価格競争から脱却するための印刷会社のブランディング

掲載日:2024年6月7日

ブランディングは、大企業の専売特許ではありません。むしろ、予算・人材・ブランド認知で大企業にかなわない中小企業こそ、ブランディングを戦略として活用するべきです。

印刷会社にとっても、単なる“印刷屋”ではなく「何をどう価値として提供するか」を明確に伝えることが、今後の生き残りや売上向上のカギになります。中小企業の成功の要は、ブランディングが握っているといっても過言ではありません。

— 
💡 ブランディングとは何か

ブランディングとは、企業や製品・サービスが持つ特徴や価値を明確にし、競合他社との差別化を図り、顧客の心に「信頼」と「好感」を形作るための戦略的な活動の総称です。具体的には、次の二つに大きく分けられます。

ブランドアイデンティティの確立
企業や製品のビジョン・目的・価値を、顧客にどう伝えるかを整理するプロセスです。ロゴ、企業カラー、デザイン、トーン・オブ・ボイス(言葉遣い)など、「見える・聞こえる」要素がここに含まれます。

ブランドポジショニングの策定
自社の強みや独自性を活かし、ターゲット市場の中で「どのような立ち位置」を占めるかを明確にすることです。競合とどこが違うか、なぜ当社を選ぶのかを、一言で伝えられるような位置づけを設計します。

この二つを整理しない状態で広告やWebサイトを更新しても、メッセージは混乱し、結果的に「どれも中途半端」な印象になりかねません。

— 
💡 ブランディングの目的
ブランディングを実践するうえで押さえておきたい目的は、大きく4つに整理できます。

認知度の向上
市場での存在感を高め、潜在顧客が「こんな会社がいたか」と自社ブランドを知ることです。印刷会社であれば、単なる「地元の印刷屋」ではなく、「〇〇に強い会社」というイメージを刷り込むことが重要になります。

差別化
価格だけでなく、品質、スピード、提案力、サービス体制など、他の印刷会社とは違う「価値」を明確に提示できます。これにより、単なる数量比較や価格競争からの脱却が可能になります。

信頼関係の構築
一貫したメッセージやトーン、品質を届け続けることで、顧客は「この会社なら大丈夫」と安心できるようになります。たとえば、見積もりのスピードや提案の専門性、納品後の対応の丁寧さなどを通じて、信頼を積み重ねていくことができます。

価格競争からの脱却
価値が明確に伝わったブランドは、単価を下げなくても顧客が選んでくれるようになります。結果として、低価格競争の沼に巻き込まれにくくなり、収益性を維持しやすくなります。

しかし現実には、「ブランディングって何から始めればいいの?」「うちにはそんな余裕はない」という声も多く、実際に手を動かすまでに至らないケースも少なくありません。


💡 印刷会社のブランディングを「入門」から学ぶ

こうした課題を抱える印刷会社の皆さまに向けて、JAGATでは【これからの時代を生き抜く印刷会社のブランディング入門】を開催いたします。ブランディングの基本概念を整理したうえで、印刷会社が持つ強みや特徴をどう差別化し、価値として伝えるのかを、実際の事例とワークを通して学びます。また、顧客目線で「価値の伝え方」を考え直すことで、既存のサービスや提案の見直しにつなげることも狙いの一つです。

さらに本セミナーは、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が実施する「生産性向上支援訓練」に該当するため、受講料は2日間で5,500円と、参加しやすい価格帯となっています。

ブランディングを「手を付けたいが、どこから始めるか分からない」という経営者・経営幹部の方、あるいは社内ブランディング推進を担当する担当者の方は、ぜひこの機会にご参加ください。

(研究・教育部 河原 啓太)