業務のオートメーションが進めば進むほど、今後の人材には高い角度の視点が求められる。
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「クロスメディアエキスパート」カテゴリーアーカイブ
21世紀型デザインに見るビジネスのヒント
デザイン概念の広がりとその思考プロセスは、メディアによる課題解決の糸口になるだろうか。 続きを読む
DTPエキスパートとして備えておくべきマーケティング関連知識
去る2月1日、第45期DTPエキスパート認証試験(3月20日 )の試験問題の新出題項目を発表したが、その一番目に「マーケティングと印刷物の連携」を挙げた。※受験申請締め切り2月25日
JAGATが今年度出版し、page2016のテーマとしても掲げ、様々な機会で議論をを進めてきたジョー・ウェブ博士著『未来を創る』でも取り上げているとおりこれからの印刷業界が踏み出していかなければならないマーケティング分野。特にデジタル印刷=オンデマンド、デマンド=マーケティングである事を考えてみてもマーケティング知識は必須である。
【新出題項目1:マーケティングと印刷物の連携】
・マスからOne to Oneへの変革 ・マーケティングオートメーションに関する知識(MA、CRM、SFAなど)
デジタルマーケティングにより、マーケティング対象がマスから非マスへと変わってきた。そしてCRM(Customer Relationship Management)の重要性が叫ばれるようになり、マーケティングの概念が根底から見直されるようになってきた。
これまでのマスマーケティングから顧客を明確化したOne to Oneへ、もしくはセグメント化した小グループに対してのマーケティングが主流となって来た。こうした動きはインターネット技術がベースで、個別対象に対してのアプローチ方法もメールやインターネットでのマイページなどが基本になっている。しかし、セールスメールの開封率は低く、日本ではIT常識として「セールスメールは開かずに廃棄した方が安全」などといわれているくらいだ。
しかし、マーケティングが変わってくると、マーケティングツールである印刷物も変わる必要があるのは自明で、One to Oneプリントが可能なデジタル印刷機を使用すれば、新しいマーケティングに対して、有効な紙メディアを提供することも可能になる。紙メディアは、五感に訴えかけられるという長所を持っており、その特性を発揮すれば価値のあるマーケティングツールになるということだ。
当然、印刷会社でも新しいマーケティングの概念が重要になり、特に営業やデザイン部門ではマーケティング知識が必要になって来るのは間違いがない。
MA(マーケティングオートメーション)とデジタル印刷のリンク、CRMでのDB技術などでは、DTPエキスパートとして、SEとの橋渡しができるレベルの理解度が必要になるはずである。そんな近未来への第一歩になるべく、印刷業界とデジタルマーケティングをつなぐ、新問題を用意する。
初歩的な問題なので一般的なマーケティングの常識と印刷知識があれば十分解答できるはずである。
【新出題項目2:DTPに関する常識の再認識】
・レイアウトデザイン ・洋装本 ・版面の決め方 ・外字事情 ・画像の貼り込みとRIPの設定
・RGB画像の扱い など
RGBファースト(イラストや画像をCMYKではなくRGBで作成)の世界が広がる中、再度CMYKの常識を再確認する。「RGBで作成した画像の色がおかしくなったのは、印刷が悪いからである」と単純に片づけてよいものだろうか?
RGB時代の印刷トラブルを見ていると、Bk量の設定、RIPの設定(墨ノセ、トラッピング量など)、外字などの知識があれば避けられるものがほとんどだ。基本知識を再確認する必要性を強く感じている。そのような知識の下でWeb、テレビ、印刷などのワンソースマルチユースを可能にする知識を問いたい。ワンソースマルチユースの中心にいるのは常にDTPエキスパートで有り続けてもらいたいというのが、願いでもある。
【新出題項目3:知的財産権に関する知識】
・盗用に関する意識、見識など
最近日本でも話題になった盗用問題など、イラストをはじめとした権利問題を問う。グラフィックデザインを主業務とするDTPでは非常に大切な見識である。
知的財産権には、特許権や著作権などの創作意欲の促進を目的とした「知的創造物についての権利」と、商標権や商号などの使用者の信用維持を目的とした「営業上の標識についての権利」に大別される。自分たちの権利を守るためにも、DTPエキスパートにとって知的財産権の知識は必須である。
【新出題項目4:IoTと印刷】
・QRコードとARなど
印刷物とインターネットをつなぐためにはさまざまな方法が考えられるが、代表的なものにQRコードやARなどがある。インターネットとリンクすることでログが取れ、最新式のスマートホン付属カメラはパネルにタッチするくらいの感覚でQRコードを認識できる。そんな手軽さからQRコードは実用ツールとして見直されている。
以上の4項目がそのまま問題となるわけではない。項目によっては2つ以上の出題になる場合もある。また、新出題にともなって従来問題の入れ替え、削除などを行い、従来問題についてもアップグレードを行う。結果的に、新出題項目を中心として全体の20%くらいの問題が入れ替わることになる。
(JAGAT資格制度事務局)
★DTPエキスパート45期試験及びクロスメディアエキスパート21期試験(3/20)の受験申請は2月25日(木)が最終締切です。
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顧客の良き相談相手になろう-自社を磨くツールとしての資格
自社を磨く方法論は多種多様であろうが、顧客から信頼されパートナーとして相談される会社を目指すという明確な指針のもとカリキュラム、試験問題、更新試験制度などを展開するJAGATエキスパート認証制度を、具体的な人材育成ツールとして活用してみてはいかがであろうか。
