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印刷物は12年連続の輸入超過、アジアがシェア7割

貿易統計で印刷物を見ると、2022年は輸出入ともに拡大し、12年連続の輸入超過となった。輸出先は中国が不動の1位で、輸入先はシンガポールが10年連続トップである。(数字で読み解く印刷産業2023その4)

輸出は中国が不動の1位、輸入はシンガポールが10年連続1位

財務省「貿易統計」によれば、2022年の印刷物の輸出額は320億円(前年比11.9%増)で2年連続の増加、輸入額は686億円(同0.5%増)で3年ぶりの増加となりました。

アジアが最大の取引先で、2022年の輸出額は220億27百万円(構成比68.8%)、輸入額は495億50百万円(同72.2%)で、輸出入ともに約7割を占めます。北米は輸出52億70百万円(同16.5%)、輸入85億72百万円(同12.5%)、西欧が輸出27億70百万円(同8.6%)、輸入93億92百万円(同13.7%)となりました。

輸出先のトップ10は、中国、アメリカ、韓国、香港、ベトナム、台湾、タイ、メキシコ、ドイツ、シンガポールです。中国は不動の1位で、シェアは8年ぶりに30%台となりました。香港とメキシコ以外の8カ国は増加し、韓国、アメリカが大きく増加したほか、シンガポールは大幅増で5年ぶりにランクインしました。

輸入先のトップ10は、シンガポール、中国、アメリカ、韓国、ドイツ、マレーシア、フランス、イタリア、アイルランド、プエルトリコ(米)です。10年連続1位のシンガポールからの輸入額は前年より52億円減少しましたが、輸入総額の33.7%を占めています。トップ10の顔ぶれは前年と同じですが、6位以下の順位は変動がありました。

下図は1993~2022年の印刷物の輸出入額とその差引額の推移です。1993~2004年の12年間は輸入超過でしたが、2005~2010年の6年間は輸出超過となり、2011年以降の12年間は逆に輸入超過となっています。2022年の差引額は366億円まで縮小しました。

『印刷白書2022』では、印刷物の輸出入相手国上位10カ国の推移表や、アジア・西欧・北米などの地域別の構成比の推移なども、わかりやすいグラフで紹介しています。
限られた誌面で伝えきれないことや、今後の大きな変更点は「数字で読み解く印刷産業」で順次発信していきます。ご意見、ご要望などもぜひお寄せください。

(JAGAT CS部 吉村マチ子)

【印刷業界】新入社員採用・教育調査一覧

JAGATは、印刷会社の新卒社員の採用・教育に関する調査を行っています。経営者、採用担当者、新入社員、それぞれの視点を交えながら、印刷会社の取り組み、新入社員の意識や価値観の変化をご覧ください。

 


計・レポート
 <企業の採用実態調査>
年度 調査内容
2022年  印刷会社の新卒・中途採用に関する実態調査2022<JAGATinfo2022年12月号>
2021年  印刷会社の新卒採用の取り組み実態調査レポート<JAGATinfo2021年11月号>
 印刷会社の新卒採用と新入社員教育実態調査2021統計資料<速報版>
2020年  印刷会社の新卒採用の取り組み実態調査レポート<JAGATinfo2020年10月号>
 印刷会社の新卒採用と新入社員教育実態調査2020統計資料<速報版>
 <新入社員意識調査>
年度 調査内容
2022年  印刷会社の新入社員意識調査~変化し続ける新卒採用環境と世代の特徴を踏まえた対策を~
 <JAGATinfo2022年10月号>
2021年  印刷会社新入社員の意識調査2021レポート<JAGATinfo2021年9月号>
 新入社員意識調査2021統計資料<速報版>

 

 


ラム

【2023.05.12】新入社員~5月病の回避と基礎固めのための復習教育~

【2023.04.25】社員の成長と業績拡大に欠かせない教育計画や目標の明文化

【2023.04.18】 5ゲン主義で取り組む印刷現場の標準化

【2023.04.07】 伝わる文書に必要なレイアウトデザインを学ぶ

【2023.03.15】 12分類の原因から考えるヒューマンエラー対策と改善活動

【2023.03.10】 採用と教育方針で新入社員が感じるミスマッチを防ぐ

【2023.03.07】 新事業展開と人材開発

【2022.12.20】通信教育「新入社員コース」副教材“オンデマンド動画セミナー”サンプル公開中

【2022.12.16】内定者のフォローの重要性~入社前のコミュニケーションと教育について~

【2022.12.13】新卒・中途の人材投資の動向2022

【2022.11.11】「印刷業のための新入社員コース」8年ぶりリニューアル開講

【2022.11.8】企画提案力を学び、心に届くDMを~第1期「DM企画制作実践講座」報告~

【2022.10.7】満足度の高い2日間集中講座~生産性向上支援訓練の報告~

【2022.9.30】人材育成に対する企業のスタンスは? ~2022年上半期のJAGATセミナーから~

【2022. 9. 6】今、新入社員に必要なフォローアップ研修とは

【2022.8.26】新人からみる印刷業のイメージと志望理由【新入社員意識調査2022_vol.2】

【2022. 8. 9】企業内教育における通信教育の活用法(その2)

【2022.7.29】新商品・サービス開発を進めるのは、トップダウン?ボトムアップ?

