印刷業定点調査 各地の声(2020年1月度)

掲載日:2020年4月27日

1月の売上高は+2.9%。9月以来、4カ月ぶりのプラス。大阪圏を除く全地域で売上高が上向いたが、内訳を見ると消費増税による反動減の影響が抜けた会社と、影響が深刻に続く会社に大きく二分されている。

地域別では、首都圏(+8.3%)が4カ月ぶりのプラスに転じ、名古屋圏(+2.1%)は2カ月連続のプラスと堅調だが12月より相当に減速(+10.5%)した。一方、大阪圏(△4.1%)はインバウンドの恩恵が大きかったこともあるのか2カ月ぶりのマイナスに転じた。首都圏も名古屋圏も売上高はプラスだが、両地域とも受注件数が△3%以上の大幅マイナスになっている点に、先行き不透明感がにじみ出ている。

業種・業態別では、全業種・全業態がプラスになった。商業印刷(+2.6%)が2カ月ぶり、東京に多い出版印刷(+3.2%)は3カ月ぶり、地方に多い総合印刷(+1.6%)と紙器・事務・その他(+5.7%)が4カ月ぶりのプラス。増税前の駆け込み需要による在庫がなくなった影響もあるようだ。

規模別では、30人未満(+3.5%)と50~99人(+9.4%)が2カ月連続のプラス。30~49人(+1.1%)は4カ月ぶりのプラス。100~299人(△1.2%)は4カ月連続のマイナスと比較的、規模の大きい企業において増税の影響が続いているようだ。

【印刷会社経営者の声】

茨城:商業

今年もpage2020に参加してきました。業界の新しい技術やサービスなど知る機会はあまり多くないので、普段あまり外に出る機会の少ないオペレーターにも積極的に足を運んでもらっています。部署間問わず、報告書やミーティングなどで情報を共有しています。

長野:総合

印刷業のこれから10年がどんな時代になるのか。確実なのは団塊の世代が後期高齢者になるという2025に少子高齢化がピークを迎えること。その中で守りより攻め、今日より明日に前向きであり新しいことにトライし続けOGSのカルチャーで今と変わらない継続は力なりと言いたい。

岐阜:総合

page2020を視察させていただきました。紙×デジタル×マーケティングの総決算ということで関連するカンファレンスが多々ありました。ひと昔前とはマーケティングにおける紙の役割が様変わりし、効果的なタイミングで高いクリエイティブによる最適化されたデータを用いた活用が求められるようになりました。新しい活用シーンを私たちも探し続けます。

岐阜:その他

ウイルスのように見えないものは不安を煽る。逆に見えすぎると(見せ過ぎると)誤解を招くこともある。物事の塩梅とは本当に難しいものである。

和歌山:商業

page2020に参加した。本年度のテーマはデジタル×紙×マーケティングfor Business。しかし地域においてはまだまだ発展途上だ。来年度はデジタル×紙×マーケティング for regional economy として地域関与の在り方を提案していただきたい。

(『JAGAT info』 2020年3月号,印刷経営ウォッチング,p68-69より抜粋して要約)