広告は企業の製品やサービスを消費者に知らせ、購入やその他の行動を促すための重要な手段だ。しかし近年では広告が炎上するケースが増えてきた。ここでいう炎上とは広告が社会的に批判を浴び、大きな議論や非難を引き起こす現象を指す。炎上する広告は、企業にとって大きなリスクとなっている。
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「経営・管理者」カテゴリーアーカイブ
職場のモチベーションアップと目標管理
社員のモチベーション管理と課題
印刷工場の改善活動が進まない大きな原因のひとつにリーダーシップや社員のやる気(モチベーション)という心の問題がある。社員のモチベーションを高めるために印刷会社でも、人事評価に目標管理を連動させて運用しているケースも少なくない。人事評価に目標管理を組み込むことで、公平かつ納得感のある人事評価を行うことが目的である。しかし、目標管理や人事評価の本来の意味や目的を正しく理解していないために、運用方法を間違え社員の主体性やモチベーションを奪う場合もある。リクルートソマネジメントリューションズのWeb版用語解説によれば、モチベーションとは、動機づけ、やる気という意味。何かを欲求して動かす(動かされる)ことで、目標(ターゲット)を認識し、それを獲得し実現するために、方向づけたり行動したりすることを示すとある。ビジネスでは「仕事への意欲」を指し、社員のモチベーションを引き出すことを「動機づけ」と呼ばれている。モチベーションに関する研究は、主に1950年代に広く行われ、現在でも有名な「マズローの欲求段階説」「マクレガーのX理論・Y理論」「ハーズバーグの動機づけ・衛生理論(二要因理論)」などが展開されている。一般的にモチベーションを上げるには、動機づけを大きく2つに分類できる。
<外発的動機づけ>
外発的動機とは「給料のため」「生活のため」など、外部から与えられた条件や特定の目的意識などによる意欲のことで、昇給や賞与、インセンティブ、社内表彰、抜擢など、報酬や名誉によってモチベーションを上げる施策がある。
<内発的動機づけ>
内発的動機とは「自身の成長」「おもしろみ」「夢の実現」など、個人の内面から起こる感情や発生する意欲のことになる。金銭や知名度アップなどではない「自らのやりがい」という意識がある。社員の多様な仕事への価値観や働き方を理解し、コミュニケーションや仕組みづくりにより目標を導くことが求められる。
モチベーションを上げる目標管理
本来の目標管理は、社員のモチベーションを上げるものだ。目標管理である「MBO」とはManagement by Objectives and Self controlの略で、目標管理制度のことを意味する(人事ポータルサイト【HRpro】用語集より)。個別またはグルーブごとに目標を設定し、それに対する達成度合いで評価を決める制度で、1954年にP.F.ドラッガーが自身の著書の中で提唱した組織マネジメントの概念とされる。過去に大ブームとなった小説“もしドラ”(「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」)でも注目され、組織貢献と自己成長の両方が達成できる「個人目標」を設定させ、その達成度で評価を行う人事制度として用いられていた。そもそも人事評価とは相反する部分もある。人事評価の指標は、企業の期待に対して、従業員の能力や業務遂行度、業績などを評価し、待遇・処遇に反映させる。従来の日本の企業では、年齢や勤続年数による人事評価が採用され、近年では、個人の働きぶりや能力を重視し、適切に評価することが主流になりつつある。
「目標管理」では、社員自らが設定した目標を、「主体的」に管理し、達成に向けて行動することが求められる。管理するポイントは、例えば、「組織目標との連動」「適切な目標設定」「取り組みの具体的性」「期間の設定」などをチェックし、進捗を見極める。社員は自己管理をしながら目標達成に向けて行動する。目標管理では、定期的に1on1や面談などにより、上司と部下との間で、進捗状況の共有し、目標を達成できるように適切なアドバイスなどのコミュニケーションが求められる。共にPDCAを行いながらゴールに向かって行動していくことが肝心だ。そうすることにより、現実的な達成感が得られ、モチベーション向上に繋がる。社員が目標を達成することは、組織全体の良い業績を生み出すことになる。