JAGATでは様々な機会を通じて、印刷業界の方々との交流や議論の場を設けてきた。例えば、地域のJAGAT大会であるJUMPにおいて、今年度はジョー・ウェブ博士の『未来を創る』を取り上げて、印刷業界の現状と最新動向を踏まえつつ、「自社のビジネスをどう変えていけばよいのか」という大きな課題について各地で意見を戦わせている。また様々な場において、「これからの時代に印刷会社の営業パーソンはどういった役割を果たす必要があるのか」といった話題に盛り上がることもある。
いずれにしても、かつて話題の主役であった技術動向云々の話に取って代わって、各地でこうした議論が中心となってきたのは、印刷会社は旧来のビジネスモデルや営業スタイルのままでは立ち行かなくなってくる、ということが既定路線として共通認識されているためであろう。
そうした中で「印刷会社の生き残り戦略において一番重要なのは良い顧客と付き合うことだ」という意見が出て、その場に参加していた一同が賛同、納得したことがあった。
もちろん、ここで言っている良い顧客とは継続的に仕事を出してもらえるという単方向の関係ではない。単なる受発注の関係であれば常に競合に奪われてしまうかもしれない危険性と隣合わせである。良い顧客とは、互いにWin-Winの関係を維持できる、すなわち相手にとっても良き相談相手である永続的なパートナーシップを築ける顧客のことをいう。
では、そうした良い顧客を得て、付き合っていくためにはどうすべきなのかという話になり、そのためにはやはり相手にとって相応しいパートナーたる自社を磨いていくしか無い、という結論になった。
顧客によりそい、顧客の課題解決に向けて会社全体で取り組める体制づくりが必須になったということである。そして、いまや自社を磨き、差別化を図れるのは設備、機械ではなく人材であることは自明の理であろう。
機械に仕事がついてきた、あるいは機械を稼働させるために仕事を取ってきた時代は終焉を迎え、サービスで課金、利益を確保できる体質への転換が必要となった。そのためにも営業力の底上げとともに彼らを支える企画提案力、印刷・加工技術のみならず付帯サービスや他メディア展開もできる実行力、プロジェクトやコラボレーションを司るマネージメント力など新たなスキルや知識を獲得しなければならない。まさに人材への投資こそが求められているのだ。
JAGATはシンクタンクとして業界の将来を展望し、方向性を示唆し、その方向に沿った具体的な施策講ずるという使命を負っており、また、また教育機関としてそれらが定着すべく様々な手段を通じで人材育成に貢献していかなければならない。
その、一つのソリューションがJAGAT資格認証制度である。
DTPエキスパートは、20年以上にわたって日本のDTPの定着と標準化を促し、そのカリキュラムは業界のデジタル教育のスタンダードとなったと自負している。発足当初は、現場が安定してDTPで良い印刷物が制作できるための正しい知識と、変わりゆく制作環境に対応できる人材を目指したが、現在ではメディア設計のスーパーバイザーとして、印刷会社の強みを最大限に発揮できる人材の育成を目指している。コンテンツを各メディアに編集・管理できるディレクション能力とともに、文字、組版、色、画像など本来印刷会社が持っているノウハウをデジタル時代活かしきるスキルと知識を得て、顧客から信頼される実行力を身につけるものだ。
もう一つの資格認証制度であるクロスメディアエキスパートは、業界が新しい方向へ踏み出す道筋として、印刷メディアが置き換わっていく先のメディア戦略のコーディネーター育成を目指している。
クロスメディアエキスパート認証制度は、JAGATが2002年に発表した提言「印刷新世紀宣言」に端を発している。これは情報伝達が加速度的にネットへとシフトしていく状況、それに伴い印刷サービスの高度化や付帯サービスの開発など得意先のビジネスのパフォーマンスの向上を手掛ける必要があること、技術の進展により印刷の定義や応用範囲を変えるところまで来たということなどを整理して、これからの時代に印刷業界側から切り開いて、価値を生むことができるものは「クロスメディア」と「eビジネス」と「デジタルプリンティング」に集約できる。としたものである。
そこで、顧客のビジネスパフォーマンスの向上、すなわち課題解決のためには印刷というタスクを売るのではなく、タスクが重要とされる戦略を練る能力を売る人材がこれからの業界に必要になってくると考えた。そのためには、ヒアリング能力、分析能力、多様なメディアを組み合わせて最大効果を上げる提案能力などが欠かせない。これらをベースに足掛け4年がかりで有識者を集めカリキュラムを編成し、2006年から資格試験として実施しているものである。
そして両資格を、組織において役割に応じて身に付けるこにより、顧客の課題把握(コミュニケーション、ヒアリング)から提案(企画立案、マーケティング戦略)~実施(マネジメント、サービス、メディア制作)~効果測定(分析、PDCA)~改善(課題抽出、提案)という、パートナーとしての継続な関係を維持できるサイクルが構築できると考えている。
(CS部 橋本和弥)
エキスパート認証制度 今期の取り組み動向
8月30日に実施した第44期試験の実技試験の提出は、9月28日(月)に締切を迎えた。
今期試験への取り組み動向と試験で取り上げたテーマについてお伝えする。
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メディアビジネスの未来を担う人材育成–団体受験制度の活用
今週末8月30日に第44期DTPエキスパート/第20期クロスメディアエキスパート認証試験が開催されます。今期も多くの企業の方々が団体受験制度を活用して試験に臨まれ、取得後の活躍を期待されています。
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