出版・レポート」カテゴリーアーカイブ

「東京都産業連関表」で東京都経済の実態を把握する

「令和2年(2020年)東京都産業連関表」によれば、東京都の印刷産業生産額は6293億円、全国の印刷産業生産額に占める割合は15.4%。(数字で読み解く印刷産業2025その10)

全国産業連関表と東京都産業連関表

JAGAT『印刷白書2025』では、日本全国を対象とした全国産業連関表の最新版「令和2年(2020年)産業連関表」を使って、印刷産業の取引を見ています。

国内全体の経済構造を表す「全国産業連関表」に対して、都道府県や一部の市が作成している産業連関表は、その地域内の財・サービスの取引を明示し、地域経済の構造を可視化するものです。

「東京都産業連関表」は、こうした都道府県産業連関表の持つ特徴に加えて、東京都の経済の実態をより的確に表すため、①地域間表の作成、②本社部門の設定、③移動消費部門の設定が行われています。東京都の経済は、他道府県との相互依存、本社機能の集積、通勤・通学・観光など都外からの昼間流入という影響が大きいからです。

東京都の生産額は全国の約5分の1

「令和2年(2020年)東京都産業連関表」が11月27日に公表されました。都内の産業が1年間に行ったモノやサービスの取引を示した統計表で、5年ごとに作成されています。

東京都における2020年の財・サービスおよび本社の生産額は209兆8080億円で、全国の生産額(1097兆5247億円)に占める都の割合は19.1%を占めています。

東京都の印刷産業(印刷・製版・製本)生産額は6293億円で、全国の印刷産業生産額(4兆875億円)に占める都の割合は15.4%です。

なお、東京都産業連関表の全国の生産額(1097兆5247億円)は、全国産業連関表の生産額(1026兆1540億円)および東京都産業連関表(地域間表)の本社部門の生産額(71兆3707億円)の合計を指すものです。

東京都の生産額とその構成比を見ると、サービス(対事業所サービス、医療・福祉、教育・研究など)56兆4730億円(26.9%)、情報通信34兆1912億円(16.3%)、本社32兆4273億円(15.5%)、不動産21兆9094億円(10.4%)、商業21兆8531億円(10.4%)となり、これら5部門で都内生産額の79.5%を占めます。印刷産業(印刷・製版・製本)は6293億円(0.3%)です。

東京都に集積している産業は、産業別特化係数(=東京都の産業別構成比÷全国の産業別構成比)が高い産業で、1を超えればその産業のウェイトが全国水準を上回ることになります。特化係数が高い部門は、情報通信2.75、本社2.38、金融・保険1.60、不動産1.27、商業1.23となっています。逆に低い部門は、農林漁業0.02、鉱業0.02、製造業0.14、電気・ガス・水道0.37、建設0.64となっています。印刷産業(印刷・製版・製本)は0.81となりました。

東京都と他道府県との取引を見ると、東京都は本社、情報通信、サービス、商業などで他道府県へサービスを提供(移出)し、他道府県の経済を下支えしています。一方、東京都は製造業で他道府県から多くの製品を購入(移入)し、他道府県の産業の顧客や消費者となっています。

東京都の移出計73兆5539億円に対し、移入計は33兆1871億円と、差し引き40兆3668億円の移出超過となっています。この移出超過のうちの50.0%(20兆1805億円)は本社部門の移出超過です。印刷産業(印刷・製版・製本)の移出は2590億円、移入は9644億円で、7054億円の移入超過となっています。

『印刷白書2025』(2025年10月31日発刊)の第2章 印刷産業の動向「産業連関表」では、「令和2年(2020年)産業連関表」(2025年7月再推計)と「平成23-27-令和2年接続産業連関表」を使って、印刷産業と取引先やクライアント産業の動きを見ています。

また、限られた誌面で伝え切れないことや、今後の大きな変更点は「数字で読み解く印刷産業」で順次発信していきます。ご意見、ご要望などもぜひお寄せください。

(JAGAT 研究・教育部 吉村マチ子)

デジタル化で変化するニュースの読まれ方~2025年

SNSによる「無意識のニュース接触」によって、ニュースと消費者の関係は変化していくのか。(数字で読み解く印刷産業2025その9)

