アイデア印刷術 5.五感印刷「香りの印刷」「色の変わる印刷」〔2〕

掲載日:2014年9月18日

※本記事の内容は掲載当時のものです。

アナログ博物館:アイデア印刷術 5.五感印刷「香りの印刷」「色の変わる印刷」〔2〕

 

五感印刷「香りの印刷」「色の変わる印刷」〔2〕

2. 色の変わる印刷

色の変わる印刷は,主に温度で色の変わる感温印刷,液晶印刷がある。

〔1〕感温印刷
 温度の変化で色が変わったり,色が消えたり,無色のところに色が現れたりする印刷。この印刷は,染料タイプの感温インキを使う。
 印刷方式は,スクリーン印刷,グラビア印刷,オフセット印刷がある。
 〔色の種類〕
オレンジ,赤,ピンク,紫,青緑,茶,黒,メタリックカラーなど
〔色の変化〕
○有色→無色
○有色A→有色B
〔温度設定〕
 -30℃~+60℃の範囲内に任意の温度で変色
 〔ポイント〕
・耐光性が劣るため,直接日光の下では使用しない。
・体温と気温の温度差を利用する企画では,使用場所の周囲の温度を考慮する。気温が体温を上回る環境では使用不可。特に夏場は難しい。
・下地印刷を隠すには黒が良いが,厚盛りまたは2度刷りすると良い。
 〔企画〕
・コールドタイプ……冷蔵庫で冷やして,氷菓子・冷菓子用,ビールやワインの飲みごろサイン,感温グラス
 ・ウォームタイプ……体温,息の暖かさで変わる企画
・ホットタイプ……熱い湯や,ドライヤーで暖めると色が変化。マグカップ・湯呑み・お風呂の適温・シャワーのお湯を当てる企画
 〔企画の展開〕
ここに紹介した事例のように,特殊印刷も企画次第で,次々に反響が出て仕事が仕事を呼ぶ結果になった。
 東芝の横長TVの画面を触ると,テレビ画面が出てくる。日経トレンディに雑誌広告として掲載され,日経朝刊に出た。
 〔応用例〕
 教材,バッテリーチェッカー,タオル・ハンカチ,Tシャツ,雑誌付録,お風呂カレンダー,マグカップなど
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▲感温印刷

〔2〕液晶印刷
 液晶は,液体と固体との中間的性質をもつ素材で,温度の変化によって,色が変わっていくという不思議な性質をもっている。液晶印刷は,この液晶を20~30ミクロンのマイクロカプセルに封じ込めたものをインキ化し,スクリーン印刷したもの。
 〔ポイント〕
・液晶印刷の下刷りは,黒色または暗色をベースにしたほうが鮮明で効果的。
・耐光性が弱く,屋外常時使用は避ける。また,湿度にも弱い。
・通常,印刷の後,PP貼りする。
・液晶カプセルインキは,発色優先インキと温度精度優先インキがあるので使い分ける。
 〔色の変化〕
 温度が高くなるにつれ,赤茶,緑,藍に変化
 〔温度設定〕
 -20℃~+100℃
〔応用例〕
 温度計,ヘルシーカード,ストレスチェックカード,ポストカード,プレミアム

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▲液晶印刷

まとめ

今回の「香りの印刷」ならびに「色の変わる印刷」は,まさに人間の五感をくすぐる最も効果的な手法の一つといえよう。特に,香りは,テレビCMなどでは表現できない,紙媒体である雑誌などへの香り印刷でしか楽しめない。 また,触ることで何もないところから画像が現れる感温印刷の驚き,これがプロモーションになって話題を生み出す。
 特殊印刷を使って仕掛ければ,日本中に話題を引き起こし,仕事が仕事を呼ぶ波及効果をもたらすことも可能であるので,あなたもその仕掛人になってはいかがであろうか。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)