投稿者「furuya」のアーカイブ

印刷製品開発、マーケットインとプロダクトアウト

印刷製品は多種多様だ。市場規模の縮小傾向の中、新しい印刷製品やビジネスチャンスをつくり出すことは大きな課題である。現在、JAGATのセミナーでも「印刷製品のアイデア道場」を企画している。印刷加工製品の価値を広げるためのセミナーだ。製品の価値やビジネスチャンスを広げる上では、マーケティングが重要だ。捉え方としては、サービス(商品)としてのマーケティングと経営戦略での自社のマーケティングでの二つの視点を意識する必要がある。。
周知のとおり、サービス商品としては、顧客のプロモーションやマーケティング支援などが上げられる。一方、自社のマーケティングは、自社の経営理念、自社の強み、市場ドメインなどを確立し、組織的にビジネスに取り組むである。印刷会社のビジネス展開では、その業態も様々である。

<プロダクトアウトが古いわけではない>

少し前までは、印刷会社は自社の設備に合わせたプロダクトアウトではダメで、顧客志向のマーケットインの発想が重要との議論もあった。そもそも二元論が無意味ということもある。両方の視点を持つことが大切だ。例えば、「ロボット掃除機」「iPhone」「ウォークマン」「電子レンジ」などの革新的な商品は、プロダクトアウトで開発されたものだ。印刷業でも自社の設備を活かした商品開発でのプロモーションツールや建材、文具などの様々事例がある。
・マーケットイン:「ニーズ志向」
※顧客に価値を合わせる
・プロダクトアウト:「シーズ志向」
※顧客に価値を気づかせる
モノづくりに強み持つ印刷業では、マーケットインとプロダクトアウトの両方を取り入れた発想も重要だ。

<商品開発の決め手はアイデア>

決め手は、アイデアだ。モノや情報が溢れた時代では、ユーザーの想定を超えた製品やサービスが必要になる。一方、自社の強みを理解し、新鮮なアイデアは簡単に出せるものでもない。指示や命令だけで良いアイデアを出すことは難しい。教育や訓練が必要だ。知識のバリエーションを「型」として学びつつ、実際にアイデアを生むために取り組むべきことは何かを知る必要がある。近々にセミナー「印刷製品のアイデア道場」として開講する。

(CS部 古谷芸文)

印刷製品開発、マーケットインとプロダクトアウト

印刷製品は多種多様だ。市場規模の縮小傾向の中、新しい印刷製品やビジネスチャンスをつくり出すことは、課題のひとつだ。現在、JAGATのセミナーでも「印刷製品のアイデア道場」を企画している。ビジネスチャンスを広げる上では、マーケティングが重要だ。捉え方としては、サービス(商品)としてのマーケティングと経営戦略での自社のマーケティングがある。
周知のとおり、サービス商品としては、顧客のプロモーションやマーケティング支援などが上げられる。一方、自社のマーケティングは、自社の経営理念、自社の強み、市場ドメインなどを確立し、組織的にビジネスに取り組むである。印刷会社のビジネス展開では、その業態も様々である。

<プロダクトアウトが古いわけではない>

少し前までは、印刷会社は自社の設備に合わせたプロダクトアウトではダメで、顧客志向のマーケットインの発想が重要との議論もあった。そもそも二元論が無意味ということもある。両方の視点を持つことが大切だ。例えば、「ロボット掃除機」「iPhone」「ウォークマン」「電子レンジ」などの革新的な商品は、プロダクトアウトで開発されたものだ。印刷業でも自社の設備を活かした商品開発でのプロモーションツールや建材、文具などの様々事例がある。
・マーケットイン:「ニーズ志向」
※顧客に価値を合わせる
・プロダクトアウト:「シーズ志向」
※顧客に価値を気づかせる
モノづくりに強み持つ印刷業では、マーケットインとプロダクトアウトの両方を取り入れた発想も重要だ。

<商品開発の決め手はアイデア>

決め手は、アイデアだ。モノや情報が溢れた時代では、ユーザーの想定を超えた製品やサービスが必要になる。一方、自社の強みを理解し、新鮮なアイデアは簡単に出せるものでもない。指示や命令だけで良いアイデアを出すことは難しい。教育や訓練が必要だ。知識のバリエーションを「型」として学びつつ、実際にアイデアを生むために取り組むべきことは何かを知る必要がある。近々にセミナー「印刷製品のアイデア道場」として開講する。