「ソーシャルメディアや動画ネットワーク」への加速度的なシフト

ロイタージャーナリズム研究所は、2012年以来、デジタル化がメディア環境やニュースの利用にもたらす影響を世界各地で調査しています。「ロイター・デジタルニュースリポート2025」では、2025年1月中旬から2月末に、日本を含む48の国と地域で実施された調査結果から、定点調査している「ニュースへの信頼」などのほか、AIの利用拡大がニュースの利用に与える影響など幅広いテーマを紹介しています。

エビデンスに基づく分析的なジャーナリズムが求められる世界情勢にもかかわらず、テレビ、新聞、ニュースサイトなどの「組織的ジャーナリズム」の影響力はむしろ低下しています。その一方で、ソーシャルメディアや動画プラットフォーム、(複数の情報源のニュースを集めて提供する)アグリゲーターへの依存度は増しています。

アメリカでは「ソーシャルメディアや動画ネットワーク」を主なニュース源とする割合(54%)が急増し、テレビ(50%)やニュースサイトまたはアプリ(48%)を初めて上回りました。
48の国と地域で「ソーシャルメディアや動画ネットワーク」を利用する割合は、18~24歳の44%、25~34歳の38%に上ります。
一方、日本では依然としてテレビ(2015年73%→2025年50%)が最も多くの人に利用されており、SNS経由のニュース接触は緩やかな上昇(2015年21%→2025年24%)にとどまります。ただし、SNSによる「無意識のニュース接触」によって、信頼や課金意欲につながらないという構造的問題もあります。

ニュースへの信頼度は安定しているか

毎年調査している「ニュースへの信頼」は、10年前と比べると明らかに低下していますが、全体平均はこの3年間、40%程度で安定しています。フィンランドが67%と最も高く、ギリシャとハンガリーが22%で最も低くなりました。

日本は2024年は15位、43%で平均をわずかに上回っていましたが、2025年は23位、39%となりました。「ソーシャルメディアの影響力の高まりと、伝統的メディアのスキャンダルによって、若年層を中心に信頼の低下がうかがえる」と分析されています。

オンラインニュースの何が本物で何が偽物かという不安は、回答者の半数以上(58%)で去年と同水準ですが、2022年と比べると4ポイント上昇しました。

また、ジャーナリズムにおけるAIの使用法では、十分な監督なしにAIで作成されたコンテンツについて不安という回答が大部分を占めました。これに対して、文字起こしや翻訳などのジャーナリストの仕事を補助する目的での使用は容認されています。

『印刷白書2025』(2025年10月末発刊)では、 「デジタル時代に進化する新聞~信頼を強みに新たな役割へ」において、新聞の存在意義やジャーナリズムについて考察しています。

限られた誌面で伝え切れないことや、今後の大きな変更点は「数字で読み解く印刷産業」で順次発信していきます。ご意見、ご要望などもぜひお寄せください。

(JAGAT 研究・教育部 吉村マチ子)

『印刷白書2025』発刊のご挨拶

2025年10月31日発刊の『印刷白書2025』について、会長網野勝彦よりご挨拶させていただきます。

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2025年を振り返り、そして2026年を見据える今、私たちは事業構造を根底から見直すことを迫る2つの「非連続的な変化」に直面しています。
1つ目は、「AIとデータによる生産性の革新」です。この1年間で、情報伝達手段のデジタルシフトは不可逆的に加速し、特に生成AIの劇的な進化は、クリエーティブ領域だけでなく、生産性やワークフローのあり方そのものを変えようとしています。人手不足が深刻化する中で、このAIという革新的なツールをいかに事業基盤に組み込み、人間の創造性や戦略立案能力を最大限に引き出すかが、競争優位を確立する絶対的な条件となります。
2つ目は、「グリーン・トランスフォーメーション(GX)の経営課題化」です。環境問題への対応は、企業の社会的責任を超え、事業継続そのものに直結する要素となりました。カーボンフットプリントの算定や環境配慮型素材の採用といったGXへの取り組みは、もはやコストではなく投資と捉え、顧客や社会への新しい付加価値として提供し、未来の成長エンジンへとする必要があります。

このような変革期だからこそ、私たちは印刷産業がもつ核となる力を再認識しなければなりません。私たちは、単なる「紙への印刷」を行う製造業という狭い定義にとどまらず、「多様な素材と技術を通じて、情報を最も効果的に、そして情緒豊かに人々の心に届ける情報価値創造業」であると自信をもって宣言すべきです。デジタル情報があふれる社会において、その情報に「信頼性」「手触り」「体験」という確かな付加価値を与え、「人」と「情報」を深くつなぐチカラは、一層その重要性を増しています。

