【第17期与件:土産店】クロスメディアエキスパート第2部試験

掲載日:2017年1月5日
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状況設定について

あなたは、首都圏にある中堅総合印刷会社のX社に勤務するクロスメディアエキスパートである。X社は、商業印刷物やDVD-ROMの制作、Webサイトの構築・運用などのサービスを顧客企業に提供している。X社にはデザイン専門の系列子会社があり、グループ総従業員数は100名である。

A社提案プロジェクトについて

土産店を運営するA社は、X社が過去に取引を行った顧客企業である。X社は、同社Webサイトの一部を手がけた実績もある。

営業担当者より、「A社は、顧客との新しいコミュニケーション戦略の検討をしている。」との報告があった。X社は、営業部門や企画部門、制作部門に所属する数名で、A社提案プロジェクトを立ち上げた。

クロスメディアエキスパートであるあなたは、本プロジェクトのリーダーに任命された。 X社は、本プロジェクトにて提案書を作成し、2014年3月17日にA社へ提出する予定である。

面談ヒアリングについて

A社について調査をすすめていった結果、X社の競合企業がインターネットやモバイル端末を活用した提案を行う準備をしているとの情報が入った。

X社は、営業担当者が中心となり、社長と販促担当者に面談ヒアリング(※面談ヒアリング報告書参照)を実施した。A社は、コミュニケーション戦略を立案するにあたり、社外からの優れた提案を取り入れ、実施を検討する方針である。

A社面談ヒアリング報告書

2014年3月14日 
X社  営業部 第一課 黒須目 一郎

概要:A社からの提案依頼に伴う、ヒアリング調査
日時:2014年3月12日 10時~12時
対応者:木村社長、中谷専務取締役
内容:下記に記載

1.提案へ向けて

A社は、土産品の製造、小売の経営を行う企業である。
長野県長野市に本社を置き、長野県を中心に、土産品小売店を10店舗展開している。土産品の製造を中心に営む子会社を3社持つ。

創業当時は土産品製造業であったが、生活者の立場に立った商品づくりを心掛けてきた結果、食の「安全」に繋がる環境を構築したいといった姿勢が中高年齢層の顧客に支持され、土産品小売店「こころ」を展開するようになり、業績は順調に推移している。

A社はさらなる事業拡大を目指し、2014年2月には東京にある丸の内新ビル内に「こころ彩」を出店した。 また、様々な事業者と連携を行い、「心を込めた和み」をコンセプトとした店舗を「生活者の食生活を豊かにする場」として位置づけ、他社と差別化を図るアプローチ方法を検討している。

A社は顧客とのコミュニケーション手法を確立し、それに伴うコンテンツやメディア展開案を求めており、顧客との関係性を重視したプロモーションの実現を模索している。

2.施策の運営と実施効果測定

  • 週単位でメディア展開の実績を確認したい
  • 可能な範囲でメディア利用者のレスポンスを管理したい
  • A社の担当者は、他業務と兼任で2名を予定

3.想定予算

  • 印刷物作成費、ハードウェア、ソフトウェア、開発費などで、総額1,500万円以内を想定

4.施策の実施期間

  • 6月1日に施策開始、来年3月31日までを第1フェーズとして予定している
  • 7月末から8月下旬、12月末から1月初旬が店舗運営業務のピークを迎えるため、コミュニケーション施策は、業務のピークを考慮したものとしたい

5.事業内容について

  • 現社長である木村 歩は、大学を卒業後に観光学を学ぶためスイスに留学をした
  • 帰国後は大手百貨店に就職し、物産展の担当も行った
  • 母親が祖父より相続した「土産用菓子製造工場」経営を任せられることとなり、木村社長は大手百貨店を退社し、A社に入社した
  • くるみとカスタードクリームを高級カステラで包んだ長野銘菓「森のなごみ」はA社によるものであり、現在最も販売数の多い商品である
  • 製造ラインは稼働率が高いが利益率が低く、老朽化も進んでいる
  • 自社製造に関する事業は、外部委託を中心に展開し、縮小する方針である
  • 1998年の長野オリンピックは、A社の業績を後押しするだけでなく、事業拡大にも寄与した
  • 長野オリンピック後は、土産品の企画、開発、販売で培ったノウハウにより、地方で活躍しているキャラクターや、タレントのオリジナル商品も企画し、供給を行っている
  • 地域有名メーカーとのタイアップにより、新しいブランドを構築している

