている。自動車メーカーの間では、できるだけ部品の在庫を持たない効率重視の調達戦略を見直す動きが広がってきた。トヨタ自動車や日産自動車、スズキは半導体の在庫を積み増す。レアメタル(希少金属)権益を自ら確保するメーカーもある。電動車シフトという構造変化を受けて半導体などは戦略部品として重要性が高まっており、国際情勢も勘案しながら安定調達する必要が出てきた。「持たざる経営」は転機を迎えた。と報じている。つまり在庫を増やすということだ。そもそも自動車業界の成長は、受注生産方式で在庫を持たないということで競争力を付けてきた。従来、メーカーの多くは、売り上げを予測して、見込生産により商品を売り切ることを目指す。売り切れずに過剰在庫となり利益に悪影響を及ぼすことがある。

トヨタ自動車のトヨタ生産方式「ジャストインタイム」は、受注生産方式のボトルネックであるリードタイムやコスト、仕様変更へ対応を改善活動により極力向上させた代表的な取り組みだ。その受注生産体制の中で、在庫を持つ方針を打ち出している。勘違いしてはいけないことは、単純な従来のリードタイム短縮や急な需要への対応などではないところだ。危機管理によるマクロ環境対応を考えた経営判断によることを理解しなければならない。

基本は、在庫は持たないほうが良い。なぜか?

答えはシンプルで、在庫はお金ではないからだ

印刷工場の在庫では、材料となる用紙やインキ、刷版などが上げられる。これらは、経営資源「お金」として都合よく運用できるものではない。コスト判断の上でも誤ることがある。例えば、財務諸表の損益計算書では、見せかけの利益となり判断を誤る。在庫は、売れないかぎり原価には計上されないからだ。例えば、年間100万円の利益を稼いだとしても、期首からの在庫残高が100万円増えれば、利益が在庫に形を変えただけでお金は全く増えていないことになる。また、会社の懐具合(ふところぐあい)である貸借対照表、資産の部「棚卸資産」に計上されるが、お金ではないことを認識しなければならい。

ムダな在庫は、生産コストにも悪影響を及ぼす。ムダな在庫は、スペースを取り、倉庫管理というムダな仕事も増やすことになる。

印刷工場のマネジメントでは、それらをお金で計ることが求められる。財務知識は必須だ。だからといって、簿記の資格を取得しなければならないということでもない。管理会計やマクロ会計的な見識が土台となる。工場に纏わる原価の科目を理解し、お金の動きと生産現場の業務を繋げ把握することが必要だ。ムダな在庫を会社のお金と結び付けて考える習慣ができれば、改善活動への意識も高まるはずだ。

オンライン印刷工場長養成講座(JAGAT主催)第1回目は、トヨタ生産方式を基本に「経営と工場マネジメント」をテーマにスタートする。

CS部 古谷芸文

【オンライン】印刷工場長養成講座 https://www.jagat.or.jp/archives/87828

【オンライン】オフセット印刷現場のトラブル対策と印刷機の予防保全

☆印刷機の予防保全とトラブル対策を学ぶ☆

印刷機の予防保全は、機械故障や品質事故を減少させ、生産性向上と効率化を図り、コスト削減の第一歩になります。このセミナーでは、トラブルの実例をまぜて予防保全とトラブルが発生したときの対応について解説します。印刷技術者への意識改革、印刷現場の具体的改善を目指します。
講座の中では、受講者皆様のトラブル事案を取り上げて講師との対話の時間もあります。受講にあたり印刷現場での課題を整理して頂き、当日ご参加頂ければ、より充実した講座になります。
貴社工場の課題解決のためにお役立てください。

| 開催日時
  2021年9月28日(火) 13:00~17:00

| 対象
  中堅オペレーター、機長クラス、工場管理者

プログラム

〇印刷機の予防保全の基本的な考え方
〇印刷トラブルと印刷環境の関連性
〇発生しがちなトラブル要因
〇トラブル対応、受講者事案ワークショップ
 ※受講者 受講者受講者事案ワークショップでは、受講者皆様のトラブル事案をお持ちより下さ                  い。前もって案内させていただきます。

| 講師
  中野 和波(なかの かずなみ)
   ㈱音研 執行役員統括部長 一級印刷技能士 職業訓練指導員
    都立中央・城北訓練センターにて任用講師として求職者に対しての印刷機操作指導
      
| 最少催行人数
  6名

| 参加費
  JAGAT会員 15,400円 / 一般 19,800円

 