今年の『印刷白書』は、「AIによる生産性の革新」と「GXの経営課題化」を強く意識しながら、印刷業界の喫緊の課題と未来への方向性を幅広く分析しています。皆様にとって本書が、力強い成長と経営の持続可能性の確立の指針となりますよう切に願います。

変化を恐れることなく大胆に挑戦する企業が、次の時代を牽引していくことは間違いありません。

JAGATは今後も、技術革新、AI時代に対応した人材育成、そして業界全体の連携強化を通じて、皆様の発展をしっかりとサポートしていく所存です。皆様の力強いご活躍を心よりお祈り申し上げるとともに、巻頭のご挨拶とさせていただきます。

2025年10月
公益社団法人日本印刷技術協会
会長 網野勝彦

書籍発刊のお知らせ

『印刷白書2025』2025年10月31日発刊

DTPエキスパート・マイスターBOOK

DTPエキスパート・マイスターBOOK 
発行日:2024年9月30日
編著:樋口泰行
   (グラフィックデザイナー DTPエキスパート問題作成委員)
監修:大里浩二
   (帝塚山大学教授 DTPエキスパート認証委員)
体裁:B5判  112ページ  オールカラー
定価:4,000円+税
ISBN:978-4-88983-177-1
企画・編集・発行:公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)

**JAGAT初のデザイン実技解説書発刊記念限定特典**
『デキる紙デザイナーは分版プレビュー』ステッカー配布中

印刷入稿前に必須の「分版プレビュー」啓蒙用ステッカーを当サイトよりの購入者限定で配布します。
『マイスターBOOK』でプロの紙デザイナーへの第一歩を踏み出しましょう


       ※特典は予告なく終了する場合があります。

内容紹介:
本書は、JAGAT主催DTPエキスパート・マイスター実技試験に準拠し、効果的な印刷物のデザインレイアウトを行うプロセスを豊富な実例とともに解説した参考書です。

デザインの着想法から実際のレイアウトの組み立て、文字や図版データの扱いに至るまでを各ステップに分けて端的に解説しています。マイスター実技試験課題に対する作例や、レイアウト考案のためのラフスケッチ例など、現役のグラフィックデザイナーによる多くの秘訣が盛り込まれています。

印刷物制作工程の川上から川下まで、多岐にわたる制作実務の全体像を把握することができるため、受験予定者に限らず、これから印刷物制作を学ぶグラフィックデザイナーやDTPオペレーターの方、また印刷物用データ制作を学びたいWebデザイナーの方等にも最適な一冊です。

目次

chapter 1 DTP エキスパート・マイスターの概要
DTPエキスパート・マイスター認証試験の目的
DTPエキスパート・マイスターが必要とされる領域
DTPエキスパート・マイスター実技課題の概要
実技試験のための準備
chapter 2 試験対策ー要件の整理と制作フロー
実技試験対策のためのフロー
実技課題の具体的な内容
課題内容の整理と要点の書き出し
chapter 3 デザイン調査とレイアウト設計
ターゲットに合ったジャンル・媒体を調査
デザイン表現やレイアウト例を調査
chapter 4 ラフレイアウトとフォント、カラー選定
レイアウトのためのラフスケッチ
紙面設計と段組みレイアウト
使用フォントの選定
使用スタイルの選定
配色計画
chapter 5 素材の整理と修正
テキスト原稿の整理
写真素材のレタッチと補正
写真素材のCMYK変換
QRコードの取り扱い
ロゴデータの素材確認
chapter 6 レイアウトデータの制作
レイアウトソフトウェア上でのフォーマット作成
要素の配置
縦組み時における注意
chapter 7 テキスト•画像の装飾の追加
フォントと見出しの扱い
キャプションの位置とグループ化
コラムなどの装飾
chapter 8 レイアウトデータの PDF 書き出しとセルフチェック
InDesign/Illustratorでの分版チェック
レイアウトデータの書き出し
PDFの確認と修正
chapter 9 制作コンセプトの記載
制作コンセプト書の役割
コンセプトの記述
レイアウト要素とスタイル・制作環境
最終チェックと制作コンセプト書への記入
索引
付録(実技試験要項のサンプル)

