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印刷白書2025

印刷白書2025

印刷産業の現在とこれからを知るために必携の白書『印刷白書2025』
第1章 Keynote Re : Connect
第2章 印刷産業の動向
第3章 印刷トレンド
第4章 関連産業の動向
第5章 印刷産業の経営課題

 

発行日:2025年10月31日
ページ数:112ページ
判型:A4判オールカラー
発行:公益社団法人日本印刷技術協会
定価:15,400円(14,000円+税)
JAGAT会員特別定価:9,900円(9,000円+税)

解説

印刷産業のこれからを知るために必携の白書『印刷白書2025』

あらゆる産業を顧客とする印刷産業は、さまざまな産業と密接に関わりを持っています。「印刷白書」では、印刷産業の現状分析から印刷ビジネスの今後まで幅広く取り上げています。

印刷・同関連業界だけでなく広く産業界全体に役立つ年鑑とするために、社会、技術、産業全体、周辺産業というさまざまな観点から、ビジョンを描き込み、今後の印刷メディア産業の方向性を探りました。

印刷業界で唯一の白書として1993年以来毎年発行してきましたが、2025年版では組織変革などの項目を追加しました。

印刷関連ならびに情報・メディア産業の経営者、経営企画・戦略、新規事業、営業・マーケティングの方、調査、研究に携わる方、産業・企業支援に携わる方、大学図書館・研究室・公共図書館などの蔵書として、幅広い用途にご利用いただけます。

「第1章 Keynote」では印刷会社の「Re : Connect」をテーマに、商業印刷の価値を再定義しています。「第2章 印刷産業の動向」では印刷産業の現状と課題を俯瞰的に捉え、「第3章 印刷トレンド」では技術課題を整理しました。「第4章 関連産業の動向」ではクライアント産業の動向を探りました。「第5章 印刷産業の経営課題」ではサステナビリティから人材まで印刷産業が取り組むべき課題を整理しました。
印刷メディア産業に関連するデータを網羅し、UD書体を使った見やすくわかりやすい図版を多数掲載し、他誌には見られないオリジナルの図版も充実させました。

CONTENTS

第1章 Keynote Re : Connect
商業印刷の価値は再定義できるか 未来に向けて「Re : Connect」するために

第2章 印刷産業の動向
[産業構造]印刷がつなぐ社会~広がり続ける印刷の可能性
[産業連関表]多様な産業の需要に応える印刷製品と関連サービス
[市場動向]自律成長に向けた拡印刷による多角化 課題解決型とサービス型へのシフト
[上場企業]サステナビリティとDXで未来を切り拓く上場印刷企業
*関連資料 産業構造/産業分類・商品分類/規模(1)/規模(2)/規模(3)/産出事業所数(上位品目)/産出事業所数・出荷額/調達先と販売先/産業全体への影響力と感応度/最終需要と生産誘発/印刷物の輸出入額と差引額/印刷製品別輸出入額/印刷物の地域別輸出入額/印刷物の輸出入相手国/経営動向/上場企業/生産金額(製品別)/生産金額(印刷方式別)/売上高前期比・景況DI/設備投資・研究開発/生産能力/紙・プラスチック/印刷インキ/M&A

第3章 印刷トレンド
[デザイン]デザインの力で印刷の価値を高める
[ワークフロー]印刷業界の新たなエコシステム構築に向けて
[デジタル印刷]加速するデジタル印刷シフトと未来展望
[後加工]製本業界の課題と技術革新 構造改革で目指す持続的成長
*関連資料 設備投資の動向/フォーム印刷業界

第4章 関連産業の動向
[出版業界]大手出版も取次もデジタル印刷に本腰 返品率改善の切り札として期待のDSR
[新聞業界]デジタル時代に進化する新聞~信頼を強みに新たな役割へ
[広告業界]広告費は過去最高の7.7兆円、インターネット広告は3.7兆円に
[地域メディア]地域メディアを起点にした課題解決と価値創出
[通信販売業界]通販・EC市場売上高初の14兆円台に突入 伸び率もやや前年上回る
*関連資料 出版市場/新聞市場/広告市場/通販市場 