 

●研究会・セミナーのZoomウェビナー参加方法のご案内

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お申込書に必要事項をご記入のうえ、
03-3384-3216
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参加費振込先
参加費は、下記口座に開催日の2日前までに振り込み願います。
なお、お申し込み後の取り消しはお受けできません。代理の方のご出席をお願いします。

口座名:シャ)ニホンインサツギジュツキョウカイ
口座番号:みずほ銀行中野支店(普)202430

内容に関して問い合わせ先
内容に関するお問い合わせはお気軽に下記までお寄せください。
CS部 セミナー担当 電話:03-3384-3411

お申し込み及びお支払に関して
管理部(販売管理担当)   電話:03-5385-7185(直通)

公益社団法人 日本印刷技術協会

トヨタ生産方式に学ぶ、印刷工場の改善活動とムダとり

改善活動における「ムダとり」

印刷工場の生産効率を上げることは、印刷会社の利益に直結する。特に「ムダ取り」は多くの生産現場で課題となっている。TPS(トヨタ生産方式)ベースの人づくりを中心に実践活動を行うコンサルティングファームのコンサルソーシング株式会社では、YouTubeにおいて工場改善についての動画ラーニングチャンネルが公開されている。トヨタ生産方式をベースに工場の改善活動を様々な視点で解説してある。カイゼンとは、工場の生産現場の作業効率や安全性の確保を見直す活動のことだ。現場の作業者が知恵を出し合うことで問題を解決する点に特徴があり、中でもムダな作業を無くす「ムダとり」は、大きなテーマだ。

ムダとりは、正味作業と非正味作業の仕分けからはじめる

改善活動は、課題を分類することからはじまるとも言われる。トヨタ方式でのムダ取り改善は、正味作業の割合を高めて仕事の付加価値を高めるとされている。

正味作業は、一言でいうと付加価値のある仕事で、非正味作業は、一言でいうと付加価値のない仕事だ。例えば、印刷業でいえば、顧客に対して、直接的に価値を提供している本業としての仕事、印刷製品の品質・コスト・納期を直接左右する影響力の大きい支援的な仕事、遵法性、社会性に関わる仕事にあたる。例えば、印刷現場の品質基準、数値管理、営業での顧客へのヒアリング、提案書作成、プレゼンテーション、契約書作成、締結、請求、支払いなどがある。

非正味作業は、顧客にとって価値の無い、または、価値の低い作業である。無くても顧客に何かしらの損害を与えてしまうリスクが低いものだ。印刷業では、社内都合での会議、打合せ、監視、管理の仕事、トラブル発生に付帯するフォロー仕事、具体的には、刷り直し、製本、加工ミスでの再納品、クレーム処理、値引き、再契約等が考えられる。非効率な会議やトラブル対策は大きな要因のようだ。

勘違いしてはいけないことは、ムダは、正味作業にも非正味作業にも存在しているということだ。ただし、非正味作業のムダを優先してムダとりを行うことになる。顧客にとって価値がない又は低い作業なので損害を与えるリスクが低いからだ。その点、正味作業は顧客に直接価値を提供しているので、その作業をやめたときに問題が発生する可能性が大きい。例えば印刷受注でのプレゼンテーションは、受注する印刷会社にとって必ずしも必要なものでもない。しかし、顧客にとっては、発注する印刷製品価値の理解度を高めるものだ。顧客にとっては重要な作業になる。一概にムダと判断するにはリスク伴う。ムダの性質を知る必要があるのだ。トヨタのムダとり改善は、効率化改善のように仕事を速く処理するという考え方をしない。ムダをみつけて取り除く改善ではあるが、最大との特徴は「やめる改善」で、「価値を探求する改善」だ。顧客満足に向けて、価値を探求し、仕事の付加価値を高めることで成果を上げて余裕ある仕事ができる工場くりに取り組んでいる。

