[コミュニケーションと印刷ビジネス]5-5 マーケティング活動と印刷メディア

マーケティングとは、本来は顧客のニーズを解明し、顧客価値を生み出すための経営哲学、戦略、プロセスを指す言葉である。日本マーケティング協会は「企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合活動である。」と定義している。

このような幅広いマーケティング活動の中でも、特に広告、PR・パブリシティ、SP(セールスプロモーション)、パッケージング、ダイレクトマーケティングなどの分野においては、印刷メディアとの関連が深いことは明らかである。また、コーポレートコミュニケーションやブランド戦略といった側面でも、印刷メディアを通じたコミュニケーション活動が重要な位置を占めている。公的機関や教育機関などの非営利組織におけるソーシャルマーケティングにおいても同様である。

したがって、現代の印刷ビジネスは、顧客の目的であるマーケティング活動を理解した上で取り組むことが必要となる。つまり、顧客が何のために印刷物を製作するのかを正しく理解することなしに、顧客の満足を得ることは不可能だと言える。

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