第28期クロスメディアエキスパート 論述試験の出題意図と講評

掲載日:2019年10月17日
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2019年8月25日(日)、第28期クロスメディアエキスパート認証試験が実施された。第2部論述試験は、架空の企業に関する与件文を読み、顧客の課題を解決するコミュニケーション戦略の提案書を作成するものである。今期より解答方式を一新している。

観光牧場への企画・提案

テーマは、「富士山麓にある観光牧場」である。提案先は、長く牧場を運営し、独自ブランドの牛乳やチーズ・バターなどの乳製品を製造・販売している。自社製品のブランドを広く認知してもらうことを目的として、新たに第2牧場を増設し、観光牧場としてオープンした、という設定である。

ファミリー層や若者向けに新ブランドを浸透させ、来場者を増やすにはどのようなメディア、コンテンツを用意すべきか。SNSや動画配信をどのように活用するか。来場促進イベントとして何ができるか。これらを提案書の要素として記述することが求められる。

新解答方式のポイントと採点基準

従来の解答形式は、いくつかの個別設問とA4用紙3ページにフリーフォーマットで提案書全体を記述するものだった。そのため、提案内容だけでなく、提案形式についても熟考する必要があった。

新形式は、提案書の検討段階において、内容を整理しつつ所定のフォーマットに記述するという設定である。その結果、提案内容に集中して考察し、解答することができる。

【問1】[課題設定]

【問2】[ターゲット]

【問3】[提案の基盤・方針]

        ※「問4」の施策内容の前提となる方針・方向性を記述する。 施策内容との一貫性は重要

(1)A社へ提案する施策を発信する主メディアとその選定理由
     (認知促進、興味・関心の醸成)
(2)メディアを通じて発信・訴求する主要コンテンツとそのねらい・意図
(3)(1)の主メディアを含む複数メディア間の連係を誘導するしくみ
(4)共有・拡散を促すしくみ

【問4】[提案する施策内容]施策内容を3件にまとめる

【問5】[実行スケジュール]準備・実行・フィードバックなどのスケジュール

【問6】[概算見積]スケジュール項目と対応により費用の妥当性が増す

【問7】[タイトル]施策内容を分りやすく伝えることが重要

【問8】[序文(挨拶文)]企画・提案に臨む姿勢・背景など

【問9】[施策の総合的効果]問4に記述した施策のまとめ
(1)自社(X社)の強み・採用する意義
(2)提案先企業(A社 ) における競合他社との差別化対策
(3)施策内容の総合的な効果・まとめ

講評

新解答方式は、提案書の要素となる部分を一問一答式で回答するものである。その結果、従来と比較して、答案内容が詳しく記述される傾向があった。
複数メディアの連係、コンテンツ、共有・拡散の方法、提案先における差別化、自社アピールなど、施策内容とは別に個別の設問に解答することに変更されている。そのため、より明確に記述されているものが増えた。

提案内容としてはファミリー層にアピールするための牧場祭り、マスコット牛の選挙などのイベント開催や、WebサイトやSNSにおける動画でのアピール、クーポンの発行など通じて、認知度を高め、来場促進を図る施策などを記述したものが多かった。また、実行スケジュールや概算見積は、表形式のフォーマットに記述する形式に変更されている。結果として、項目の選定や期間の設定と費用算出など、全体的により明確な回答が増えた。

今回の変更では、事前に設問・解答方式を公開し、提案書に必要な要素を明示したことにより、大きな混乱はなかった。受験者にとっては事前の準備を通じて、クロスメディア企画・提案に関する理解が深まったと考えられる。

(JAGAT 研究調査部 千葉 弘幸)

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