ムダをとっても顧客に選ばれることにはならない

ムダを取っても、顧客に選んでもらうことはできない。顧客に選んでもらうためには、顧客にとって価値の高い魅力的な商品やサービスを提案・提供しなければならないことを認識することだ。正味作業の中にも、顧客にとって価値のない、或いは、低いものがある。価値のない作業を、価値のある作業に変えていく必要がある。変えるためには、価値のない作業をやめて、新たに価値のある作業を始めるか、価値を生み出すようにしなければならい。ムダの認識は、実は、顧客と接する営業や経営方針にも関係する全社あげての取り組む要因でもある。印刷工場においても生産効率を高めるために非正味作業を優先して取り除く活動が必要とされるが、正味作業の中に一見ムダとも思える作業の中の価値を見落としてはいけない。例えば、印刷工場の現場では、印刷におけるカラーバー(印刷品質管理スケール)が紙のムダだと耳にすることがあった。顧客には関係ないことのように思えるが意味を知ったらどうであろうか。品質保証という顧客にとって安心、信頼という価値に繋がる可能性が出てくる。ムダとり改善は、経営やマーケティング感覚も必要な生産現場活動なのだ。

2021年10月20日開講のオンライン印刷工場長養成講座(JAGAT主催)は、第1回目にトヨタ生産方式を取り上げ、経営と工場マネジメントをテーマにスタートする。

CS部 古谷芸文

コンサルソーシング株式会社 動画ラーニングチャンネルhttps://www.youtube.com/c/ConsultsourcingJp/videos

【オンライン】 印刷工場長養成講座 https://www.jagat.or.jp/archives/87828

受注拡大のための営業部門の活性化


重要顧客に対しては、ニーズに対応した提案が不可欠だ。そのためには個人営業力だけでなく営業部門が一体となって部門の強化を図っていかないといけない。

 営業マンは顧客の要求に応じて提案をしながらトラブルなく仕事をこなしているが、いつも営業マンひとりだけに任せておいてはいけない。顧客を一面的にしか見ていないことが多いからだ。上司や役員が顧客を同行訪問して営業活動のやり方や顧客動向を多面的に見ておく必要がある。

【組織営業の活用で受注力アップ】
 上司や役員が営業マンと同行訪問するケースとしては、(1) その立場を活かして商談を決めるための同行、(2)営業マンのレベルアップを図るための同行、(3)上司とは別に社内の専門分野の人と同行がある。
 (1)は「上司や経営者と一緒だと商談をまとめるための武器になる」ことから、営業マンが直に同行を依頼するケースだ。上司や役員との同行により顧客からの信頼度が高まり、受注につながる可能性が高い。
営業マンを育てるためにタイミングをみて(2)のケースを多く取り入れている企業もある。ここで上司はビジネス上の最低限のマナーや行動ができているか、必要最低限の商品知識を備えているか、提出する資料が適切かなど営業マンの行動をチェックする。営業マンは上司の顧客との商談の進め方や会話の仕方、プレゼンテーションでの説明の仕方などのスキルを現場で学ぶことができる。
 (3)のケースとして、デザイナーやシステムエンジニア、web担当者といった社内専門家と同行することも効果的だ。この目的は普段会っていない他部門の人と接触することである。ここで自社のソリューションを伝えて顧客のニーズを聞きだし、自社が提供できるサービを専門的な立場から提案できれば、新規受注の可能性もでてくる。

【同行営業で営業マンを育てる】
 上司が同行する目的は営業マンに自ら学ぼうとする意思を高めてもらうことだ。営業マンによって器用な人もいれば、不器用な人もいる。上司としては同行する営業マンの得意とする部分、不得意な部分を十分に見極めながら教育し、顧客情報を的確に把握して指示できれば同行の効果をだすことができるだろう。

 JAGATでは「組織で取り組む戦略営業体制と実践手順」と題して印刷営業管理職を対象としたセミナーを開催する。個人営業と組織営業の最適化を図りながら、組織営業を展開するための基本と実践について学んでいただく。自社営業部門の体制のあり方や部下の教育について課題を抱えている管理職の方、是非ご参加下さい。
                     (CS部 伊藤禎昭)

【オンラインセミナー】
テーマ:「組織で取り組む戦略営業体制と実践手順」
日時:2021年8月4日(水)13:00~17:00

印刷工場における品質優先の考え方

共感と理解を重要視するトヨタ自動車

今週開会される東京オリンピックの「TOPスポンサー(ワールドワイドパートナー)」であるトヨタ自動車は、国内では五輪に関するテレビCMを放送しない方針を明らかにした。(読売新聞 オンライン7月19日11:58)。一方、大会運営への支援では、関係者を運ぶ車両など計3340台を提供し、このうち、燃料電池車(FCV)の「ミライ」や自動運転機能を持つ電気自動車(EV)「イー・パレット」などの電動車が9割を占め、二酸化炭素(CO2)排出量の低減につなげるという。企業として市場での共感や理解を如何に重要視しているかという表れだ。