 

 

DTPエキスパート受験サポートガイド 10版

DTPエキスパート受験サポートガイド  10版

発行日 :2023年7月1日
編著 : DTPエキスパート認証委員会
定価 : 3,818円+税 ※税込価格4,200円
判型 : B5判
ページ数 : 本文168ページ
発行 : 公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)
ISBN :978-4-88983-174-0

 

 

本書は、JAGAT主催DTPエキスパート認証試験の最新カリキュラムに準拠し、最新の出題傾向を反映した例題と、その解説を中心にした受験参考書です。
オールカラーで豊富な図版を用い、出題の背景や意図、重要ポイントを理解したうえで、正解を得られるような解説をしています。
また、DTP、印刷技術、それらの周辺環境の知識、最新のデジタル印刷テクノロジーについても取り上げています。

 

CONTENTS

DTPエキスパート認証試験の攻略法【1章 DTP】
和文書体の特徴
PCの文字・フォント環境
カメラと撮影
画像データ処理の計算
画像レタッチ
トーンカーブによる色調補正
DTP組版設計
和欧混植の組み方
縦組みと横組み
レイアウトソフトの機能と役割
Photoshopの基本操作
Illustratorの基本操作
オーバープリントと透明効果
校正・校閲・検版
Acrobatでのデータチェック
トンボの役割
PDFワークフロー【2章 色】
色の混合
モニターと反射物の観察環境
LED照明と演色性
配色の基本
照明と色評価
カラープロファイルの進展
レンダリングインテントの実践
デバイスプロファイル
色差の表現方法
カラーマネジメント【3章 印刷技術】
プロセスインキの濃度と色
UVインキ
写真の2色刷りと特色
スクリーニング、高精細印刷
色校正技術と最新事情
製本と面付け
洋製本
印刷物の表面加工
広色域印刷
スクラッチ印刷
デジタル印刷機
電子写真方式デジタル印刷機
インクジェット【4章 情報システム】
インターフェース
印刷業におけるクラウド利用
Webフォント
InDesignと正規表現
CG
3Dプリンターとモデリング
デジタルサイネージ
Web to Print
データのセキュリティー
情報セキュリティー対策【5章 コミュニケーション】
印刷用紙と規格
版面設計と文字の配置
印刷物とデザイン、はがき
デザインとレイアウトの評価
ユニバーサルデザイン
マーケティング
マーケティングオートメーション
購買行動プロセスモデルの変遷
デジタル印刷ビジネスの発展
デジタルオンデマンド出版
個別原価計算とスマートファクトリー
社会課題と印刷ビジネス
デザインに関する権利と保護
知的財産権
個人情報保護法

 

DTPエキスパート受験サポートガイド 10版

DTPエキスパート受験サポートガイド  10版

 

発行日 :2023年7月1日
編著 : DTPエキスパート認証委員会
定価 : 3,818円+税 ※税込価格4,200円
判型 : B5判
ページ数 : 本文168ページ
発行 : 公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)
ISBN :978-4-88983-174-0

 

 

 

本書は、JAGAT主催DTPエキスパート認証試験の最新カリキュラムに準拠し、最新の出題傾向を反映した例題と、その解説を中心にした受験参考書です。
オールカラーで豊富な図版を用い、出題の背景や意図、重要ポイントを理解したうえで、正解を得られるような解説をしています。
また、DTP、印刷技術、それらの周辺環境の知識、最新のデジタル印刷テクノロジーについても取り上げています。

 

