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【クロスメディアキーワード】インターネット広告

クロスメディアキーワード【第12回】

インターネット広告(英訳:Online advertising)は、「オンライン広告」「Web広告」とも呼ばれ、インターネットを利用するWebサイトや電子メールに掲載する広告を表し、 「ネット広告」と略される場合もある。ケータイ(フィーチャーフォン)やスマートフォンなどのモバイル端末に表示される広告もインターネット広告として扱 われる。

インターネットの普及と様々な機器によるインターネットコンテンツの閲覧が可能になったことから、広告メディアとしての価値が高 まっている。様々な手法による広告配信手法が開発されており、マスメディア広告市場が縮小傾向にある中においても、インターネット広告市場は成長を続けて いる。

Webサイトを通じた情報発信についても、販促活動の一部としてとして利用されるため、広義ではインターネット広告とする考え方もある。しかしながら、インターネットを利用した広告ビジネスが確立している現在では、広義の意味で使用されることは少なくなった。

インターネット広告の特徴

インターネット広告は、ユーザーの年齢・性別などの属性、行動履歴、地域などによって、配信する広告の内容を対象別に細分化することができる。また、広告 を表示するだけでなくインタラクティブ性を持たせることで、消費者の能動的な動きが可能となり、マスメディアでは難しいとされていた、双方向でのコミュニ ケーションが可能となった。さらに、消費者の行動履歴から読み取れる趣味嗜好に沿った広告を用意し、表示させることが可能となり、効果的な訴求を行うこと ができる。

しかしながら、インターネット上には無数の情報が溢れ、信憑性の低いコンテンツも存在している。インターネット広告によって提 供される情報は、信頼性や公正性を判断しにくいものとして消費者に判断される可能性がある。その結果、正規の広告であっても消費者の目を引かず、効果を発 揮できないものも増えてきている。したがって、インターネット広告は、様々な側面を持っていることから、利用する際は、目的に応じ、広告手法の取捨選択を 行う必要がる。

インターネット広告の分類

インターネット広告は、形状や配信方法、課金方法などで分類される。

・形状

「バナー広告」や「テキスト広告」、「メール広告」、「タイアップ広告」、「リッチメディア広告」などに分類される。

・配信方法

消費者の属性により配信対象を絞り込む「デモグラフィックターゲティング広告」や、消費者の過去のWebサイト閲覧履歴から関連性の高い広告を表示する 「行動ターゲティング広告」、検索キーワードに連動する「検索連動型広告(キーワード広告)」、Webコンテンツの内容に連動する「コンテンツ連動型広 告」、消費者の現在地に連動する「位置連動型広告」などに分類される。

・課金方法

特定のWebコンテンツへ掲載期間を保証し掲載する「期間保証型広告」や、表示回数による「インプレッション保証型広告」、アフィリエイトによる「成功報酬型広告」、クリックすることで課金が発生する「クリック報酬型広告」などに分類される。

代表的な広告配信手法による特徴

・コンテンツ連動型広告

Webサイトのコンテンツと連動した広告手法である。サイトの中の特定コンテンツかコーナーを広告主が提供する「スポンサード型」と、広告企画ものとして編集記事調に広告をアレンジする「編集タイアップ型」がある。

・オプトインメール広告

ユーザーが希望する情報カテゴリーの電子メール広告に対し、事前に受け取りを許諾し配信する広告手法である。希望情報カテゴリー別の広告配信を基本として おり、原則として希望情報以外が送信されることはない。広告メディアとしての情報は、会員数やセグメント項目などがある。希望情報カテゴリーやユーザー属 性で、条件を規定し、配信数が算出され、広告主が希望する配信日に、広告配信が基本的にできる。

・検索連動型広告(キーワード広告)

広告主が自社のWebサイトへユーザーを誘導のために、検索サイトに対し検索ワードを指定する広告手法である。指定したキーワードによる検索結果画面にお いて、表示位置が上位にあるほど、ユーザー誘導が促しやすいといわれている。1クリック当たりの料金を入札することで、広告表示権利を購入する PPC(Pay Per Click)型の広告である。広告代理店と契約することで、条件次第で複数の検索サイトへの検索結果表示が可能となり、多くのユーザーへのリーチが期待で きる。キーワードが競合し難い場合は、広告費が抑制できる効率の良い広告手段であり、ロングテール効果も期待できる。

・ストリーミング広告

映像や音声データを配信する、逐次再生型の広告手法である。ストリーミング技術を利用し、データファイルの完全ダウンロード前であっても再生が開始でき る。このため、容量の大きい映像や音声のファイルを配信することができる。ストリーミング広告は、映像や音声を使用し、表現豊かな広告を配信することがで きる。そのため、閲覧者となる消費者に対し、広告として強い印象を与えることができるといった利点がある。欠点としては、消費者のネットワーク回線速度に より、映像や音声の質が劣化する可能性があった。しかしながら最近では、消費者のネットワーク回線やシステム環境に対応した配信スピードに変える技術も発 達している。

・モバイル広告

Webサイトやメール、検索エンジンに掲載される、モバイル端末向けのインターネット広告である。モバイル端末の普及により、インターネット接続を行う消費者が急増したことで、広告媒体としての価値が高まっている。