印刷工場に必要なマーケットインの考えた方と品質優先

印刷製品の品質も同様に市場に受け入れられなければならない。製品の良し悪しは、工場だけで決まるものではない。判断するのは市場であり顧客だ。マーケットインの考え方が必要になる。印刷工場においても他人ごとではない。言うまでもなく、印刷工場で生産される印刷製品も市場のニーズを捉え、顧客満足を満たした品質でなければならない。企業としてのその品質方針が重要になる。品質方針は、特定の部門だけではなく全社を挙げて共有し取り組まなければならい。カイゼンベース株式会社のカイゼン講座、品質優先の考え方【品質管理と品質改善活動:第1章】によれば、「品質を優先すること」について解説している。第一歩としては、品質を優先するという方針を関係者全員が納得し一致して取り組むことが重要になる。品質優先ということは、短期的なコストやリードタイムによる利益だけを考えるのではなく、しっかりと良い製品やサービスを提供することにより、結果的に顧客の信頼を獲得し売り上げ拡大や利益増加に繋げるものである。品質優先を土台にコスト削減やリードタイムの短縮を考えるということになる。「品質を疎かにしてはいけない」ということを全体で肝に銘じなければならいということだ。

マーケットインでの品質管理は下記の項目だ。

  • 顧客が求める品質基準
  • 顧客が求める量と納期
  • 顧客が求める価格
  • 顧客にとっての生産性
  • 地球環境の保全
  • 顧客を含む関係者全員の安全と健康

顧客に印刷品質の価値を伝えるマネジメント

印刷製品における品質管理や品質保証もマーケットインが土台となる。過去の印刷工場に見られたような勘と経験による工場の事情を優先するもではない。例えば、オフセット印刷の品質は、決定づける要因として、ドットゲイン、濃度、カラーバランス、コントラスト、トラッピング、ドライダウン等があるが、このことが顧客にとって価値として伝わらなければ意味がない。そこで、印刷工場は、品質安定のための標準化や数値管理、カラーマネジメント等のしくみづくりの必要性になる。また、営業活動では、品質基準を満たした印刷製品を納品することは勿論であるが顧客にその信頼と安心という価値を伝えることが重要になる。品質優先の考え方は、経営視点で戦略的なものだ。品質を上位に置いた品質(Q)・コスト(C)・納期(D)であるQCDのバランスでのフォーメーションである。組織力がカギを握る。組織力を発揮するためには、工場におけるリーダー育成が不可欠だ。オンライン印刷工場長養成講座(JAGAT主催)は、この10月20日(水)に開講する。

(CS部 古谷芸文)

オンライン 印刷工場長養成講座 

2021年10月20日(水)開講

2021/8/26 【オンライン】印刷業で知っておきたい製本加工の基礎知識

セミナー名:【オンライン】印刷業で知っておきたい製本加工の基礎知識
開催日:2021年8月26日(木) 14:00-17:00
参加費:JAGAT会員:13,200円(税込)/一般:17,600円(税込)
詳細案内ページ

・申込みは、下記のフォームに必要事項をご記入のうえ、送信ボタンを押してください。
・申込フォームにメールアドレスを入力した後「Enter」ボタンを押すと、フォームの内容が送信されてしまいます。恐れ入りますが、「Tab」ボタンを使う、マウスを使うなどの方法で移動お願いします。
※ご注意ください※
本 メールにご登録いただくと、申込完了メールが送信されます。登録後、数分経ってもメールが受領できない場合は、迷惑メールフィルタ等の要因が考えられま す。その場合は、お手数ですが、メール()またはTEL(03-3384-3411)までお問合せください。

0.参加費用 ※選択してください。

JAGAT会員(13,200円)一般(17,600円)

■参加人数

1.会社の情報

■社名(例:公益社団法人日本印刷技術協会) ※必須

■シャメイ(例:ニホンインサツギジュツキョウカイ)

郵便番号(例:166-8539)

■住所1(例:東京都杉並区和田1-29-11)

■住所2(例:印刷技術協会ビル3F)

2.申込みする方の情報

申込む方と参加される方が異なる場合は、請求書をお送りする方の情報をご登録ください。

■部署名(例:総務部)

