JAGAT info」カテゴリーアーカイブ

コロナ禍で「変わる」ためのヒント

去る10月30日より、「JAGAT地域大会オンライン」通称Web JUMPを開催している。11月8日までの期間限定での開催で、JAGAT会員企業は無料で視聴が可能である(要事前登録)。ぜひ、会員企業の皆様はご視聴いただきたい。
さてこれは、例年全国5カ所(東北、中部、近畿、中国・四国、九州)で開催してきた地域版JAGAT大会を、今年は新型コロナウイルスにより影響を考慮して全国共通のオンライン開催としたものである。新型コロナウイルスによる影響、いわゆるコロナ禍はあらゆるところに影響を与えたと言うよりも、影響の出なかった分野を探す方が難しいであろう。仕事にせよ日々の暮らしにせよ、変化が要求されて、変化が推し進められてきた。
変化の当初は、やはり戸惑う。いきなりすんなりと変化を受け入れられる人というのは、そう多くはない。今でこそZoomによるオンライン会議は一般化したが、コロナ禍当初は、機材の取り扱いや、そもそもオンラインで会議を行うということ自体に対して、戸惑いや、あるいは否定的な感情を持った方もおられたはずだ。しかし、いったん慣れてしまえばこっちのものである。
今までの常識が薄まっていく、崩れる。例えば『JAGAT info』10月号掲載の「印刷会社の新卒採用の取り組み実態調査」によれば、採用プロセスにおいて社長・役員との最終面接をコロナ対策でオンライン化を検討すると12.3%の企業が回答している。このコロナ禍を約半年経ている今ならば、この数字に対して納得感はあるが、これが昨年の今だったら、または今年の春先だったらどう感じていたであろうか。これが慣れであり、変化だ。
変化は徐々に起こるのかもしれないし、あるときを境に一気に起きるのかもしれない。だけれども、自分たちの行き先は自分たちで掴み取っていきたい。そう考える人は多い。人によってさまざまな、まさに千差万別な取り組みを、『JAGAT info』では今後もご紹介していく。ヒントはすぐそこにあるのかもしれないのだから。
                               (『JAGAT info』編集部)
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『JAGAT info』2020年9月号

JAGAT info 2020年9月号表紙

特集|「2019年度印刷産業経営動向調査」戦略分析

不透明感濃くなる状況の負けない戦略 将来を見据えた布石を多く打つために

研究調査部 藤井 建人

特別企画

新型コロナ感染下における2020年度のJAGATイベントについて

JAGAT 専務理事 郡司 秀明

連載

■デジ印奏論
デジタル印刷はオフセット印刷の代わり?
星 輪太郎

■マーケティング情報
デジタルと紙で光明の見え始めた出版ビジネス
サプライチェーンを構成するプレイヤーの動向を手がかりに
研究調査部 藤井 建人

■技術トレンド/クロスメディア
オンラインブランドがリアル店舗で商品を販売できる「SpaceEngine」
研究調査部 中狹 亜矢

■技術トレンド/グラフィックス
3つの指標を用いた顧客製品分析
研究調査部 花房 賢

■ Education
若手社員の成長のカギとなるフォローアップ講座
CS部 伊藤 禎昭

■エキスパート資格
変化が迫られる人材育成手段
資格制度事務局 丹羽 朋子

■デザイン・トレンド
コロナ禍を乗り越えるためにデザインでできること
研究調査部 石島 暁子

■デジタル印刷最前線
本社工場を展示ホール化。製本加工からスマートファクトリーを提案する
株式会社ホリゾン

■PRのページ
SDGsに対するモトヤの取り組み
株式会社モトヤ 代表取締役社長 古門 慶造氏

■森 裕司のデジタル未来塾
共有&校正ワークフロー

■DTPエキスパートのための注目キーワード
スクリーニング、高精細印刷
研究調査部 千葉 弘幸

■クロスメディアエキスパート試験でも役立つ課題解決入門
デジタルサイネージの進化とセンシングサイネージ
影山 史枝

■印刷界OUTLOOK
折込広告
研究調査部 松永 寛和

■Keyword2020
感性マーケティング
専務理事 郡司 秀明

■西部支社便り
テレワーク実施状況と導入の秘訣
西部支社長 大沢 昭博

■ワールドプリントサテライト
世界初の印刷ハッカソン開催 ほか
研究調査部 丹羽 朋子

■印刷経営ウォッチング

■消息

■JAGAT事業のご案内
JAGAT通信教育のご案内/『JAGAT 印刷産業経営動向調査2020』のご案内/図書のご案内/JAGAT印刷総合研究会のご案内/秋のフォローアップ総合研修の/ご案内/オンライン印刷ビジネス開発/実践講座のご案内/生産性向上支援訓練のご案内/オンライン印刷経営幹部/ゼミナールのご案内/『みんなの印刷入門』のご案内/『対談・データ・事例から読み解く テレワーク時代の印刷ビジネスモデル読本』のご案内