インターネット広告の効果測定

インターネット広告の効果は、表示回数を測定対象とするインプレッション効果と、消費者が広告をクリックすることにより生じるレスポンス効果などに分けら れる。インプレッション効果は、広告字体の認知やイメージの他、ブランドや製品、サービスなど、訴求したい広告内容の認知率やイメージなどが指標となる。 レスポンス効果はトラフィック効果とも呼ばれ、クリック回数やクリック率などが指標となる。これらの効果測定手法は、インターネット広告の黎明期から利用 され、その中でレスポンス効果が主に注目される傾向にあった。広告に対するレスポンス測定が可能であることは、インターネットの特性であるインタラクティ ブ性の象徴であり、他のメディアにない大きな特長であったからと想定される。したがって広告取引においては、クリック率の高さが重視される傾向がある。

例題

次の文中の空欄[A]~[D]に入る最も適切な語句の組み合わせを下記の[解答群]から選べ。

Web検索サービスを利用し、その結果から特定のWebサイトを訪れる利用者は、その事柄に高い関心を持っていると考えられることから、検索結果を広告媒 体として活用する[A]といった広告手法が考案された。この手法では、検索結果に有料でのテキスト形式の広告を表示する。特定のキーワードに対し複数の広 告主が競合した場合は、オークションにより[B]が変わる。

インターネット広告の課金は[C]に依存することが多い。単に検索される回数の多いキーワードが、広告として有効なわけではない。対象となる利用者の要求と、親和性が高いキーワードの組合せを設定することで、Webサイトへの訪問数増加が期待できる。

検索結果で表示された広告を利用者がクリックし、最初に表示されるWebコンテンツを[D]と呼ぶ。利用者が期待通りの行動をとるか、結果が分かれる重要なWebコンテンツであり、機能させるために十分な対策を行うことが求められる。

[解答群]
 ①A:テキスト広告 B:表示頻度 C:文字数 D:ランディングページ
 ②A:リスティング広告 B:表示順位 C:クリック数 D:ランディングページ
 ③A:テキスト広告 B:表示頻度 C:クリック数 D:離脱ページ
 ④A:リスティング広告 B:表示順位 C:文字数 D:離脱ページ

[解答]
 ②A:リスティング広告 B:表示順位 C:クリック数 D:ランディングページ

※本ページの内容は掲載当時(2014年1月)のものです。

【クロスメディアキーワード】ターゲットマーケティング

クロスメディアキーワード【第17回】

ターゲットマーケティングは、急速に変化する市場に対応するためのマーケティング手法である。

  • Segmentation:市場細分化
  • Targeting:標的市場の選択
  • Positioning:製品およびサービスのポジショニング

といった要素により構成され、頭文字からSTPマーケティングとも呼ばれる。
生活者のニーズや購買行動は多様化しており、企業は「あらゆる地域の、あらゆる生活者を対象とする」マスマーケティングの実施が困難な状況になっている。そのため、ターゲットマーケティングには、マスマーケティングの代替として登場した背景がある。

Segmentation:市場細分化

「Segmentation」では、市場全体からターゲットとなる市場を抽出する。消費財であれば、年齢、性別、職種、地域、趣味、所得、家族構成などで市場を括ることが多い。しかしながら、実際には他に様々な細分化の基準が存在する。

  • デモグラフィック(人口統計的な基準で抽出する方法)
    年齢、性別、世帯規模、家族構成、所得、職業、学歴、世代など
  • ジオグラフィック(地理的な基準で抽出する方法)
    国、地方、都市、人口密度(都市部、郊外、地方)など
  • サイコグラフィックによる細分化(心理的な基準で抽出する方法)
    個人の価値観、社会的な階層、ライフスタイル、パーソナリティーなど
  • 行動による細分化(製品やサービスに対する知識、態度、使用歴、反応などを基準に抽出する方法)
    製品やサービスの購買状況、求めるベネフィット、使用経験、ロイヤルティー、購買準備段階(知らない>認知している>関心がある>欲しい)など

市場細分化の目的は、市場全体の中から製品やサービスを求めている市場を特定することにある。従って、これまでになかった新しいコンセプトにより投入される製品やサービス、市場の種類によって、さらに細分化の基準が必要になる場合もある。

Targeting:市場ターゲティング

市場セグメンテーションにより抽出した市場の中から、「標的市場」を選定する段階である。対象となる市場には、企業にとって最も魅力的なセグメントを選定 するべきであり、一般的には、「強みを活かせる市場」や「他の競合の少ない市場」を選択する。市場の成長性、市場の構造的な魅力、企業の目標と経営資源の 選択における判断要素として考慮し、その上で市場をどの程度網羅するか決定する「カバレッジ戦略」を採用する。

Positioning:市場ポジショニング

標的市場において、どのような位置で製品やサービスを提供するかを検討する。製品やサービスを競合と比較した際、例として5つの価格から1つを選択し、製品やサービスの位置づけを行う。

<5つの価格>
「ベネフィットが多く価格が高い」
「ベネフィットが多く価格が同じ」
「ベネフィットが同じで価格が安い」
「ベネフィットが少なく価格がより安い」
「ベネフィットが多く価格が安い」