ドラッカーの提唱したMBOと日本に根付いたMBOとでは、大きな違いがあるという。目標管理は単なる人事評価とは異なる。また、経営陣によるトップダウンで成果を求めるものでもない。「評価の手法」ではなく、「マネジメントの手法」として提唱している。社員各々を尊重したもので民主的な考え方だ。目標づくりは、本来セルフコントロールの領分とされる。一人ひとりが目標を考え、そこに対してコミットし、コミットの結果を自分で振り返りながら達成に向かっていくことがポイントとさられる。去る6月~7月に開催された第4期印刷工場長養成講座でも多くの工場長が人材育成やコミュニケーションといった部下の管理に纏わる課題が関心を集めた。人材不足の昨今、社員の多様化する働き方や価値に対応し、モチベーションアップという単純な解のない課題解決は益々重要になっていく。
(研究教育部 古谷芸文)
オンライン 印刷営業マネージャー養成講座2024
オンライン 秋の印刷入門<2024年10月開講>
チーム営業マネジメントの必要性 -属人性を克服し、組織力を高める
印刷会社の営業活動は多岐に渡っている。営業担当者は技術革新が進むこの時代に、受注管理だけに留まらず新規顧客の開拓、既存顧客のフォローアップ、課題解決に向けた提案営業などで売上目標の達成と顧客満足を追求している。しかし多くの印刷会社では営業教育が不十分で、社員の属人的な能力に依存している現状がある。
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印刷工場のリスクマネジメントと持続的な対策を考える
中小企業のリスクへの備えと現況
印刷工場を取り巻くリスクは、自然災害やIT化による情報漏洩など大きな影響を及ぼす事象がますます増えている。「事業継続計画(BCP)に対する企業の意識調査」(2024年※複数回答あり)株式会社帝国データバンクによると中小企業が「事業の継続が困難になると想定しているリスク」は「自然災害68.6%、情報セキュリティ上のリスク41.3%」に続き、「設備の故障39.7%」が上位を占めている。また、事業継続計画(BCP)の策定状況では、「策定している」企業の割合(以下、BCP 策定率)は19.8%となった。前回調査(2023 年 5 月)から 1.4 ポイント増加し、過去最高となったという。2024年7月3日に開催された第4期印刷工場長養成講座全6講座、第4回では、リスクマネジメントと持続的な対策について講座開催された。リスクマネジメントの定義は、組織全体で企業の障害リスクを管理していくことで予想される損失を回避、低減化を図る活動のことである。組織内で発生するリスクに対して個別に対応せずに体系化した「しくみ」を通じて対応する。目的は、企業として「事業を継続」していくことでBCPに行き着くという。今日は、明らかにリスクが増加し、取り囲まれている。印刷会社が直面するリスクも多岐にわたる。
例えば
- 受注リスク: 受注が減少したり、キャンセルされたりするリスク
- 品質リスク: 印刷品質不良によるクレームややり直しリスク
- 納期リスク: 納期に間に合わないリスク
- 情報漏洩リスク: 顧客情報や社内情報の漏洩リスク
- 災害リスク: 地震、火災、洪水などの自然災害リスク
- 法令遵守リスク: 法令違反による制裁リスク
- 人材リスク: 従業員の離職や労災事故リスク
- サイバーセキュリティリスク: ハッキングやランサムウェアによる被害リスクなど
これらのリスクは、印刷会社の経営に大きな損害を与え、場合によっては事業存続を脅かす可能性がある。
リスクマネジメント の施策とBCP
そこで、印刷会社はこれらのリスクを認識し、適切な対策を講じることが重要である。では、なぜ増えたのか。周知の通り、地球温暖化にみる環境や法令施行などに加えてインターネットの普及による情報革命は、大きくビジネス環境を変えた。今やリスクは致命的な損失を与える可能性が圧倒的に高くなっているのだ。また、2006年に改正された会社法では、会社法施行規則第100条では、体制構築することを求めている。
・損失の危険の管理に関する規定その他の体制(いわゆるリスクマネジメント体制)
・使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制(いわゆるコンプライアンス体制)