【2022.6.24】関心のある学習テーマと学び方は何か?【新入社員意識調査2022_vol.1】

【2022.6.10】企業内教育における通信教育の活用法

【2022.5.27】増える中小企業の副業・兼業人材の活用

【2022. 5. 2】 新人・若手・中途社員が最低限学ぶべき印刷の基礎

【2022.3.22】ビジネス環境の変化に対応する新入社員研修

【2022.2.25】新入社員が入社してすぐに知っておくべきコンプライアンス

 


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 オンラインライブ配信セミナー
 【新入社員研修一覧】
1  新入社員養成講座 4月
2  印刷製作入門 4月
3  印刷会社の仕事のしくみ① ~職場コミュニケーション編~ 4月
4  印刷会社の仕事のしくみ② ~会社数字とコンプライアンス~ 4月
 【フォローアップ研修一覧】
1  印刷技術の基礎知識 10月
2  ビジネスマナーの再点検 10月
3  印刷営業の基本プロセスと実務知識 10月
4  仕事で必要なデジタルデータの基本 10月
5  みんなのデザインの基本知識 10月
6  印刷ビジネスに必要なコンプライアンスの基本 10月
 会場・見学型セミナー
1  新入社員養成講座 【大阪開催】 4月
2  印刷基礎講座(初級、工場見学つき)【大阪開催・オンライン受講】 9月

 

 オンデマンド動画セミナー
1  印刷技術・基礎講座 毎月2回開催
 通信教育
1  新入社員コース 2022年12月リニューアル開講 随時開講
2  よくわかる印刷技術・基本コース 随時開講

【お問い合わせ先】

 公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT) Tel:03-3384-3411 e-mail:

2021年の印刷産業売上高は7兆7155億円(「2022年経済構造実態調査」一次集計)

「2022年経済構造実態調査」によれば、印刷産業は1万6883企業、売上高は7兆7155億円となった。 (数字で読み解く印刷産業2023その3)

2年ぶり3回目の「経済構造実態調査」

総務省・経済産業省は、「2022年経済構造実態調査」一次集計結果を3月31日に公表しました。国民経済計算の精度向上等に資するとともに、5年ごとの「経済センサス‐活動調査」の中間年の実態を把握するために、毎年6月1日に実施される調査です(活動調査実施年を除く)。

2019年に創設された同調査は、これまで実施されていた3つの統計調査(サービス産業動向調査の拡大調査、商業統計調査、特定サービス産業実態調査)を統合・再編しました。
さらに2022年調査から、全産業に属する一定規模以上の法人企業が対象になるとともに、これまでの「工業統計調査」は「経済構造実態調査」の一部(製造業事業所調査)として実施されています。

前年(2021年)が活動調査実施年だったために、今回が2年ぶり3回目の実施となりました。「工業統計調査」に該当する「製造業事業所調査」(品目別・産業別・地域別)のデータは2023年7月に公表予定です。

印刷産業の出荷額4.7兆円に対して、売上高は7.7兆円

2022年12月26日公表の「令和3年経済センサス‐活動調査 産業別集計(製造業)」では、2020年の「製造業」の製造品出荷額等(全事業所)は303兆5547億円、「印刷・同関連業」は4兆6630億円です。

これに対して、「2022年経済構造実態調査」一次集計(企業等に関する集計)では、「製造業」の売上高は415兆7489億円、「印刷・同関連業」は7兆7155億円となっています。

印刷産業の出荷額は4.7兆円なのに、売上高は7.7兆円、この差はどこからきているのでしょうか。

「3年活動調査 産業別集計(製造業)」の出荷額は事業所単位の集計なので、主要製品が「印刷・同関連品」なら印刷産業の出荷額になります。一方、「経済構造実態調査」の売上高は企業単位の集計なので、主業が「印刷・同関連業」なら印刷産業の売上高になるのです。
また、出荷額は工場出荷金額(積み込み料、運賃、保険料、その他費用を除いた金額)なので、その分売上高より金額は小さくなります。

『印刷白書2022』では印刷メディア産業に関連するデータを網羅し、わかりやすい図表にして分析しています。また、限られた誌面で伝え切れないことや、今後の大きな変更点は「数字で読み解く印刷産業」で順次発信しています。ご意見、ご要望などもぜひお寄せください。