(CS部 古谷芸文)J

印刷会社の持続的な成長のための経営幹部育成

10年後にどれだけの企業と仕事が今と同じ形で残っているだろうか。以前、話題になった2013年発表のオックスフォード大学のカールフレイ氏らの論文「The Future of Employment(雇用の未来)」よれば、コンピューター・AIによる技術革新によって必要とされる職業が大きく変わる。無くなる職業のトップ5が<1位>テレマーケター(電話を使った販売活動)、<2位>不動産の権原検査員、権原抄録者、権原調査員 <3位>手縫いの裁縫師<4位>数理技術者、<5位>保険事務員となっている。例えば、従来、私は、単純労働が無くなるようなイメージを持っていたが、これらの技術革新が出現後の変化の有り様はまったく違う。現在はどうであろうか。
 経済産業省の企業価値向上に向けた経営リーダー人材の戦略的育成についてのガイドライン(2017年3月)では、近年、IoTやAI・ビッグデータが圧倒的なスピードで進化し、あらゆる分野で実用化され始めている。経営環境の変化の中で企業の競争力を強化し、成長を実現することは大きな課題となっている。次世代の経営に携わる人材育成は急務とされている。

 また、同省の調査・研究の一環として実施したアンケート調査によれば、経営リーダー人材候補の育成を目的とした何らかの取り組みをしている企業は、52.6%と過半数を占める。対象者の現在の役職は、「部長クラス」が 88.2%ともっとも多く、「課長クラス」が 58.8%となっている。また、経営リーダー人材の育成状況については、順調に確保・育成できていると認識している企業は 37.6%にとどまり、経営リーダー人材育成の取組みをしている企業においても、52.9%が不安であると回答している。候補者はいるという企業は 36.6%あるものの、5 年後の候補者が不足しているとする企業も29.7%存在している。経営リーダー人材育成の確保・育成は、多くの企業において課題となっている。
 企業の支えるのは「人」である。印刷会社においても次世代で中心的な役割を果たす経営幹部の多くは、ビジネスの現場で原動力になっているミドルマネージャーである。日々の営業活動や製造業務などに追われていることが現状のようだ。経営判断で戦略的に経営幹部育成に取り組む必要がある。企業の持続的成長に決定的な影響を与え、競争力を継続的に向上させるためにはミドルマネージャーの経営幹部としての成長が鍵を握る。

CS部 古谷芸文

<関連講座>
●第36期印刷経営幹部ゼミナール(2019年9月リニューアル開講)
https://www.jagat.or.jp/archives/61871

印刷会社におけるミドルマネージャーの育成と価値

~印刷経営幹部ゼミナール受講者の声より~

昨年開催の「印刷経営幹部ゼミナール35期」当協会主催では、受講者の多くは印刷会社の部長、課長、係長などの役職のミドルマネージャー(中間管理職)であった。
昨年の受講者の主な声を下記にまとめた。

【Q1】ゼミナールの受講の動機は?
 社長から勧め
 上司からの推薦
 業務命令
【Q2】ゼミナールで得られたことは?
 受講の仲間と共に演習を通じて自社の課題を認識できた。
 他社にない自社の強みを知り、整理することができた。
 自社の特徴を活かし、チャレンジし、やり続けることの価値を知った。
 経営者講座のビジネス事例では、経営の考え方に心に残るものがあった。
【Q3】講座内容を実務にどう活用するか?
 学んだ原価計算を自社で再点検し財務体質の把握と目標管理に活かしたい。
 加工高比率を営業目標としても活かしていく。
 勝者の営業・弱者の営業を意識して組織的な営業に繋げる。
 他社の受講者との交流は続けたい。

講座では、自社(受講者企業)の事業ドメイン策定演習を取り入れた。印刷会社の多くのマネージャーは自らがプレーヤーの場合が多い。日常業務に追われ、自社の状況を俯瞰する余裕がないことが多い。受講者の多くは当初、演習に惑いもあったようだ。
ミドルマネージャーに求められる役割は、「部下の育成やマネジメント」「現場を活性化しモチベーションを維持させる」「目標を設定し達成する」などが考えられる。経営方針をビジネスの現場に浸透させる重要な役割だ。印刷会社においても経営視点をもったミドルマネージャーの育成は企業が成長するための原動力となる。

【経営資源からマーケットインとプロダクトアウトを考える】

事業ドメインの設定は、企業が市場で競争優位性を獲得するための重要な経営戦略の一つだ。事業ドメインの設定は、市場性→競争環境→自社適合性の流れで考える。特に、自社適合性を考えるときに判断に迷うことがある。その一つが、「プロダクトアウト」と「マーケットイン」のバランスだ。印刷会社では、自社の適合性と市場ニーズの挾間で熟慮しなければならない。営業部門の目標設定で重要なのが加工高比率である。市場の成長期にみられたような売り上げ至上主義のようなどんぶり勘定ではいけない。例えば、工場を持った印刷会社は、その工場にあった仕事を受注することがセオリーだ。しかし、顧客のニーズを無視するわけにもいかない。そこで、カギとなるのが発想力だ。工場の魅力と顧客の求める価値を繋げビジネスや商品を発想し生み出す力である。発想力は、「がんばれ!」と掛け声では育成することができない。発想する機会や手法を与えるこが重要になる。事業ドメイン策定演習では、発想するための型や場を提供することができる。
ビジネスの現場で活動し、マネジメントを行うミドルマネージャーは、益々重要なカギを握りそうだ。