ターゲットマーケティングによる効果

ターゲットマーケティングを実施することで、生活者からのニーズに対し細かい対応が可能となる。また、市場を分析することにより対象が絞られることで、そ の特性を短時間で正確に理解と把握することができる。さらに、標的市場を明確にすることで、ターゲットとなる生活者のセグメントを絞り込むことになり、そ のセグメントがどのようなニーズを持っているのかが明らかになる。ニーズを満たすために、どの様な商品やサービスを提供すべきか明確になる。特に競合と差 別化すべき機能や効用を明確にすることで、今後の市場における有利な戦略を立案することが可能となる。
支出においては、標的市場にのみ投資を集中させることができる。対象としない市場に対する投資を行う必要がなくなり、標的市場に対する有効な投資が可能となる。

ターゲットマーケティングの対象

ターゲットマーケティングは、大規模な事業だけではなく、中小規模の事業においても採用できる手法である。選定した市場において、「強み」を発揮することにより市場における生活者の中で、既存顧客の満足度を向上し、見込顧客の囲い込みをすることが期待できる。
経営資源の乏しい中小規模の事業にとって、大きな市場を細分化し、ターゲット市場を明確にすることにより、経営資源を有効活用することができる。「強み」を発揮できる市場で、安定した事業を展開することが可能となる。

差別型マーケティング

差別型マーケティングとは、ターゲットとする市場セグメントを定め、その市場に適した方法で行うマーケティングである。市場に適した製品や施策を展開し、 売上の拡大と市場でのポジショニングを確立する。しかしながら、製品や施策の多様化は、支出を増加させる。したがって、製品による売上と支出の比較を行 い、適格な意思決定が必要となる。

非差別型マーケティング

「非差別型マーケティング」とは、市場セグメントの違いを考 慮せずに実施するマーケティングである。大量に生産される製品を全国展開する際に用いられることが多い。生活者を考慮する際、「ニーズの差異」ではなく 「ニーズの共通点」に着目し、施策を立案する特徴がある。製品は様々な生活者に訴求できるデザインや機能が採用され、市場への投入を大量に行い、マスメ ディアによる広告を実施する。

集中型マーケティング

「集中型マーケティング」とは、限られた経営資源を特定の市場セグ メントに集中させ実施するマーケティングである。大規模な市場に対するシェア獲得の代替として、少数のセグメントで大きなシェア獲得を目指す戦略である。 得意とする市場に対し、集中的に製品の投入や、施策を実施する。経営資源が限られる中小規模の事業体で採用しやすい手法である。

例題

ターゲットマーケティングに関する記述として最も不適切なものはどれか[解答群]から選べ。

ア ターゲットマーケティングとは、市場の細分化を行い、製品やサービスの対象となる標的市場を定め、その市場に向けてマーケティング活動を実施することである。

イ 非差別型マーケティングとは、市場全体を対象に同一製品の投入や施策を実施することで対応するものであり、大量に生産される製品を全国的に展開する場合に用いられることが多い。

ウ 差別型マーケティングとは、複数の異なるセグメントごとに適合した製品を投入し、施策を実施するマーケティング活動である。市場にきめ細かく対応しようとするものであり、中小規模の事業体が採用しやすい。

エ 集中型マーケティングとは、経営資源と合致する得意とするセグメントに対し、集中的に施策を実施するマーケティング活動である。

[解答群]
①ア ②イ ③ウ ④エ

[解答]
②イ

※本ページの内容は掲載当時(2014年5月)のものです。

2016年9月実施更新試験申請受付開始

2016年9月に実施いたします

  • 第46期DTPエキスパート認証更新試験
  • 第22期クロスメディアエキスパート認証更新試験

のご案内を更新対象者の方あてに本日郵送いたしました。

お手元に届かない場合でも、下記更新試験案内ページより内容をお確かめいただけます。
更新試験案内をお確かめいただくとともに、エキスパートWeb基本台帳にてご登録情報にご変更がないかどうか、お確かめください。

申請受付期間:2016年7月1日~7月21日

申請受付方法:エキスパートWeb基本台帳上で受付

エキスパートWeb基本台帳

DTPエキスパート更新試験案内

更新対象者:エキスパートIDが下記4桁の数字で始まる方
〔9402-****〕,〔9606-****〕,〔9810-****〕,〔0014-****〕,〔0218-****〕,〔0422-****〕,〔0626-****〕,
〔0830-****〕,〔1034-****〕〔1238-****〕または〔1442-****〕

クロスメディアエキスパート更新試験案内

更新対象者:エキスパートIDが下記4桁の数字で始まる方
〔0602-****〕,〔0806-****〕,〔1010-****〕,〔1214-****〕または〔1418-****〕

【クロスメディアキーワード】コミュニケーションとメディア

クロスメディアキーワード【第6回】

メディア(Media)

メディア(Media)とはメディウム (Medium)の複数系の英単語であり、媒体、媒質、伝達手段などの意味を持つ。記録や保管のための機能と、コミュニケーションのための機能に大別され る。したがって、「紙」や「CD」などは、記録や保管の技術であり、「チラシ」や「書籍」、「音楽CD」などは、メディア利用者とのコミュニケーション手 段である。撮影や印刷、コンピューターなどのメディア関連技術を活用し、円滑なコミュニケーションを図るためには、様々な知識や能力が必要となる。