2020年9月15日発行 A4判 64ページ

JAGAT info 最新号

JAGAT info バックナンバー

『JAGAT info』2020年8月号

JAGAT info 2020年8月号表紙

特集|「2019年度印刷産業経営力調査」業績分析

withコロナ時代の経営モデルを考える 訪れる環境変化とその適応のために

研究調査部 藤井 建人

特別企画|ウェブ座談会

コロナ禍で印刷ビジネスはどう変わるか

フュージョン 代表取締役会長 花井 秀勝氏
グーフ 代表取締役CEO 岡本 幸憲氏
アビームコンサルティング 顧問 本間 充氏
JAGAT 専務理事 郡司 秀明

連載

■デジ印奏論
使いこなせますかバリアブル印刷
星 輪太郎

■マーケティング情報
通販業界の最新動向2019-2020
コロナ禍で活況、物流面にイノベーションの兆し
研究調査部 藤井 建人

■技術トレンド/クロスメディア
2020年上半期のデジタル関連注目キーワード
研究調査部 中狹 亜矢

■技術トレンド/グラフィックス
リモートワークに対応する技術、製品の導入が進む
研究調査部 花房 賢

■ Education
社員の相互成長と主体的な学びの風土を考える
CS部 古谷 芸文

■エキスパート資格
情報の保持力と導線設計
資格制度事務局 丹羽 朋子

■デザイン・トレンド
デザインの本質に触れる企画展
「㊙展 めったに見られないデザイナー達の原画」
研究調査部 石島 暁子

■デジタル印刷最前線
コロナ禍での設備投資に手応え
Jet Pressを新たな武器に総合力で勝負する印刷会社
株式会社井上総合印刷

■森 裕司のデジタル未来塾
CCが一斉にアップデート

■DTPエキスパートのための注目キーワード
校正・校閲、検版 研究調査部 千葉 弘幸

■クロスメディアエキスパート試験でも役立つ課題解決入門
近年の購買行動プロセス ULSSAS・PIXループ
影山 史枝

■印刷界OUTLOOK
従業者数 研究調査部 松永 寛和

■Keyword2020
AGV 専務理事 郡司 秀明

■西部支社便り
New Normalとafterコロナを考える 西部支社長 大沢 昭博

■ワールドプリントサテライト
drupa 2021を9日間に短縮して開催 ほか
研究調査部 丹羽 朋子

■JAGAT印刷総合研究会月例開催レポート
広告と通販、DMの最新動向とコロナの影響
講師:北原 利行氏・椎名 昌彦氏・三浦 千宗氏

ビジネス×マンガの最新動向
コロナ時代に活きる対面不要の広告、採用、教育戦略
講師:前田 亮氏・谷口 晋也氏・湊川 あい氏

コロナとテレワークは社会と印刷をどう変える
JAGATテレワークガイドブック発刊記念、調査結果と事例から
講師:齋藤 正秋氏・牧野 陽一氏・恒川 博好氏・小松 勢至氏
西田 宗千佳氏・郡司 秀明・藤井 建人

■JAGAT 第53回通常総会開催

■印刷経営ウォッチング

■消息

■JAGAT事業のご案内
『みんなの印刷入門』のご案内/オンライン印刷幹部ゼミナールのご案内/図書のご案内/JAGAT印刷総合研究会のご案内/『印刷経営動向調査2020』のご案内/オンライン印刷ビジネス開発/実践講座のご案内/JAGAT通信教育のご案内/『対談・データ・事例から読み解く テレワーク時代の印刷ビジネス読本』のご案内

