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印刷白書2022

印刷白書2022

印刷産業の現在とこれからを知るために必携の白書
第1章 Keynote 印刷会社の造注・創注戦略
第2章 印刷産業の動向
第3章 印刷トレンド
第4章 関連産業の動向
第5章 印刷産業の経営課題

発行日:2022年10月21日
ページ数:128ページ 判型:A4判
発行:公益社団法人日本印刷技術協会
定価:9,900円(9,000円+税10%)
JAGAT会員特別定価:8,300円(7,545円+税10%)

 

解説

印刷産業のこれからを知るために必携の白書『印刷白書2022』

あらゆる産業を顧客とする印刷産業は、さまざまな産業と密接に関わりを持っています。「印刷白書」では、印刷産業の現状分析から印刷ビジネスの今後まで幅広く取り上げています。

印刷・同関連業界だけでなく広く産業界全体に役立つ年鑑とするために、社会、技術、産業全体、周辺産業というさまざまな観点から、ビジョンを描き込み、今後の印刷メディア産業の方向性を探りました。

印刷業界で唯一の白書として1993年以来毎年発行してきましたが、2022年版では海外動向、労務管理、営業戦略などの項目を追加しました。

印刷関連ならびに情報・メディア産業の経営者、経営企画・戦略、新規事業、営業・マーケティングの方、調査、研究に携わる方、産業・企業支援に携わる方、大学図書館・研究室・公共図書館などの蔵書として、幅広い用途にご利用いただけます。

「第1章 Keynote」では「印刷会社の造注・創注戦略」をテーマに、印刷ビジネスの課題解決に取り組んでいます。「第2章 印刷産業の動向」では印刷産業の現状と課題を俯瞰的に捉え、「第3章 印刷トレンド」では技術課題を整理しました。「第4章 関連産業の動向」ではクライアント産業の動向を探りました。「第5章 印刷産業の経営課題」ではSDGs/ESGから人材まで印刷産業が取り組むべき課題を整理しました。
印刷メディア産業に関連するデータを網羅し、UD書体を使った見やすくわかりやすい図版を多数掲載し、他誌には見られないオリジナルの図版も充実させました。

CONTENTS

第1章 Keynote 印刷会社の造注・創注戦略
いま印刷業界に必要なのは「創注」

第2章 印刷産業の動向
[産業構造]付加価値創出と事業領域拡大で印刷ビジネスの可能性を広げる
[産業連関表]あらゆる産業を顧客とする印刷産業の取引を見る
[市場規模]共創による課題解決型産業へビジネスモデルの転換を
[上場企業]新しい価値の創出に向けて歩みを止めない上場印刷企業
[海外動向]社会経済視点で価値につなげる印刷ビジネス
*関連資料 産業構造/産業分類・商品分類/規模/調達先と販売先/産業全体への影響力と感応度/最終需要と生産誘発/印刷物の輸出入額と差引額/印刷製品別輸出入額/印刷物の地域別輸出入額/印刷物の輸出入相手国/経営動向/上場企業/生産金額(製品別)/生産金額(印刷方式別)/売上高前期比・景況DI/設備投資・研究開発/生産能力/紙・プラスチック/印刷インキ/M&A

第3章 印刷トレンド
[デザイン]自社の強みをブランド化し、新たな顧客と出会う
[ワークフロー]オンデマンドビジネスを成功させる3要素
[オフセット印刷/デジタル印刷]紙への回帰と、さらに求められる小ロット化と環境への対応
[用紙]資源価格の高騰に揺れる製紙業界、環境対応への取り組みも続く
[後加工]デジタル化と加飾技術は進展するも製本業界への逆風はやまず
*関連資料 デジタル印刷/フォーム印刷業界