不祥事を起こした企業経営者が「知らなかった」「担当者の一存でやった」などの責任逃れが済まされない。経営者として職務不履行であることを法的に明確にしてある。
リスクマネジメントは、4つ施策から成り立つという。
①リスクを抽出し特定する
②リスクを分析する
③リスク対応の優先度を評価する
④リスク対策を立案し、実行する
改善活動の基本となるPDCAサイクルと同様だ。ISO規格では、ISO31000になる。2009年11月にリスクマネジメント手法のガイドラインとして発行されている。あくまでもガイドラインであり、認証を目的としたものではないことを再認識する必要がある。その考え方や手法を個々の組織の事情に応じて臨機応変に応用して利用するべきだという。リスクマネジメント対策は、まだまだ取り組む企業が比較的に少ない。これからの重要な施策だと考えられるが、一方で、印刷工場の対策は、これまでの改善活動とは別物で考える必要はない。例えば、ヒューマンエラー対策も含まれる。ヒヤリハットのデータを集め、インシデントレポートを集めるしくみをつくり、予防予知トレーニング(KYT)によって事故を軽減する取り組みはリスクを軽減する活動である。リスクマネジメントの目指す施策にBCPを含むことが考えられる。BCP(Business Continuity Plan)とは「事業継続計画」である。地震、台風、火災といった有事が発生した際、企業や団体が、事態にどう対処し、事業をどう復旧させるかなどの計画のことで事業を止めず、継続させることが目的となっている。昨今は、VUCA(ブーカ)の時代と呼ばれるように、予測できない変化が激しくなる一方で、さまざまなリスクが潜んでいるといわれる。 今一度自社のリスク発生後、事業継続するための施策の現状を確認したいところだ。
(研究・教育部 古谷芸文)
【オンライン】第2期 印刷機長養成講座
【2024年9月開講】印刷営業マネージャー養成講座2024
【オンライン】 生成AIで営業が楽になる!
印刷業界では人手不足が深刻な問題となっています。さらに印刷会社の営業・企画職は、多様な顧客ニーズへの対応、価格競争、短納期対応、新技術の導入、内部および外部とのコミュニケーション、市場変化への対応など、多岐にわたる課題を抱えています。これらの課題を解決するためには、生成AIを活用した業務の効率化や自動化が不可欠です。
・生成AIツールをどのように活用すれば良いのか?
・どのような効果が得られるか?
・何から始めればいいのか?
本セミナーでは営業・企画業務における生成AIツール「Perplexity※」の具体的な活用方法とその必要性について演習を交えながら、実践的に解説し、上記のお悩みを解決します。生成AIの導入は、印刷会社の生産性向上や労働力不足の解消につながります。生成AIツールを明日から使って、少人数でも高い業務成果を達成しましょう。
※ Perplexity ( https://www.perplexity.ai/ 基本無料)は、最先端の自然言語処理と機械学習技術を駆使した、革新的なAI搭載検索エンジンとチャットボットを提供するサービスです。演習に使用しますので講義前にアカウントの登録をお願いします。最初に英語表記のページが表示されますが右下のボタンより日本語表記が選択できます。
開催日時
2024年9月25日(水) 14:00~16:00
形式
オンライン ※「Zoom」を使用します。必ず1人1台のPCをご用意ください。
カリキュラム
■はじめに
■営業・企画業務における生成AI活用のユースケース
■実務で直ぐに使える生成AIツールのご紹介
■実際に使ってみよう
①クレーム対応メールの作成
②市場調査
③顧客提案資料の骨子作成
■まとめ
最少催行人数
6名
受講対象
印刷会社、関連会社の営業・企画職。生成AIツールを業務に活用したい方
講師
参加費(税込)
JAGAT 会員 15,400 円 /一 般 20,900 円
※上記価格は、1名様の価格です。
複数名でご視聴の際は、人数×受講料をお支払いください。
お申込み
■ Webからのお申込み
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必要事項をご記入のうえ、お申込みください。
■ FAXでのお申込み