JAGAT 古谷芸文


<関連講座>
●第36期印刷経営幹部ゼミナール(2019年9月リニューアル開講)
https://www.jagat.or.jp/archives/61871

利益を生み出す印刷工場の改善活動と経営幹部との連携

~第5期工場マネージャー養成講座開催~

■利益を生み出す工場改善と経営幹部との連携

工場を持った印刷会社では、工場の改善活動は利益創出に直結する。印刷工場が利益を出すということは、印刷機の稼働率を上げることだ。稼働率を上げるということは、ムダを無くすことである。これが5S活動だ。5S活動は、作業のムリ・ムラ・ムダを無くし、戦略的に工場改善を行うものだ。お掃除活動ではない。その先には戦略的な経営がある。5S活動をベースに品質管理体制を整え、顧客のニーズに対応していくことが重要になる。
5月11日(土)から開講されるJAGAT主催、第5期工場マネージャー養成講座では、利益を生み出す工場改善に取り組む管理者(リーダー)を養成するための講座だ。座学だけでなく、改善計画を策定し、実行し、報告検証し合う実践型のカリキュラムが特徴だ。
品質管理の全体像として4つの視点で整理することができる。
1、品質管理の考え方を理解する
まずは、品質管理とは何かを理解する、共有すること。重要であるが意外と抜けがちになる。目的やマーケティング視点で求める品質の考え方などを理解する。
2、品質管理を維持する方法やしくみをつくる
安定した品質を維持する方法には、標準化、ISOなどへの取り組み。
3、品質を改善する方法やしくみをつくる
品質改善のノウハウや手法は型として学ぶことができる。
・パレード図、特性要因図等を含むQC7つ道具
・5S活動の推進
・改善提案活動  他
4、組織を改善する方法
組織としての活動推進のしくみつくる。推進リーダーを育成し、経営幹部との連携し、全体として取り組む。
・QCサークル活動の推進
・プロジェクトチームの設置  他
経営者の改善活動における悩みの一番は、推進するリーダー不在によることが多い。改善活動では推進するリーダーの果たすべき役割は大きい。いないのではなく、見つけ育てることが必要である。

■トライ&エラーで取り組む改善活動、前回受講者の事例より
改善活動のリーダーを育成することは各々の会社で大きな課題だ。前回の工場マネージャー養成講座では、工場長、管理者の講座への参加派遣において、経営幹部との連携で改善活動が推進された事例があった。工場の管理者だけに背負わせるのではなく、会社の方針として改善活動を位置づけし、全体でバックアップする体制をつくった事例だ。例えば、生産活動に追われる工場では、PCを使い、改善報告書をつくることが難しい場合がある。そこを経営幹部が自ら改善活動を共有しフォローを行った。ちょっとしたことが弊害になっていることがよくある。現場に寄り添った連携が信頼関係に繋がり効果を上げたようだ。

◆ 工場改善の推進に必要な経営者の姿勢と現場リーダーの育成
~さくら印刷の事例から学ぶ~

改善活動は、リーダーシップがカギを握っている。経営者と工場管理者が固い信頼関係で取り組むことが礎となる。 JAGATの第5期工場マネージャー養成講座も重要性を増し5月11日(土)に開講する。
(CS部 古谷芸文)

◆5/11(土)開講
第5期「工場マネージャー養成講座」

工場改善の推進に必要な経営者の姿勢と現場リーダーの育成

~さくら印刷の事例から学ぶ~

「工場マネージャー養成講座(JAGAT主催)」を受講した株式会社さくら印刷の、その後の工場改善活動の取り組みを追う。

千葉県茂原市に本社を構え創業70年を迎える株式会社さくら印刷は、地域の仕事を中心に企画・デザインから印刷・製本加工まで対応している。同社は後継者であり現経営企画部の鎌田貴雅氏が4年前に入社し、Webや出版事業の立ち上げや工場の改善活動など新しい挑戦を始めた。メディア・出版事業では、「ちばごはん」「ちば日帰り入浴本」「地域情報誌かわら版(※現在休刊中)」「高校生のための就職応援メディアCOURSE(コース)」を手掛ける。「COURSE千葉中央エリア版(書籍+Webサイト)」は、2018年12月に第2号が出版された。「ちばごはん」「ちば日帰り入浴本」は売り切れとなり、特に「ちば日帰り入浴本」は、話題性も高く新聞記事やローカルテレビでも取り上げられている。