第4章 関連産業の動向
[出版業界]異業種連携で活発化する出版構造改革
[電子出版]成長が続く電子出版ビジネスと電子図書館サービス
[新聞業界]外部環境変化に戸惑いを隠せない新聞業界
[広告業界]インターネット広告がさらに拡大し、広告市場は大きく回復
[DM業界]デジタルマーケティングで量から質へと進化するDMメディア
[折込広告他]コロナ禍が変える購買行動と地域のイノベーション
[通信販売業界]”通販・EC市場、11.4兆円市場へ拡大 コロナ禍特需の反動でカタログやテレビは伸び悩む
*関連資料 出版市場/電子出版市場/新聞市場/広告市場/通販市場

第5章 印刷産業の経営課題
[SDGs/ESG]サステナビリティをいかに事業活動と結び付けるか
[地域活性化]地方創生戦略からデジタル田園都市構想へ
[経営管理]守りの「見える化」と攻めの「営業改革」
[デジタルマーケティング]「受注」「印刷」「配送」など業務視点から印刷会社を最適化
[労務管理]多様性を重視した働き方を実現するための労務管理の在り方
[営業戦略]「付加価値を高める営業」へ進化させるためのデジタル化推進
[人材]動画ビジネス成功のカギは人材育成・人材確保
*関連資料 クロスメディア/デジタルマーケティング/人材

●巻末資料
DTP・デジタル年表/年表/『印刷白書』年表/印刷産業&関連団体アドレス

『JAGAT info』2022年5月号

JAGAT info 2022年5月号表紙

特集|page2022開催報告

インサイドセールスの機能と役割 ―マーケティング部長2人が語るニューノーマルの営業―

株式会社研文社 マーケティング室 室長 川口 学 氏
東洋美術印刷株式会社 マーケティング&営業本部 本部長 丸山 博司 氏
公益社団法人日本印刷技術協会 研究調査部長 藤井 建人

特別企画|page2022開催報告

勝ち残る印刷会社のマーケティング戦略

シンフォニーマーケティング株式会社 代表取締役
中央大学大学院ビジネススクール 客員教授
庭山 一郎 氏

連載

■印刷界OUTLOOK
出版 研究調査部 藤井 建人

■Recreating the future ―印刷の現在とこれから―
第10回 メディアの“本質”を捉えたときに真の価値が生まれる
山口 実

■技術トレンド グラフィックス
デジタル印刷機の活用度は伸び悩むも、DXの下地は整いつつある
~日印産連デジタルプレス推進協議会
「印刷業界におけるデジタル印刷に関するアンケート調査」報告書より〜
研究調査部 花房 賢

■デザイン・トレンド
漫画とデザイン展
漫画を通じてデザインの可能性に気付く展覧会
研究調査部 石島 暁子

■デジタル印刷最前線
JAGATが印刷発注者の立場になり、デジタル印刷機で実際にテスト印刷を行う
東洋美術印刷株式会社

■キーワード2022
データ・サイエンティスト(その弐)
専務理事 郡司 秀明

■デジ印奏論
36 脱墨について考える
星 輪太郎

■Education
新入社員の皆さんへ
〜印刷技術の基礎知識をしっかり学び、お客様の信頼を得る
CS部 橋本 和弥

■マーケティング情報
BtoBマーケティング研究の現在
―産業財と消費財の違いの視点によせて―
研究調査部 藤井 建人

■ワールド・プリント・サテライト
ラベル・パッケージにおけるデジタル加飾の価値 ほか
研究調査部 丹羽 朋子

■専務のつぶやき
14 マーケティングとトップダウン
専務理事 郡司 秀明

■森 裕司のデジタル未来塾
122 CC時代のクラウド活用

■エキスパート資格
全体像を描いてからデータを扱う
資格制度事務局 丹羽 朋子

■西部支社便り
入社がゴールではない
西部支社長 大沢 昭博

■DTPエキスパートのための注目キーワード
スクラッチ印刷
研究調査部 千葉 弘幸

■クロスメディアのトレンドワード
航空法の2022年改正で変化するドローンのビジネス活用
影山 史枝

■ニュースラウンジ
ギンザ・グラフィック・ギャラリー第387回企画展「TDC 2022」開催 ほか

■印刷経営ウォッチング

■ニューメンバー・消息

■JAGAT事業のご案内
『みんなの印刷入門』のご案内/「JAGAT印刷総合研究会」のご案内/「よくわかる印刷技術・基本コース」のご案内 図書のご案内/「よくわかるレイアウトデザイン基本コース」のご案内