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お申込書をプリントアウトし必要事項をご記入のうえ、
03-3384-3216までFAXにてお送りください。
■ 参加費振込先
参加費は、下記口座に開催日の2日前までに振り込み願います。
なお、お申し込み後の取り消しはお受けできません。代理の方のご出席をお願いします。
口座名:シャ)ニホンインサツギジュツキョウカイ
口座番号:みずほ銀行中野支店(普)202430
● 研究会・セミナーのZoomウェビナー参加方法のご案内
● セミナーお申し込み後の流れについて
【内容に関して問い合わせ先】
内容に関するお問い合わせはお気軽に下記までお寄せください。
研究・教育部 セミナー担当 電話:03-3384-3411
【お申し込み及びお支払に関して】
管理部(販売管理担当) 電話:03-5385-7185(直通)
公益社団法人 日本印刷技術協会
【オンライン】広告倫理講座~炎上する広告を防げ!~
印刷物をはじめとする広告は企業の製品やサービスを消費者に知らせ、購入を促進するための重要な手段です。しかし近年では広告が炎上するケースが増えてきました。ここで言う炎上とは広告が社会的に批判を浴び、大きな議論や非難を引き起こす現象を指します。
本講座では印刷会社など広告制作に関わる方すべてに、現代の広告倫理、炎上する広告の事例とその背景、炎上を避けるためのポイントについて解説します。広告制作における倫理的な配慮を深め、社会と顧客に信頼される広告を提供する知識を身につけましょう。
開催日時
2024年9月24日(火) 14:00~16:00
形式
オンライン ※「Zoom」を使用します。必ず1人1台のPCをご用意ください。
カリキュラム
広告原稿制作において注意しなければならないポイント解説!
◆表示をとりまく法令のご紹介
JIS法、景表法、食品表示法、薬機法、権利関係
当たり前に使っている言葉、悪意が無くても実は…。
◆不快表現・不適切表現
失敗事例・炎上事例/対応策
最少催行人数
6名
受講対象
広告制作に関わる全ての方。印刷会社、関連会社、広告代理店、デザイン会社、ブランドメーカーなど
講師
参加費(税込)
JAGAT 会員 15,400 円 /一 般 20,900 円
※上記価格は、1名様の価格です。
複数名でご視聴の際は、人数×受講料をお支払いください。
お申込み
■ Webからのお申込み
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必要事項をご記入のうえ、お申込みください。
■ FAXでのお申込み
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お申込書をプリントアウトし必要事項をご記入のうえ、
03-3384-3216までFAXにてお送りください。
■ 参加費振込先
参加費は、下記口座に開催日の2日前までに振り込み願います。
なお、お申し込み後の取り消しはお受けできません。代理の方のご出席をお願いします。
口座名:シャ)ニホンインサツギジュツキョウカイ
口座番号:みずほ銀行中野支店(普)202430
● 研究会・セミナーのZoomウェビナー参加方法のご案内
● セミナーお申し込み後の流れについて
【内容に関して問い合わせ先】
内容に関するお問い合わせはお気軽に下記までお寄せください。
研究・教育部 セミナー担当 電話:03-3384-3411
【お申し込み及びお支払に関して】
管理部(販売管理担当) 電話:03-5385-7185(直通)
公益社団法人 日本印刷技術協会
【オンライン】印刷営業のための校正講座
印刷業において校正は不可欠で、高品質な印刷物を提供するために欠かせないチェック工程です。校正の主な目的は、原稿通りであることの確認は大前提として、誤字脱字、文法の誤り、フォーマットの不一致などのエラーを検出し、修正することです。
誤りのある印刷物は、企業やブランドのイメージを損ないます。また印刷工程が進んだ後にエラーが見つかると、修正には多大なコストと時間がかかります。校正を通じて早期に問題を発見することで、そのコストや時間を削減できます。特に法律や規制に関わる情報を含む印刷物では、誤りが法的リスクを引き起こす可能性があります。校正を行うことで、このようなリスクを軽減できます。
