タックとフロー(016)

掲載日:2014年9月10日

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : インキ・ブランケット

タックとフロー(016)

【概要】
インキの「流動性」の中のタックとフローの違いがよくわかりません。ある本ではそれぞれの値を増減させる為の補助剤を指定しています。例えば粗面の紙へのベタ刷り不良において、「00ニス」によって対処した場合,この時点でフロー値は増しやわらかくなるとのことですが,タック値は低下しないのでしょうか?
また、「タック値の低下=インクはやわらかくなる」とは違うのでしょうか?

 【解決方法】
タックとは、印刷インキの粘り気の事です。これが大きすぎると版の汚れ、紙むけなどを生じ、多色刷りの場合(ウェット印刷)トラッピングにも影響します。
 次にフローとは、流体として均一な膜に広がろうとするインキの性質です。この数値が大きいほど、フローが良いと考えます。(一定量のインキに一定の圧力を加えると,インキは円状に拡がるが,その円の大きさを60秒後に測定した数値の事)
 助剤は次のように使いわけます。
・タックのみ下げるには、コンパウンドを添加
・タックを若干下げ、フローを出すには、00ニスを添加
・タックを下げ、フローを出すには、レジューサーを使う。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)