2022年5月15日発行 A4判60ページ

JAGAT info 最新号

JAGAT info バックナンバー

印刷顧客を生むメディア展開のヒント

印刷会社からこれまでになく、印刷営業におけるメディア展開の話を聞くようになった。容易に訪問営業できない時代の新規受注はどうするか。足で稼ぐことも重視しつつ、一方ではメディアによる接点創出の模索が活発化している。

 

テレワークによる新規営業の変化

メディアの使い方が変わっている。いままでは生活者や印刷発注者の動向を見てきたが、いま変わりつつあるのは印刷会社自身のメディア活用である。発注者がテレワークで自宅勤務になってしまい、気軽に訪問できなくなった。彼らにどのようにリーチすればよいのか。印刷会社がこれまでになく様々なメディアによるアプローチを試み始めている。

印刷におけるBtoBマーケティングの難しさ

そもそも、印刷会社の顧客はどこからどのように生まれるのか。仮説であっても、この問いへの答えを持っておくことが必要なように思われる。印刷ビジネスはBtoCではなく法人営業なので、どうにも一般的なマーケティング理論を適用しにくいのが難しいところだ。BtoBは消費財と違い、個人の選好や感情に左右されて取引されることは少ない。その購買プロセスは秘匿性が高く公開されるような成功モデルは少ないのである。とはいえ、自社なりの顧客創造シナリオをつくってみなければメディア設計ができない。

地域商圏での事例を広域発信

今までは訪問営業が絶対的な存在感だったが、コロナ禍によって大きく変わった。遠方への営業が難しくなり、地元商圏に回帰せざるを得なくなった。他方、情報発信に秀でた印刷会社では、ウェブサイト経由などで遠方の見知らぬ顧客から引き合いが舞い込み、受注にまで発展する例が増えている。つまり、オンライン体制を整えつつ地元商圏を重視すれば、地域での成功例を広く発信することで、商圏を広域に広げる手法が可能な時代なのである。

対面以外のチャネルを確保する

多くの受注が続々と飛び込むことを期待するのではなく、顧客が自然流入するようなメディアの導線をつくる。元々、飛び込み営業の打率はとても低いのだし、既存顧客の一定数が失注する分を補える仕組みができれば充分だ。コロナ後に向けて、いわば顧客が自然発生的に生まれるメディアの組合せをいくつ持つかが成長性を分けていく。そしてウェブサイトに来てもらうにもまず自らの発信が必要になる。

人的営業は依然強いがデジタル移行も確実

JAGATの調査では、コロナ前、印刷会社の顧客の6割強は訪問営業から生まれていた。しかしコロナ禍以降は5割強に低下、約1割がデジタル手法に移行した。独自製品開発志向や地域活性化志向の高かった企業は発信コンテンツに事欠かないが、従来型の受注スタイル企業において苦戦が顕著になっている。自社の強みや独自性がないと、注目を集めようにも発信するものがない。メディアに乗せる以前にコンテンツの制作から議論を始めることになる。

自社の強みとメディアで創注する

ただし、現代まで存続したすべての印刷会社には他社と違う何かがある。印刷会社が自社のウェブサイトなどのメディアを見直していくことは、自社の強みや独自性を再発見し、明確化していくことになる。コロナ禍で加速したデジタル化によって、メディアの全体動向はどのように変わり、自社はどのように対応していくべきか。印刷会社は顧客のデジタルメディア化に対応してきたが、自社のメディア展開を考えるべき局面になっている。
(研究調査部 藤井建人)

■関連セミナー

2022年3月30日(水) 14:00~16:40
広告と通販、印刷営業に見るメディア最新動向2022
-印刷顧客を生むメディア展開のヒント-

 

