能登半島地震による印刷会社の被災状況速報

掲載日:2024年1月5日

身体的な安全は確認されたが、仕事以前に電気・水道・道路・建物・物資などのライフラインと居住、運搬の全体に大きな支障が生じている。

 

震災被害の概況

1月1日に能登半島に大地震があった。フリーペーパー『Fのさかな』で知られる七尾市の石川印刷と連絡が取れたので概況を共有する。震源の珠洲とは多少の距離はあるが被害は大きい。当地は風情と歴史ある木造家屋が多いので影響が甚大になった。地震直後の一帯は異様な茶色い土埃?に覆われた。地盤が3メートル隆起したとの情報もあり、場所によっては耐震設計でも対応できなかったのではないか。市内は建物の損壊が多く、郊外も道路の状況が良くない。余震が続き、ライフラインも不安定で1月5日現在も断水が続いている。震度7クラスの余震も警戒され、当面は復旧よりも安全確保が優先される。幸いにも従業員はいちおう大丈夫だった。当社本社の建屋は倒壊を免れたが、社内はしばらくかたづけようもない。重量機械もズレてしまった。日本屈指の名門旅館が軒を連ねる和倉温泉のお客様も点検・補修のため1月中の休業を決めた。当社輪島の営業所はなんとか焼け残ったが、お客様の多くが焼け落ちてしまった。奥能登方面はもっと酷いようだ。

会社の建屋は無事だが社内はすべてが転倒と散乱

什器が飛んでいる。余震と再度の震度7の可能性もあって手がつけられない

水道は復旧まで1ヵ月を要する見込み

輪島市。半壊、全壊、陥没、隆起があちこちに

輪島郊外の道路もところどころ寸断(写真はすべて佐味一郎氏提供)

復興に向けて

当面は安全確保を優先せざるを得ず、余震とライフライン等の復旧状況を見つつ各方面と連絡しながら決め、できることからやっていく。顧客の状況を内外に発信支援する必要があるのでウェブの仕事などから再開し始めている。まだ会社と連絡は取りづらいが、社員経営者一同はいちおうの無事が確認されていることをお伝えする。理事職員一同、被災された皆様にお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復興をお祈り申し上げる。また、各方面の支援を広く長く賜りたく伏してお願い申し上げる。  

藤井建人(JAGAT研究調査部/石川マーチング委員会, まちづくりアドバイザー Fのさかな研究員 )