【クロスメディアキーワード】成長戦略

掲載日:2016年11月16日
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企業のメディア戦略を策定するには、経営戦略について深く理解する必要がある。

競争戦略と成長戦略

経営戦略を検討する際、構成する基本的な戦略として、「成長戦略」と「競争戦略」がある。
「競争戦略」とは、対象となる市場を明確にしたうえで、有利な市場地位(ポジション)を確保するために立案する他社と異なった戦略を指す。
また「成長戦略」の立案では、対象とする市場の選択から始める。したがって「成長戦略」は「競争戦略」の前段階であると考えられる。

成長マトリックス

H.I. アンゾフの「成長マトリックス」では、製品と市場について、それぞれ既存と新規に分けマトリックスに配置し、それぞれに対応した戦略の概念を提唱している。

①市場浸透戦略
 既存製品を既存市場に追加投入し、シェア拡大を目指す。
②市場開拓戦略
 既存製品を新規市場に投入し、市場拡大を目指す。
③製品開発戦略
 新しい製品分野に参入し、既存市場に投入し、シェア拡大を目指す。
④多角化戦略
 新しい製品分野および市場に参入および投入し、市場拡大を目指す。
 新しい製品分野に参入し、新しい市場に新製品を投入する戦略は、製品開発と新規顧客獲得へ向けた取り組みを同時に行う必要がある。

多角化戦略の類型

「多角化戦略」の類型については、既存事業との関係性の深さにより、「関連型」と「無関連(非関連)型」に分類され、「市場」か「製品」との関連性により、「水平的多角化」と「垂直的多角化」に分類される。「水平的多角化」と「製品開発戦略」との差は、「製品開発戦略」が既存顧客を対象とすることに対し、「水平的多角化」は既存顧客が存在する市場と同一ではなく近似した顧客を対象とし、新しい製品分野に対し参入することを指す。

・水平的多角化
「水平的多角化」では、「スーパーがコンビニエンスストアも展開する」「レストランが喫茶店も展開する」などといった例を挙げることができる。メリットとしてこれまでのノウハウを生かすことができるが、対象とする市場に差がないことも想定され、成長性や収益性については大きな変化を期待しにくいといったデメリットもある。

・垂直的多角化
「垂直的多角化」は、既に参入している製品分野のプロセス(工程)に対し、「前段階」や「後段階」の市場へと新規の市場を開拓しようとする戦略である。「前段階」である上流へ展開する戦略を「川上統合」、「後段階」である下流へ展開する戦略を「川下統合」と呼ぶ。
「垂直的多角化」では、既存の製品や顧客の情報を生かし、新しい事業から得る情報やノウハウなどを生かすことができるため、既存事業との相乗効果が期待できる。その反面、既存の製品が陳腐化してしまった場合、多角化により展開した事業にも影響を与え、複数の事業が同時に衰退してしまう恐れがあり、「リスク分散」に弱い傾向がある。さらに「川下統合」の場合は、既存顧客が競合になるといった問題が存在する。

事業の関連性

多角化事業について「関連型」か「無関連型」の判別は、「既存の経営資源を生かせるか」といった基準による。
事業の「関連型」による多角化では、相乗効果を次の4 つに分類することができる。

①販売:流通チャネルやブランド展開
②生産:人材のほか資材や施設の共有
③投資:研究や開発に関する設備を含む類似
④管理:ノウハウをはじめとするさまざまな情報の整理

・無関連多角化
「無関連型多角化」は、「集約型多角化」「コングロマリット型多角化」などとも呼ばれることがある。相乗効果はあまり期待できず、事業の進展についてもリスクが高い傾向がある。しかしながら「垂直的多角化」と比較すると、既存の製品が陳腐化したとしても、新規事業との関連性が低いことから、その影響を受くいといったメリットもあり、「リスク分散」に強い傾向がある。
そのほか多角化には、既存事業の技術力や情報力、マーケティング力などを生かし、新規の市場や製品に展開するといった「集中的多角化」もある。

JAGAT CS部
Jagat info 2015年12月号より転載