コミュニケーション

コミュニケーションを用語として捉えると、様々な定義が用いられている。
本稿では、送り手(生活者)から受け手(生活者)への情報の移動、または、その移動の結果生じた心のふれ合いや共通理解、共同関係などと定義する。
送り手は、収集した情報を受け手が理解できるように構造化し編集を加えることで、価値あるコミュニケーションの実現が期待できる。生活者を支える情報を効率的かつ効果的に活用できるようにすることで、コミュニケーションの目的を達成することが可能である。
生活者の周辺には、常に膨大な量の情報が存在している。目的や意図のある情報とするには編集が必要となる。人々の経験や知識をもとに、生活者が理解できる状態に加工を施すことで、目的や意図を伝える情報として知識や知恵の源泉となる。

コミュニケーションモデル

生活者同士がコミュニケーションを行う場合、情報の送り手が伝えたいメッセージを受け手が正しく受け取ることが重要となる。送り手はメッセージを「表情」 や「振る舞い」などの「ノンバーバルコミュニケーション」と、「言葉」や「文字」などの「バーバルコミュニケーション」や「図」として表現する。受け手は この表現を解釈し、送り手のメッセージを理解しようとする。
メッセージによる情報共有プロセスは、送り手と受け手の間で、表現や文脈(コンテキスト)に関する共通の知識や理解の所有が前提となる。
受け手のメッセージ理解は、メッセージの内容や受け手の経験により異なる。生活者の様々な情報に対する処理方法は、情報提示の仕方により異なる。

メラビアンの法則

メラビアンの法則は、アルバート・メラビアンにより提唱された概念である。情報の受け手は、話をしていることと態度が異なっている場合、態度からの情報を 優先して判断する傾向がある。メラビアンの法則では、人物の第一印象は初めて会った時の3~5秒で決まり、その情報の殆どを「視覚情報」から得ているとさ れる。その割合は、「視覚情報」からの影響が55%であり、「聴覚情報」からの影響が38%、「言語情報」からの影響が7%である。また、メラビアンの法 則を拡大解釈することで、「見た目が一番重要である」、あるいは「話の内容よりも話し方が重要である」といった考え方に触れることもある。しかしながら、 メラビアンはコミュニケーション全般にこの法則が適用されるといった明言は避けている。

ザイアンス効果

ロバート・ザイ アンスは、何度も見聞きすることで、次第に良い感情が起こるようになる効果があると提唱している。会う機会の多い人や、何度も聞く音楽は、好きになってい く傾向があることを意味する。経験による潜在記憶は、印象評価において誤って帰属されるといった、知覚的流暢性誤帰属説で説明されている。また、潜在学習 や概念形成といった働きも関わるとされている。この傾向をザイアンス効果や単純接触効果と呼ぶ。セブンヒッツ理論では、ザイアンス効果を理論的に発展さ せ、マスメディアやミドルメディアにより、消費者が商品に関連した情報に7回触れることで、店舗やECサイトでその商品を購入する確率が高くなると提唱し ている。

コミュニケーションの種類

コミュニケーションは、その対象により3つに分類することができる。「対人コミュニ ケーション」は、日常会話の様に、特定の相手を限定した、電話や手紙を活用する、個対個のコミュニケーションである。「集団コミュニケーション」は、講演 会や会議、社内報など、限定された小集団のコミュニケーションである。「マスコミュニケーション」は、新聞や雑誌、テレビ、ラジオなど、マスメディアを通 じた大量伝達による、不特定多数に対し行われるコミュニケーションである。一般的に情報の流れは1対nで一方向となる。送り手と受け手の接触が間接的であ り、伝達の効果や反応の測定が難しい。

コミュニケーション手段

文明の発達に伴い、コミュニケーション手段は進化している。進化は4つの変革によると考えられ、「言語の使用」や「文字の登場」、「印刷技術の発明」、さらに、「高度情報化社会」とされている。
高度情報化社会では、コンピューターの発達や情報のデジタル化、インターネットの普及などが生活者に大きな影響を与えている。高度情報化社会を支えるメディアは、技術の進展により変化を続け、様々な電子メディアが登場している。

高度情報化社会とコミュニケーション

20世紀後半には、情報技術の発展により様々なメディアが登場した。情報通信網であるネットワークが整備され、コミュニケーションを取り巻く環境は高度化 した。コンピューターに関する技術により、数値から文字、画像、音響、映像など、様々な情報がデジタル化され、活用されるようになった。さらにネットワー ク技術により、メディアによる双方向コミュニケーションが実現した。
コミュニケーションはメディア活用により、1対1から1対n、n対nへの進化している。

例題

次の文中の空欄[A]~[C]に入る最も適切な語句の組み合わせを下記の[解答群]から選べ。

メラビアンの法則とは、アメリカUCLA大学の心理学者であるルバート・メラビアンが1971年に提唱した、人物の第一印象は、初めて会った時の3~5秒 で決まり、またその情報のほとんどを「[A]」から得ているといった概念である。この概念は、初対面の人物を認識する割合は、見た目などの「[A]」から の影響が55%であり、口調や話の早さなどの「聴覚情報」からの影響が38%、話の内容などの「[B]」からの影響が7%であると提唱した。