■工場改善のスタートは3S活動から
鎌田氏が入社して直ぐに配属となったのが工場となり、最初に感じたのが工場環境や生産効率の悪さだという。このことが、経営方針でもある3S活動に取り組むきっかけとなった。3S活動として工場の中を周り不要なものを見つけ速やかに捨てる作業から始めた。当初、現場では冷ややかな目を感じていたらしいが、モノを減らすことで得られるメリットを感じてもらいたかった。後継者が自ら行動を起こし実践することで3S活動が徐々に社員に広まり、不要なものや汚れている箇所を他部署間でお互いに赤札を貼り合う社員の主体的な活動へとつながっていった。

次に改善活動を推進するための施策として、工場長の斎藤氏と印刷部係長の森川氏の2名を「工場マネージャー養成講座(JAGAT主催)」に派遣した。本講座は全8回に渡り印刷工場マネージャーに必要な資質やスキルを学ぶだけではなく、各受講者の印刷工場を題材に改善ポイントを講師からアドバイスし、それを受講者が実践することを繰り返す。自社の工場で実際に改善活動を行う必要があるカリキュラムのため、教育効果はもちろん、社員が改善活動に取り組まざる得ない状況をつくることに鎌田氏の狙いがあった。

■社員が主体的に動く改善活動
社内では改善に向けたアクションプランを立てPDCAで回していく習慣を身に付けてもらうことから始めた。また、朝礼の場を活かし進捗報告会を行うことで、社内コミュニケーションの強化を努めた。
具体的には5Sを中心にしたアクションプランを立てた。

<主な半年間の取り組み>
・掃除の改善、定期的な床掃除を始める
・ひと目でわかるメンテナンス早見表の設置 
・些細なことでも気軽に意見が出せるポストイットボードの設置
・オリジナルの服装規定表の作成
・紙置き場から手をつけた整理、整頓の取り組み
・写真で見える化、改善のビフォーアフター
・他部署間との連携改善施策
 

■工場マネージャー養成講座受講後も継続的な活動へ
工場マネージャー養成講座修了は次のステージへスタートだ。改善活動の継続が期待される。「簡単なことでもいいのでまずはやってみる。トライアンドエラーを繰り返しながら進めた方が早い。」という前向きな言葉に熱意を感じた。鎌田氏は、トップダウンではなくボトムアップの組織づくりを選択した。粘り強く、仕掛けや仕組みづくりの行動を起こすリーダーシップ鍵を握りそうだ。

(CS部 古谷芸文)

◆5/11(土)開講
第5期「工場マネージャー養成講座」

印刷を製品として保証する品質管理へ

印刷業の品質管理の現状は、顧客に対しての工業製品規格としての提示がまだまだ十分とはいえない。例えば、現在、国際的に品質管理について定義されているものは、ISO9000s品質マネジメントシステムでは、次のように定義さている。
 •品質マネジメント
 「品質に関して組織を指揮し、管理するための調整された活動」
 •品質管理
 「品質要求事項を満たすことに焦点を合わせた品質マネジメントの一部」
マーケティングの定義のように難しい印象がある。
ポイントを工場マネージャー養成講座(JAGAT主催)よりまとめれば、以下となる。
 ①顧客の要求する品質、価格、納期
 ②品物やサービスを安く早く効率よく
 ③各社固有の技術だけではなく管理技術

となる。
全社を上げて標準化に取り組むことが効果的である。


標準化は、品質基準(的)をきめて、基準に収まるように標準作業(手順)を決めることだ。品質基準(的)の設定の難しい。顧客の主観や官能的な多種多様化するニーズがあるからだ。コツは、固定すべき基準と顧客にニーズに合わせて変動する要因を分けることだ。印刷の品質評価は、ドットゲイン、濃度、カラーバランス、コントラスト、トラッピング、ドライダウン等の印刷品質を決定づける要因に基準値がある。これは、製造品質を保つ上で固定すべき数値だ。トラブルを回避するためにも守るべき必須要因になる。変動要因は、営業活動で顧客ニーズを掴むことやマーケティングのしくみをつくることであろう。固定すべき製造適正の的が構築されることで、印刷業のプロとして顧客ニーズへの的に当てるコントロールが磨けるのだ。
品質管理は、全社を上げて取り組む必要がある。改善活動の効果的な事例では、リーダシップが重要だ。社員ひとりひとりの主体的な活動や意識の向上に苦慮するところだ。例えばQC七つ道具の一つである特性要因図づくりではワークショップで改善活動の効果的を上げている印刷会社もある。トップダウン型よりもボトムアップのしくみづくりが効果を上げることがあるようだ。

CS部 古谷芸文

◆5/11(土)開講
第5期「工場マネージャー養成講座」

2019年5月に開講する「工場マネージャー養成講座第5期」は、工場改善と品質管理の基礎からマネジメントまで学べる。