【クロスメディアキーワード】メディアの複合利用

掲載日:2016年8月8日
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クロスメディアキーワード【第7回】

クロスメディアとは、ある情報について文字や音響、映像などの様々な素材と、ペーパーメディアやデジタルメディアといった複数のメディアを用い、効果的な情報伝達を行う手法である。

複数メディアの利用については、生活者のメディア導線を予測したシナリオにより、メディア毎に適したコンテンツを用意し情報発信を行う。メディア利用の概 念については、「ワンソースマルチユース」や「マルチメディア」、「メディアミックス」など、「クロスメディア」と似た様々なものがある。

ワンソースマルチユース

ワンソースマルチユースとは、基となる印刷用データやWebサイト用データなどから、異なるメディアへコンテンツ展開を行う概念である。「マルチ (multi:複数の)」の意味としては、利用するメディアの数や、コンテンツの再利用回数といった解釈も可能であり、ワンソースマルチユースにより、コ ンテンツの制作効率を高めるといった意味を持ち合わせている。

印刷用に加工されたデータ利用し、他のメディアへ展開を行うには、データの 再加工が必要となる。ワンソースマルチユースを実現するために、印刷用データに含まれる寸法や書体指定のような情報は付加せず、他のペーパーメディアや Webメディア向けといった複数の出力を想定したデータ作成が求められる。

マルチユースは「データベースパブリッシング」の考え方と接な 関係がある。データベースパブリッシングは、リレーショナルデータベースを用い、条件に応じて自動レイアウトを行うシステムである。フォーマットがある程 度定型化されている大型のカタログやパンフレットなどの制作には欠かせないものであり、データベースに蓄積されたデータの活用は、当初のメディアに対する コンテンツ制作や再利用だけに止まるものではない。リーフレットやWeb、デジタルサイネージなど、様々なメディアへのコンテンツ展開を可能にする。

出力メディアを構成するコンテンツに関する情報をデータベース化し、メディアに合わせた検索を行い、データ抽出後に自動レイアウトする手法が普及している。

文書の型を定義付けられるXML(Extensible Markup Language)を利用したデータベースをシステムの中核にし、各々のメディアに合わせたスタイルシートを用意することで、フレキシブルなコンテンツ展 開も実現できる。XMLに対応したDTPアプリケーションを合わせて利用することで、変更や修正を行った箇所をデータベース内のデータに対し同期させるさ せることが可能である。データベースにより派生する、他のメディアのコンテンツに、自動的に反映することができる。このコンテンツ管理手法が「ワンソース マルチユース」といった概念であり、データベースパブリッシングは効率良く実現するための手段である。

クロスメディア

共通データのデータベース化は、情報のクロスメディア展開の際においても有効な資源となる。クロスメディアの概念では、必ずしも「基となるデータ」が1つ である必要はない。情報発信の効果を最大限にするため、「基となるデータ」に対しメディア特性を考慮した加工を施すことや、新たな「データ」を追加するこ とが求められる。

現代の生活者は、製品やサービスを購入する際に関連の詳細情報を求める傾向があり、得た情報の結果に満足しないと購買活 動へと至らないことがある。製品の機能を紹介する場合、プリントメディアでは文字や写真、図表での表現となるが、映像や音響の利用により製品の動きや音の 表現が可能となり、機能の理解度が飛躍的に高まることが期待できる。映像や音響といった「データ」を追加することで、Webコンテンツにより効果的な製品 の機能紹介を実現できる。また、モバイル端末向けWebサイトを併設する場合、端末の動作を考慮し、コンテンツのデータ量を削減する取り組みも求められる ことがある。

映像や音響を扱うテレビ放送であっても、製品の詳細機能を訴求するメディアとしての活用が難しい点がある。テレビ放送は、インタラクティブ性や検索性に欠ける部分があり、生活者が情報を得る際、目的の情報を見付け難いことがある。

クロスメディアを実現するためには、メディア特性を熟慮する必要がある。クロスメディアは「基となるデータ」を効率良く展開することではない。情報の発信 者が想定するシナリオを前提に、情報の受信者である生活者が行動することを促すために、様々メディアの持つ特性を理解しメリットを最大限に発揮させること が重要である。

コンテンツを構成する情報による相互作用や相乗効果を高めるために、クロスメディアの概念が活用される。また、クロスメ ディアでは、QRコードによるWebサイトへの誘導、ICカードを活用した本人認証や決済機能など、各メディアの連携を実現する「橋渡しの仕組み」も不可 欠である。クロスメディアは、制作効率の向上が目的ではなく、情報発信の目的を達成するためのメディア活用手法である。

メディアミックス

メディアミックスは、メディアを組み合わせて情報の到達を最大限にする、クロスメディアと近い概念である。異なるメディアを組み合わせ、活用することにより、各メディアの弱点を補う手法といった原義がある。

コンテンツは、映像でなければ伝えられない情報や、熟読しないと伝えられない情報など複合的に存在するため、必然的に使用するメディアも複合的になる。映 像での情報と紙面(誌面)での情報を連動させ、生活者のコンテンツに対する理解を強化するために、統一したビジュアル表現を採用することもある。個別のメ ディアにおいても、原則的には個別にコンテンツとして完結することを前提にしている。

現在では、特定の娯楽作品が一定の経済効果を持った時、その作品の副次的作品を数種類のメディアを利用を前提に多数製作することで、ファンサービスと販売促進を拡充する手法を指すことが多い。

例題

次の文[ア][イ][ウ]と用語群[A][B][C]の組み合わせとして、最も適切なものはどれか[解答群]から選べ。

ア 一つの素材を複数の媒体で利用することであり、複数の範囲には利用媒体の数の他、再利用等の利用回数も含まれ、効率性を重視している。

イ 文字、音声、映像など多様な形態の情報を組み込んだメディアのことである。

ウ 情報資源を複数の適切なメディアに展開することで、目的達成のためにシナジー効果をもたらす手法である。

[用語群]
 A:クロスメディア B:マルチメディア C:ワンソースマルチユース

[解答群]
 ①アとC イとA ウとB
 ②アとA イとB ウとC
 ③アとC イとB ウとA
 ④アとA イとC ウとB

[解答]
 ③アとC イとB ウとA

 

※本ページの内容は掲載当時(2013年)のものです。

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