情報の受け手は、話をしていることと態度が異なっている場合、態度からの情報を[C]して判断する傾向がある。その傾向については、メラビアンの法則とし て有名になり、拡大解釈から「見た目が一番重要」、あるいは「話の内容よりも話し方のテクニックが重要」という趣旨で受け止められることも多くなった。し かしながら、メラビアンはコミュニケーション全般にこの法則が適用されるといった明言は避けている。

[解答群]
 ①A:視覚情報 B:言語情報 C:後回しに
 ②A:言語情報 B:視覚情報 C:優先
 ③A:言語情報 B:視覚情報 C:後回しに
 ④A:視覚情報 B:言語情報 C:優先

[解答]
 ④A:視覚情報 B:言語情報 C:優先

※本ページの内容は掲載当時のものです。

2016年8月試験 長野にて開催決定

2016年8月21日(日)実施の第46期DTPエキスパート認証試験/第22期クロスメディアエキスパート認証試験につきまして、従来のJAGAT会場7会場(東京・大阪・名古屋・福岡・仙台・札幌・新潟)に加えて、長野会場を追加設置することが決定しました。

長野県印刷工業組合のご協力のもと、6/16に長野市内にて実施した両資格ガイダンスセミナーでは、合計約70名の方々にご出席いただき、エキスパート認証制度に対する理解を深めていただきました。

今回、長野県印刷工業組合に限定せず長野近県の方々の受験利便性の向上を目的に、長野平青学園をオープン会場として試験を実施することとなりました。

長野県および近県にお住まいの方で、すでに別会場で受験申請した方は、申請受付期間内にお申し出いただければ、特例として会場振替の対応をいたします。
その際は、下記JAGAT資格制度事務局までご一報ください。
※長野会場への振り替え以外では、申請後の会場変更は承れませんことを悪しからずご了承ください。

JAGAT資格制度事務局
e-mail: expert@jagat.or.jp
TEL(03)3384-3115

第1期クロスメディアエキスパート認証第2部試験「与件: 国際芸美社」

状況設定

わが社

都市圏の中堅商業印刷の会社で,印刷以外にもプロモーションビデオの受注や,Web制作などをしている。子会社にデザイン会社がある。

以前はプリプレス部門でDTP化推進に関わっていたが,今はWebを含めて制作管理の立場で,社内の現場や外注の制作へ仕事を分配して,進行管理をしている。営業担当者の相談相手にもなっている。場合によっては営業担当者とともに顧客のところへ説明に行くこともある。

プロジェクト

この印刷会社の顧客に額縁などの製造販売を行う国際芸美社がある。台東区浅草橋に本社があり,工場や流通倉庫は地方や海外にもある。
わが社はカタログ・パンフ・説明書などを受注している。またポストカードや絵画の複製印刷物,個展や展覧会の図録の印刷なども国際芸美社を通じて受注している。同社のホームページの一部もわが社で手がけたことがある。
私は国際芸美社を担当している営業担当者から,近年のうちに木田社長が交代するので,それに向けて新たな方向性を出そうとしているという話を聞いて,何かこのクライアントを手伝えることはないかと相談を受けた。
そこで,国際芸美社のことを調べ直してみると,ポストカードとフォトフレームに関して新たな動きがあることがわかったので,営業と制作の何人かで提案プロジェクトを作り,私がリーダーを務める。

提案時期

社内のプロジェクトで国際芸美社についてまとめていた時点で,同業他社が国際芸美社のWebでの販促提案をしようとしているという情報が入った。そこで営業に様子を探らせた。
国際芸美社はWebでの販促を新規事業として意気込んでいる様子である。新規事業のプロモーションや受発注のシステム,またその委託先をどうするかを数社のコンペにより決めるようである。木田社長はこの件には意欲的で,来月半ばにはわが社の社長宛にプレゼンをするように要請するようだ。
このため,1週間以内に社内でラフな提案書を作成して,コンペに耐えられるよう一度揉んでおかなければならない。まずこのプロジェクトのリーダーである私が今日にも提案の骨子作り,社内に根回ししなければならない。

<社外秘>
KGプロジェクトメモ 2006.3.26 

国際芸美社 会社概要

<社名>
株式会社 国際芸美社
<設立>
創立1965年(昭和40年)10月21日
法人1974年(昭和49年)10月23日
<資本金>
2千万円
<売上>
13億5千万円(2004年)
<従業員>
65名(中国を除く)
<所在地>
本社 東京都台東区浅草橋6-1-3
大阪営業所 大阪市東区淡路町7-10-10
流通センター 千葉県市原市五井4-4-18
工場 国際藝美廠 広東省東莞市
工場 青島藝美有限公司 山東省青島市
<役員>
代表取締役 木田邦彦 専務取締役 若枝三郎 常務取締役 木田靖彦
<業務内容>
額縁/各種フレーム/絵画/木工製品/写真関連紙製品/各種包装資材
<売上>
卸:8億円,店舗:東京・大阪3億円,デパート外商:2億円
ネット販売:5千万円

<企業沿革>  
1965年 10月 東京都台東区浅草橋に額縁製造販売として創業する
1970年 3月 千葉県市原市五井に額縁製造工場を移転する
1974年 10月 資本金300万円 法人 株式会社国際芸美社とする
1976年 10月 大阪市東区淡路町に営業所を開設する
1978年 5月 資本金500万円に増資する
1983年 1月 中国東莞工場開設し 千葉県市原市は流通センターに
1988年 6月 資本金を1千万円に増資する
1994年 8月 フランス,アレコ社の日本総代理店となりインテリア商品を扱う
1995年 2月 資本金を2千万円に増資する
1997年 6月 中国青島工場開設
2000年 8月 銀座プランタン1Fにインテリアグッズの小売店として出店する
2002年 3月 通販事業部を開設し,ネットショップをオープン
2004年 12月 オーストリア,キレト社の代理店となりインテリア商品を扱う

