[コミュニケーションと印刷ビジネス]5-4-3 紙面設計

  • 印刷物の仕様を基に、各紙面(頁)を構成する要素をどのように配置(レイアウト)するかを定めることを紙面設計という。

  • 制作コンセプトに沿ったレイアウトデザインを決め、各ページが統一されたイメージを与えるように各要素のレイアウトフォーマットを定める。

  • 版面やノンブル、柱、頭注、脚注など余白部分に組み込まれる要素とそのスタイルも決める。

  • 判型、組方向、本文文字サイズ、行間、1行の字詰、1ページの行数は相互に関係しているので、目的に合わせてそれらのバランスを見つけるのが紙面の基本デザインで、エディトリアルデザインの一部である。

版面

  • 読み手は視覚表現物を見るときに、同時にその周囲も目にしている。よってより読みやすく美しく見せるには、対象物とその周囲の比率についても考慮すべきである。紙面に占める版面面積の比率を版面率といい、版面率は読みやすさや読み手に与える印象に影響を及ぼす。

  • 小口の余白は製本のズレが目立ちやすいため、あまり小さくできないことに注意する。

  • 書籍の版面とは、1つのページの中で文字や図版などの印刷面が占有する部分のことで、本文部分の各ページの版面は同一である。また、左右両方のページを1つの図版として捉えるため、仕上り判型に対して版面が中央に位置していることは稀である。

  • 伝統的な書籍におけるマージン・版面は、ノドあきが一番狭く、次に天、小口、地の順となるのが一般的である。

段組

  • 複数段を設定して本文を分割することで、書体や文字サイズ、行間や行長、段間などの相関関係により紙面のイメージや読みやすさに効果をもたらす。

文字組

  • 版面の内側で基本組体裁に必要な各種要素の値を決める。まず組方向や段数、書体を決め、多段組の場合には段間を設定する。次に行長や字詰を決める。

  • 行長や字詰と相互に関連しているのは文字サイズである。可読性という点で横組よりも縦組の方が行長を長くとることができる。

  • 行と行の間は一般に文字サイズの25%~100%程度あける。文字サイズと行間を足したものが行送りである。視線の移動を容易にするために、行長に従い相対的に行間を大きくとる。

  • 文字組の目的として、情報や表現を適切に伝えるという要素がある。そのためには可読性に留意すること、および書体が持つ表現力を活かした紙面イメージを作ることが重要である。レイアウトフォーマットを作成する際は、このような文字組の視覚効果や体裁を反映し、一貫性のある文字スタイル設定を行う。

  • 文字スタイルの設定にあたっては、紙面の制作コンセプトや内容に沿って、情報構造を踏まえて選択する。大見出し、中見出し、小見出し、本文、補足情報、図版キャプション、柱、ノンブル、インデックスなど、文字情報の種類や意味合い、紙面を構成する他要素との関係を理解したうえで文字スタイルを設定することで、デザインレイアウトの総合効果が高まる。

写真

  • 配置のしかたにより紙面の印象や表現力に影響するので、目的に応じた効果的な配置を考慮する。

  • 写真の配置方法には、角版、丸版、切り抜き版等があり、要素や紙面構成に応じて適した方法を選択する。

  • 天地左右すべてを裁ち落とし、紙面全体に1枚の写真を配置する全面写真は、大きなインパクトを与える効果がある。

  • 紙面構成によっては、写真の構図や印象がデザインを左右する場合もある。写真素材の扱い方に加えて基本的な撮影の知識まで把握し、配置したい写真の撮影絵柄について指示が出せるとより効果的なデザインが可能となる。

裁ち落とし

  • 写真を紙面の端いっぱいに配置することにより、裁ち落とされた外側の見えない部分までイメージを広げさせる効果がある。裁ち落とし写真を使用する際には、紙面の外側の塗り足し部分まで写真をのばしておく必要がある。

図表

  • 情報を図表化することにより、時間の経過や数値をビジュアル化して直感的に伝えることができる。さらに、分類・整理して検索性を高めたり概念やつながりをよりわかりやすく表現することもできる。このような効果的な表現に加えて、紙面にアクセントをつける役割も果たす。

  • 製品マニュアルや技術情報に関するドキュメントにおいて、図版を用いて使い方や修理情報などを示すのがテクニカルイラストレーションである。技術的知識を持たない受け手にも伝わるように用いることが多い。立体図で示す場合、製図法や投影理論、作図技法等の知識が必要となる。

インフォグラフィックス

  • インフォグラフィックスとは、複雑な内容や物事の仕組みなどを把握整理し、見る人の立場に立って視覚的な表現でわかりやすく伝えることである。

  • ある事象を読み解き、その理解のプロセスをビジュアルで示す、「理解のデザイン」とも言われる。代表的な例としては、ダイアグラム、チャート、グラフ、地図、ピクトグラムなどがある。

  • 新聞や雑誌などのニュースメディアにおいて、これらを図解説明する必要性から発生した視覚表現手法であり、現在では、ユーザー視点でのGUI設計などプロダクトデザインに関する分野、バリアフリーなどの場のデザイン、サインディスプレイなどを通して、わかりやすさ、使いやすさを追求する手法の一つとしても活用されている。また、ネットワークによる情報量が増大する時代において、ビッグデータを意味のある情報として読み解き、表れる事象を視覚的に表現するデータビジュアライゼーションなどにも応用の幅を拡げている。

ストックコンテンツ

  • ストックフォトとは、広告や印刷物などあらゆる媒体に使用することを想定して用意された汎用写真素材の提供サービスのことである。かつては、レンタルフォトなどと呼ばれ、ポジフィルム等を貸借するサービスだったが、現在はWebサイトで写真データを検索し、ダウンロードして使用するものに変化している。

  • 昨今では写真だけに止まらず、イラストや動画、3Dデータや音楽などもラインナップされるようになった。

  • ストックコンテンツを利用する際は、許諾条件や許諾範囲を熟読することが必要である。

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