page2022カンファレンスセミナーの副題は「造注」

掲載日:2022年1月20日

「いま最も重要なことは何だ?」ということをつくづく考えてしまう。印刷業界にとって、いま一番必要なことは、仕事の「受注」、つまり「創注(造注)」だろう。とにかく仕事がなければスマートファクトリー云々をいくら唱えても絵空事になってしまう。DXと言ったって、注文を直接的に「作り出す(増やす)」為の仕組みではない。

 

「注文(仕事)を受けるために何が必要なのだろうか?」を考えていきたい。
印刷会社的なメイン回答はまず「(印刷)品質が良い」「(デザイン)品質が良い」だろう。中には売上げ貢献につながる品質もあるだろうが、自己満足的なものがほとんどだ。手触り感とか感性的なものが多く、売上げとは全く関係ないとは言わないが、理屈に裏付けられたものとは言い難く、商業印刷の本来目指す目的とは言い難い。

 

本来の商業印刷はマーケティングツールであり、「顧客を増やすこと(リードジェネレーション)」「顧客を育てること(リードナーチャリング=ファンにすること、優良顧客にすること)」「商品を宣伝(認知)すること」を目的とするものである。つまり売上げを増やすことが最終目的だ。こういうことをデジタルマーケティングでは個別に対処できるのだが、デジタルマーケティングで対処できることのほとんどはデジタル印刷を使えば近似値では実現可能だ。デジタル印刷を使用した印刷物は、デジタルマーケティングツールと言うことを努々忘れないでいただきたい。
少々コストがかさむのは否めないが、その分インパクト度ではE-mailやWeb(Myページ)の上を行く。

 

今回のpage2022で一番言いたいことは、「印刷会社はマーケティングに関わっている会社なんだ」「印刷業はマーケティングに関わっているビジネスなんだ」ということだ。プレセミナー「今こそマーケティング」と基調講演「リセット・ザ・印刷ビジネス」では、米国シカゴのマーケティングエージェンシーのCEOであるロン・ジェイコブス氏にその辺に関しての米国事情を話していただき、マーケティングを活かして、印刷会社が注文を取っていくかというヒント&実現方法について議論する。マーケティングツールの印刷物によってこれだけ売上げが上がるという確約があれば、印刷物は高くても発注するのだ。

 

その他、カンファレンス&セミナーでは造注関連話題のセッションは目白押しだ。
C2「インサイドセールスの機能と役割」は訪問営業に頼っていた印刷会社の営業を見直すものだ。C3「印刷通販と印刷ビジネスの未来」は直接の造注話題で、印刷受注を集めるのは印刷通販で印刷会社は印刷の製造現場としてコラボするという話だ。印刷ビジネスにとって一つの選択肢になり始めているのが現実である。C4「webと地域活性化による事業創造」は、地域ならではの仕事を地域に根ざしたコミュニケーション力で生み出していくという例である。地方印刷会社の場合はどんな会社にも可能な例である。C5「ビジネスの種の見つけ方、つくり方、育て方」やS5「DMを受注するために必要な営業の極意」の二つはそのものズバリで、新規ビジネス開発の話と将来的に残る印刷物の代表であるDMをどのように受注するかという話である。


(専務理事 郡司 秀明)

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