CONTENTS

DTPエキスパート認証試験の攻略法【1章 DTP】
和文書体の特徴
PCの文字・フォント環境
カメラと撮影
画像データ処理の計算
画像レタッチ
トーンカーブによる色調補正
DTP組版設計
和欧混植の組み方
縦組みと横組み
レイアウトソフトの機能と役割
Photoshopの基本操作
Illustratorの基本操作
オーバープリントと透明効果
校正・校閲・検版
Acrobatでのデータチェック
トンボの役割
PDFワークフロー【2章 色】
色の混合
モニターと反射物の観察環境
LED照明と演色性
配色の基本
照明と色評価
カラープロファイルの進展
レンダリングインテントの実践
デバイスプロファイル
色差の表現方法
カラーマネジメント【3章 印刷技術】
プロセスインキの濃度と色
UVインキ
写真の2色刷りと特色
スクリーニング、高精細印刷
色校正技術と最新事情
製本と面付け
洋製本
印刷物の表面加工
広色域印刷
スクラッチ印刷
デジタル印刷機
電子写真方式デジタル印刷機
インクジェット【4章 情報システム】
インターフェース
印刷業におけるクラウド利用
Webフォント
InDesignと正規表現
CG
3Dプリンターとモデリング
デジタルサイネージ
Web to Print
データのセキュリティー
情報セキュリティー対策【5章 コミュニケーション】
印刷用紙と規格
版面設計と文字の配置
印刷物とデザイン、はがき
デザインとレイアウトの評価
ユニバーサルデザイン
マーケティング
マーケティングオートメーション
購買行動プロセスモデルの変遷
デジタル印刷ビジネスの発展
デジタルオンデマンド出版
個別原価計算とスマートファクトリー
社会課題と印刷ビジネス
デザインに関する権利と保護
知的財産権
個人情報保護法

 

(テスト)印刷マネジメントブック2025

印刷界の経営者、管理職、スタッフ、マーケターに、印刷経営の長年のベストセラーが今年も発売開始になった。

本書は経営、投資、営業マーケティング、人材に携わる経営者・スタッフ向けにまとめた100社超の最新年次調査による分析報告書です。中小印刷会社の経営実態と方向性を業績、戦略、投資、技術、需要の5視点から捉えています。

中小中堅印刷会社の経営ハンドブックとして好評を博し、長年に渡り印刷経営・マーケティングのベストセラーになってきました。予算、戦略、投資、マーケティングを考えるとき、印刷経営の将来を考えるとき、不可欠な一冊として多くの読者、回答社の皆様から支持をいただいています。

本書の内容

第1章 経営動向を読み解く
(1)経営分析
  新たな時代の印刷会社経営への探索が続く
(2)戦略分析
  AI時代のビジネスモデル創造に向けて
(3)設備投資分析
  印刷事業の省力化・省人化投資を行いつつ、新事業を模索
(4)新技術・サービス分析
  生成AIの導入が進むも、満足度は低い
(5)需要分析
  ①製品編 ②生産方式編 ③付帯サービス編

第2章 参考資料
(1)経営指標:P/L、B/S、収益性、生産性、安全性、成長性、人員構成等
(2)月次動向:売上高、受注件数、用紙・インキ・版の仕入高、労働時間等
(3)経営指標明細:単純平均・加重平均別、業種・業態別等のセグメント別
(4)経営戦略:経営、営業、生産、組織と人員、投資(全64設問)

書籍概要

タイトル:印刷マネジメントブック2025
副題:2024年度 印刷産業経営力調査 報告書
体裁:A4判、100ページ無線綴じ
編著:藤井 建人、花房 賢
定価(税込):15,400円/JAGAT会員7,700円/調査回答社無料
発行:2025年10月3日、公益社団法人日本印刷技術協会

 

印刷白書2025

印刷白書2025

印刷産業の現在とこれからを知るために必携の白書『印刷白書2025』
第1章 Keynote Re : Connect
第2章 印刷産業の動向
第3章 印刷トレンド
第4章 関連産業の動向
第5章 印刷産業の経営課題

 

発行日:2025年10月31日
ページ数:112ページ
判型:A4判オールカラー
発行:公益社団法人日本印刷技術協会
定価:15,400円(14,000円+税)
JAGAT会員特別定価:9,900円(9,000円+税)

解説

印刷産業のこれからを知るために必携の白書『印刷白書2025』

あらゆる産業を顧客とする印刷産業は、さまざまな産業と密接に関わりを持っています。「印刷白書」では、印刷産業の現状分析から印刷ビジネスの今後まで幅広く取り上げています。

印刷・同関連業界だけでなく広く産業界全体に役立つ年鑑とするために、社会、技術、産業全体、周辺産業というさまざまな観点から、ビジョンを描き込み、今後の印刷メディア産業の方向性を探りました。

印刷業界で唯一の白書として1993年以来毎年発行してきましたが、2025年版では組織変革などの項目を追加しました。

印刷関連ならびに情報・メディア産業の経営者、経営企画・戦略、新規事業、営業・マーケティングの方、調査、研究に携わる方、産業・企業支援に携わる方、大学図書館・研究室・公共図書館などの蔵書として、幅広い用途にご利用いただけます。

