【第22期与件:知育玩具】クロスメディアエキスパート 記述試験

掲載日:2017年5月24日
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状況設定について

あなたは、首都圏にある中堅総合印刷会社のX社に勤務するクロスメディアエキスパートである。X社は、商業印刷物やSP企画・制作、Webサイトの構築・運用のサービスを顧客企業に提供している。X社にはデザインとコンテンツ企画・制作を専門する系列子会社があり、グループ総従業員数は120名である。

A社提案プロジェクトについて

知育玩具の販売を中心にサービス業や小売業を展開するA社は、X社が過去に取引を行った顧客企業である。X社は、同社Webサイトの一部を手がけた実績もある。

営業担当者より、「A社は、顧客との新しいコミュニケーション戦略の検討をしている。」との報告があった。X社は、営業部門や企画部門、制作部門に所属する数名で、A社提案プロジェクトを立ち上げた。

クロスメディアエキスパートであるあなたは、本プロジェクトのリーダーに任命された。 X社は、本プロジェクトにて提案書を作成し、2016年8月21日にA社へ提出する予定である。

面談ヒアリングについて

A社について調査をすすめていった結果、X社の競合企業がインターネットやモバイル端末を活用した企画提案を行う準備をしているとの情報が入った。X社は、営業担当者が中心となり、社長と販促担当者に面談ヒアリング(※面談ヒアリング報告書参照)を実施した。

A社は、コミュニケーション戦略を立案するにあたり、社外からの優れた提案を取り入れ、実施を検討する方針である。

A社面談ヒアリング報告書

2016年8月1日
X社  営業部 第一課 釜本 一郎

概要:A社からの提案依頼に伴う、ヒアリング調査
日時:2016年7月27日 10時~12時
対応者:長谷部社長、香川広報室長
内容:下記に記載

1.提案へ向けて

A社は、幼児向け知育玩具の企画・製造、輸入、販売と幼児教室の運営を中心に事業を展開している。事業所は本部のほか、幼児教室1店舗、知育玩具専門店10店舗を運営している。
創業時は、「幼児教室」の運営を主要事業とし、あそびを取り入れた独自の幼児教育手法が支持され、業績は順調に推移した。

しかしながら、創業から10年を過ぎた頃、バブル景気の崩壊などの影響により、幼児教室事業の成長に陰りが見えはじめてきた。
そこで、新たな成長戦略として知育玩具の輸入販売の事業化を図ることとなった。

その後、2000年には、オリジナルブランドの木製知育玩具「森のともだち」シリーズの企画・開発と販売を手掛け、堅調に推移している。さらに、「森のともだち」シリーズの販売拠点として、専門店「知育の森」の店舗開発・運営を進めている。

A社は、自社の理念を共有できるスタッフとともに、地域に根ざした活動を目指している。「あそびを通して幼児の成長に貢献する玩具店」をコンセプトとした各拠点を、「交流と体験の場」と位置づけ、他の玩具店との差別化をさらに進めたいと考えている。そして、顧客とのコミュニケーション手法を確立し、顧客との関係性を重視したプロモーションの実現を模索しており、それに伴うコンテンツやメディア展開案を求めている。

2.施策の運営と実施効果測定

  • 週単位でメディア展開の実績を確認したい
  • 可能な範囲でメディア利用者のレスポンスを把握し、活用したい
  • A社の担当者は、本部広報室を中心に2名を予定

3.想定予算

  • 印刷物作成費、ハードウェア、ソフトウェア、開発費などで、総額2,000万円以内を想定 (初期費用のみ。以降の維持コストは別途算定として構わない)

4.施策の実施期間

  • 10月1日に施策開始、3月31日までを第1フェーズとして予定している
  • 年末のほか、3月および4月が繁忙期となるため、コミュニケーション施策は、業務のピークを考慮したものとしたい

5.知育玩具について

  • 知育玩具とは、幼児や児童の持つ好奇心や遊びに対する興味を刺激し、創造力や表現力を養うことで知能的発達を促すことを目的とした玩具である
  • 商品のイメージとしては、「平仮名が刻印された積木」「数字で遊ぶパズル」「キッチンセットでままごと遊び」「叩くと音が鳴るシンプル楽器」などがある
  • 最近は、コミュニケーションを図りながら一緒に知育玩具で遊ぶ親子や家族が増えている
  • 知育玩具を購入する層は20~30代のファミリーが中心で、子供への教育に熱心であり育児に関する情報収集に積極的である
  • 以前は高級品のイメージが強かったが、現在は一般的な玩具と比較すると価格は高い傾向にあるものの、決して大衆が手に届かない玩具ではない