校正は制作や校正職だけでなく、営業職にも必要なスキルです。営業職が校正の知識を持つことで、顧客に提供する印刷物の品質を保証し、顧客満足度を向上させ、信頼関係の構築につながります。
本講座では校正の基本的な手順や考え方、顧客とのコミュニケーション法などの基礎を解説し、ワークを通して実践的に学びます。
顧客に対してより良いサービスを提供し、信頼性と競争力を高めるために、営業職も校正の知識を持ちましょう。
開催日時
2024年9月6日(金) 14:00~16:00
形式
オンライン ※「Zoom」を使用します。必ず1人1台のPCをご用意ください。
カリキュラム
◆校正の基礎知識
◆営業職としてのワンポイント
赤字の入れ方/集約/ファイル管理/コミュニケーション/検版ソフト
◆ミス事例
◆ワーク
アオリ検版・カタログ校正・チェックシートの活用
最少催行人数
6名
受講対象
印刷営業、企画、制作、印刷物の品質管理に関わる全ての方など
講 師
参加費(税込)
JAGAT 会員 15,400 円 /一 般 20,900 円
※上記価格は、1名様の価格です。
複数名でご視聴の際は、人数×受講料をお支払いください。
お申込み
■ Webからのお申込み
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必要事項をご記入のうえ、お申込みください。
■ FAXでのお申込み
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お申込書をプリントアウトし必要事項をご記入のうえ、
03-3384-3216までFAXにてお送りください。
■ 参加費振込先
参加費は、下記口座に開催日の2日前までに振り込み願います。
なお、お申し込み後の取り消しはお受けできません。代理の方のご出席をお願いします。
口座名:シャ)ニホンインサツギジュツキョウカイ
口座番号:みずほ銀行中野支店(普)202430
● 研究会・セミナーのZoomウェビナー参加方法のご案内
● セミナーお申し込み後の流れについて
【内容に関して問い合わせ先】
内容に関するお問い合わせはお気軽に下記までお寄せください。
研究・教育部 セミナー担当 電話:03-3384-3411
【お申し込み及びお支払に関して】
管理部(販売管理担当) 電話:03-5385-7185(直通)
公益社団法人 日本印刷技術協会
ヒューマンエラー対策と「ポカヨケ」で回避するしくみ化
事故にみる原因を追究するヒューマンエラー対策
印刷工場でのヒューマンエラー対応策への取り組みは、益々重要視されている。この6月5日(水)に開講した第4期印刷工場長養成講座に受講前アンケートでも多くの管理職者が関心事項の一つとして課題としている。今年1月2日に起きた羽田空港での日本航空機と海上保安庁の航空機が衝突した事故で、日本経済新聞(2024年1月4日)によれば、日航機側と管制官は滑走路に誤進入したとされる海保機を認識していなかった。海保機が滑走路上で約40秒間停止していたとみられることも新たに判明。事故は人的ミスが影響したとの見方が強まっている。管制指示の誤解を防ぐ表示装置の導入といったデジタル化も進む中、ソフト面も組み合わせた対策が欠かせないとしている。肝心なことは、一刻を争う緊迫した中で起きた不慮の事故であるということだ。背景のひとつとして、海上保安庁の航空機が能登半島地震を受け、新潟の航空基地に救援物資を運ぼうとしている中の事故で故意に起きたエラーでないことが容易に想像できる。事故は、時折、責任追及に関心が集まりがちだが、原因を追究し二度と起こさないための対策を講じることが重要だ。周知の通り、ヒューマンエラーは、完全に無くすことはできないことが前提だ。責任追及型ではなく原因追求型の適切なヒューマンエラー対策が求められる。
ヒューマンエラーを未然に防ぐための対策とは
ヒューマンエラーが減らない企業の特徴に個人の問題にして終了というケースが多々ある。そうした中で出てくる対策は、朝礼等での通知、チェック手順の追加、 注意喚起の表示など、 その場しのぎの対応が多くなることがある。最もダメなパターンでは、ミスを犯した部下に対して、「最近の若者は」などのボヤキ、「ちゃんとチェックしろ!」、「しっかり注意しろ!」「気をつけろ!」など怒鳴りつけて対策を終了するなどの場面があるのではないだろうか。ヒューマンエラー対策講座(JAGAT主催)によれば企業が行うヒューマンエラー対策は、ミス・事故を起こした個人だけの問題ではなく、ミス・事故に至ったプロセスや作業環境にも問題がある。ヒューマンエラーは複数の要因が連鎖して起こるケースも多いため、しっかりと対策を講じることでエラーの連鎖を断ち切り、発生・再発防止に対処することが必要だ。
