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生成AI活用のリスク管理と価値創造を両立させる「ガイドライン」

印刷会社は情報漏洩・著作権・品質の3大リスクを理解し、入稿データを正しく扱い、安全な環境下で生成AIを活用することで、営業効率化と付加価値創造につなげることができる。

中小企業の半数が生成AIの活用方針を定めていない

総務省の2024年度調査によると、日本企業における生成AIの利用状況は、「積極的に活用する方針」と「活用する領域を限定して利用する方針」が49.7%(大企業55.7%、中小企業34.3%)となった。ただし、中小企業では「方針を明確に定めていない」47.6%が最も多い。また、生成AIの活用が想定される業務に関しては、55.2%が「業務で使用中」である。

JAGAT会員企業を対象とした「印刷産業経営動向調査」の2024年度調査では、18項目の新技術・サービスの導入状況・満足度などを調査した。生成AIの導入率は、テキスト系が33.7%で8位(前年22.1%)、画像系が32.7%で9位(同24.2%)と導入は進んでいるが、満足度は画像系が14位、テキスト系は15位と低い。

生成AI導入の懸念事項としては、総務省調査では「効果的な活用方法がわからない」が最も多く、次いで「社内情報の漏洩などのセキュリティリスク」「ランニングコスト」「初期コスト」が挙げられている。

生成AIのリスクを減らし活用するために必要なガイドライン

中小印刷会社にとって、生成AI導入の懸念事項としては、①情報漏洩リスク、②著作権・知財リスク、③品質・信頼性リスクの3点が大きな不安要素となる。顧客の情報を預かる印刷会社にとって、これらのリスクに対応することは、以前から当然のこととして行われてきた。ただし、生成AIによって新たな脅威が生まれてきていることに留意する必要がある。

例えば、無料版や個人アカウントのAIサービスに入力したデータは、AIの学習データとして再利用され、競合他社への回答として流出する可能性がある。インターネット上の画像を無断で学習しているツールは、生成物が既存の著作権を侵害する可能性がある。また、事実とは異なる情報をさも真実であるかのように生成する「ハルシネーション」にも注意する必要がある。

page2026セミナー「リスクを価値に変えるAI戦略」では、情報漏洩・著作権・品質の3大リスクを正しく理解し、入稿データの正しい扱い方を学び、安全な環境下で生成AIを活用することで価値創造につなげる具体策を提案する。「データの安全管理代行」を構築するための第一歩として、自社用の「生成AI利用ガイドライン」の策定を勧めている。

セミナー参加者特典として、印刷会社の業務特性に合った「生成AI利用ガイドライン」のひな形をWordデータで提供する。利用可能な生成AIの範囲、入力データに関する禁止事項、生成物の取扱いなどを明確にすることで、実務で使える明文化ルールを構築できる。自社の生成AI利用ルールを整備したい経営者・担当者に役立つものとなるだろう。

(JAGAT 研究・教育部 吉村マチ子)

★page2026オンラインカンファレンス・セミナー
2月12日(木) 14:30~16:00
【S14】リスクを価値に変えるAI戦略 ~3年後に企業を救う「印刷データの真正性」

★参加者特典
自社の「生成AI利用ガイドライン」策定に向けた参考資料として、ガイドライン(案)をWordデータで提供します。

サプライチェーンを含めたセキュリティ強化が重要課題

サプライチェーン上の弱点を狙ったサイバー攻撃が頻発していることから、経済産業省は「サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度」を2026年度末に開始する。評価結果は新規取引先の選定や既存取引の見直しなどの判断材料となり、企業は自社の対策状況を把握し改善につなげられる。

ランサムウェア攻撃が大きな被害をもたらした2025年

2025年は、アサヒグループホールディングスやアスクルのような大手有名企業がランサムウェア(身代金ウイルス)攻撃の被害に遭い、事業停止が長期化する事態となった。ビールが店頭から消えて、事務用品や生活雑貨のネット注文ができなくなって、改めてセキュリティ対策の重要性を感じさせられたのではないか。

警察庁によると、2025年上半期におけるランサムウェアの被害報告件数は116件に上り、被害企業は大企業35件、中小企業77件、業種では製造業が52件と最も多い。

生産や出荷など幅広い業務でデジタル化が進んでいる中で、サプライチェーン全体でのセキュリティ強化が、業種を問わず最重要の経営課題となってきている。

ランサムウェアの被害企業・団体等の規模別/業種別内訳(2025年上半期)

出典:警視庁ウェブサイト
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/cyber/joho/ransomware_threat.html

2026年度末スタートの経済産業省「セキュリティ対策評価制度」

経済産業省「サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度」は、セキュリティ対策を可視化する仕組みで、サプライチェーン全体でのセキュリティ対策水準の向上を目的とする。具体的には、2社間の取引契約等において、発注元企業が、委託先企業側に適切な段階(★)を提示し、示された対策を促すとともに実施状況を確認することを想定している。

★3は一般的なサイバー攻撃に対して最低限実装すべき対策レベル、★4は内外に大きな影響をもたらす攻撃に対して標準的に目指すべき対策レベルで、どちらも2026年度末の制度開始を目指している。★5は未知の攻撃も含めた高度なサイバー攻撃に対して到達点として目指すべき対策として、2026年度以降、対策基準や評価スキームの具体化の検討を進めていく。★1・★2はIPA「SECURITY ACTION」による情報セキュリティ対策の自己宣言になる。

段階別評価の概要

出典:経済産業省ウェブサイト
https://www.meti.go.jp/press/2025/12/20251226001/20251226001.html

複数の取引先からさまざまな対策を要求されている委託先企業にとっては、「セキュリティ対策評価制度」によって、限られたリソースの中で自社に本当に必要なセキュリティ対策を決定できるようになることが期待される。

page2026セミナー「2026年の“セキュリティ格付け”が始まる前に」では、「セキュリティ対策評価制度」の要点を整理した上で、中小印刷会社がどのような準備を進めるべきかを解説する。限られたリソースでも現実的に回せる進め方とは何か。顧客の信頼を勝ち取るためにも早めの準備を進めてほしい。

(JAGAT 研究・教育部 吉村マチ子)

★page2026オンラインカンファレンス・セミナー
2月5日(木) 16:30~18:00
【S3】2026年の“セキュリティ格付け”が始まる前に ~印刷会社がいまやるべき対策

営業が変わる視点と考え方

印刷営業は「難しい」「厳しい」と思われる理由として、価格競争から抜け出せない構造にある。相見積り、価格交渉、仕様相談などを繰り返していても、営業の価値は高まらない。 続きを読む