伸びる新入社員は聞き上手

掲載日:2017年4月14日

 今年も多くの印刷会社が新入社員を迎えた。会社を支える人材として、企業側は1日も早く一人前になってほしい、長期にわたって貢献できる人材になってほしいと期待を寄せている。

■成長を促すコミュニケーション力
  一方、入社して早々の新入社員は希望と同時に不安も抱えている。社会人としてどうふるまえばよいのか、教えられたことができるのか、戸惑うことも多いだろう。人間関係で悩んだり、組織のルールになじめないなど、さまざまな理由で自信をなくしてしまうことも少なくない。
  仮に、判断に迷った時や自分一人では解決できないようなときに、上司や先輩とスムーズにコミュニケーションがとれ、相談できるような人間関係が構築できていれば、不安も解消され、前向きに取り組めるようになるにちがいない。

 どんな仕事も一人ではできない。多くの人々に支えられて達成することが可能になる。社会人、組織人として、会社の先輩、上司、関係先、そしてお客様とうまく協調しながら仕事に取組み、成果を上げようとするならば、良好な人間関係を築くための「コミュニケーション力」の習得が必要不可欠だ。

 2016年度入社の新入社員を対象にJAGATが実施した「新入社員意識調査」では、入社後最も伸ばしたいスキルとして「コミュニケーション能力」が1位を占めた。新入社員も、組織に適応しながら、自分の能力を発揮できるようになるためには、人間関係づくりが大事だと考えている。

 では、どうしたらその能力を伸ばすことができるだろうか。社会人になって間もない時期に、コミュニケーション力を強化しようと思っても、一朝一夕では身につかない。これまで育ってきた環境では有効だったコミュニケーションスタイルが通用しない場面もあるだろう。組織のルールや相手の立場、周囲との関係性を確認しながら、少しずつ積み重ねていくしかない。

■伸びる社員は「聞き上手」

 ひとつには、コミュニケーション力を高めるために新入社員の間は出来るだけ、「聞き上手」になることが早道でもある。上司から指示を受けた時、お客様からの電話を取り次ぐ時、メモをとる、あいづちをうつ、内容を復唱するなど簡単なことだが、「相手の話す内容をしっかり受けとめ、理解している」というサインを表現することは、信頼関係を深める第一歩になる。

 また「聞き上手」は「相談上手」でもある。ビジネスマナーや仕事のルールを一通り習っただけでは、すぐには思うような行動がとれないことがままある。最初のうちは現場でのやり方がわからず、見よう見まねで実践を重ねていくことが多いのではないだろうか。そのような時期に、周囲から的確なアドバイスをもらえるような環境づくりにも、コミュニケーションは役立つ。

 同じような知識、学力、経験を備えていても、成長のスピードが速く、ぐんぐん能力が伸びる社員もいれば、すぐには思ったような結果が出ず、評価されるまでに時間がかかる社員もいる。コミュニケーション力を培うことは、新入社員の成長を後押しすることにもつながる。
新入社員は会社の成長を支える財産である。これからの印刷ビジネスを広げてゆく人材として、「コミュニケーション力」を伸ばし、自信をもって仕事に取り組んでいってほしい。

CS部 原淳子