歴史(沿革の補足説明)

株式会社国際芸美社は,上野で油絵のカンバス製作や美術館の額縁の修理をしていた木田工芸店を継いだかたちで木田邦彦が1965年に会社組織として創業した。
木田工芸店の時代から美術館などに出入りをしていたつながりで,当初から学校や画商など比較的顧客には恵まれていた。さらに,特定のニッチマーケットから抜け出て,企業や富裕層を対象にビジネスを広げたい,と考えたことが創業のきっかけであった。
1970~1980年代は事業が順調に推移する。いち早く中国に生産拠点を移して,国内は販売に徹することで企業としては大きく飛躍した。しかし国内の競争相手も同時に増加してバブル期を迎えた。

この時期まで業態としては「木工屋」の範疇で,よいものを安く大量に作ることに注力し,画材店やデパートの外商などへの卸が主流であった。現在でもその延長にあるが,バブル後は企業向けの絵画販売が滞ったこともあって在庫量の増加が経営を圧迫した。
そこで,画材店のような自社店舗をインテリアショップのように変えて,独自で顧客にアプローチする政策をとり,卸の比率を6割近くまで下げていった。
インテリアの需要の開拓のために,額縁の中に入れる複製絵画や彫刻などの美術工芸品の扱いを増やし,またヨーロッパのインテリアグッズのライセンス生産をする拠点として,中国青島工場を開設した。

ショップが商業店舗向け営業拠点の浅草橋にあることが利点となり,インテリア用品が店舗設計のコンサルタントの目にとまった。これにより,額縁の売上の落ち込みをかなり補うことができた。しかし一般顧客向けには銀座に近いほうがよいと判断し,銀座のデパートにアンテナショップを出店した。
このアンテナショップによって,比較的高額な卓上のフォトフレームが,それなりに売れることがわかった。これは創業者の子息である常務取締役の木田靖彦がヨーロッパ留学していた折に,オーストリアのある小さな工房が百数十年前と同じものを延々と作り続けてきたことを知る機会があり,その工房から年2回くらい仕入れているものである。
フォトフレーム自体は100円ショップでいくらでも売られている時代なので,それまではビジネスとしては重視していなかった。しかし,ヨーロッパの伝統的で重厚なフォトフレームは,他ではほとんど扱っていない商品なので,これをネット販売してみようという話が持ち上がり,ネットショップを立ち上げた。ただしネット上では全商品を販売している。

事業上の課題

インテリア商品は額縁も含めて嗜好が多様化しており,しかも全般的には価格も下落傾向にあり,在庫管理に頭を痛めている。今までの総花的,デパート的なやり方は非効率になる。企業としてもポリシーを決めて特徴を出さなければならなくなっている。

インテリア商品は頻繁に購入するものではないが,気に入ってもらえれば,自宅に訪問した来客などに口コミで伝わる。うんちく話も効果があって「年に何個しか同じ物は作っていない」という話も一人歩きする。そうして知った人がネットで購入することがある。しかし口コミ頼みの受身から脱却しなければならない。

従来の顧客が油絵中心であったために,インテリア商品の選択もヨーロッパ中心にしないと顧客の反感を買う。そのために今日どこでも見られるような,動物や風景写真などの癒し系,カワイイ系キャラクタなどの商品は扱っていない。国際芸美社のポリシーとしても使い捨てのグラフィックには関与せずに,永く鑑賞に堪えられるものを中心にしようという考えがある。このポリシーによって自ら市場を狭めてしまわないように配慮している。

ネットショップではギフト商品がよく売れるが,額縁やフォトフレームという「容器」だけではギフトにならないので,コンテンツも品揃えとして必要になる。しかしそこにあまりコストをかけることはできない。またコンテンツがよくても,ありきたりではギフトとして選択されない。そこで資料Cや資料Dのようなコンテンツ販売をしていることころから仕入れている。これらコンテンツの販売サイトとの連携で,フレームの販売もしてもらえるような仕組みを模索している。

ネットでのギフトの選択は,購入者の信用をどのように得られるかで,売上金額が決まる。今のところ信用は口コミと購入者しかなく,社名のブランド力はない。またヨーロッパのライセンス元も日本では無名である。購入者のリピートや口コミ力を高めたい。リピート顧客であっても,以前と種類の違う商品を購入する場合が多く,ネットショップでの品揃えは必要である。しかし在庫は持ちたくない。

数年以内に今の社長が退き,常務が社長を継ぐとみられる。創業者が「木工屋」であったのと違って,常務は自らの滞欧経験からアートに貢献したいという思いをもっていて,資料Cや資料Dのようなコンテンツとの交渉も自ら行っている。常務の力で複製画や写真の売上は伸ばしてきた。これからの国際芸美社の方向性も常務の発言力が強く反映すると考えられる。営業担当者にも見る目を養わせようと,美術館や画廊に通わせている。

