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DTPエキスパート、2段階制で受験者大幅増

DTPエキスパート認証試験は、2020年より2段階制に改定され、第53期(3月)と第54期(8月)の2回の試験を実施した。2段階制に改定したその後の状況について報告する。

前年同期比146%と大幅な受験者増

第54期試験は8月30日に学科試験が行われた。受験者には体調管理表の提出をはじめ、検温の実施、手指消毒とマスク着用の徹底、座席間隔の確保などを行い、コロナ感染対策に配慮した上で試験を実施した。

受験者数は、エキスパート:189名、マイスター:117名、アップグレード:3名であり、合計309名であった。2019年8月に実施した第52期試験は212名であり、前年同期比146%と大幅な受験者増となった。
内訳を見ると、新しく制定されたエキスパート受験者(学科試験のみ)が全体の61%となっている。
つまり、実技試験は必要ない、もしくは次回以降に受験する方が増えたことを表しており、2段階制の効果により受験者層が拡大したことが推定される。

営業部門の門戸を開くDTPエキスパート2段階制

DTPエキスパート認証試験は、文字・画像・色などのデジタル技術に強い人材を育成し、DTPを普及させるために創設された制度である。1994年以来、DTP・印刷に関する知識を問う学科試験、および課題を提出する実技試験から構成されていた。

しかし、創設から25年を越え、エキスパート試験を取り巻く状況は大きく変化した。近年では、企画・営業部門の方が30%前後となっている。
また、DTPエキスパート試験を受験する意義として、共通言語が身に付くことを挙げる方も多い。印刷業界では、営業部門と製造部門、および関係するデザイナーやクライアントとやり取りする際に、専門用語や業界特有の表現は欠かせない。若手社員や経験が少ない方は、それらの理解が深くないため、誤解が生じたり、不測の事態を招くこともある。

DTPエキスパートの学習を通じて幅広い知識を身に付けることで、業界特有の共通言語を理解し、どんな部門や立場の人とも、正しいコミュニケーションを取ることができる。

企画・営業部門の方のニーズに応えるには、独立した資格制度として学科試験を実施すべきという議論があり、エキスパート試験を監督する認証委員会でも了承された。
その結果が、DTPエキスパートとDTPエキスパート・マイスターの2段階試験である。

2段階制試験の今後

新しいDTPエキスパート試験では、実技試験は行わない。マイスター試験は、従来と同様に学科・実技の両方を受験する。
2つの試験で実施される学科試験は、同時に実施され、内容も同一である。DTPエキスパートが簡易版という意味ではない。

例えば、初回はDTPエキスパート(学科試験)を受験し、次回以降に実技試験(アップグレード試験)にチャレンジし、マイスター取得を目指す2段階方式を選ぶこともできる。
アップグレード試験の受験には期限はなく、半年後でも数年後でもチャレンジすることができる。

また、マイスター試験を受験し、学科試験に合格していれば、実技試験が不合格でもDTPエキスパートの資格を取得することになる。

DTPエキスパート(学科試験)の学習を通じて、印刷工程の全体像、入稿データや品質面の注意事項、その背景などを正確に理解することができる。営業部門の方でも、全体の制作工程や進行状況を理解、把握することができる。
実技試験を受験しなくても、DTPエキスパートの取得を目指して学習することで、その意義を実感できるはずである。

DTPエキスパートの2段階制は、その機会を利用して知識や技術を身に付けたいという人のための手段である。うまく活用し、実務に役立ててもらえると幸いである。

JAGAT 研究調査部 千葉 弘幸

9/19(土)開始更新試験案内メール配信

更新試験の取り組み案内メールを配信しました。

更新試験の取り組みは、下記更新試験専用サイト上で行っていただきます。
サイトには、エキスパートID(4桁ハイフン4桁の数字)と専用パスワードが必要です。
パスワードは、9/17(木)配信の取り組み案内メールにてお知らせしています。

メールの未着などによりパスワードが不明な場合
更新試験専用サイトログインページより、ご自身で取得していただけます。
ログイン画面の「パスワードをお忘れですか?」から、エキスパートIDおよびご登録の主連絡先メールアドレスを入力いただくと、パスワードを自動再通知いたします。
※試験専用サイトへのログインパスワードは、エキスパート資格者サイトのパスワードとは異なりますのでご注意ください。