2020年8月15日発行 A4判 60ページ

JAGAT info 最新号

JAGAT info バックナンバー

入稿1時間後に発送 超短納期で業界紙を支える印刷会社

JAGAT info 6月号では大量のデジタル印刷機を保有し、日刊紙の印刷を得意としている株式会社東伸企画の事例を報告した。今回はその一部を抜粋して紹介する。

日刊紙に特化した印刷会社

株式会社東伸企画は東京都墨田区にあり、都営新宿線菊川駅から徒歩1 分という好立地にある。強みとしているのが、日本トップクラスのデジタル印刷機の保有台数を生かした日刊紙の印刷、および配送システムである。原稿を受け取った数分後には印刷を開始し、わずか1 時間で発送を始める。この超短納期対応はいかにして可能となっているのか。東伸企画取締役の宮木豊史氏にお話を伺った。

東伸企画が現在扱っている日刊紙は小ロットがメインであり、多いものでも3000 部、少ないものでは150部程度のものもある。一般に業界紙は、自前の印刷機で冊子を印刷して配送するという場合もあるが、全国への流通網を維持することは簡単ではない。発行部数の減少に伴って、宛名の管理から印刷、配達までを請け負う東伸企画に一括で依頼されるという例が増えている。 デジタル印刷機は早くから取り入れており、20 年前に最初の機械を導入した。6年前にデジタル印刷機への完全移行が終わり、カラー機が増えるなど、設備の質も向上している。

日本トップクラスのデジタル印刷機保有台数

工場の中をのぞいてみると、まず驚かされるのがデジタル印刷機の台数である(写真3)。モノクロ機としてキヤノンのVarioPrint の6330(写真4)と6320が2 台ずつ。コニカミノルタのbizhub PRESS 1250(写真5)が6 台、Accurio Press 6120 が2 台。カラー機としてRICOH Pro C7110 SHT(写真7)が4 台並んでいる。

工場内の様子で印象的だったのは、全体的に静かだということだ。分刻みのスケジュールということから、工務やオペレーターの指示が飛び交っている現場を想像していたのだが、各自が整然と作業をこなしている。

また、他の印刷工場と比べて、積まれている印刷済みの用紙がほとんどないのも特徴的だ。入稿から発送までがタイトなスケジュールのため、印刷したらすぐに製本し、続けて発送準備に入ってしまう。時間がないことにより、かえってスムーズに進んでいる部分もあるのだ。これが可能となっているのは、余裕をもってデジタル印刷機をそろえているからである。マシントラブルでどれかの機械が止まっても、空いている他の印刷機に振り替えることでロスを吸収している。

基本的には質よりも早さが重視される日刊紙であるが、近年では品質も大きく向上している。モノクロについては生産性・品質ともにVarioPrint が素晴らしく、特に表裏同時転写を採用しているため見当性が非常に高い。VarioPrint は、欧米の印刷会社で数多く使用されており、モデル6330 はA4 両面が1 分間に328 枚出力でき、それに対応する大容量の給紙部と排紙部も持っている。デジタル印刷機では、製本ラインと生産力との差がアンバランスになることも多いが、VarioPrint では抜群の生産力から製本ライン側の待ち時間を軽減することができ、大きな強みとなっている。 また、顧客からの要望で、表紙にカラー写真を入れられるようになったのも大きな変化である。日刊紙にカラー写真を入れるのは、かつては考えられないことであったが、デジタル印刷であれば可能である。現在はRICOH Pro C7110 SHT が4 台あり、カラーについても余裕を持って印刷を進行している。今後は日刊紙のカラー化を新しい価値として、顧客にもアピールしていくとのことだ。

都心型の印刷会社の利便性を活用

東伸企画が都心にある理由は、扱っているものが紙(印刷物)だからである。締切時刻を伸ばすために企業努力を重ねてきたが、最もネックになっているのが郵便局の配達受付終了時刻である。東伸企画は銀座郵便局から15 分圏内にあり、ぎりぎりまで入稿を伸ばせる理由になっている。また、2017年には大阪に支局を作り、大阪以西の配達先はそちらで印刷している。

インターネットで最新の情報が手に入る世の中だからこそ、配達が翌々日になってしまっては意味がない。たった一日で商品価値がなくなってしまうため、超短納期の需要はより増しているといえるだろう。東伸企画はデジタル印刷の強みを生かし、さまざまな業界を支える情報を今日も伝えている。

(「JAGAT info」2020年6月号より抜粋)

(JAGAT 研究調査部 松永寛和)