第5章 印刷産業の経営課題
[サステナビリティ]サプライチェーンで求められる環境対応
[地域活性化]高まる民間企業の地域活性化参画への期待 共助領域の課題解決をビジネスの手法で
[経営管理]活学で部下と「コミュニケーション上手」になるには?
[デジタルマーケティング]SNSは「対話」と「体験」を重視するマーケティングツールへ
[AI活用]2030年に向けた印刷業界のAI活用戦略
[組織変革]拡印刷を成功させる組織変革の進め方 変革理論を指針としたプロセスづくりの要諦
[労務管理]変化する中小企業施策と経営力による成長戦略の道
[人材]印刷産業の持続可能性を人材から考える 中核人材育成の論点
*関連資料 AI活用/人材

●巻末資料
DTP・デジタル年表/年表

 

グラフィックデザインの最先端を知る展覧会

日本グラフィックデザイン協会(JAGDA)の年鑑掲載作品の中から「第27回亀倉雄策賞」および「JAGDA新人賞 2025」の各受賞者の作品を紹介する。

JAGDA発行の『Graphic Design in Japan 2025』掲載作品の中から、最高賞である「第27回亀倉雄策賞」および若手デザイナーを対象とした「JAGDA新人賞 2025」の各受賞者の作品を紹介する展覧会「2025 JAGDA 亀倉雄策賞・新人賞展」がギンザ・グラフィック・ギャラリーで8月27日まで開催された。本稿では、各受賞者による展示作品の概要を紹介する。

JAGDAはグラフィックデザインの振興と文化や産業の発展を目的とした公益社団法人で、出版・展覧会・セミナーなどを通じた情報発信、学生向けの公募展などを通じた人材育成、デザイナーの活動支援や権利保護などに取り組んでいる。現在の会員数は、個人で入会する正会員および企業・団体として入会する賛助会員合わせて約3000人である。
1981(昭和56)年より発行を続けている年鑑『Graphic Design in Japan』は、正会員を対象として過去1年間に手掛けた仕事・作品を募集し、正会員の互選で選ばれた選考委員によって選出された入選作品を収録したものである。最新の2025年版では出品作品約1800点から、29名の選考委員によって約560点の入選作品が選出された。

本展はその中から「第27回亀倉雄策賞」「JAGDA新人賞 2025」に選ばれたデザイナーの作品を紹介するものである。

亀倉雄策賞はJAGDA初代会長を務めた故・亀倉雄策氏の名前を冠した賞で、応募作品の中から、年齢やキャリアを問わず、最も輝いている作品とその制作者に贈られる。今回は林規章氏による教育機関の学生募集ポスター「女子美術大学大学院/3年次編入/短大専攻科 学生募集」が選出された。

JAGDA新人賞は年鑑出品者の中から39歳以下の有望なグラフィックデザイナーに贈られる賞で、今回は対象者127名の中から城﨑哲郎、サリーン・チェン、松田洋和の3氏が選出された。

以下では、受賞者および展示作品の一部を紹介する。

第27回亀倉雄策賞

(受賞者:林規章

▲亀倉雄策賞を受賞した林規章氏の作品の展示

林氏は音楽番組・美術展の告知物やブックデザインなどのクライアントワークを手掛けながら、女子美術大学・大学院教授として後進の育成に当たっている。また、同校の学生募集に関わる告知物や女子美アートミュージアムの展覧会カタログなどの制作にも携わってきた。受賞作は、20年にわたり制作してきた学生募集ポスターの2025年度版である。そのデザインは、造形研究に向き合う学生の姿をJOSHIBIの「J」の形を複数組み合わせて表現したもので、審査会では「一貫して独自の幾何学的なスタイルを続けながら、その中で表現を研ぎ澄ませてきた」「女子美術大学のイメージと自身の造形とを、見事に結びつけた」などの点が評価された。