■役職名(例:課長)

■お名前(例:印刷 太郎) ※必須

申込者は参加しない

■メールアドレス(例:taro_insatsu@jagat.or.jp) ※必須

このメールアドレスに登録完了メールが送られます。

■FAX(例:03-3384-3168)

FAX受講証をご希望の場合は、この番号に受講証が送られます。

■TEL(例:03-3384-3113)

なにかあったときのお問合せ先となります。

2.申込者以外の参加者情報

申込む方と参加される方が一緒の場合は、本欄は入力不要です。

【参加者1】

■部署名(例:企画営業部)

■役職名(例:主任)

■お名前(例:印刷 花子)

■メールアドレス(例:hana_insatsu@jagat.or.jp) ※必須

【参加者2】

■部署名(例:企画営業部)

■役職名(例:主任)

■お名前(例:印刷 次郎)

■メールアドレス(例:jiro_insatsu@jagat.or.jp)※必須

■その他備考

4.JAGATからのご案内について

よろしければJAGATからセミナー開催案内や関連のご案内を送付させていただきます。
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価値を高める印刷工場のマネジメントを考える

ブランド価値を高める生産工程の見える化から魅せる化へ

印刷会社における工場は、重要な収益の源泉だ。工場のマネジメントにより営業戦略にも大きな影響を及ぼす。伝統的な工場管理では、改善活動をベースに如何に生産効率を高め利益を絞り出すかがテーマとなっている。一方、その改善活動は、工場内の課題解決にとどまらずマーケティングにも大きな影響を及ぼすことになる。印刷工場においても重要な視点だ。日本のものづくりにおける改善活動は、世界的に見ても「カイゼン」とカタカナ表記を用いるあるいは「Kaizen」と表記されるなど、国外でも通用する言葉になっている。メイド inジャパンが高いブランド価値を高めている要因にもなっている。

愛知県豊田市 集団接種会場の運営に「トヨタ生産方式」活用

新型コロナウイルスのワクチンの集団接種普及が心配される中、改善活動が注目を浴びている。去るテレ朝ニュース(2021年5月30日)トヨタ“産業医” 派遣「生産方式」を生かした集団接種記事によれば、愛知県豊田市では、75歳以上の高齢者を対象にした新型コロナウイルスのワクチン集団接種が30日から始まり、トヨタ自動車などと連携し、効率的な会場運営に取り組んでいる。同様に福岡県宮若市では、同市内に本社を置くトヨタ自動車九州と連携協定を結んで同社の体育館を集団接種会場として、短時間でスムーズに接種を進めるため、「トヨタ生産方式」を取りいれているという。

ムダの排除と動線の確保という改善活動がブランドになる。

そもそも、トヨタ生産方式とは、工場における生産活動の運用方式の一つで、ムダを徹底的に排除するために確立された生産方式だ。様々な多くの企業がトヨタ生産方式を取り入れ、「ジャストインタイム」や「見える化」或いは「なぜ」を5回繰り返すなどの方法や考え方は多くの印刷工場にも取り入れられている。ちなみに、良く耳にする「かんばん方式」は、トヨタ生産システムの「必要な物を、必要な時に、必要な量だけ供給する」ジャストインタイムを実現する上での情報の流れの仕組みの総称だ。生産現場の各工程において、後工程が前工程に対して必要な部品などをどのように生産するかを発注する発注書の役割を指すものが通称「かんばん」と称されている。これらの呼び名はその意味を超えて価値の高いものになっている。工場の改善活動のノウハウは、企業や製品、サービスのブランド価値形成に大切な役割を果たしているのだ。

オンライン・新工場マネージャー養成講座は10月開講する

印刷工場のマネジメントは、印刷会社のマーケティング戦略おいても益々重要な役割になっている。特にコロナ禍で変わった環境は大きい。営業パーソンに頼った「営業は仕事取ってこい!」の時代は、とっくに終わっている。印刷工場マネージャーも自社のマーケティング戦略を意識し、売れるしくみの中での印刷工場づくりに取り組む時代だ。10月開講予定の「オンライン・新工場マネージャー養成講座」は、改善活動をはじめとする基本的な知識は学びながら売れる、稼ぐマネジメントを学ぶ講座として開講する。

(CS部 古谷芸文)

