印刷業定点調査 各地の声(2016年8月度)

掲載日:2016年11月24日

8月の売上高は5カ月連続減少の△1.5%。マイナス幅はこの3カ月の最小に縮小したが、依然として売上高の減少傾向が続く。受注件数は△1.5%と2カ月連続の減少。8月には相次いだ台風襲来の影響もあって個人消費も伸び悩んだようだ。

地域別では、首都圏(+0.9%)が4カ月ぶりの増加。北海道・東北・関東(+5.1%)、甲信越静(+1.1%)もプラスであり、全体として見れば東日本主導で復調の気配。一方、名古屋圏(△1.0%)、大阪圏(△8.8%)など名古屋圏以西はすべてマイナスという東高西低であった。

業種・業態別では、商業印刷(△2.6%)が5カ月連続の減少。出版印刷(+0.8%)と地方に多い業態の総合印刷(+0.6%)はともに3カ月ぶりの増加に転じた。紙器・事務・その他(△0.5%)は5カ月連続減少も減少幅は前年同水準まで縮小。

仕入額は、用紙(+2.0%)が4カ月ぶりの増加。先月、12カ月ぶりに減少したインキ(+0.9%)は再び増加。CTP/PS版(△9.5%)は2カ月連続で需要が8%以上もの大きな落ち込み。

【印刷会社経営者の声】

茨城:商業

やる気のある市長のお陰で市が元気になっています。自治体間競争に勝ち、人口が増えることを期待しています。

東京:商業

高効率照明に変更しました。照度アップによる作業場改善、コストダウン、地味に不満の種となる電灯切れ交換作業の軽減と、メリットの多い内容でした。改めて情報収集の大切さを感じました。

長野:総合

デジタル印刷が変化、可能性が大きく広がっている。今後のポイントは後加工、デジタル印刷機との連携が重要です。最終的にはトータルワークフローの構築が焦点になるでしょう。

岐阜:総合

8月で上半期が終了した。昨年のデジタル機器販売の特需を本業の印刷事業でカバーすることができ、昨年の売上高を上回ることができた。利益も増益を果たし、まずまずの成績ですが、気を緩めず下半期に挑みたい。

岐阜:その他

印刷業界を広く社会に知ってもらうには、総務も経理も含め、印刷会社の全社員が印刷の仕組みについて理解している必要があると思います。

愛知:商業

減っているのは従来型の印刷物、増えているのは新規事業系の仕事です。

和歌山:商業

ポケモンGOのリリースによりARの存在が大きくとりあげられました。ARを媒体として、紙と電子をANDとして捉え、顧客に利便性と効果のあるコミュニケーション支援を提供していきたいと思います。

沖縄

仕事はまずまず動いています。2016年の沖縄県への大型クルーズ船の寄港数は新記録となる450回が見込まれているとのこと。なんと2015年の2倍以上に増えるペースです。