(JAGAT CS部 吉村マチ子)

日本の広告費は過去最高の7.1兆円、インターネット広告は3兆円を突破

2022年の日本の総広告費は、3兆円超えのインターネット広告費が市場を押し上げ、過去最高の7.1兆円となった。(数字で読み解く印刷産業2023その2)

広告市場は15年ぶりの7兆円超え

電通「2022年日本の広告費」が2月24日に発表されました。

「日本の広告費」は、日本国内で1年間に使われた広告費(広告媒体料と広告制作費)を推計したもので、「マスコミ四媒体広告費」「インターネット広告費」「プロモーションメディア広告費」の3つに分類されています。

2022年(1~12月)の総広告費は7兆1021億円(前年比4.4%増)と、コロナ禍で大幅に落ち込んだ2020年から2年連続の増加となりました。新型コロナウイルスの感染再拡大、ウクライナ情勢、物価高騰などの影響はありましたが、社会・経済活動の緩やかな回復に伴い「外食・各種サービス」「交通・レジャー」を中心に広告需要が高まりました。特に、成長が続く「インターネット広告費」によって広告市場全体が拡大し、15年ぶりの7兆円超えとなりました。

「インターネット広告費」は2年連続の2桁成長で3兆円規模に

「マスコミ四媒体広告費」は2兆4538億円(前年比8.9%増)で、7年ぶりのプラス成長となりました。新聞、雑誌、ラジオ、テレビメディアのすべてが増加し、特にテレビメディア広告費は、巣ごもり・在宅需要なども影響し2桁増です。

「インターネット広告費」(インターネット広告媒体費、インターネット広告制作費、物販系ECプラットフォーム広告費の合算)は3兆912億円(前年比14.3%増)で、初めて3兆円超えとなりました。2019年に2兆円を突破した「インターネット広告費」は、2020年にはコロナ禍でも唯一プラス成長(同5.9%増)を達成し、2021年には2桁成長(同21.4%増)に戻り、「マスコミ四媒体広告費」を初めて超えました。そして、2022年には総広告費に占める構成比は43.5%となり、3兆円規模の市場となりました。

また、マスコミ四媒体の事業者が主体となって提供するインターネット広告媒体費を意味する「マスコミ四媒体由来のデジタル広告費」は、4年連続の2桁成長(前年比14.1%増)で、1211億円となりました。特にテレビ番組の見逃し配信などが急拡大したことで、「テレビメディア関連動画広告費」が350億円(同40.6%増)と前年に続き大きく増加しました。また、radikoやPodcastなどの好調により、「ラジオデジタル」が22億円(同57.1%増)と大きく伸びました。

「プロモーションメディア広告費」は1兆6124億円(同1.7%減)ですが、人流回復に伴い「屋外広告」「交通広告」「折込広告」は前年を上回りました。

「DM」は3381億円(同1.9%減)となったが、前年に続きデータマーケティングを活用したパーソナライズDMやデジタル施策と連動したDMが多く利用されました。

JAGAT刊『印刷白書』では、印刷メディア産業に関連するデータを網羅し、わかりやすい図表にして分析しています。また、限られた誌面で伝え切れないことや、今後の大きな変更点は「数字で読み解く印刷産業」で順次発信しています。

(JAGAT CS部 吉村マチ子)

関連情報
【セミナー】広告と通販、印刷メディアの最新動向
2023年3月28日(火) 14:00-16:50

【コンサルティング型研修】第2期 DM企画制作実践講座
2023年7月11日(火)~10月5日(木)

印刷MESの提案

デジタル印刷機の存在感が増すにつれ効率的なワークフローの構築が求められつつある。オフセット印刷と同様の生産管理では大量のジョブを効率的にコントロールするのは難しい。

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無敗営業 「3つの質問」と「4つの力」

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発行日:2019年10月15日
ページ数:312ページ
判型:四六判
著者:高橋浩一
発行:日経BP


定価:1,760円(本体1,600円+税10%)

CONTENTS

序章:人見知りの少年が「無敗営業」になったきっかけ
第1章:営業とお客さまの「ズレ」は、情報ギャップから生まれる
第2章:情報ギャップを乗り越えて接戦を制する「3つの質問」
第3章:お客さまとのズレを解消する「4つの力」
第4章:お客さまを深く理解する「質問力」
第5章:お客さまに必要とされるための「価値訴求力」
第6章:お客さまの意思決定を助ける「提案ロジック構築力」
第7章:お客さまと共に段取りを進める「提案行動力」
第8章:「ルート型」「アカウント型」で4つの力を発揮する
おわりに