【ヒューマンエラーを未然に防ぐための対策】
●業務フローの見直し
●マニュアルの整備
●ヒヤリハットの共有
1件の重大な事故の背後には29件の軽微な事故、さらにその背後には300件のヒヤリハットが存在すると言われる。ヒヤリハットの時点で対策を講じ、重大な事故・災害が発生しないように努める。
●チェック体制の強化
●システム・ツールの活用
●ミスしにくい設計(フールプルーフ)
あらかじめミスが起こりにくい体制を構築する。誤った操作を行っても重大な事故につながらないような設計することをフールプルーフと言う。
●注意喚起の徹底
●作業者スキルの向上
●ヒューマンエラー研修・教育の実施
●職場環境の改善
「5S」に則った対策を取るのが有効。従業員が仕事がし易い環境を整え、ミスや事故の防止にもつながる。
改善活動とポカヨケ、AI活用
対策において重要なことは、しくみ化に取り組み形骸化しないことだ。例えば、トヨタ生産方式による改善活動(カイゼン)で生まれた「ポカヨケ」は、ヒューマンエラー対策におけるしくみ化のひとつだ。ポカヨケは、日本語の「ポカ」(うっかりミス)と「ヨケ」(避ける)を組み合わせた言葉で、製造業やサービス業において、ヒューマンエラーを防止するための仕組みや工夫を指す。作業者がミスをしにくいように、もしくはミスをしてもすぐに気づくようにするための設計や仕組みを取り入れることとされる。
主な目的は
- エラーの防止:作業者が間違った操作をするのを未然に防ぐ。
- エラーの早期発見:エラーが発生した場合、それをすぐに発見して修正できるようにする。
具体的なポカヨケの例としては、
- 形状や大きさでの区別:部品の取り付け位置や向きが間違えないように、形状やサイズを異なるものにする。
- センサーの活用:製品の組み立て工程でセンサーを使用して、正しく組み立てられているかをチェックする。
- チェックリスト:作業手順を確認するためのチェックリストを用意し、手順ごとに確認を行う。
ポカヨケの考え方は、ミスをした人を責めるのではなく、システムやプロセスを改善してミスが発生しないようにすることを重視している。これらの考え方をベースに最近では、AI活用も急速に進んでいる。
<異常検知>
AIを用いた異常検知は、クレジットカードの不正検出から製造工程の不良品検知まで幅広く活用されている。
<ポカヨケ>
ポカヨケは、人の手による作業ミスを防止・回避するための対策。AIを活用した不良品検知の活用も広まっている。
これは、品質管理や生産性向上に効果的で結果的に顧客満足度の向上につながる。企業活動の中でもヒューマンエラー対策は、改善活動の一環であることを認識していなければならない。「急がば回れ」である。PDCA(管理サイクル)で好循環のスパイラルを回転させしくみ化することと人を育てる対応が望まれる。鍵を握るのは推進するリーダーや各々のリーダーシップである。印刷工場では、改善活動にしっかりと取り入れて根付かせなければならい。
(研究・教育部 古谷芸文)
【オンライン】第2期 印刷機長養成講座
中小企業にこそ必要なブランディング
ブランディングは、中小企業にとって重要性が低いと思われがちだ。大企業はその規模と資金力によって市場での存在感を確立できるが、資源に乏しい中小企業こそブランディングによって優位性を築くことが必要になる。中小企業の成功のカギはブランディングが握っているといっても過言ではない。
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時代の変化に伴い営業手法を進化させる
絶え間のない時代の変化に伴い、企業の営業手法も進化してきた。デジタル化の波が世界を席巻し、さらにはコロナ禍を経験する中、営業戦略も大きく変わっている。顧客との接触は対面での営業が主流ではあるが、今日ではオンラインでの商談が増え、さらにデジタルマーケティングやソーシャルメディア上でのコミュニケーションが台頭している。
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