プリプレス・デジタルワークフローで利益確保を実現

掲載日:2014年8月21日

※本記事の内容は掲載当時のものです。

事業紹介インタビュー:プリプレス・デジタルワークフローで利益確保を実現

 

コニカミノルタグラフィックイメージング株式会社 マーケティング部長 大貫満氏に聞く

 

DTPが登場し、DTPエキスパートも普及し、現在のグラフィックアーツ業界ではプリプレス部門のアナログ時代を知らない人も多くなった。こうした流れの中で、デジタル技術により、RGBワークフローからプリプレスワークフローまでのトータルソリューションを提供している同社の今後の展開と業界への貢献度を伺った。

 --コニカミノルタグループのアマチュアカメラおよびアマチュアフィルムからの撤退が発表されて、グラフィックアーツ業界では、印刷用フィルムの販売が今後も継続されるのかという心配の声はなかったでしょうか。製品開発動向なども含めて伺えればと思います。

大貫 オフセット印刷機を導入されているお客様には当然印刷用フィルムをご利用いただいておりますが、今後も印刷用フィルムの供給は続けていきます。デジタル機器や材料の開発までを手掛けておりますが、従来行っていたデジタルカメラのRGBからRGBへの変換を、他社との提携により「Imagehandler Pro(イメージハンドラープロ)」を共同開発しました。色変換の精度を高めるべく、テストマーケティングからモニタリングを重ねて製品化しました。デジタルカメラのほとんどのRAWデータを受け取りRGB変換ができるため、グラフィックアーツ業界におけるデジタルカメラの普及にマッチしています。川上から川下に至るワークフローにこのシステムの導入をお勧めしております。
さらには、高解像度カメラの「Phase One(フェーズ・ワン)」では、最高3900万画素のハイエンドコマーシャルフォトに用いられており、RGBワークフローと組み合わせて利用できます。また、DDCPにおいては、「Digital Konsensus Pro(デジタルコンセンサスプロ)」がトータルで700台を超え、お陰様でトップシェアとなっております。材料も今ではマットとグローに加えてハイマットもそろえ、上質紙の校正にも対応可能です。雑誌の電子送稿やデジタル技術が一般的になった今でも、校正作業はやはり紙に出力しなくてはという声が多く需要があります。今後、ますます、Digital Konsensus Proだけで校了という段にまで及ぶため、製品開発をさらに進めてまいります。

 --SOHOのようなところまで、カラーマネジメントを普及させるにはまだ少々難がありますし、印刷会社でもカラーマネジメントまで行っているところは少ないのが現状のようです。個々の工程でのカラーマネジメントだけでなく、プリプレス関係の開発を手掛けてきた御社ではトータルなソリューションを提供できることは大きなメリットでしょう。DTP導入後に入社された方には、画面上だけで色をイメージしてしまい、網点になった場合がイメージできない場合が多いため、そうしたことが起こらないように網点校正の意味が出てきたと言えるのではないでしょうか。

大貫 網点系DDCPのトップシェアNo.1のDigital Konsensusが威力を発揮します。さらに高品質DDCPであれば、「Color-Decision(カラーデシジョン)Ⅱ」を販売しており、大手化粧品会社や自動車会社などの色に大変厳しいお客様の要求にも対応できております。両システムともカラーマネジメントを有しており、色に関するお手伝いも実際行ってきています。

 --設備投資に関する調査によれば、MISが投資の上位に来ております。かつては、工程が複雑で、刷版でも面付けでも各工程で利益が出ていたが、今ではデジタル化によって、工程が短くなってきているため、利益の出せるところが少なくなっています。そのため、MISによって利益管理をしていきませんと経営のかじ取りが難しくなってくるため、利益の出せている間にMISを導入しておくべきでしょう。

大貫 プリプレス生産性向上支援システム「Neostream Pro(ネオストリームプロ)」を販売しています。MISのようなソフトの価格設定は難しいが、今後業界で必要不可欠となっていくでしょう。

 --今では、製版業が印刷機械を導入しているケースがあり、印刷会社よりも利益を出しているケースもありますね。

大貫 最近では、デジタル印刷機にも手を広げております。大日本スクリーン製造と共同で、「TruePress(トゥループレス)344」の販売を展開しており、ロール版材対応で刷り出しが速く、色精度も高く小ロットにも対応できます。またコニカミノルタ製品としては、複写機技術を生かした「Pagemaster Pro(ページマスタープロ)」があり、こちらもカンプに加えて小ロット・バリアブルプリントができ、さらに高速性も備え一般のデジタル印刷機に比べて安価です。

 --ただ印刷会社があまり凝ったバリアブルの仕事を受注するのはハードルが高く、最初はパソコンの差し込み印刷程度のところから始めて簡単なDMに使っていただくことから提案していくほうがよいかと思います。御社製品は、外国製のデジタル印刷機と比べて日本のオフィス・スペースも考慮してあり実用的と言えますね。

大貫 販売の際には実際にお客様のデータを頂いて色合わせを行い納得いただいてから、ショールームにお越しいただいておりますので、実用性は実感いただけております。また、大型のデジタル印刷機と違って気軽に購入決定いただけることは利点と思います。

 --かつてデジタル印刷機は、インキの紙への付着耐性が良くなかったため、はがれたりして後加工に展開しづらいという問題がありましたが、その辺りはいかがでしょうか。

大貫 後加工として、圧着DMなどさまざまなサンプルをそろえて提案しておりますので、そうした問題はなく、むしろ加工性の幅広さを感じていただけると思います。
 印刷会社にとって、こうしたデジタル印刷機を導入してランニングコストを下げ、バリアブルプリントの提案で営業の方々が仕事を増やしていけば、利益の拡大にもつながります。また、UVインキ開発とインクジェットプリンタヘッド開発も行っております。他社でもこうしたシステムの開発をしておりますが、サイズ、解像度、スピードなどの性能面の開発は各社とも試行錯誤です。コニカミノルタでは独自のノウハウをもっているので、市場のニーズに合ったIJシステムを提供していきたいと考えます。

 --今まで印刷会社では設備を入れれば仕事が付いてきましたが、今では仕事量が減ってきているわけですから、設備を入れたからといって仕事が増えるというわけではありません。御社では、MISも含め各製品によって印刷会社のコスト削減によって利益拡大を実現し、仕事を生み出すというソリューションまでも提供できるというわけですね。

コニカミノルタグラフィックイメージング株式会社
 〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台3-2
 TEL 03-5297-5602 / FAX 03-5294-0240

 

(2006年5月)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)