6.創業について

  • 「あそびを通して幼児の健やかな成長に寄与したい」という思いから、創業者である長谷部 朋子が設立。当初は幼児教室の運営からはじめた企業である
  • 日本の市場では認知度が低かった北欧の知育玩具を活用した「あそび×幼児教育」の独創的な教育手法が支持されていた
  • 幼児教室である「エデュ・クリエイト」は0歳~5歳児までの幼児を対象に、神奈川県横浜市を中心に出店し、ピーク時には5店舗まで拡大していた(現在は1店舗)
  • 長谷部京子社長は大学で幼児教育学を専攻し、卒業後は北欧での海外留学を経て、北欧の大手幼児向け玩具メーカーのマーケティング職として5年間従事した
  • 帰国後は、子育てと両立しながら大手出版社で育児向け雑誌「ヒナとタマ」の編集業務に8年間従事した

7.知育玩具の輸入販売事業

  • 創業から10年が過ぎた頃、バブル景気の崩壊や大手幼児教室チェーンの参入により、幼児教室の入園者が減少し始めた
  • 幼児教室「エデュ・クリエイト」は収益性の問題と競合との競争から事業規模を縮小した
  • 創業者の長谷部朋子は、実娘の長谷部京子を新事業開発責任者として雇い入れた
  • 0歳~5歳児向けの北欧の知育玩具の輸入販売事業を始め、主に「大手幼児教室チェーン店」へ卸販売を行った
  • 「大手幼児教室のチェーン店」へ取引数は増加しA社の売り上げと、知育玩具販売事業会社としての認知度向上に貢献した

8.自社オリジナルブランドの木製知育玩具「森のともだち」について

  • 海外工場での生産やプラスチック製の知育玩具が主流のなかで、国内生産の木製知育玩具を特徴としている
  • 国産木材と安全な自然塗料を使用しているため、舐めても人体に無害であり、安心・安全な素材である
  • 企画、設計は自社で行い、製造はA社の理念に共感した国内屈指の木工職人や工房と提携している
  • キャラクターものは扱わず、無駄な色使いもしないシンプルなデザイン(素材の質感や風合いをそのまま活かした自然塗料仕上げ)で統一している
  • 幼児が細かい指先の訓練ができるよう、細やかな操作性を重視している
  • 商品の価格帯は1,000円~100,000円と幅広いが、最多価格帯は10,000円程度と競合商品に比べると、やや高価格である
  • 主力商品群は、0歳~5歳児向けの「積み木」「ままごと遊び」「図形、数、文字遊び」「パズル」「音遊び」など、指先を使うことで「語彙力」「想像力」「コミュニケーション力」を養えることを特徴としている

9.店舗について

  • 木製知育玩具「知育の森」は、主に自社ブランド「森のともだち」シリーズを扱う専門店として、主に20~30代のファミリー層をターゲットにしている
  • 各拠点は、首都圏および5大都市の大手百貨店のテナントとして、10店舗展開している
  • 森をイメージした店舗であり、幼児の遊び場やイベントスペースも設けている
  • 子供から「おもちゃ屋さんで遊ぼうよ」と、せがまれることが多く、無料で遊ばせるスペースがあるのは助かるとの声がある
  • 定期的に「よいおもちゃの遊び方・与え方」などの教養セミナーや「あかちゃんハイハイレース」「親子で一緒に遊ぶ知育玩具」などの体験イベントを実施している
  • 2年前に顧客調査を実施した結果、ブランド品や趣味嗜好品などへの関心は高くなく、高級志向ではないこと、機能や安全など実用性へのこだわりを持つ方が多いことがわかった
  • 具体的な意見として、「温かく、きれいで、木の良い香りがする」「日本製は安心できる」など商品に対する意見や、「店員の方の丁寧な説明で、どの玩具が息子にぴったりかわかった」「イベントに参加して親子で楽しめた」など、店舗でのサービスを高く評価されている
  • 20~30代のファミリー層からの購入が8割を占め、リピート率は50%とまずまずの水準
  • 11月には「千葉県流山市」のショッピングモールに新規出店する予定である

