スプレーパウダーには粒子の大きさに種類がありますが、その使い分けの判断基準はありますか。

掲載日:2014年8月11日

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:オフセット印刷

Q:スプレーパウダーには粒子の大きさに種類がありますが、その使い分けの判断基準はありますか。

A:枚葉印刷機の排紙部で使われるスプレーパウダーとは、裏移りを防止するため印刷紙面上に均一に散布されるデン粉を原料にした微粉のことをいいます。 
 約40年以上も前は、スプレーパウダーとして自然の植物の種を粉状にして使っていたようです。しかし、自然のものなので数に限りがあり高価だということで、改良は進められてきました。それからタルクとか貝殻の砕いたものなど無機系のものを使っていた時期もあったようです。しかし、現在ではデン粉が主流です。
タルクとか貝殻の砕いたものだと粒子形は細かいものも粗いものもありましたが、粒子に角があるのでスプレー装置の傷みや、紙面上のキズ、人体への影響を考えると印刷物製作には向かなかったといえます。
  スプレーパウダーにも粒の大きさにもだいたい10ミクロンのものから30ミクロンの種類があり、またそれぞれ加工方法の違いからメーカーによって数種類用意されています。どういう大きさの粒子のスプレーパウダーを使うかを決めるかは、基本的に紙の表面の平滑性によって決められています。
インキの膜厚自体は約1ミクロンといわれており、それに紙の凹凸がプラスされると数十ミクロンの凹凸になります。だとするとそれ以上の粒子が紙面上にのらないと裏付き防止はできないことになります。紙の平滑性がないものであれば、それだけの大きさの粒子が必要になります。 
  ですから、印刷会社としては、安全を見越して粗めのものを使用することが多いかもしれません。ただ印刷会社によって考え方が違うので、客観的にどのようなスプレーパウダーがいいかは一概にいえないところです。

  デリバリの環境でエアーの搬送の問題とかスプレー装置自体が性能よくでているのかとか、その辺のからみでパウダーをいくらいいものを使っても装置自体が正常に作動しないと結局は印刷物に影響を与えます。
  デリバリのスプレーはノズルから噴射されそれで均一性を保とうとしています。もし、噴射のバランスが崩れると、積み重ねたときに波をうつこともあります。咥えがあまって咥え尻がさがるとか、紙へのパウダーののり具合が変わってきているとバランスがずれてきます。それで紙が下がっているところは逆にパウダーがのっていないので裏移りしやすいことになります。また、機械によってデアーの位置によっても散布量も違ってきます。 ですから、パウダー噴射装置のメンテナンスが必要不可欠といえるでしょう。

 取材強力:ニッカ㈱ 化成本部
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(2005年5月9日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)