『JAGAT info』2022年2月号

JAGAT info 2022年2月号表紙

特集

アメリカのダイレクトメール事情と、日本の印刷ビジネスへの応用

―JAGAT大会2021の基調講演を改めて読み解く― 株式会社マーケティングサイエンスラボ 所長 本間 充

特別企画

JAGAT Study Session OMO(Online Merges with Offline)を実現するマーケティングDXソリューション

講師:富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 グラフィックコミュニケーション事業本部 システムエンジニアリング部 DX推進グループ グループ長 荻野 賢 氏

連載

■印刷界OUTLOOK 印刷生産額 研究調査部 藤井 建人

■マーケティング情報 印刷通販の成功要因 サービスの立ち上げから成長への20年間を振り返って 研究調査部 藤井 建人

■経営情報 フレームワークの活用(上) 外部環境と内部環境を正確に把握するために 株式会社GIMS 佐藤 穣

■マーケティング・ナウ 第8回 「人」中心のマーケティングの勧め 本間 充

■技術トレンド グラフィックス 標準原価を活用した部門別収支管理 研究調査部 花房 賢

■デザイン・トレンド 「2121年 Futures In-Sight」展 未来に向かうための視座を考える展覧会 研究調査部 石島 暁子

■キーワード2022 リターゲティング広告 専務理事 郡司 秀明

■デジ印奏論 33 「いいね」を作ろう 星 輪太郎

■デジタル印刷最前線 トピック技術セミナー2021を振り返る

■専務のつぶやき 11 マーケティングに関わる印刷会社/印刷業へ 専務理事 郡司 秀明

■ワールド・プリント・サテライト EFIの事業再編と今後の展開 ほか 研究調査部 丹羽 朋子

■Education ビジネス環境の変化に対応した新入社員研修 CS部 加治 寛子

■特別レポート アビリンピック全国大会、初の東京開催 影山 史枝

■西部支社便り メタバース、できることは何? 西部支社長 大沢 昭博

■森 裕司のデジタル未来塾 119 変わるフォント環境

■エキスパート資格 PDF/X-4はPDF入稿のスタンダードとなったか 資格制度事務局 千葉 弘幸

■DTPエキスパートのための注目キーワード 画像の解像度とデータ量 研究調査部 千葉 弘幸

■クロスメディアのトレンドワード コロナ禍で変わるオンラインイベントとファンマーケティング 影山 史枝

■ニュースラウンジ ギンザ・グラフィック・ギャラリー第386回企画展「ソール・スタインバーグ シニカルな現実世界の変換の試み」開催 ほか

■印刷経営ウォッチング

■消息

■JAGAT事業のご案内 『JAGAT印刷産業経営動向調査2021』のご案内/『みんなの印刷入門』のご案内/「JAGAT印刷総合研究会」のご案内/「JAGAT新入社員セミナー2022」のご案内/印刷総合研究会「page2022から/読み解く印刷業の未来」のご案内/『新版 DTPベーシックガイダンス』のご案内/図書のご案内

2022年2月15日発行 A4判60ページ

JAGAT info 最新号

JAGAT info バックナンバー

コロナで変わる新規開拓営業と創注・造注

コロナ禍以降、印刷会社の方とディスカッションすると、次の3つが課題に挙げられることが多い。

 

・リードが取れない
・コンテンツがない
・オリジナルがない

従来、印刷業の見込み客は訪問営業や紹介、展示会から生まれていた。しかしこれら対面の機会がなくなって新規開拓が難しくなった。「リード(見込み客)」が取れなくなってしまったのである。訪問できない代わりに、ウェブサイトやメルマガなどの発信を強化する方向に向かうが、今度はコンテンツがない、という話になる。

印刷業は、基本的に顧客側で原稿を作ってから需要が発生するという、いわゆる受注型産業である。自社オリジナルの製品と技術がない会社が多い。そうすると発信するにしても、「年賀状が早割で20%OFF」といったコンテンツになってしまう。いったい、まだ見ぬ見込み客は、これを見てコンタクトを取ってくるだろうか。