試験実施期間

2020年9月19日(土)10:00~10月16日(金)23:59まで

更新試験実施

更新試験専用サイト

推奨環境
更新試験専用サイトログイン画面の『体験版はこちら』にて、事前にお取り組み環境での動作確認が可能です。

その他取り組み方法について詳しくは、こちらからご覧ください。

お問い合わせ

CBT 方式試験のシステムや取り組み方に関するお問い合わせ
株式会社 イー・コミュニケーションズ サポート窓口
TEL 03-3560-3905 E-MAIL cbt-support@e-coms.co.jp
受付期間:試験期間内のみ対応 受付時間:平日10:00~17:00

更新試験制度内容に関するお問い合わせ
JAGAT資格制度事務局
TEL (03)3384-3115
E-MAIL expert@jagat.or.jp
対応時間:平日9:00~17:30

エキスパート認証試験開催報告

2020年8月30日(日)に第54期エキスパート認証試験・第30期クロスメディアエキスパート認証試験を実施した。
受験申請者総数は、DTPエキスパート331名(前期からの特例振替25名含む)、クロスメディアエキスパート43名となった。

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2020年9月実施更新申請受付~9/8まで延長

★更新申請受付を~9/8まで延長します★
資格者マイページからの受験料お支払い手続きおよびご入金を9/8中に完了してください

—————————————-

2020年9月実施更新試験の申請受付を開始しました。
下記要項にて実施いたします。

更新対象者

エキスパートIDが下記4桁の数字で始まる方

DTPエキスパート
〔9402-****〕,〔9606-****〕,〔9810-****〕,〔0014-****〕,〔0218-****〕,〔0422-****〕,〔0626-****〕,〔0830-****〕,〔1034-****〕, 〔1238-****〕,〔1442-****〕,〔1646-****〕,〔1850-****〕
クロスメディアエキスパート
〔0602-****〕,〔0806-****〕,〔1010-****〕,〔1214-****〕,〔1418-****〕,〔1622-****〕,〔1826-****〕

申請受付期間と受付方法

2020年8月11日(火)~ 9月1日(火)
2020年8月上旬オープンの新エキスパート有資格者サイト上で申請受付
★資格者基本台帳をリニューアルオープンしました★
エキスパート資格者サイト
資格者の方のご登録情報の確認・修正を始め、更新試験の申請~受験料お支払いまで
資格者マイページ上で行っていただけるようになりました。

  • 【新エキスパート資格者サイト】に初めてログインするときは、ご自身でパスワードを設定していただきます。
    ログイン画面の【パスワードをお忘れの方】よりパスワードを設定のうえ、ログインしてください。
  • エキスパート資格者サイトの受験料決済は、収納代行会社「SMBC決済ステーション」を利用しています。
    原則資格者1名ごとのお支払いシステムとなっています。
■企業様等で複数名の受験料をまとめてお支払いになるときは■

上記申請手続き前に、とりまとめご担当の方よりJAGAT資格制度事務局まで、
[更新者のエキスパートID/氏名/メールアドレス]とともにご一報ください。
(JAGAT資格制度事務局 e-mail: expert@jagat.or.jp)

その他操作方法について詳しくは、下記よりご覧ください。
第54期DTPエキスパート認証更新申請に関するご案内
第30期クロスメディアエキスパート認証更新申請に関するご案内

試験実施期間と実施方法

2020年9月19日(土)~10月16日(金)
CBT方式試験専用サイト上で実施

更新対象者の方には、8/11中にご登録の連絡先メールアドレスあてにご案内をお送りします。

本試験東京会場昭和女子大学試験会場への案内図

2020年8月30日試験は予定通り開催いたします。

東京会場 昭和女子大学にて受験の方は、大学8号館5階が会場となります。
正門を入り直進すると右手にあります。

東京会場では、建物入り口で検温を行います。
時間には余裕をもってご来場ください。

昭和女子大構内図

JAGAT夏季休業のお知らせ

小会では8/13(木)・8/14(金)を夏季休業とさせていただきます。
同期間のお問い合わせにつきましては8/17より順次対応いたします。
ご迷惑をおかけいたしますが、何卒よろしくお願いいたします。

