第21期クロスメディアエキスパート認証試験と出題意図

掲載日:2016年5月26日
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2016年3月20日(日)に実施された第21期クロスメディアエキスパート認証試験の出題意図を解説する。

第1部試験の新問題の出題意図

第21期クロスメディアエキスパート認証第1部試験は、カリキュラムに従い、「コミュニケーション概論」「経営概論」「情報技術概論」のテーマから150問を出題した。

コミュニケーション概論

クロスメディアを前提とした提案活動に必要な知識として、「情報収集」や「競合調査」について出題した。

「情報収集」、およびヒアリングは、対象により確度や重要度が異なるため注意が必要である。
「競合調査」については、提案活動における競合調査の重要性、提案コンセプトが差別化に影響を与えることについてとりあげた。

「iBeacon」についても新たに出題した。「iBeacon」は「O2O」を支える重要なソリューションの1つである。

経営概論

マーケティングの基礎知識である「4C」「LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)」「RFM分析」「O2O」「マーケティングオートメーション」などについて新たに出題した。

マーケティング戦略の起点は顧客にあるべきといった視点に基づく、「4P」と「4C」。
取り引きを開始してから終了するまでの期間を通じて、事業にもたらす損益を算出する「LTV」。生活者の購買行動に対し3つの指標から分類することで選別と格付けを行う「RFM分析」を取り上げた。

インターネット接続による「オンライン」とリアル店舗などの「オフライン」とが相互に影響を与えることを指す「O2O」、マーケティング施策実行の自動化を図る「マーケティングオートメーション」についても取り上げた。

日本の「知的財産権」や、平成27年9月に改正された「個人情報保護法」に関しても出題した。社会のグローバル化が進行する中、メディアを取り巻く法的環境への新しい知識も必要である。

情報技術概論

コンテンツ開発の分野から、ユーザーエクスペリエンスのために必要となるビジュアルデザインやインタラクションデザインを視野に入れた「情報アーキテクチャー」に関する出題をした。


合格基準を満たすためには新出または既出を問わず、70%以上の正答率が必要となる。
カリキュラムに掲載してる項目の知識習得のほか、インターネットや展示会などによる日々の情報収集も心がけていただきたい。

第2部記述試験の出題意図

第2部試験では、「第3セクターによる鉄道事業を展開する小売およびサービス業」を顧客企業と設定し、中堅印刷会社が、メディア戦略のコーディネーションを行うという前提にて、提案書を提出する形式の出題となった。

現在のローカル線を取り巻く環境は、人口減少やモータリゼーションの進展に伴い、旅客数が減少している。しかし、一部の地域鉄道では鉄道そのものを観光資源化し、鉄道ファンや地域の民間企業からの会費を収入源としている場合もある。都会で生活する人々からの「憧れ」から、ローカル線が流行する兆しもある。

出題の企業は、乗車すること自体が目的となる「観光鉄道」を目指しており、団体やグループに対する貸し切り運行や、女性客のほか平日のシニア層に対するイベントを中心とした販促活動、オリンピック開催に向けた外国人対応に取り組もうとしている。そして、そのためのメディア戦略を求めている。

試験における解答として、「スタンプラリー」「フリーペーパー」「チラシ(ポスティング)」「DM」「ソーシャルメディア」「コーポレートサイト(リニューアル)」「OOH(デジタルサイネージ、ポスター)」などの提案が、数多く提出された。

しかし、解答の傾向は、起点となるメディアへの集客方法や運用方法について具体的な記載が欠けており、論理性の欠如による減点が多かった。
「Webサイトリニューアル」や「チラシ配布」といった使用するメディアのみを提案するのではなく、そのコンテンツの内容やリニューアル後のWebサイトに対する集客方法、チラシの内容や配布先、期待する効果についての記述も必要である。
また、提案目的や課題設定については近視眼的なものが多く、メディア戦略の実施による効果や企業に与える影響が不明確であり、費用対効果に疑問が残るものも見られた。

課題設定としては、解決可能であり、「優先順位」の高い問題を示す必要がある。さらに、「優先順位」付けする際に「理念」や「方針」を加味することで、論理性が高まる。

「ポスター」や「デジタルサイネージ」の利用については、その設置場所に対する妥当性も評価される。
「コーポレートサイト」や「ソーシャルメディア」と「パンフレット」や「ポストカード」の両方を組み合わせることだけで、クロスメディアを加味した提案になるわけではない。

与件には提案書を作成する上で、必要な情報が掲載されている。ターゲットとなるメディア利用者の行動を予測することで、「どのタイミングでどのメディアを利用しどのようなアクションを起こすか?」「目的を達成できるのは、どのメディアの段階か?」などが意識されている「クロスメディア」提案が第2部試験では求められている。

(資格制度事務局)

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