「第1章 Keynote」では印刷会社の「Re : Connect」をテーマに、商業印刷の価値を再定義しています。「第2章 印刷産業の動向」では印刷産業の現状と課題を俯瞰的に捉え、「第3章 印刷トレンド」では技術課題を整理しました。「第4章 関連産業の動向」ではクライアント産業の動向を探りました。「第5章 印刷産業の経営課題」ではサステナビリティから人材まで印刷産業が取り組むべき課題を整理しました。
印刷メディア産業に関連するデータを網羅し、UD書体を使った見やすくわかりやすい図版を多数掲載し、他誌には見られないオリジナルの図版も充実させました。

CONTENTS

第1章 Keynote Re : Connect
商業印刷の価値は再定義できるか 未来に向けて「Re : Connect」するために

第2章 印刷産業の動向
[産業構造]印刷がつなぐ社会~広がり続ける印刷の可能性
[産業連関表]多様な産業の需要に応える印刷製品と関連サービス
[市場動向]自律成長に向けた拡印刷による多角化 課題解決型とサービス型へのシフト
[上場企業]サステナビリティとDXで未来を切り拓く上場印刷企業
*関連資料 産業構造/産業分類・商品分類/規模(1)/規模(2)/規模(3)/産出事業所数(上位品目)/産出事業所数・出荷額/調達先と販売先/産業全体への影響力と感応度/最終需要と生産誘発/印刷物の輸出入額と差引額/印刷製品別輸出入額/印刷物の地域別輸出入額/印刷物の輸出入相手国/経営動向/上場企業/生産金額(製品別)/生産金額(印刷方式別)/売上高前期比・景況DI/設備投資・研究開発/生産能力/紙・プラスチック/印刷インキ/M&A

第3章 印刷トレンド
[デザイン]デザインの力で印刷の価値を高める
[ワークフロー]印刷業界の新たなエコシステム構築に向けて
[デジタル印刷]加速するデジタル印刷シフトと未来展望
[後加工]製本業界の課題と技術革新 構造改革で目指す持続的成長
*関連資料 設備投資の動向/フォーム印刷業界

第4章 関連産業の動向
[出版業界]大手出版も取次もデジタル印刷に本腰 返品率改善の切り札として期待のDSR
[新聞業界]デジタル時代に進化する新聞~信頼を強みに新たな役割へ
[広告業界]広告費は過去最高の7.7兆円、インターネット広告は3.7兆円に
[地域メディア]地域メディアを起点にした課題解決と価値創出
[通信販売業界]通販・EC市場売上高初の14兆円台に突入 伸び率もやや前年上回る
*関連資料 出版市場/新聞市場/広告市場/通販市場 

第5章 印刷産業の経営課題
[サステナビリティ]サプライチェーンで求められる環境対応
[地域活性化]高まる民間企業の地域活性化参画への期待 共助領域の課題解決をビジネスの手法で
[経営管理]活学で部下と「コミュニケーション上手」になるには?
[デジタルマーケティング]SNSは「対話」と「体験」を重視するマーケティングツールへ
[AI活用]2030年に向けた印刷業界のAI活用戦略
[組織変革]拡印刷を成功させる組織変革の進め方 変革理論を指針としたプロセスづくりの要諦
[労務管理]変化する中小企業施策と経営力による成長戦略の道
[人材]印刷産業の持続可能性を人材から考える 中核人材育成の論点
*関連資料 AI活用/人材

●巻末資料
DTP・デジタル年表/年表

 

上場印刷企業の女性管理職比率は平均10.3%

2024年度の上場印刷企業36社のうち、女性管理職比率を開示している27社の平均は10.3%。厚生労働省「雇用均等基本調査」によれば、女性管理職比率は13.1%と微増で、製造業は7.6%と低い水準となっている。(数字で読み解く印刷産業2025その8)

上場印刷企業の2024年度業績は堅調

JAGAT『印刷白書』では、社名もしくは特色などに「印刷」とある企業を、上場印刷企業としています。各社の業績は決算短信と有価証券報告書で見ていますが、提出時期の関係で2024年6月期決算から2025年5月期決算までを2024年度としています。

上場印刷企業の社数は、親会社による完全子会社化による上場廃止がある一方、新規上場もあって、33~34社で推移してきました。『印刷白書2025』では、2024年12月25日上場のMICを加えた36社の企業力などを見ています。

