確実に成果につながる広告の「型」を学び、顧客満足を得るDMを制作する

掲載日:2021年12月7日

11月25日に開催したオンラインJAGAT大会2021では、マーケティングの専門家ロン・ジェイコブス氏が基調講演を行い、アメリカにおける最新のダイレクトメールの活用状況や変化について解説した。アフターコロナを見据え進化するDMは、ニューノーマル時代に印刷ビジネスに新たな価値をもたらす可能性が大きい、と期待させる内容であった。

 

アメリカのマーケティングにおける現代のDM戦略
現在、コロナの感染状況は低水準で推移しているが、2021年のJAGAT大会は、万全を期すためにオンラインで開催した。
基調講演では『ザ・マーケティング』の著者ロン・ジェイコブス氏が、page2017に引き続き4年ぶりに登壇し、コロナ禍におけるアメリカのダイレクトメールの現状と、ネクストノーマルに向けてどのように進化してきたかについて、豊富なデータや実例を挙げて解説した。

2020年はアメリカにおいてもパンデミックの影響で、DMの数量は減少したが、2021年になって復活し急増している。DMは依然としてレスポンス率がデジタル系メディアより大きく上回り、エンゲージメント(顧客とのつながり)を高め、費用対効果もどのチャネルよりも優れている。高い成果を出せることこそがDMの価値である。
そして、コロナ禍による世の中の変化に対応すべく、DMはさらなる進化を遂げている。
AI、データサイエンス等を融合させたアルゴリズミック・マーケティングと、バリアブルデータ印刷との組み合わせによるハイパー・パーソナリゼーションにより、消費者とのより高度なコミュニケーションを実現。
デジタルツールとDMを連携させ、それぞれの強みを活かせて成果を上げるオプティチャネル戦略。
最適なタイミングを見定めて実施するプログラマティックDM、トリガーDM・・・等々。
また、DMのターゲットも20世紀においてはベビーブーマー世代(1946~64年頃の生まれ)だったが、現代の最大のターゲットはアメリカの人口の30%を占めるミレニアル世代(1980~95年頃の生まれ)、そしてデジタルネイティブのZ世代(1996~2015年頃の生まれ)となっている。彼らの大半は広告ブロックソフトをインストールしており、ネット上ではうまくリーチできないため、DMがより有効だという。
さらに、DMの形状やデザイン、コピーなどにも変化が出てきている。
顧客が求めるレスポンス方法に、郵便で回答という選択肢がネットに移行するなど、従来の封筒型DMよりも、はがき、セルフメーラー(外封筒に入れずに送付するDM)が増加している。コピーについては文字数を少なくする傾向が強まり、ストーリーはWebサイトに誘導して語り、そこがセールスの場となっている。

講演内容は、DMが顧客にインパクトと行動喚起をもたらす新たな進化を遂げていることがよくわかり、アフターコロナ印刷ビジネスの可能性を期待させるものであった。
なお、これらの状況については、近刊『印刷白書2021』の特集、「with/afterコロナの印刷ビジネスを考える」の中で、(株)フュージョンの谷田貝正人氏が「アメリカのダイレクトメール・マーケティング事情から読み解くDM戦略」と題してまとめているので、参照されるとよいだろう。

 

レスポンス広告の”型”の習得が成果への近道
では、「高い成果を出せることこそがDMの価値である」を具体的に実現するために、どのような方法があるのだろうか。
物事において、まずは型を学び、従順に実行することが成果を出すための有効な手段だ。という説があるが、JAGATでセミナーや通信教育の講師を務める(株)イズアソシエイツの岩本俊幸氏は、売れる広告表現を追求した結果SED(セールスエンジニアリングデザイン)という”型”を開発した。
広告づくりにおけるレイアウトやアイキャッチの指標、メッセージ開発などをSEDという体系化した手法(型)を用いることにより、感性(センス)といった曖昧なものによらずに効果の高いチラシやDMを再現できることを目指している。
JAGATでは。この成果を出せる広告表現の型を習得できる通信教育「インパクトと共感をつかむチラシ・DM企画提案講座」を随時開講している。
レスポンスを上げる広告手法として「新規顧客開拓に必要な販売促進の4要素」「顧客課題を引き出す9つのポイント」。受け手に響くメッセージ開発のために知っておくべき「新しい消費者行動理論と広告表現」「反応が取れる広告と取れない広告の比較」。売れる広告を設計するための「レスポンス広告とは」「実例から導き出す広告づくりの”型”」など、SEDの全容を誰でもスキマ時間に手軽に学べる内容となっている。
これからの印刷ビジネスにおいて、発展が期待されるDM制作に携わる営業・企画・制作・デザインを担当する方々には、ぜひ受講をおすすめしたい。

(JAGAT CS部 橋本和弥)

 

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 JAGAT通信教育「インパクトと共感をつかむチラシ・DM企画提案講座」

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