2.書体の変遷(1)

掲載日:2014年9月15日

※本記事の内容は掲載当時のものです。

書体の起源:2.書体の変遷(1)

 

(1)古文の時代(夏,殷,周)

*甲骨文とは殷代に亀の甲や獣骨などの断片に刻まれた文字であり,主として占卜などの宗教的なものに使われた文字である。直線,折線による構成で簡潔な字画から原始的な文字といわれるが,シンプルでシンメトリーの素朴さの中で漢字の字体構成の原点がここにある。次の時代の金石文へ続く骨組みを備えている。

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*金石文とは周代は青銅器文明の時代であり,儀式用の青銅器に鋳込まれた文字で,鍾鼎文とも呼ばれる。石刻文字で最古の石鼓文を含めて金石学が生まれているように,絵文字から進化した原始文字としての特色といえる多彩で装飾的に富んだユニークな形で表わされている。約三千年の歳月を経ているが,自然の趣があり,興味のある書体群である。古文の研究に貴重な資料といわれる。

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(印刷情報サイトPrint-betterより転載)