高効率フルデジタル・ワークフロー基盤として最新のsm@rt_Serveを導入

掲載日:2014年8月25日

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ユーザレポート:高効率フルデジタル・ワークフロー基盤として最新のsm@rt_Serveを導入

 

 熊本県に本拠を置く後藤印刷株式会社は,1991年創業の新進の印刷会社である。コスト競争に打ち勝つために高効率の制作・出力と,フロントエンドの比重を高めることを大きな目標としている。そして,そのための切り札として,株式会社インテリジェントワークスがインテグレートするsm@rt_Serveを導入した。

後藤印刷株式会社
 〒861-2234 熊本県上益城郡益城町古閑106
代表取締役社長 後藤伸二
TEL/FAX 096-287-1212/096-287-1231
 URL http://www.gotoworks.co.jp/

sm@rt_Serveはセキュリティ対策としても有効
  最近は,顧客情報の漏洩(ろうえい)が各所で問題になっている。顧客の最新データを預かる印刷会社としては,この点にも配慮する必要性が高まっている。
  また,顧客の側でもこの点について神経質になっており,印刷発注の場合にデータ管理の方法を問われる例も多くなっている。この点でも,sm@rt_Serveは有効だ。まず,単純にファイルサーバとして利用した場合に,制作中のワークステーション上のローカルディスクよりも高速に書き込み,読み込みができる。このため,後藤印刷では,すべての制作データは,サーバで一元管理できるようになっている。つまり,制作データはサーバから読み込み,作業終了後はサーバに保存する。このため,ローカルディスクには制作データは存在しない。
  多くの印刷会社では,サーバを利用していても,まず,ローカルディスクに転送し,作業後,サーバに書き戻すというプロセスが採用されている。これは,ネットワーク,サーバともに機能(転送能力と安全性)が十分でないために,サーバ上のデータを直接読み込み,書き込みをしていては作業が渋滞するからだ。
  この場合,一つのジョブに対して,常に複数のファイルが存在することになり,データ転送時や出力時にファイルの取り違え,という別の問題を生じがちだ。後藤印刷では,ファイルの一元管理によって,セキュリティと版管理の両面で安全性と高効率とを実現しているわけだ。
  さらに,サーバのデータは特定のメンバーしかアクセスできず,そのデータをコピーする権限は,一人のスタッフだけがもっている。実務上も,MOなどのメディアを利用する必要がないし,実際利用していないので,情報漏洩対策も万全である。

全国展開も視野に入れたフロントエンドの変更とネットワーク配送システム
 後藤印刷では,サーバに加えてフロントエンドシステムも大きく変更した。従来は,「MacOS 9+Adobe Illustrator」での制作作業がメインであったが,これを「MacOS X+Adobe InDesign」に移行しつつある。
  「弊社はこれまで端物中心でしたが,ページ物に移行しつつあります。MacOS X+Adobe InDesign のシステムは,こうした受注状況をにらんだものです。さらに,InDesign はXMLへの対応度が高く,将来想定されるXMLによる自動組版,データベースパブリッシングに備える意味もあります」(後藤氏) 
 

数年後には爆発的に展開
  中長期にわたる展望では,さらに発展的な展開を考えている。「日本の産業に関する将来見通しについては悲観的な見解が多いですが,私はそうは思いません。淘汰(とうた)されるべき企業が淘汰され,成長すべき企業が明らかとなり,数年後くらいには,大きな飛躍があるのでは,と予測しています。その時に爆発的に展開できるように,筋肉質の企業として弊社を構築しておこうと考えているのです」(後藤氏)。
  そのための基盤として,後藤氏は顧客,出入り業者との関係についても独特の見解をもっている。「企業間の取引というのは,お互いにメリットのあるものでなければなりません。 現状では,顧客に振り回される印刷会社は,紙業者を叩くというように,だれにもメリットのない関係に陥っているケースを多く見掛けます。しかし,それでは長続きしません。というより,いずれ破たんします。その点,ネットワーク,プリプレスのワークフローに多くの実績とノウハウをもつ株式会社インテリジェントワークスさんは,ユーザの立場に立ったサポートやコンサルティングを強力に行ってくれています。今後もコンサルティングとサポートで技術支援していただき,さらに先進的でより良いワークフローを構築していきたいと考えています」

高効率生産の切り札,sm@rt_Serve
 「弊社が価格競争力をもてるのは,いろいろな局面で高効率を目指し,かつそれを実現しているからです」(後藤氏)。その最も顕著な例は,HELIOSをインテグレートしたsm@rt_Serve(HELIOS WebShare 1.0, EtherShare 3.1, PCShare 3.1, ImageServer 2.5)の導入であろう。これは,Webからも利用することができるサーバで,遠隔地からのファイル転送,マルチプラットフォーム,ファイルサーバ,高速プリントサーバなど多機能に利用できるトータルサーバである。例えば,FTTH(光ファイバー)回線経由で顧客のデータをサーバに直接転送,製版処理後,CTP出力,印刷と遅滞なく制作ができる。入稿時にMO,CD-ROMなどのメディアを利用しないので,人手を介する必要がなく,迅速に制作工程に移ることができる。
  また,制作の際,OPI(Open Prepress Interface:画像置き換え)を利用することもできる。これによって,コンテンツを制作中のワークステーションは,軽いビュー画像で作業を行うので,制作作業を軽快に行うことができる。また出力時には,面付けデータの大容量出力で,OPIでの出力フローを100%利用している。実画像データとのフロー比較で数十分の一の出力効率化が行われている。
 

■関連情報
株式会社 インテリジェントワークス
後藤印刷 株式会社

『プリンターズサークル』2004年9月号より

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(2004年10月)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)