[コミュニケーションと印刷ビジネス]5-4-4 原稿整理

  • 原稿表記の様式は、著者の思想および感情の表現の一部であり、また一冊の本の中での表記形式の不統一は、読者が内容を理解するときに混乱を起こす。よって原稿整理が必要となる。

  • 原稿整理においては、第一に著者の意向を尊重して執筆方針を読み取った上で作業を進め、その中で未整理の部分、不統一の部分を正す。表記については、あらかじめ著者との間の「執筆要項」および出版社における原稿表記ルールを明文化したハウスルールを作成するなどし、表記形式や組版原則、書籍体裁を決めておく。

支援ツール

  • 現代では、文字原稿のほぼすべてがワープロなどのデジタルツールで作成されている。その際、日本語変換のための専用辞書や文章校正支援ツールが有用で、広く利用されている。新聞社や出版社などでは、独自の表記ルールや用字用語規則に則して表記のゆれを統一するツールが活用されている。

表記統一

  • 下記の項目について注意し、一定の基準を設けることが望ましい。
    – 文体
    – 漢字の使用範囲
    – 漢字の字体
    – 仮名づかい
    – 数字の表記
    – 単位の表記
    – 記号の統一
    – 句読点の使い方
    – 学術用語、専門用語の表記
    – 固有名詞と普通名詞の表記
    – 外来語の表記
    – 欧文表記

  • 表記統一の基準については、社会一般で慣用として使われている常識・ルール、内閣告示や文化審議会国語分科会報告、新聞社・出版社で独自に定めているルール(ハウスルール)などが参考に挙げられる。

校正と校閲

  • 文字の誤りや用語・表記の不統一などを正す校正に対し、書かれた内容が事実と合っているかを確認する作業を校閲という。

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