6.コンセプトショップ「こころ」について

  • 長野新幹線の開業に伴い、「心に残るお土産」を追求したコンセプトショップ「こころ」を長野駅前に立ち上げた
  • 「こころ」では、商品開発から店舗運営まで総合的な活動を行っている
  • 店舗の雰囲気は、一流旅館のラウンジに似ている
  • 常時800~900の商品アイテムが陳列され、通常の食品小売店では見られないものが多い
  • 来店客が商品を手に取りたくなるような仕掛けが施されている
  • 来店客は店頭の商品に引き寄せられることから始まり、誘われるように徐々に店舗奥へと誘導される店舗設計となっている
  • 長野を中心に、松本、軽井沢など9店舗を運営している

7.丸の内進出について

  • A社は2015年の北陸新幹線の開通や、2020年の東京オリンピック開催を見据え、2014年2月に「こころ彩」東京・丸の内店を丸の内新ビル内に出店した
  • 外装や内装については、これまで他の店舗で展開した「こだわり」と同様のものである
  • プライベートブランド「彩(あや)」は、顧客からの人気を集めている
  • 顧客層は20代から60代までと幅が広いが、30代後半から40代前半が中心の層となっている
  • 平日は近隣で働くビジネスパーソンが来店客の中心であることに対し、土日祝日は東京駅に訪れる観光客やショッピング中に立ち寄る顧客が多い
  • 日中は昼食や軽食になる商品が中心となる傾向に対し、夕方以降は自宅での内食用が中心となる
  • 男女を問わず、50代から60代の客単価が高い
  • 立地の特性上、経済的に余裕のある来店客が多く、低価格戦略は採用していない
  • こだわりの商品を提供することで、価格競争に陥らない工夫を行っている

8.プライベートブランド「彩」について

  • 差別化商品として、プライベートブランド商品の開発と販売に力を入れている
  • 最近では長野県の事業者と連携し、オーガニック食品「蕎麦パスタ」の開発を行っている
  • いりこ出汁のような、最近ではなじみが薄く調理方法を知らない生活者が多い商品については、「味噌汁用」や「ふりかけ用」などといった用途をパッケージに明記することで需要を喚起している
  • ラベルを貼らない状態で納品されたものに、A社オリジナルラベルを店舗で貼り、販売する商品もある
  • 蕎麦パスタの他、蕎麦味噌や蕎麦菓子など、香り豊かな商品を扱っている
  • さらに伝統に培われ熟成された他社ブランド「粋」と「彩」を融合させた、彩オリジナル手ぬぐいや箸、陶器、漆器、風呂敷、照明器具などの商品がある

9.販売促進について

  • 商品陳列では、季節感を意識し、イベントを行う際にはテーマと関連する商品を揃えている
  • 店内のPOPは従業員が自ら筆を使い、手書きをしている
  • 単に商品を販売するのではなく、来店客に商品を使用する場面を訴求している
  • 商品を使用したオリジナルレシピを配布するといった、提案型販売を実施している
  • 四半期に一度、高級住宅街を中心にポスティングによるチラシを配布している
  • 現在は、「リピーター」による口コミの拡大に向けた施策を検討し、「ヘビーユーザー」への育成を検討している
  • 一部の「リピーター」は、知人への贈答品としての購入や、ブログやSNS(Social Networking Service)で店舗や商品の紹介を行っている

10.土産品の市場について

  • 観光やレジャーなどの余暇の楽しみ方は、多様化するとともに多チャンネル化している
  • 土産品の市場は、日本人の消費のみでも、約3兆円となっている
  • 国土交通省が中心となり実施されているビジットジャパンキャンペーンにより、訪日外国人観光客が増加し、その消費が増えていくと、更なる市場拡大が期待できる
  • 消費税の増税により、生活者の消費停滞が懸念されている

