マーケティングの潮流、BtoCとBtoBの視点から

掲載日:2021年11月24日

対面営業のような人的接触の存在感はまだ大きいが、ニューノーマルに向けた顧客創造のマーケティング戦略が大きく変わると思われる。

 

BtoBマーケティングの必要性

BtoBビジネスではマーケティングは不要と考えられてきた。それは、業種、顧客、製品ごとに市場が大きく異なり、その特性を理解することに明け暮れてしまいがちだからである。BtoBはBtoCと異なって選好的、感情的に選ばれることが少なく、AIDMAのようなファネル型モデルを適用しにくい。顧客は法人だから、購入の関与者が多く、意思決定は分岐が多く行ったり来たりの経過をたどる。だからマーケティングが不要なのではなく、だからこそ必要なのである。ちなみにBtoBマーケティングを考える際はBtoCモデルを基礎に考える形で良いと思うが、違いが相当にあるのでその点はまたの機会に触れたい。

BtoCとBtoB

長期継続的な取引が中心となるBtoBビジネスでは、信頼とブランド、サービスが大切になる。多少の安さよりは供給や品質の安定性、面倒見の良さが重視される。スイッチングコストを高めておくことが肝要だ。取引の長期化によって製品がコモディティ化すれば価格は必然的に落ちていく。製品周辺のサービスも合わせて包括的に提供するサービスマーケティングの流れになることは多くの業種の事例が物語る。卑近な例でいえば、コピー機を販売して所有権を移転するのでなく、コピーの機能のみを売って所有権は移転せず、メンテナンスは売り手が責任を持つモデルである。

サービスマーケティング化

ところで経営でいう場合のサービスはもちろん無償奉仕を意味しない。そして顧客のバリューチェーンの一部を肩代わりするようなサービスを想定するようにしたい。「印刷産業経営動向調査2021」が初めて調べた需要調査(製品26種・生産方式8種・付帯サービス10種)を読むと、とりわけ印刷製品とサービスの相性は良いことが理解できる。BPO(Business Process Outsourcing)と言っても良いが、本業の印刷周辺に何か手伝えることはないかと、顧客を研究して自社の強みとの整合を検討することの有効性が高い。顧客業務へのカスタマイズが一つの価値になる。

イノベーションと組合せて

前述のコピー機の例でいえば、これは販売方法のイノベーションを伴った。ドラッカーはマーケティングとイノベーションこそが企業の2大機能と述べた。コロナ禍でも堅調な中小企業を見ると何気ない小さなイノベーションによる事業を複数持っていることに気づく。顧客の声をあまり聞き過ぎても、ありふれたサービスになって市場をさらに飽和させてしまうという、BtoBの難しさはこのバランスにある。まずは小さくても顧客の潜在需要を探り当ててサービス設計する視点が望ましい。11/14放映NHKスペシャルでのホンダのスタンスは、変化が速いのでもはや変化対応型では後手を踏むというものだ。自ら変化を起こす側からの提案が価値を持つ時代になった。
(研究調査部 藤井建人)

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