上場印刷企業の2024年度業績を見ると、36社の売上高合計は4.2兆円(前期比3.4%増)で、増収24社、増益17社と堅調です。

上場印刷企業27社の管理職に占める女性の割合は10.3%

2023年3月期決算以降の有価証券報告書から、人的資本の情報開示が義務化され、管理職に占める女性労働者の割合(女性管理職比率)が開示項目の選択肢の一つとなりました。上場印刷企業36社のうち、女性管理職比率を開示している27社の平均は10.3%(前期は9.8%)です。

女性管理職比率24.7%のラスクルは、一定グレード(等級)以上の女性従業員の割合を2025年7月末までに20%以上にすることを目指しています(2024年7月末時点18.2%)。

次いで24.0%のクレステックは、中途採用者や女性が活躍できる社内環境の整備に取り組んでいて、2025年6月末時点の女性管理職比率は26.0%となっています。

23.7%のMICは、人的資本に関する目標として、女性正社員比率50%(2024年度実績43%)、男性正社員の育児休業取得率50%(同40%)を掲げています。

日本の女性管理職比率は13.1%、諸外国は30%以上

厚生労働省「令和6年度雇用均等基本調査」によれば、女性管理職比率は13.1%で、前年(12.7%)より0.4ポイント上昇しました。産業別にみると、「医療、福祉」50.4%が突出して高く、「生活関連サービス業、娯楽業」26.0%、「宿泊業、飲食サービス業」21.0%、「教育、学習支援業」21.0%と続いています。「製造業」は7.6%で、前年(8.5%)より0.9ポイント下降しました。

また、労働政策研究・研修機構「データブック国際労働比較2025」によると、女性管理職比率はアメリカ42.6%、シンガポール39.6%、フランス38.9%、ドイツ28.7%など、諸外国がおおむね30%以上となっているのに対して、日本は大幅に低くなっています。

『印刷白書2025』(2025年10月末発刊予定)の上場印刷企業36社の分析では、事業展開の特色と売上高構成比、個別業績による規模・収益性・生産性・安全性・成長性、連結業績による設備投資総額・研究開発費、キャッシュフローバランスなどを比較しています。

限られた誌面で伝え切れないことや、今後の大きな変更点は「数字で読み解く印刷産業」で順次発信していきます。ご意見、ご要望などもぜひお寄せください。

(JAGAT 研究・教育部 吉村マチ子)

印刷マネジメントブック 2025

印刷界の経営者、管理職、スタッフ、マーケターに、印刷経営の長年のベストセラーが今年も発売開始になった。

本書は経営、投資、営業マーケティング、人材に携わる経営者・スタッフ向けにまとめた100社超の最新年次調査による分析報告書です。中小印刷会社の経営実態と方向性を業績、戦略、投資、技術、需要の5視点から捉えています。

中小中堅印刷会社の経営ハンドブックとして好評を博し、長年に渡り印刷経営・マーケティングのベストセラーになってきました。予算、戦略、投資、マーケティングを考えるとき、印刷経営の将来を考えるとき、不可欠な一冊として多くの読者、回答社の皆様から支持をいただいています。

書籍概要

タイトル:印刷マネジメントブック2025
副題:2024年度 印刷産業経営力調査 報告書
体裁:A4判、100ページ無線綴じ
編著:藤井 建人、花房 賢
定価(税込):15,400円/JAGAT会員7,700円/調査回答社無料
発行:2025年10月3日、公益社団法人日本印刷技術協会

本書の内容

第1章 経営動向を読み解く
(1)経営分析
  新たな時代の印刷会社経営への探索が続く
(2)戦略分析
  AI時代のビジネスモデル創造に向けて
(3)設備投資分析
  印刷事業の省力化・省人化投資を行いつつ、新事業を模索
(4)新技術・サービス分析
  生成AIの導入が進むも、満足度は低い
(5)需要分析
  ①製品編 ②生産方式編 ③付帯サービス編

第2章 参考資料
(1)経営指標:P/L、B/S、収益性、生産性、安全性、成長性、人員構成等
(2)月次動向:売上高、受注件数、用紙・インキ・版の仕入高、労働時間等
(3)経営指標明細:単純平均・加重平均別、業種・業態別等のセグメント別
(4)経営戦略:経営、営業、生産、組織と人員、投資(全64設問)