工業統計の印刷産業出荷額の推移からデジタル化の影響が明らかになります。印刷統計の生産金額の推移からは出版印刷の低迷や包装印刷の漸増などが見えてきます。(数字で読み解く印刷産業2016その7) 続きを読む
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印刷統計で何がわかるの?
印刷統計によると、2015年の印刷業の生産金額は3971億円(前年比0.3%減)、商業印刷と出版印刷で5割以上を占め、商業印刷の動向が市場を左右しています。(数字で読み解く印刷産業2016その6)
※本稿は2016年3月22日公表の数字に基づくものです。「平成27年経済産業省生産動態統計年報」(2016年6月)で2015年の印刷業の生産金額は3973億円(前年比1.8%増)に訂正されました。
統計調査には、特定の時点における状況を把握する静態統計と、一定の期間内の変化を把握する動態統計の2種類があります。例えば、総務省統計局の「国勢調査2015」は2015年10月1日現在の全国すべての人を対象に行われた静態統計です。これに対して、戸籍上の出生・死亡などの届け出を集計して厚生労働省が毎月作成している「人口動態調査」が動態統計になります。また、5年ごとの国勢調査ではとらえられない現在あるいは将来の人口については、総務省統計局が「現在推計人口」を、厚生労働省国立社会保障・人口問題研究所が「将来推計人口」を作成しています。
製造業に関しては経済産業省が従業者4人以上の約22万事業所を対象に毎年12月31日に実施している「工業統計調査」が静態統計で、約2万の事業所を対象に毎月実施している「経済産業省生産動態統計」が動態統計になります。
「経済産業省生産動態統計」の中でも印刷業を対象とした調査が「印刷統計」で、従事者100人以上の印刷業を対象に、毎月月末現在で1カ月の生産金額、月末従事者数を調査しています。
印刷統計の「生産金額」は、製品別内訳(出版印刷、商業印刷、証券印刷、事務用印刷、包装印刷、建装材印刷、その他の印刷)と印刷方式別内訳(凸版印刷、平版印刷、凹版印刷、孔版印刷、フレキソ印刷、その他の印刷方式)で集計されて、両者の合計額は一致します。なお、生産金額=出荷金額ではなく、以下の式により算出されます。
生産金額=出荷(販売)金額-[(企画・編集費+製版費+製本・加工費)+(印刷媒体費)+(積込み料+運賃+保険料+その他の諸掛り)]
工業統計の出荷額5兆円に対して、印刷統計の2015年年計では生産金額は3970億87百万円です。この差はもちろん静態統計と動態統計の差ではなく、印刷統計は100人以上の印刷業を対象とした標本調査で、印刷前工程(企画・編集・製版など)と印刷後工程(製本・加工など)、用紙代などを除いた、印刷工程の生産金額に限定された数字だからです。
印刷製品別生産金額の構成比を見ると、商業印刷と出版印刷で5割以上を占めています。印刷方式別では平版印刷(オフセット印刷)が7割弱と圧倒的ですが、その他の印刷方式(デジタル印刷など)が毎年少しずつ増えています。
2015年の生産金額3971億円は、前年の3902億円と単純比較では増加していますが、時系列データが不連続なために接続係数により前年比を算出すると、2015年は0.3%減となります。2013年の3.5%減から2014年は0.6%減と少しずつ好転しています。伸び率寄与度では商業印刷が2014年1.4%、2015年2.7%と健闘しています。

「印刷統計」の2004年調査開始以来の製品別シェアを見ると、この11年間で大きく減少したのは出版印刷(30.0%→18.7%)と証券印刷(2.0%→1.5%)で、包装印刷は逆に13.0%→18.5%と大きくシェアを伸ばし、建装材印刷も3.2%→4.3%と着実に増加しています。出版不況の長期化、証券印刷物関連の電子化、包装材や建装材の多様化などを反映した数字となっています。
時系列表で過去61カ月分の推移を見ると、商業印刷の動向がそのまま印刷業全体の動向となっていることがよくわかります。商業印刷の動向はクライアント産業の動向によって決まるわけで、また違う統計データを見る必要があります。

(JAGAT CS部 吉村マチ子)
印刷物は印刷産業によって作られている
「工業統計調査」は2363品目、546産業という細密さで調査が行われています。どの品目をどの産業が産出しているか、あるいはそれぞれの産業がどのような品目を出荷しているのか詳しく見ることができます。(数字で読み解く印刷産業2016その5) 続きを読む
どんな事業所が一番多いでしょうか?
「オフセット印刷物」の産出事業所数は7044と全製造業で最も多く、東京・大阪・愛知など26都府県で第1位品目となりました。出荷金額でも東京では第1位品目となり、地場産業であることがよくわかります。(数字で読み解く印刷産業2016その4) 続きを読む
印刷産業に30万人、そのうち25万人が印刷業で働いている
印刷産業の従業者数は東京・埼玉・大阪・愛知で半数近くを占め、山口、秋田、大分など9県で増加、38道府県は減少。1事業所平均は11.5人、東京・大阪の10人弱に対して、滋賀・埼玉は20人超。(数字で読み解く印刷産業2016その3) 続きを読む
東京・大阪の次に多いのは福井、さて何の話でしょうか?
2014年の印刷産業事業所数は2万5843、前年比4.4%減となりました。印刷産業の事業所が存在しない県は一つもないことからも、印刷産業の裾野の広さがわかるのではないでしょうか。(数字で読み解く印刷産業2016その2) 続きを読む
工業統計で何がわかるの?