ご注意

本試験時点では、上記文書のほか、「財務諸表」、「参考資料(Webページの抜粋)」などが配布されます。

第2期クロスメディアエキスパート認証第2部試験「与件: 八八食品」

状況設定

わが社

都市圏の中堅商業印刷の会社で,印刷以外にもプロモーションビデオの受注や,Web制作などをしている。子会社にデザイン会社がある。

以前はプリプレス部門でDTP化推進に関わっていたが,今はWebを含めて制作管理の立場で,社内の現場や外注の制作へ仕事を分配して,進行管理をしている。営業担当者の相談相手にもなっている。場合によっては営業担当者とともに顧客のところへ説明に行くこともある。

プロジェクト

この印刷会社の顧客に、うどんチェーン店の「讃岐うどん 八八麺所」(略称はちはちめん)を展開する八八食品株式会社がある。東京都中央区に本社があり、流通センターや業務委託先が地方にもある。
わが社は新規開店に必要な販促物を本部から受注している。また同社のホームページの一部もわが社で手がけたことがある。
「はちはちめん」を担当している営業マンから、今までとは違う新たな方向性を出そうとしているという話を聞いて、何かこのクライアントを手伝えることはないかと相談を受けた。
そこで、八八食品のことを調べ直してみると、ビジネスの根本的な見直しがあることがわかったので、営業と制作の何人かで提案プロジェクトを作り、私がリーダーを務める。

提案時期

社内のプロジェクトで八八食品についてまとめていた時点で、わが社のライバルがWebやケータイ販促での提案をしようとしているという情報が入った。そこで営業に様子を探らせた。
八八食品は真剣に事業見直しをすることで全社的に意気込んでいて、社外からも優れたアイディアを多く得たいと考え、数社でコンペをして事業のプロモーションや業務改善、タイアップなど、かなり柔軟に検討したいようだという。松岡社長はこの件には意欲的で、来月半ばには社長宛にプレゼンをするように要請するようだ。
ということで、社内において1週間のうちにラフな提案書を作成して、コンペに耐えられるよう一度揉んでおかなければならない。まずこのプロジェクトのリーダーをしてきた私が、プレゼンテーション(PowerPointを予定)のための提案の骨格を作成して、社内各所で検討してもらい、ふくらませていかなければならない。

<社外秘>
88プロジェクトメモ 2006.8.27 

八八食品 会社概要

<社名>
八八食品株式会社
<設立>
1997年(平成9年)8月27日
<資本金>
8千万円
<売上>
56億5千万円(2005年)
<従業員>
65名(FC店、アルバイトを除く)
<所在地>
本社 東京都中央区銀座8-14-13
流通センター 香川県高松市浜の町4-18
<役員>
代表取締役 松岡由則 専務取締役 若枝三郎 常務取締役 松岡和江
<業種>
小売業(飲食業)
<事業内容>
うどん店直営/うどん店FC指導/冷凍食品/乾麺販売/ギフト販売
<売上内訳>
店舗:60店 56億円  ネット販売:5千万円

<企業沿革> 1997年 8月 新橋、新宿、池袋に直営店開設
2000年 8月 香川県の製麺所と特約契約 店舗数30店
2002年 3月 ファミリーレストラン実験店舗開設 店舗数45店
2004年 12月 ネット通販に向けて香川県に流通センター設立 店舗数53店
2005年 2月 食品加工センターを埼玉県新座市に設立 店舗数56店
2006年 4月 FC 1号店 + 直営店60店

88プロジェクトメモ

創業者であり代表取締役社長の松岡由則は、東京で大学を卒業後に商社に就職し、農産物・食品を扱う。日本人のグルメ志向は、本物、健康や低カロリーという流れにあると感じた。折しも自分の出身地である香川県の讃岐うどんが話題になり、関東の蕎麦圏においてもうどん店が増えてきたので、本場の味を知っている自分ならもっとうまくできると考えた。そこで勤務していた商社や、取引で知り合った食品材料問屋や調理器具メーカーから出資を集めて脱サラ独立し、全国チェーン展開を目指して八八食品株式会社を設立した。

このチェーン店の特徴として、香川県の地元の小さなうどんの店のそれぞれの味の工夫を取り込むことで、わざわざ香川県に行って本場のうどん店の食べ歩きを四国八十八札所のお遍路のようにしなくてもよい、というコンセプトで「讃岐うどん 八八麺所」(略称:はちはちめん)と名づけた。讃岐では一般的なセルフ方式(カフェテリア)にして、少人数で運営できるスタイルである。

マスコミで讃岐うどんが採り上げられることが多くなるにしたがって、チェーン展開も順調に拡張していった。最初は香川県からうどんを仕入れていたが、他の讃岐うどんのチェーンは自家製麺所を持っているので、品質・コストの面で負けないために、株主の調理器具メーカーのつてで特別契約できる香川県の製麺所を紹介してもらい、共同で麺の開発に取り組んでいった。

讃岐うどん本格派へのこだわりを掲げて、東京のうどんとの差が歴然と判るように努力したので、それなりに話題になり、高い評価は得られたが、なにしろ商品単価が安く、経営上は苦しかった。同業のチェーン店も増え始めたので、ともかくブランドの確立を優先に考えて、少し高級な方向を目指し、うどんのファミリーレストラン形式の出店も行った。しかし家族連れで訪れる客は、家族全員がうどん好きとも限らず、メニューが多彩化しすぎて、かえって専門性を低くしてしまった。またコストもかかり、レストラン化は先延ばしにした。