オンライン・新工場マネージャー養成講座

オンライン工場見学、印刷工場のファンづくり

~顧客に価値を伝える工場のマネジメント~

工場の価値を伝える、ユーザー視点

印刷会社における工場見学は、有効なPRの手段だ。勿論、魅力ある工場を顧客に見せれば、大きなエビデンスとしてのPR効果が期待でき、見られる工場も5S活動が活発化し、社員のコミュニケーション力の向上も見込まれる。

コロナ禍においては、バーチャルやオンラインによる工場見学会も活発化している。日本経済新聞電子版のトラベルクローズアップ(2021/4/19)では、ものづくりの専門家が選んだ「オンラインで見学できる工場10選」を紹介している。

https://style.nikkei.com/article/DGXMZO70985240U1A410C2W01001/

記事中の土屋鞄(かばん)製造所では、「匠の技、わかりやすく」をテーマに、コロナ禍で中止なっていた見学会を動画で開催している。「クイズ」「ランドセルの作り方」「職人の想い」の3つで構成され、各3~4分。リアルの工場見学では公開されていない革を裁断する場面も動画だと見られるようになっている。職人の想い編では、現場の社員が登場し、ランドセルづくりにおいての肝やエピソードを語っている。クオリティーも高く見ごたえのあるコンテンツになっている。サイトにアクセスされればブランド価値は高まりそうだ。

https://tsuchiya-randoseru.jp/pages/kengaku

映像で自社の強みを伝えるファンづくり

売れる印刷工場のマネジメントは、売れるための物語が重要になる。ここで言う物語とは、架空のものではなく製品を作る過程での拘りや想いを表現することだ。印刷工場では、品質を保証するしくみや設備と社員の創意工夫、想いを語ることなどが一例になる。それがファンづくりでは、視聴者へのエビデンスとなりブランディングに繋がっていく。魅せるものづくりでコミュニケーションを取ることが肝心だ。

工場における製造工程や製品の特長は、文章では感性には伝わりづらい。エビデンスとしては、現場を見て伝えることが必要な場面がある。リアルが不可能であれば映像やオンラインを活用するというも選択肢も浮かんでくる。コロナ禍では、映像や配信方法を駆使してオンライン配信する企業の増加が加速している。如何にアクセスさせるかも大きな課題となる。

<オンラインのメリット>

  • 視聴する時間と場所を選ばない
  • リアルでは不可能な工場現場も見学できる
  • 申し込み制限、受け入れ人数限度がない
  • 見たい場面、見たいペースで見学できる

「リアル以上に負担が大きい」という課題

一方、実際の工場見学とは違い、リモートでは参加者の反応や状況が把握しづらい。スタッフの数も、現場の映像、撮影担当に加え、スイッチング等のスタジオ担当を用意するなどの手間と時間がかかる。一見、オンラインの方が手軽のようにも思えるが、実際はその逆だ。リアルでの工場見学にはない労力や気苦労が発生することも想定しておく必要がある。デメリットもあるが様々なオンライン化の波は、コロナ終息後も変わらないであろう。リアルも有り、オンラインも有りとなるだろう。重要なことは、手段に振り回されず目的を忘れないことだ。マーケティング視点で伝えたいメッセージを映像表現やオンラインの特徴を生かして活用すればこれからますます可能性が広がる。ただし、みんながやり始めていることを忘れてはいけない。

(CS部 古谷芸文)

オンライン印刷ビジネス開発実践講座2021

印刷製品、イメージで伝える鳥瞰図

正確さを極めた伊能図と鳥瞰図の違い

印刷メディアにおける情報は、正確さが求められる一方でイメージを伝えることも重要だ。毎年4月19日は、地図の日となっている。同日に放送されたTBSラジオ番組「檀れい、今日の1ページ」でも話題になっていた。地図の日は、寛政12(1800)年の旧暦4月19日、日本全土の実測地図を作製した江戸時代後期の測量家・伊能忠敬が蝦夷地(北海道)の測量に出発した日によるとされる。足かけ17年にも及び、完成した「大日本沿海輿地全図」(通称「伊能図」)は、その正確・緻密さが特徴であった。国防上の観点からも流出を恐れられ長らく秘蔵されていたほどだという。