2020年9月更新試験日程のご案内(8月11日案内開始予定)

2020年9月更新試験は、下記要項にて実施いたします。

更新対象者

エキスパートIDが下記4桁の数字で始まる方

DTPエキスパート
〔9402-****〕,〔9606-****〕,〔9810-****〕,〔0014-****〕,〔0218-****〕,〔0422-****〕,〔0626-****〕,〔0830-****〕,〔1034-****〕, 〔1238-****〕,〔1442-****〕,〔1646-****〕,〔1850-****〕
クロスメディアエキスパート
〔0602-****〕,〔0806-****〕,〔1010-****〕,〔1214-****〕,〔1418-****〕,〔1622-****〕,〔1826-****〕

申請受付期間と受付方法

2020年8月11日(火)~ 9月1日(火)
2020年8月上旬オープンの新エキスパート有資格者サイト上で申請受付

試験実施期間と実施方法

2020年9月19日(土)~10月16日(金)
CBT方式試験専用サイト上で実施

更新対象者の方には、8月7日頃メールおよび郵送にてご案内をお送りします。
(☞8/11にご案内開始します。訂正:2020/8/9)

DTPエキスパートからエキスパート・マイスター2本立てへ

DTPエキスパート認証試験は、2020年3月より学科試験だけのDTPエキスパート(以下、エキスパート)と、学科・実技の両方を受験するDTPエキスパート・マイスター(以下、マイスター)の2本立てとなった。そして、この3月に受験された方のうち、27名が晴れてマイスターに合格された。

DTPエキスパート・マイスターの意義

マイスターは、従来のDTPエキスパートと全く同じではない。

従来のエキスパートの実技課題は、完全な印刷データを制作することと、他者に作業を指示するための「制作指示書」を提出することが求められていた。言わば「制作現場のリーダー」に必要な知識と技能を測る試験であった。

それに対して、新たなマイスターの実技課題は、完全な印刷データを制作することに加え、制作意図を正しく理解しデザインに反映すること、制作意図を共有するための「制作コンセプト書」を提出することが求められている。つまり、「デザイン制作部門のリーダー」として知識・技能を測る試験である。

良いデザインとは何だろう。
見た目の印象が強いとか、形が美しいとか以前に重要なのは、クライアントの意図・伝えたい内容を正しく理解し、デザインを通して表現することではないだろうか。

DTPエキスパート・マイスターに合格するには

実技課題として配布される「実技試験要項」には、制作物の仕様や条件、提出物の内容などが記述されている。さらにテキストや画像などの素材データが支給されている。これらの情報から、制作コンセプトや仕様を理解し、制作用アプリケーションを操作して作品を仕上げることが求められている。

これらは一般的なデザイン制作の流れを踏襲したものであり、特別なことではない。日常的にデザイン制作に携わっている方なら、それほど難易度が高いものではないだろう。

初回のマイスター試験では、雑誌の見開き誌面を制作する課題が与えられた。
制作意図・コンセプトに応じて版面や縦組みの設定を行い、メイン写真とサブ写真、見出し類をレイアウトし、本文テキストを流し込む。写真にはキャプションを配置する。柱や図版類の色を設定する。写真類は、必要に応じてゴミを消したり、トーン調整、シャープネスをかけるなど作業を行う。縦組み特有の数字の組み方や約物を適切な形に修正し、ルビや圏点などを配置する。

マイスターに求められるのは、実技試験要項を読んで制作意図・コンセプトを正しく把握することであり、常識的なデザイン制作を通じて、それらを具現化することである。

例えば、DTP制作のベテランで、印刷に適したデータ制作は熟知しているが、デザイン・レイアウトや配色は自己流と言う方もいるだろう。基本に返ってデザイン手法の参考書などで知識を再確認してみてはいかがだろうか。

また、前回エキスパートに合格された方も、次のステップとしてマイスターに挑戦してみてはいかがだろう。

(JAGAT 研究調査部 千葉弘幸)