原点に戻って考えると、一つは営業企画機能がないこと、もう一つは研究開発機能がないという、組織論、機能論に行き着く。製造業として、事業創造のこの2大機能がなければ、今の時代は手詰まりになってしまう。右肩上がりの時代が長かったし、縮小期に入ってからも、訪問営業が可能な時代はまだ良かった。

つまり、リード、コンテンツ、オリジナルは一体で機能する。これらがないまま、デジタル施策に大きな投資をしてもたぶんうまくいかない。逆に、印刷会社の強みは、印刷機という設備、工場という場所、技術者という人、の3点である。これら強みと困っていること、そしてウェブや地域社会との組合せから、新たな取り組みができないか。

Indigo7kを活用する中本本店(広島)の「ライツ・ラボ」、「インサツビト」による「印刷Lab.」の取り組み。朝日印刷工業(群馬)の口コミ情報サイト「ぐんラボ」、JetPress、Iridesse、imagePRESSなどを有し、商店街に2号店を出したオンデマンド印刷ショップ「DiPS.A」の取り組み。たとえばこの2社は自社に人と情報が集まり、最終的に需要や事業を生むラボの運営に秀でている。こうして、各社に聞くと創意工夫を凝らした展開をしていることがあって興味深い。

1月31日から2月10日にかけて、オンラインで開催されるpageカンファレンスは、全国どこからも参加できる。勝ち残るマーケティング戦略、インサイドセールスの役割、新事業開発の経験、ウェブ活用と地域活性化、ビジネスのタネの見つけ方など、アフターコロナに向けた売上高創造に向けた創注、増注に向けた多くのヒントが提供される。2月2~4日にかけて開催されるpage展示会にも多くのヒントがあると思う。

(研究調査部 藤井建人)

■創注・造注関連page2022カンファレンス・セミナー(1/31~2/10)

2022/1/31 【プレセミナー】今こそマーケティング!(基礎解説編)
2022/2/7  新事業開発でぶち当たる壁をいかに乗り越えたか
2022/2/8  インサイドセールスの機能と役割
2022/2/8  勝ち残る印刷会社のマーケティング戦略
2022/2/9  webと地域活性化による事業創造
2022/2/10  ビジネスのタネの見つけ方、つくり方、育て方


page2022オンラインカンファレンス・セミナー 計12本
基調講演・プレセミナー 2本
カンファレンス・セミナー 10本

関連レポート
2022年1月20日 page2022カンファレンスセミナーの副題は「造注」
2022年1月19日 コロナで変わる印刷営業とその体制
2021年11月24日 マーケティングの潮流、BtoCとBtoBの視点から

コロナで変わる印刷営業とその体制

コロナ禍は営業を変えた。需要水準は切り下がり、発注者の価値観は変わり、訪問営業しづらくなり、オンライン会議システムとオンライン校正は急速に普及した。JAGAT調べでは印刷会社の約3/4は外勤営業しかいない。これからの営業はどうすれば良いか。

 

長引くコロナ禍の影響

コロナ禍以降、初回の緊急事態宣言の発出を経て急減した印刷需要は、20年5月に未曾有の落ち込みを記録した。以降は感染の縮小と拡大に合わせて一進一退となっている。全体には持ち直しつつあるが、コロナ前の水準には戻らないだろう。さらにオミクロン株によって不透明感が増すなど、悪材料が出るたび観光業界などへの打撃を通して商業印刷に影響する繰り返しだ。

コロナ禍は施策の差が業績差に現れやすい

市場縮小とは裏腹に、売上高の落ち込みが軽微、むしろ増えた企業もある。現在のように売上高が大きく変動する局面は、施策の差が業績の差として表れやすい。そこでこうした企業の戦略を分析して、ニューノーマルに向けた手がかりをひとつでも多く得ようと試みている。市場は企業にとっての戦場なので、現状や方向感を掴むことはまず何より基礎である。

対策は売上高構築に求める必要

次に施策をどうするかである。コストダウンでは追い付かないほどの変化である以上、対応の中心を営業・売上高対策に置かざるを得ない。一般に印刷会社の損益分岐点比率は95%程度なので、売上高が5%落ちればほとんどの企業は赤字化してしまう。とはいえ従来型の訪問営業を活発化させるわけにはいかない。売上高構築には新たなアプローチが必要である。