2014年の印刷産業出荷額は5兆5364億86百万円、減少幅は前年比0.2%減と小さく、1事業所当たり出荷額は2年連続増で214.2百万円を確保。印刷産業の市場規模は工業統計の数字で示されるが、実際の印刷会社の仕事はもっと大きく広がっています。 続きを読む
アンケート結果に見る 印刷会社の地域活性ビジネス2015(2)
印刷業における地域活性ビジネスへの取り組み体制や仕事の増減、収入の内訳などの実態についてJAGAT『印刷会社と地域活性vol.3』レポートの中から内容を一部紹介する。~JAGAT「印刷会社と地域活性vol.3」レポートより(2)
アンケート結果に見る 印刷会社の地域活性ビジネス2015(1)
印刷業における地域活性ビジネスへの取り組み状況や仕事の増減、収入の内訳などの実態についてJAGAT『印刷会社と地域活性vol.3』レポートの中から内容を一部紹介する。~JAGAT「印刷会社と地域活性vol.3」レポートより(1)
印刷会社と地域活性 vol.3
JAGAT研究調査レポート
『印刷会社と地域活性 vol.3
―事例とデータから見る地域活性ビジネスのヒント』
発行日:2016年2月3日
体裁:A4判 74ページ オールカラー
定価:3,600円+税
JAGAT会員特別価格:2,381円+税
発行:公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)
好評を博した印刷会社の地域活性ビジネスガイドブック 第3弾!
地域活性ビジネスは印刷会社に向いているのか、どのような取り組み方法があるのか、仕事は増えているのか、収入の内訳は―。
本レポートでは、地域活性ビジネスに取り組む全国1都1府7県14の企業・団体の事例やアンケート分析結果のほか、印刷会社のフリーペーパー、業界内外の取り組み状況、地域活性のキーワードなど豊富な内容を取り上げています。
本書の内容
■印刷会社による地域活性化、本質とビジネスモデルについて
■印刷会社のフリーペーパー、その魅力と役割、そして新たな可能性
■愛媛の中高生と社会をつなぐ無料職育誌「ココロエ愛媛」
未来を育む『志』を届け、人材育成と地域活性に寄与する
原印刷株式会社
■「印刷会社の地域活性化」に関するアンケート結果分析
■あらゆる意思決定を支援する「地域経済分析システム(RESAS:リーサス)」
■印刷会社に期待される「まちのICTコンシェルジュ構想」の考察
地域のICT導入支援を通じた地域活性化の可能性
■観光における地方創生の方向性
篠崎 宏[株式会社JTB総合研究所 主席研究員]
■小田原市が取り組むシティセールス施策とは
多様な地域資源を集約し、新しいブランドイメージを確立
■観光による地域活性化とニューツーリズム・インバウンドビジネス
■地域産業の成長を後押しする「おいしい東北パッケージデザイン展」
■地域活性のキーワード
・「学びの場」を再生し、新しいつながりを生む場へ
・「アートプロジェクト」で新しい価値を創造、「コミュニティー」を再生する
・本格化する自治体広報の「動画活用」
■地域活性に取り組む事例集
・地域資源を観光商品に―京都のまち歩きミニツアー「まいまい京都」の試み
まいまい京都実行委員会(京都府京都市)
・地元コミュニティを活性化するー人と企業、地域を結び、魅力を発信
望月印刷株式会社(埼玉県さいたま市)
・トータルコミュニケーションカンパニーが手掛ける地域活性ー地域メディア×データで図る地域力向上
株式会社ユーメディア(宮城県仙台市)
・「印刷」の枠を越えた地域活性化ー創業から受け継ぐ「志」を胸に地域の課題解決に挑戦する
株式会社アドヴォネクスト(山梨県中央市)
・印刷を通して社会貢献を実現ー印刷+αの価値を提供し、世の中を変える
株式会社野毛印刷社(神奈川県横浜市)
・モノづくりから始める地域おこしー人の和を大切に、地域の復興を目指す
株式会社第一印刷(福島県福島市)
・「モノづくり」で「マチ」を盛り上げるーイベント・「たいとうモノマチ」を通したマチづくり
台東モノづくりのマチづくり協会(東京都台東区)
・多角的な情報提供で地域に活力を育むー老舗印刷会社が取り組む地域貢献
カシヨ株式会社(長野県長野市)
・4つの具体策で新しい観光客を獲得するー小江戸川越が取り組む観光活性化策とは
公益社団法人小江戸川越観光協会(埼玉県川越市)
・自社を取り巻くすべての「顧客」の課題を解決する
ー人と人、企業と企業をつなぎ、新たな価値を創造する
株式会社タカヨシ(新潟県新潟市)
・新しい視点で地域の魅力を再編するー江戸の宿場町、蕨市で取り組む地域活性化
五光印刷株式会社(埼玉県蕨市)
・共感者を増やし地域全体のブランディングを図るー「地域貢献」を謳い続ける印刷会社の挑戦
株式會社日相印刷(神奈川県相模原市)
・観光活性策の複合展開で新しい観光客を獲得するーご当地グルメ、位置情報ゲーム etc.
横須賀市役所(神奈川県横須賀市)
・観光客が抱える潜在ニーズをかなえるーデジタル×アナログで地域の課題を解決
浅草寺子屋i(東京都台東区)
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