10.店舗スタッフについて

  • 幼児教室で培ったノウハウを活かして、知育玩具を活用した上手な遊び方を教えられるスタッフが多い
  • 公的機関が認定している「知育玩具インストラクター制度」のマスター資格(最上位)を有している従業員が各店舗に最低1名は在籍している
  • 有資格者は、幼児の発達とおもちゃの関わり方と、世界各国のおもちゃ文化考察から、遊びを広げる実践術まで「幅広い視点」でおもちゃを捉えることができる

11.玩具市場について

  • 少子化及び人口減の進行に伴い、国内玩具市場は縮小傾向にあるが、知育玩具の市場規模は拡大している
  • 今後、成長性が見込まれる知育玩具として「ハイテク/トレンドトイ」があり、大手玩具メーカーやIT系企業を中心に開発が進んでいる
  • 代表的なものとして会話ができるインタラクティブロボットや、子どもたちがコンピューター・プログラミングを楽しく学習できるトイロボットがあるが、対象年齢の中心は小学生以上の児童である
  • 知育玩具全般では、10,000円を超える高額な商品も堅調に販売されている
  • 玩具が起因する事故(誤飲、切り傷など)が増えており、特に幼児向けの玩具には「安心・安全」を重視した玩具づくりが求められている

12.子育て世代について

  • 市区町村が主催する、イクママ、イクメン、イクジイ向けの子育て関連セミナーの参加者は年々増えている
  • 育児関連の専門ポータルサイトは人気が高く、複数のサイトに会員登録している親が増えている。代表的なサイトとして、「ママパーク」の会員数は500万を超えている。
  • イベントやポータルサイトを利用して、育児情報の共有や仲間をつくる目的のコミニティーサークルへ入会する親も増えている
  • 3世代消費(孫のためのモノの購入、または共に過ごすことによって生じるシニア世代の消費)が活性化している
  • 玩具の紹介や遊び方、子供向けイベントへの参加リポートなど、子供が主人公となって紹介する動画コンテンツを投稿する親が増え、人気のあるコンテンツは100万回以上再生されている

13.販売促進について

  • Webサイトでは、主に「商品紹介」「店舗のアクセス情報」「注文フォーム」のみが掲載されている
  • 顧客からは、A社のWebサイトについて「知育玩具へのこだわり、店舗、スタッフの良さが伝わっていない」「イベント等の情報発信量が少ない」との声があがっている
  • 全国への通信販売は、複数の「大手ネット通販サイト」上で展開しており、各店舗の商圏外の顧客からの商品購入もあるため、概ね満足している
  • SNSを活用して新商品発売のお知らせをしているが、ファン数やユニークユーザー数ともに少なく、コミュニケーションは活発に行われていない
  • 季刊で「あそびの森通信」(8ページ)を店舗内で無料配布しており、読者からの評価が高い
  • 通信には、新商品発売のお知らせのほか、利用者家族の取材記事、イベントの実施報告、子育てに関する最新トピック情報を掲載している
  • 各店舗の近隣へ店舗の紹介チラシのポスティングを行い、育児向け雑誌「ヒナとタマ」には広告の出稿をしているが、費用対効果に疑問を感じている
  • 「大手幼児教室のチェーン店」と提携し、保護者に対して「割引クーポン券の発行」や「無料イベントのお知らせ」を行い、木製知育玩具「知育の森」への来店を促している
  • 会員カードに登録している顧客には、新商品を発売する時期に一斉メールで告知している

14.競合(B社)について

  • B社が製造・販売しているプラスチック製の知育玩具「スマイルキッズ」は、知育としての一定の機能を有しているが、派手な色使いやキャラクターを使用したデザインが一番の特徴であり、最多価格帯も5,000円程度とA社と比べると低価格である
  • B社の商品は、安心、安全へのこだわりや、知育へ意識は比較的高くないが、気軽に知育玩具で遊ばせたい「20~30代のファミリー」層には人気がある
  • B社が経営する知育玩具店は、大手ショッピングモールのテナント店としてA社商圏内に隣接して出店している
  • B社は、大人気キャラクター「ごはんまん」のコラボレーション知育玩具を12月に発売する予定で、販売促進として12月~1月の期間限定で「ごはんまん」スタンプラリー実施し、店舗への来客数の増加をねらっている
  • B社はSNSを通して商品や店舗の紹介に加え、「人気キャラクターのクイズゲーム」「知育玩具で遊んでいる幼児動画」など親子で楽しめるコンテンツを提供しコミュニケーションを図っている
  • B社は、育児関連の専門ポータルサイト「ママパーク」(会員数500万)に対して、記事広告やバナー広告を継続的に出稿している