▲第27回亀倉雄策賞受賞作「女子美術大学大学院/3年次編入/短大専攻科 学生募集」ポスター(林規章)

会場では受賞作のポスター2点を壁面に展示。また新作として、受賞作品のデザインに用いられたパーツを再構成したポスター作品と、女子美術大学の工房で、教え子でもある助教や助手の先生方と共に制作したシルクスクリーン印刷による作品を展示。その他、学生募集ポスターの構想を練るために長年書きためてきたスケッチの一部を紹介するコーナーもあった。スケッチは小型の方眼紙に、直線と曲線を組み合わせたさまざまな形態で描かれたものだ。

▲受賞作を再構成した新作のポスターの一部(林規章)
▲シルクスクリーン印刷による新作の一部(林規章)
▲学生募集のポスターのスケッチ(林規章)

JAGDA新人賞 2025

(受賞者:城﨑哲郎サリーン・チェン松田洋和
会場は3名それぞれの展示コーナーに分けられ、年鑑収録作品および近作が展示された。

▲写真2 城﨑哲郎氏、サリーン・チェン氏、松田洋和氏の作品の展示

城﨑氏は広告・パッケージ・ウェブ・ブランディングなど幅広い分野のデザインに携わり、東京を拠点としつつ出身の九州をはじめ各地方にも活動の場を広げている。多くの作品でイラストレーションを自ら手掛けており、繊細で緻密な表現が特徴である。会場では日本料理店「やまめ山荘」のポスター・カタログ・各種グッズ、ジュエリーブランド「JEWELRY & HOLIC」のために、3Dペンを用いて制作した立体ドローイングなどを展示した。

▲日本料理店「やまめ山荘」のグッズ 左:オリジナルコーヒーの箱、右上:包装紙、右下:コースター(城﨑哲郎)
▲ジュエリーブランド「JEWELRY & HOLIC」のための3Dペンによる立体ドローイング(城﨑哲郎)

チェン氏はデザイン事務所「キギと創造」に所属し、同社が運営するギャラリー&オリジナルショップ「OUR FAVOURITE SHOP(以下、OFS)」のイベント告知物のデザインなどに携わりながら、個人としてZINの制作なども行っている。手書き文字やイラストを生かした柔らかで心地よいイメージの表現が特徴である。会場では、OFSの企画展「Crystalline」や展示販売会「UNIQUE PRODUCTS」のポスター・DM・グッズなどを展示した。

▲OFSの企画展「Crystalline」のポスター(サリーン・チェン)
▲OFSの展示販売会「UNIQUE PRODUCTS」のお買い物バッグ(左)とアクリルキーホルダー(右)(サリーン・チェン)

松田氏は書籍、音楽メディア、テレビ番組のビジュアルなどのデザインを中心に活動しており、タイポグラフィーを生かした表現が特徴である。また、イラストレーターの田渕正敏氏と共にアート・デザイン・印刷・造本の活動「へきち」を展開している。会場では、過去に携わったブックデザインを記録した書籍『松田洋和のブックデザイン』、CD・LPレコードのジャケットなどを展示。そして、会場の一角にモニターを設置し、自らの製本作業を記録した動画と、これまで制作してきたモーションロゴの一部を上映した。

▲『松田洋和のブックデザイン』(松田洋和)
▲映像作品より 上:展示施設 「調布スペース」のモーションロゴ 下:製本作業の動画(松田洋和)

グラフィックデザイン界を牽引する林氏と今後の活躍が期待される城﨑・チェン・松田の3氏。世代は違えども、さまざまな技法を用いて新しい表現を探究し続ける姿勢は共通しているといえる。

なお、両賞を含む入選作品全てを収録した『Graphic Design in Japan 2025』が発売されており、全国の書店やネットストアで購入することができる。

(JAGAT 石島 暁子)

2025 JAGDA 亀倉雄策賞・新人賞展

会期:7月15日(火)~08月27日(水)
ギンザ・グラフィック・ギャラリー ウェブサイト 

会員誌『JAGAT info』 2025年8月号より抜粋改稿

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