そうこうしているうちに、低価格を武器に同業者の「は×○うどんチェーン」が全国に160店舗と躍進し、大きく差をつけられてしまった。株主とも話し合った結果、事業の目指すところはチェーン展開にあり、そのきっかけに「讃岐うどん」があるのであって、うどん屋同士で競っている場合ではなく、ラーメンも他のファーストフードも視野に入れた競争戦略を打ち立てなければならなくなった。ラーメンのグルメ店と同じようなことになってはいけないというのが株主の意見であった。

そこでもう一度白紙から外食産業の中での自社のポジショニングを考えた。ヒヤリング調査をしたところ、なかなか外食では家庭的なあっさりしたおかずがなく、後味がかなり記憶に残ることが再来店までの期間を長くしているという報告をヒントに、日常生活の中に溶け込んだカジュアルさを麺で代表し、飽きがこない心地よさの残る和風軽食として、麺にあう和風惣菜を特徴とすることで、単価を少し高くできると考えた。

和風惣菜は非常にバリエーションがあるので、試行しながらユニークな外食サービスを探り当てようということに社員も意欲をみせてくれた。そこで屋号の「讃岐うどん 八八麺所」から「讃岐うどん」を外した店も作り、あえて讃岐ののれんにこだわらないでメニュー開発に力を注ぐことにした。

一店あたりの集客は限られるので、ある程度の規模までチェーン展開しないとブランドが定着しないが、出店の経費は抑えたい。そのために駅周辺の再開発に取り残された商店街の喫茶店からの転業を主眼とし、規模は小さいが主要駅のそばに展開しようと考え、FC化ができるようにした。また商店街というロケーションを活かして、和風惣菜のテイクアウトも試行し始めた。そのために食品加工センター(業務委託)を設立している。

商店街はすでに弁当屋や寿司などいろいろなファーストフード店が並んでいるので,調度は民芸調にして落ち着きをもたせ、店内は蕎麦屋より明るく照明するなど、新展開のためのガイドを整えつつある。古い喫茶店から低コストで作り変えたFC1号店も開店し、FCノウハウも確立してきたので、現在の60店舗から毎月1店舗ずつくらいのペースで増やして行きたいようである。

一方、同業他社はWebやケータイでのプロモーションや、食材の販売を始めている。実はこの間に得られた「はちはちめん」の評価は、もっぱらお客さんのネットでの口コミに多くを負っている。そこで2004年に通販と配送の拠点を製麺所のある香川県に設立し、地元食材も含めたネット販売を始め、あわせて開店情報や新メニューの告知をし、お客さんのBlogなどからリンクしてもらうためにWebサイトを立ち上げた。

ネット販売はまだ1日あたり10~20万円の売上で1店舗と同程度だが、店舗数が増えてブランド力が出てくるのに沿って、Webやケータイのアクセス数を増やしていって、2006年度は売上を倍増したい。ネットに人をひきつけることができたならば、さらにその先の挑戦として、なんとかお中元お歳暮といったギフトとして売れないかと考えている。ここ1年くらいは実験的な取り組みをしてみたい。

これから充実させなければならないと考えているのは、店舗増加とともにFC化が進むことで品質のバラつきが出ないようにすること、FCの本部として広報機能を充実させなければならないことである。特に競合チェーンは、「は×○うどん」に吉□家の資本が入り、「○りけんや」にはJRの資本が入るなどして、駅前や駅内に出店しているのに対し、「はちはちめん」は場末に近いので、集客の仕掛けは重要である。

現在は開店の際はチラシのポスティングやクーポン雑誌広告掲載ぐらいである。なんとかプロモーションの定型を作って効率化したい。日常のプロモーションは店頭POPのみで、店内ではアンケートと引き換えに割引券(惣菜の1品プレゼント)を渡して、リピートを増やそうとしている。またケータイ向けのメルマガを薦めに来る業者が多いが、もはや通り一遍のメルマガでは注目されないのではないか、訴求力を強めるにはどうするべきかと思い悩んでいる。

FC本部としてはマスコミ対策も必要である。訴求点は、うどんの誤解を解くことにあり、炭水化物で太ると思う人が多いが低カロリーなので健康にはよく、習慣化しても問題ないことを、スマートに表現したい。

ご注意

本試験時点では、上記文書のほか、「財務諸表」、「参考資料(Webページの抜粋)」、「ニュース記事」などが配布されます。

設問サンプル

問1 A社の顧客コミュニケーションにおける課題を3つ記述しなさい。

・課題1:
・課題2:
・課題3:

問2 問1の課題解決に向け、A社へ提出する提案書に記載する施策について記述しなさい。

・施策の想定ターゲット顧客
・コンテンツやコミュニケーションに関する施策
・施策で使用するメディアと選定理由

問3 A社に提出する提案書のタイトル、提案の主旨(特徴)を記述しなさい。

・提案書のタイトル
・提案の主旨(特徴)

問4 A社へ提出する提案書をクロスメディアエキスパートとして記述しなさい。【記述形式:A4・横書き・3枚】