一方、正確・緻密さとは性格が異なるのが鳥瞰図(ちょうかんず)だ。一般的には意外と知られていないようだが、鳥瞰図とは、高い視点位置からの透視図だ。例えれば、鳥が高いところから地上を見おろすように、人が高い視点から見おろしたように描いた図をいう。(出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)。鳥瞰図のポイントはイメージだ。見て楽しく、感情にも訴え、特徴を表したものが鳥瞰図になる。京都府ホームページで文化・スポーツ・教育「京都府立京都学・歴彩館 Kyoto Institute, Library and Archives」では、デジタル展覧会「京の鳥瞰図絵師 吉田初三郎」が公開されている。鳥瞰図は、大正時代から昭和時代のはじめ、鉄道網の発達に伴い空前の行楽ブームが到来すると、鳥の目で見下ろしたように描いた案内図として各地の宣伝と集客のために多数作成されていた。中でも有名なのが大正から昭和にかけて活躍した吉田初三郎が描いた鳥瞰図ということだ。大胆な構図や鮮やかな色彩で人気を博したとされている。

イメージによって伝える情報

鳥瞰図の肝は、印象的な場所や情景、ランドマークなどをデフォルメして高い技術で描写されているところにある。メッセージをイメージによって、情報を人の心や感情に訴えかけることによって効果的に伝えている。イメージとは、心に思い浮かべる像や情景。ある物事についていだく全体的な感じ。心像。形象。印象。また、心の中に思い描くこととある(デジタル大辞泉より引用)。大正時代から昭和初期の行楽ブームで広まった観光案内としての鳥瞰図の表現技法は、現在でも広く受け継がれている。コロナ禍でなければゴールデンウイークは旅行シーズンでもある。今年は、巣籠もりで大正ロマンを感じられる鳥瞰図を眺め、印刷製品のイメージ価値を感じるには良い機会かもしれない。

(CS部 古谷芸文)

印刷営業20日間集中ゼミ(2021/5/10~6/4)https://www.jagat.or.jp/archives/81764

オンライン印刷ビジネス開発実践講座 https://www.jagat.or.jp/archives/85259

【オンライン】情報の活かし方とアイデア発想法https://www.jagat.or.jp/archives/85395

教えることで学ぶラーニングピラミッド

~社員の主体性を育てる~

社員教育において効果を上げるには、社員自身のそれぞれの主体性がカギを握る。「勉強しろ!」「努力しろ!」という掛け声だけでは効果は上がらない。目標とプロセスを共有すると同時に社員の主体性が重要になる。学びの場、教育の場を如何につくれるかが鍵を握る。学びの場は、知識を詰め込むことやセミナー等に参加せるだけでは効果は望めない。自分で課題を見出して気づきのプロセスを体験させることが大切だ。中でも“教えるプロセス”が高い効果が得られるとされる。自身が覚えた知識や課題を発見し解決できたことを他者に教えることだ。考えが整理され、主体性が発揮される。アメリカ国立訓練研究所が発表した研究結果で、7つの学習方法を学習の定着率順に並べたラーニングピラミッドでは、学習方法がしっかり頭に残るかを分類してピラミッド型にまとめている。ラーニングピラミッドを見ると、単に講義を受けているだけでは学習定着率が5%と低く、覚えたことを他の人に教えると学習定着率が90%になっている。つまり、受動的な環境ではなく、能動的になる環境が効果的だと示している。

  • Lecture(講義)…5%
  • Reading(読書)…10%
  • Audiovisual(視聴覚)…20%
  • Demonstration(実演説明)…30%
  • Discussion Group(議論し合うグループ)…50%
  • Practice Doing(練習)…75%
  • Teaching Others(他者に教える)…90%

一方、能動的な学習の場は、社会人になればなるほど少ないのが現状だ。リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査2018」によれば、1年間に自分の意志で仕事にかかわる知識や技術の向上のための取り組みをした雇用者の割合は、33.1%という数字になったということだ。7割弱の人が学ぶ習慣を持っていないということになる。社員の学ぶ機会をどうつくっていくかは、企業の競争力を強化する上でも重要な課題となっている。そもそも教育は、educationと英訳される。educationとは何か?educoというラテン語から来たもので「人間の内部にもともと備わっている才能を引き出す」という意味だ。社員の学ぶ習慣をつくることは、企業の日常活動においても育むことができる。学びの機会は、何もセミナーや資格取得に限ったことではない。改善活動などの仕事の中にも機会は身近にある。様々な教育ソリューションもその上で効果が高まると考えられる。

(CS部 古谷芸文)

4月のセミナー開催予定 https://www.jagat.or.jp/cat3