11.競合B社について

  • 丸の内新ビル内には、B社が土産用食品小売店「NAKAMURA」を出店している
  • 「NAKAMURA」では、ハーブティーを中心とした地域性のある商品を販売している
  • 最大の特徴は、会員組織「NAKAMURA Club」の存在である
  • 入会金2,000円で入会する会員には、会員限定通信販売やイベントへの参加、情報誌(年4回)が送付される
  • 会員数は、20代から40代の女性を中心に2万人を誇る
  • 通信販売事業の約9割におよぶ売上が、会員によるものである

12.インターネットの活用について

  • A社のコーポレートサイトでは、会社概要と商品案内を中心に掲載されている
  • 大手ショッピングモールサイトで、若年層顧客の取り込みを目的に、「こころ インターネット店」を展開している
  • 「こころ インターネット店」の月当たり売上は、約20万円程度である
  • ショッピングモールサイトのショップ構築システムは、顧客のメールアドレスが取得できていないことや、スタッフが常駐し対応していることから、使いにくい印象を持っている

13.社長の考えについて

  • いつの時代でも「あそび心」が何かを生み出す出発点であることには変わらないと考えている
  • 既存顧客の満足度向上は、必須の課題となっている
  • 20代の顧客を獲得し、顧客生涯価値を視野に入れた品揃えを行いたいと考えている
  • 「こころ彩」を発展させ、土産品小売事業をA社の中心的な事業にしたいと考えている
  • 丸の内店での成功後は、主要都市への展開を視野に入れている
  • 地域による食品のプロデュースや、新たに商品卸売事業も手掛け、さらなるA社の発展を目指している

以上

A社の概要

法人名:株式会社A
設立:昭和25(1950)年
従業員:120名
資本金:350百万円
売上:4,200百万円(2013年3月期)
所在地:長野県長野市
役員:代表取締役 木村歩 専務取締役 柴崎健 常務取締役 高橋美智子
事業:土産品小売 土産品(食品)製造

企業沿革

1925年:株式会社A食品設立
1926年:長野銘菓「森のなごみ」製造開始
1990年:代表取締役に木村サダが就任
1997年:株式会社Aに商号を変更
1998年:長野駅前にコンセプトショップ「こころ(1号店)」を開店
1999年:軽井沢に「こころ(2号店)」を開店
2000年:松本に「こころ(3号店)」を開店
2001年:本社工場に物流センターを併設
2002年:代表取締役に木村歩が就任
2005年:軽井沢に「こころ(4号店)」を開店
2006年:長野に「こころ(5号店)」、白馬に「こころ(6号店)」を開店
2007年:志賀高原に「こころ(7号店)」を開店
2008年:善光寺に「こころ(8号店)」、上高地に「こころ(9号店)」を開店
2011年:彩プロジェクトを発足
2014年:東京丸の内に「こころ彩(1号店)」を開店

経営理念

限りない発展をめざし、共栄をはかり、豊かな生活を創造し、社会に貢献する。

社長プロフィール

木村 歩(きむら あゆむ)
昭和61年にN大学経済学部を卒業。平成2年に株式会社A入社。平成14年代表取締役就任。

大学卒業後、スイスE大学に留学し観光学を学び、大手百貨店に入社。
A社に入社後は、土産品小売事業を推進し事業拡大に貢献する。
モットーは「命をつかさどる源は、食と人」。
趣味は、スキー、読書、ミュージカル鑑賞。

A社損益計算書(2011年度、2012年度)

 2011年度2012年度

単位:千円
売上高 3,850,000 4,200,000
売上原価 2,800,000 3,000,000
売上総利益 1,050,000 1,200,000
販売費・一般管理費 900,000 1,000,000
営業利益 150,000 200,000
営業外収入 15,400 12,500
営業外費用 28,000 26,000
経常利益 137,400 186,500

設問

問1 A社の顧客コミュニケーションにおける課題を3つ記述しなさい。

・課題1:
・課題2:
・課題3:

問2 問1の課題解決に向け、A社へ提出する提案書に記載する施策について記述しなさい。

・施策の想定ターゲット顧客
・コンテンツやコミュニケーション施策
・施策で使用するメディアと選定理由

問3 A社へ提出する提案書のタイトル、提案の主旨(特徴)を記述しなさい。

・提案書のタイトル
・提案の主旨(特徴)

問4 A社へ提出する提案書をクロスメディアエキスパートとして記述しなさい。【記述形式:A4・横書き・3枚】