印刷業定点調査 各地の声(2018年9月度)

掲載日:2019年1月28日

9月の売上高は△3.9%。2016年10月以来22カ月ぶりの落ち込み幅となって4カ月ぶりのマイナスに転じた。9月は平日が昨年より2日少ない18日だったカレンダー要因と、西日本で相次いだ台風・豪雨災害と北海道地震が影響した。

地域別では、首都圏(△7.0%)が2カ月ぶり、名古屋圏(△7.0%)が2カ月連続のマイナス。大阪圏(△5.9%)は4カ月ぶりのマイナス。しかしカレンダー要因の影響度△10%を下回らない限り、悪化したと判断するのは早計である。

業種・業態別では、商業印刷(△5.2%)が2カ月連続のマイナス。東京に多い出版印刷(+2.2%)は3カ月連続のプラスだが、小規模の善戦と中堅・大規模の苦戦といった構図で、全体として見れば苦しい状況が続く。地方に多い総合印刷(△5.1%)は2カ月ぶりのマイナス。紙器・事務・その他(△5.4%)は2カ月連続のマイナス。

規模別では300人以上(△10.0%)が大幅な落ち込みで2カ月連続のマイナス。カレンダー要因を差し引いても失速傾向が懸念される。100~299人(△5.1%)は2カ月ぶり、50~99人(△5.0%)は3カ月ぶり、30~49人(△6.6%)は2カ月ぶり、30人未満(△6.1%)は2カ月ぶりのマイナスとそろって売上高を落とした。

【印刷会社経営者の声】

茨城:商業

消費税は10%に決定です。政府には使い方を工夫して国民が希望を持てるようにと、お願いしたいところです。

東京:商業

あと一歩の気遣い、確認で防げたミスが散見されます。しかしその「気遣い」を教育することは、とても難しく感じます。心理的安全性を高める仕組みを勉強中です。

和歌山:商業

先日、JAGAT印刷総合研究会による大阪開催の「印刷経営と戦略、設備の最新動向2018」に参加した。優良印刷会社と比較して何が足りないのか、どんな思考、戦略が好業績を呼ぶのか、じっくりと検証していきたい。

兵庫:商業

当地は今年になって特に景気が悪く、小売りは悲惨な状況です。人口減少、高齢化が激しいこともあるうえに、大店法の弊害も現れているように思います。

岐阜:総合

厳しい状況が続いています。業績の良かった時にどれだけ対策をとってきたか、これからが試される時だと思っています。

(『JAGAT info』 2018年11月号,印刷経営ウォッチング,p60-61より抜粋して要約)