工業統計と経済センサスはどう違うの?

掲載日:2017年3月7日

全産業・全事業所を対象とする「平成28年経済センサス‐活動調査」(2016年6月1日実施)は今年5月より順次公表されます。経済センサスに合わせて「平成29年工業統計調査」も6月1日実施となります。(数字で読み解く印刷産業2017その1)

製造業を調査する「工業統計」と全産業を調査する「経済センサス」

製造業とは原材料などを加工することによって製品を生産・提供する産業、つまり工業のことで、経済産業省の管轄になります。印刷会社が提供している多様な製品・サービスの中には工業のジャンルに含まれないものもありますが、「印刷・同関連業」は産業分類では製造業になります。

製造業を対象とする「工業統計調査」は、経済産業省・都道府県・市区町村が毎年実施してきました。従業員4人以上の全事業所を対象とする大規模調査のため公表時期は遅く、現時点での最新データは2014年12月31日実施の「平成26年工業統計調査」の数字です。
「平成27年工業統計調査」は、「平成28年経済センサス‐活動調査」(2016年6月1日実施)のために行われませんでした。「経済センサス‐活動調査」は経済活動の多角化に合わせて2012年にスタートした新しい調査で、総務省・経済産業省・都道府県・市区町村が行っています。全産業・全事業所を対象とした大規模調査で、今回で2回目の調査になります。製造業に限った調査ではないので、同一時点での全産業の比較が可能で、既存の統計調査では把握できなかったサービス業の実態もわかるようになりました。
「経済センサス‐活動調査」が実施される年は、回答者の負担を軽減するために工業統計や商業統計は中止になります。そこで、2015年の工業統計の数字は、2016年6月1日実施の「平成28年経済センサス‐活動調査」によって把握することになります。

産業横断的集計と産業別集計の違いに注意

「経済センサス‐活動調査」全事業所を対象に行われ、産業横断的集計と産業別集計を公表しています。製造業についての産業別集計では、「工業統計調査」との時系列比較を可能とするために、以下のすべてに該当する製造事業所について集計しています。
・管理、補助的経済活動のみを行う事業所ではないこと
・製造品目別に出荷額が得られた事業所であること
このため、「平成24年経済センサス‐活動調査」による製造業の事業所数は、産業横断的集計では49万3378事業所ですが、工業統計表に該当する「製造業(産業編)」では39万3391事業所となっています。印刷産業に関しては3万3524事業所→2万6145事業所となっています。
「平成28年経済センサス‐活動調査」に関しても同じように製造業に関する集計が行われ、工業統計表に該当する「平成28年経済センサス‐活動調査結果 製造業」がまとめられ、2015年の出荷額や事業所数が今年5月から順次公表される予定です。

工業統計調査の調査日が6月1日に変わった

毎年12月31日に実施されたきた工業統計調査は、次回の「平成29年工業統計調査」から調査日が6月1日に変更になりました。出荷額など調査期間が年間となっている項目は今までどおり、2016年1~12月までの年間実績ですが、従業者数は年末現在ではなく2017年6月1日現在に変更になりました。また、製造品出荷額などについて、 消費税の記入を税込みまたは税抜きで選択することが可能になりました。これらの変更は経済センサスとの整合性を図るもので、これまで以上に時系列比較が容易になることが期待されます。

JAGATが毎年10月に発行している『印刷白書』では、印刷産業の動向把握に必要な公表データを網羅・掲載してきました。次回『印刷白書2017』に向けて準備を進めていますが、2017年5月公表の「平成28年経済センサス‐活動調査 速報集計」の結果はJAGATサイトでも報告する予定です。

(JAGAT 吉村マチ子)