15.今後の方針について

  • 知育玩具の専門店「知育の森」を通して、顧客と直接コミュニケーションをとれる機会を増やしていく
  • 知育玩具を提供するのではなく、「たくさんの幼児の笑顔」を創ることが使命である
  • 「知識力」「おもてなし力」の高い従業員を「知育玩具のコンシェルジュ」と銘打ち、従業員のサービス力も対外的に訴求していく
  • A社の商品である木製知育玩具「森のともだち」へのこだわりを訴求していく
  • 親子や祖父母などファミリーで楽しめるイベントの開催を増やしていくことで、来店者数の増加を図る
  • 特定のファン層(既存顧客)からの強い支持があるが、販売促進の不足により、新規顧客の獲得には課題がある
  • 新規顧客層の開拓のため、「20~30代のファミリー」を中心に、子供への教育に熱心であり「機能性」「安心・安全」へのこだわりが強い層をターゲットとする
  • A社の想いを共有できる顧客を開拓し、既存顧客とは長期的な関係づくりを行う
  • 「森のともだち」のブランドを守るため、ディスカウントショップ等への出店や商品の供給は、今後も行わない
  • 12月のクリスマス商戦にはキャンペーンを実施し、顧客拡大を目指している

A社の概要

法人名:株式会社A
設立:昭和53(1978)年
従業員:100名
資本金:80百万円
売上:1,200百万円(2015年3月期)
所在地:神奈川県横浜市(本部)
役員:代表取締役 長谷部 京子 専務取締役 本山 翼  常務取締役 長友 愛梨
事業:幼児向け知育玩具の企画・製造、輸入、販売。幼児教室の運営。
店舗数:幼児教室(1店)、木製知育玩具の専門店(10店)

企業沿革

1978年:株式会社A設立
1979年:幼児教室開校
1996年:知育玩具の輸入販売事業の開始
2000年:オリジナルブランド 木製知育玩具「森のともだち」販売開始
2001年:知育玩具の専門店舗「知育の森」(1号店)開店
2003年:長谷部京子、代表取締役に就任
2015年:「知育の森」10店舗達成
2016年:千葉県流山市に新規出店予定

経営理念

知育玩具で幼児の心と身体の発育を支援し、豊かな人間社会の形成に貢献する

社長プロフィール

長谷部 京子(はせべきょうこ)

  • 学歴 昭和54年にA大学幼児教育学部を卒業。大学卒業後は北欧へ海外留学。
  • 職歴 北欧の玩具メーカーのマーケティング職に従事 国内の大手出版社で、育児向け雑誌「ヒナとタマ」の編集業務に従事 A社入社後は、知育玩具の事業化を推進。
  • 家族構成 夫(60歳)、長男(31歳)は数学者の卵、長女(29歳)はピアニストとして活躍中
  • モットー 「笑顔があればなんでもできる」。
  • 趣味 将棋、オセロ、ゴルフ。

A社損益計算書(2014年度、2015年度)

単位:千円
  2014年度 2015年度
売上高 1,150,000 1,200,000
売上原価 529,000 540,000
売上総利益 621,000 660,000
販売費・一般管理費 580,000 600,000
営業利益 41,000 60,000
営業外収入 3,000 2,000
営業外費用 7,000 6,000
経常利益 37,000 56,000

設問

問1 A社の顧客コミュニケーションにおける課題を3つ記述しなさい。

・課題1:
・課題2:
・課題3:

問2 問1の課題解決に向け、A社へ提出する提案書に記載する施策について記述しなさい。

・施策の想定ターゲット顧客
・コンテンツやコミュニケーション施策
・施策で使用するメディアと選定理由

問3 A社へ提出する提案書のタイトル、提案の主旨(特徴)を記述しなさい。

・提案書のタイトル
・提案の主旨(特徴)

問4 A社へ提出する提案書をクロスメディアエキスパートとして記述しなさい。

【記述形式:A4・横書き・3枚】

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