【クロスメディアキーワード】ソーシャルネットワーキングサービス

掲載日:2016年9月28日
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SNS(Social Networking Service)は、インターネット上のコミュニケーションツールとして普及し、非常に多くの会員(利用者)を有している。情報の伝達力は、マスメディアに匹敵するほどのメディアとなり、媒体価値を高く評価されるようになり、さまざまな事業を考える上で欠かせないツールとなった。

SNS の歴史

利用者を限定したコミュニティー型情報サービスは、1980 年代のニューメディアといった言葉が使われていた頃から存在していたが、IT(InformationTechnology)の発展により、パソコン通信からインターネット上へと移行した。日本では、ケータイの普及に伴い、ケータイSNS も発展した。
パソコン通信により利用されていた掲示板(BBS:Bulletin Board System)のようなオープンサービスでは、情報発信者の意図とは別に非難や批判が殺到する「炎上」につながる事象もあり、継続的に発展するコミュニケーションの妨げとなることも多かった。その後、情報発信者が、他者によるレスポンス情報の公開をコントロールできる「ブログアプリケーション」のような機能を実現することで、コンテンツの質もコントロールできるようになった。当初のブログは、専門知識を有する人物の情報発信を中心に、アメリカで使用されていた。しかしながら日本では、個人的な日記を公開するために使用され始め、関係者同士のコミュニケーションツールとして急速に発達した。
ブログの目的は、インタラクティブコミュニケーションではなかったことから、閲覧者の管理もコントロールできるツールとして、SNS は登場した。

利用方法の変化

このような背景の中、Facebook は実名登録を原則とし、登録者からの招待がない限り、利用することができなかった。Facebook は大学内の利用から始まり、パーティーに参加することで、面識のない人物との出会いや友人の紹介など、個人から集団へ向けた利用に関する機能を拡張することで、若者の間から定着した。
日本のmixiでは、大学のゼミやサークルなどで、交流のために多く利用された。その後、多くのSNSは登録制となり、次第に招待が無い場合でも登録可能なサービスとなった。登録制になってからもSNSの特徴は保たれ、発信した情報に対し誹謗中傷をされにくく、不快感や不安感の少ないコミュニケーションツールとして普及している。匿名でのレスポンス情報発信が可能であった掲示板とは異なり、SNS は安心と信頼ができる要素が向上したコミュニケーションツールであると考えられる。

SNS とマーケティング

Web クローリング技術を活用することで、ソーシャルメディア上で人々が日常的に交わしている情報や行動に関するデータを収集し、調査や分析を行うことで業界動向把握やトレンド予測、組織、ブランド、製品またはサービスなどに関する評価や評判の理解を深め改善に生かす「ソーシャルリスニング」活動も行われており、重要視される傾向がある。また、SNSは同様な嗜好を持つ人々の集団と捉えることが可能であり、マーケティングの観点から、「口コミ」効果を期待したマーケティング戦略ツールとしての利用が盛んになっている。そのため、SNSを利用する人々の相関関係をマーケティングデータとして活用するために、「ソーシャルグラフ」といった概念が生まれた。
「ソーシャルグラフ」へのアプローチは、生活者の嗜好が多様化し、大きなセグメントに対する傾向分析では、需要の発見や対応が難しくなってきた社会環境によるところが大きい。経済が成熟した環境では、消費者行動は多様化する傾向がある。マスメディアによる品質や価格の訴求だけでは購買意欲の刺激が難しくなっている現状も、「ソーシャルグラフ」に寄せられる期待感を後押ししている。
「ソーシャルグラフ」での話題は、消費行動に影響を与える可能性が高い。知人からの「口コミ」情報は、マスメディアからの情報と比較した場合、倍近く信頼するといった発表もあった。小さなセグメントを対象とするマーケティング戦略には、「ソーシャルグラフ」の活用が重要視される傾向があり、緻密な生活者に対するマーケティング施策の重要性は、高まっていくと考えられる。企業によるマーケティング活動では、「多くの生活者から共感を得るようなメッセージやコンテンツ」だけではなく、「少数の嗜好を共にする集団で話題となるメッセージやコンテンツ」といった情報発信の重要性が増している。

SNS のビジネスモデル

一般的に大規模SNS は、広告収入で運用することで、生活者に無料でサービス提供されることが多い。利用目的を特定した、会費制SNSも存在するが、大規模であっても利用者の格付けを行い、SNS上でバーチャルグッズ売買が可能なプレミアム会員を有料とした、収益モデルの確立も行われている。
利用者にとって、安全性の高いSNSでは、ゲームやアプリケーション、写真などの共有について、信頼性を担保しつつ実現できるため、SNS内での課金サービスについても利用者は増えている。

JAGAT CS部
Jagat info 2014年1月号より転載