【企業インタビュー:株式会社木万屋商会】お客様との会話の中から 企画提案のポイントを

掲載日:2017年4月11日
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木万屋商会(本社東京都中央区日本橋)は、ビジネスフォーム印刷を主力事業とする老舗のビジネスフォーム印刷会社である。主力事業に加えて新規事業を企画開発する部門を立ち上げ、クロスメディアエキスパート取得を積極的に推進している。新事業開発を担う人材に求められる資質とは何か?企画開発室次長の吉田聡氏に、事業展開と資格への取り組みについてお話を伺った。

新規事業と人材育成の方針についてお聞かせください。

会社の方針として数年前から主要事業であるフォーム印刷以外の新事業を展開したいという意向が経営陣にあり、5、6 年前から社長と相談役が主体となって新しい取り組みへの模索を始めました。小型卓上カレンダーをフォーム印刷機で製作したり、AR を使用したりと新たな試みを続けていました。3 年前に私が入社するとともに会社として企画開発室を立ち上げ、新事業に本格的に取り組むことになりました。

2 名でスタートしましたが、現時点での企画開発室は、私の他、新規採用3 名、既存社員1 名(DTP 部門から転属)の新規プロジェクトチームのような構成です。新規事業として、デジタルマーケティングを略して「デジマーケ」というサービス名で、動画、AR、ウェブを中心とした、お客様の販促・集客支援を目的としたサービス構築を始めています。

私は、ウェブのシステムやコンピューターの販売など関連業務経験がありますが、経験者の新規採用は難しく、他のメンバーは未経験者やDTP の経験・知識のある人などから新規事業に関する意欲のある人材を集めて構成しています。

人材の育成は、事業に必要と思う研修や展示会、資格などを担当部門内で分担して参加しています。どの部門も同様ですが、特に新規事業担当部署である企画開発室はまっさらなところから知識やスキルを身に付けていかなければならない状況にあるため、メンバーが必要知識を得られるようセミナーや展示会に頻繁に参加してもらい、会社も全面的にバックアップする体制となっています。それに参加した後には、参加者が講師となって資料を作成し、社内で1 時間ほどのプレゼンをする社内フィードバック会というものを行うことで、得た知識やスキルの共有を図っています。

人材育成に資格取得を取り入れた経緯とその成果についてお聞かせください。

企画開発室メンバーは20 代2 名、30 代2 名と若手で構成されています。

当初は専門用語の知識もなく、また覚えても定着しないため、会議でも議論が進まないこともありました。「デジマーケ」の展開に際してそういった状況を目の当たりにし、勉強させなければならないと感じていたときにクロスメディアエキスパート認証制度を知り、自分も含め受験することにしました。人間力のレベルUP の一環として、知識を習得し、上手く会話ができるようになるために、本認証制度は役に立つと判断したからです。

第1 部試験の学科の勉強をすると必然的に知識が定着し、社内会議でも自然と専門用語が出てくるようになり、また知識が身に付くことでお客様とも話ができるようになってきています。

企画開発室では、新事業の企画だけでなく販路開拓も含めて行っています。お客様へ出向いても、こちらから何も示さずに仕事を受注できるわけではありません。サービスをサンプルなどの形にして示し、さらにお客様の状況をヒヤリングしながら企画提案をしていかなければなりません。「何を売るか」というより、「どうしたら売れるか」「お客様が何を求めているのか」という着眼点を見出すために、マーケティングの知識が必要になります。こういった点について、クロスメディアエキスパート試験で培った知識や企画提案力は役に立っていると思います。

また、お客様を訪問したときに滞在時間の短さが気にかかることがあります。販路開拓や営業として相手と話をするには、さまざまな知識を身に付け、相手を知ることにより相手の話題に合わせることができ、その上で会話の中からいかにポイントを引き出せるか、という点が重要となります。それには、今あるだけの知識やスキルでは足りないと思うのです。クロスメディアエキスパート取得に向けて勉強することにより、知識やスキルの幅を広げていき、お客様との会話やポイントの引き出しに役立ててほしいと思っています。 社内の各部門間の連携についても、共通の知識を得ておくことは重要だと思っています。

新サービスの知識も全くないままでは連携はとれないので、「このままではだめだ」という意識は社内にも常にあります。新事業開拓に際しては、お互いに変わっていく必要があります。会社全体も少しずつ変わり、よい方向に向かっているのではないかと思います。

企画提案書作成をする記述式試験を通して得たことはありますか?

長らく印刷業では、お客様のことを知らなくても、お客様が出してきた条件で印刷を受注すればよかったので、お客様を知ろうとする意識がないし、知る方法も分かっていないままだったのだと思います。

ウェブやIT などの業界では、お客様の状況はもちろん、お客様にとっての顧客まで含め、よく知っています。部門のメンバーに対し、「お客様のところに行くときは質問事項をたくさん用意しなさい」と指導するようにしています。質問しようとすると相手を知らなければならないので、具体的に相手を知って動こうという姿勢につながります。

記述式試験にある与件に触れることで、企画提案の基になる要件定義に必要なヒアリング項目を知ることができます。実務では、そういった項目を聞き出せるような関係作りも重要だと思います。

企画提案事業による成果や波及効果などがあればお聞かせください。

既存のフォーム印刷の顧客に対して「デジマーケ」サービスを取り入れてもらうよう働きかける以外に、新規販路開拓も行っています。

今年の成果としては、あるサービス事業者とその事業地域とのコラボレーション企画として、オリジナルカレンダーにAR を組み込み、地域店舗紹介の動画を製作するところまでを含めた仕事を受注しました。カレンダーはフォーム印刷機で印刷し、さらに加工まですべて自社内で行っています。また動画製作からデータ編集もすべて自社内で行っています。

常に新しい知識を採り入れ社内プレゼンで新知識に関する資料という形にしていることなどが功を奏して、社外から動画製作に関する指導依頼があったり、各種研修の講師依頼が来たりすることも出てきました。以前からセミナー事業もサービスメニューに加え、フォーム印刷の既存顧客や、印刷ではなく自治体向けに、動画製作に関する教本の発行やセミナー事業も行っており、その経験値に加えて、クロスメディアエキスパートの新知識習得が事業展開に生かされていると感じています。

資格取得をはじめとした学習機会への社内の反応はいかがですか?

資格試験前には、有資格者がこれから取り組む受験者を激励するなど、お互いに励まし合いながら取り組んでいます。受験費用、更新費用は会社負担とし、また合格時には報奨金として一時金を支給するなどのバックアップも行っています。
今後は、当社ウェブサイトに資格取得者を掲載するなど、対外的なアピールにも活用していきたいと思っています。
また、資格に限ら ず、外部のセミナーや展示会に参加した後に行う社内フィードバック会では、ときには社長も含め経営陣も出席して社員の学習成果を確かめ合う空気があります。

今後取り組むべき課題として、「現サービスのさらなる向上」「企画提案力の向上」「新しいサービスの開発・販売」が挙げられますが、そのためには、企画開発室メンバーの一人ひとりが自分で考え、お客様と話して企画提案できるようになっていってもらいたいと思っています。資格取得を事業創造開発発展や、お客様を惹きつけるために生かし、営業成果につなげていきたいと思います。

(聞き手・まとめ:CS 部 丹羽 朋子) –JAGAT info 2016年12月号より転載–


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