営業担当者を経由しない仕事が増えている

コロナ禍以降の印刷会社を見ると、営業のあり方が大きく変わっている。インサイドセールスと呼ぶべき内勤営業がウェブサイトやメルマガ、SFA/CRM/MAなどのデジタル施策を駆使する例がある。顧客要請もあって制作がオンライン校正を活用し始めた例もある。webを充実しておいたおかげでコロナ禍以降は新規引き合いが増えた印刷会社も少なくない。こうして、従来はすべての業務が営業部門を経由したが、各部門が顧客と直接につながり始めた。

変わる顧客との接点、営業からマーケティングへ

したがって印刷会社と顧客の接点は、営業担当者と印刷発注者のクローズドで線的なもの、ではなくなった。多様な接点のそれぞれが顧客とつながる面的なものに移行した。そしてそれは、見込み客の創出において、もっと顕著になっている。地域社会あるいは自社の得意な業界と複数の接点を持つ必要性の有効性が高まった。コロナ禍でも堅調な企業は、将来の見込み客が持続的に生まれるフィールドの育成に長けている。営業の役割はどのように変わるのか。

受注・顧客創造企業へ、工場見学など自社拠点を活用

JAGATは中小印刷業を対象に「顧客・地域接点実態調査」を行い、顧客創造の仕組みの解明に取り組み、分析は『JAGAT info』2021年11・12月号に掲載した。企業経営は短期的な受注獲得を重視せざるを得ないが、持続成長のためには、各方面から相談や受注が流れ込む関係性の構築が欠かせない。たとえば「工場見学」の実施有無は最も大きな業績差の要因だった。

受注・顧客創造企業へ、研究所・ラボの展開

下記セミナーに登壇する1社は「訪問営業すれば価格競争になってしまう、来てもらう仕組みが大事」と語る。次に大きな業績差は「研究所・ラボ」の有無だった。下記セミナーに登壇する2社がノウハウを持つ。ほとんどの印刷会社は営業企画機能や研究開発機能がないので参考になる。一見して非財務の様々な活動が、実は背景的に長期の財務を形づくる。

訪問から発信へ、営業からマーケティングへ、線から面へ

堅調な企業の分析から、営業の潮流は、訪問から発信へ、営業からマーケティングへ、線から面へのシフトが確認される。デジタルチャネルの開設も重要だが、デジタル施策はアナログ施策と両輪になって初めて機能する。単体ベースで比べるなら、デジタル施策よりはインサイドセールスや研究所・ラボ運営のような人的施策の方が優位で、さらには工場見学や地域活性化のような背景的施策の方がもっと有意なことも明らかになった。

ニューノーマル時代の営業を議論する

これら変化の一要因は、印刷業が基本的にBtoB業態であることによる。コモディティ化した製品を除けば、産業材の取引は基本的に長期固定的であり、新規開拓は容易ではない。たとえば最後の刈り取りは営業の属人的スキルに頼るところが大きいが、持続的な成長性は先述のフィールドにどれだけ有形無形の投資をしたかによる。研究会とpageカンファレンスは、こうした印刷業ならではの特性と調査結果を踏まえた営業とBtoBマーケティングによる造注、創注に焦点を当てる。
(研究調査部 藤井建人)

■関連セミナー、関連レポート

2022年1月26日(水) 15:00~17:00
広告とメディアの動向と展望 2021-2022

2022年2月8日(火) 10:30~12:00
インサイドセールスの機能と役割
マーケティング部長2人が語るニューノーマルの営業

2022年2月9日(水) 13:30~15:00
webと地域活性化による事業創造
自社拠点を生かして事業を継続的に生む仕組み

2022年1月31日(月)~2月10日(木)
page2022オンラインカンファレンス・セミナー 計12本
基調講演・プレセミナー 2本
カンファレンス・セミナー 10本

関連レポート
2021年11月24日 マーケティングの潮流、BtoCとBtoBの視点から